山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

じゃぱ汁

2013-10-08 17:10:19 | グルメ

 「じゃっぱ汁」というのは、タラの頭や内臓も含めて全部使って煮込んだ汁で、関東へ行けば「アラ汁」ということになるのだろうか?もともと青森県の郷土料理で、秋から冬に取れるタラの身は他の料理に使って、中骨や頭、内臓などを大雑把に煮込んでつくったところから「じゃっぱ汁」となったとある解説には書いてあった。

 私は、かつて青函連絡船がまだあった頃、秋に北海道に渡る船を待つ間に青森駅前で「じゃっぱ」を食べたのがはじまりで、青森市議選の応援に行った時もじゃっぱ汁はごちそうになった。わが洋野町はすぐ隣が青森県で、漁獲高の多い八戸も1時間かからないで行く距離にある。八戸には「八食センター」があって、沢山の魚屋さんが店を並べ、タラの頭なども良く売られている。それで、自然とじゃっぱ汁をつくるようになった。

 いくつか作り方はあるのだが、私の場合はコンブで出汁を取って、ニンジン、ダイコンといった根菜を小さめの乱切りにし出汁で柔らかくなるまで煮る。柔らかくなったら、タラの頭や中骨などを適度の大きさに切って投入しさらに煮込み、火が通ったところでアクをすくって味噌で味をつける、料理酒や塩で調整出来上がり。これを器に盛って、長ネギのみじん切りを乗せたら出来上がり。根菜類を入れないという方法もあるみたいだが、ニンジンやダイコンがタラのうま味をすったのはこれがまた美味しいのである。外は吹雪の日に、あたたかい薪ストーブの側で食すとこたえられない。


『不信のとき』=有吉佐和子著

2013-10-08 07:37:06 | 読書

 有吉佐和子氏作『不信のとき』を読んだ。あまり私の読書傾向ではない本だが、ある日古書店をあさっていると1冊88円の格安コーナーに並んでいたので、ふと手に取ってみて何となく購入しておいた。もともとは昭和42年1月から12月にかけて「日本経済新聞」に連載されたものであり、連載中も異常な反響を呼び、今井正監督で映画化され、菊田一男の脚本で劇化もされたらしいが、そのころのことは私は知らない。読んだ本は新潮文庫の平成18年8月の第3刷のものである。

 物語はある中年の会社員が、バーの女から「あなたの子どもが産みたい」と迫られ、何も代償はいらないからといううまい話しにのせられ、女の子を産ませる。その直後に自分の妻が妊娠し、そこから事件が始まる。この人物の会社に出入りしている印刷会社の社長も、高齢だが若い女に執着し子供を産ませる。やがて、会社員が盲腸炎で入院した時に、妻と女の子を産んだ女が鉢合わせをする。「この作品が新聞に連載されている時、男の読者は、女の執念のすさまじさに怖れおののきながらもスリルを満喫し、女の読者は胸のすく思いをしたという」「社会的視野に立った人道主義的な作品」である。私は幸か不幸か、社用や接待でバーやクラブに出入りする身分になったことはないので、銀座や新宿で起こっていることは経験がないので良くわからないが、欲望渦巻く世界であろうとは想像できる。

 私は「田舎暮らし」が好きで、群馬の渋川市の金井という山際の家から、岩手大学にきて相当期間は盛岡市に住んだが、今は岩手県の北外れの田舎に暮らしている。家は大野の中心街であるが「スナック?」が一軒、居酒屋が一軒、焼き肉を食わせる店が一軒で、一品料理をやっていた店も閉めたきりだ。私でも、盛岡在住の頃はバーなどに行かなかったが、カラオケスナック位は行ったのだが、赤い提灯もない田舎の暮らしもまた良いものだと思っている。夜は早く寝て、朝は夜明け前(夏は夜明けとともに)起きる。そうした生き方も良いんでないだろうか?