青川の里 ~付知川 鮎釣り日誌~
青川(付知川つけちかわ)の里、岐阜県中津川市田瀬地区から鮎釣りや川のこと、地元情報などを。オフにはワカサギ、アマゴ情報も
 



11月25日,恵那漁協主催”鮎の病気についての研修会”が福岡ふれあい文化センターにて開催されました。
講師は岐阜県河川環境研究所の桑田知宣資源増殖部長で、昨年に引き続いての講演でありました。
内容は鮎の冷水病に始まり、今年あちこちの河川で終盤に蔓延したと言われるエドワジエラ・イクタルリというなんとも覚えにくい名前の困った病気についてのお話でした。
冷水病については既に皆さんご存じの方も多いかと思いますが、まずはその復習から。
・冷水病は細菌性の感染症
・鮎が冷水病菌に感染すると、死んだり元気がなくなり淵で群れる鮎が多くなる
・石垢をあまりハマなくなり、追い気がなくなり釣れなくなる
・梅雨時に発症することが多く、増水すると弱った鮎が流され魚影が薄くなる
などの悪影響が出ます。
では冷水病はどこから来るのか?
付知川で放流している県の人工産種苗は100%保菌はしていないとのことでありますが、県外の種苗は3割程度保菌したものがいたという調査結果もありました。
そういう川で釣った鮎を付知川に持ち込んだり、タイツやタビなどからも感染が疑われております。
しかし、これはなかなか釣り人任せでは改善が難しいと思うので、オトリ屋さんなどで消毒液のタライを用意したり、囮缶や引舟の消毒をしたりする必要があるのではと思います。
感染オトリの持ち込みは釣り人のモラルに頼るしか無いのでありますが、この世知辛い経済状況ではオトリ代の千円も節約したいところです。でもそれが結局鮎を釣れなくさせるのであればやめるべきでありましょう。
またオトリ屋さんの鮎も仕入れ先によっては感染源疑惑のあるような所もあるようです。
これは由々しき問題でオトリ屋さんが自分で自分の首を閉めているようなもの、いかに勉強不足・認識不足であるかが問われており、漁協としてももっと厳しく指導すべきではないかと思う次第です。

次に冷水病に対する耐性は海産系の鮎の方が湖産系より高いというお話。
実験感染での生存率が海産系では八割を超えるのに対し、湖産系では二割程度しかなかったということです。
一度冷水病が蔓延すると、湖産系主体の河川では、被害が大きくなるということでしょう。
いくら追いが良くて掛かりが良い鮎でも、絶対数が減ってしまえば何にもならないということであります。

全ての漁協が無感染で病気に強い種苗を放流し、無感染のオトリを販売し、釣り人も消毒を徹底したならば、理論的には冷水病は無くせるという事ですが、未だに毎年被害が発生している漁協が後を絶たないというのが現実です。
人工産単独放流を行っている漁協は、遊漁券収入が放流種苗費を上回っているのに対し、琵琶湖産+人工産放流や琵琶湖産主体の放流を行っている漁協では種苗費の方が上回っているとの調査結果もあります。
つまり、種苗費を回収できていないということですので、他に収入源が無ければ年々じり貧となり、組合運営も支障を来すのではと思われます。
今一度漁協関係者の皆様は真剣に冷水病と向き合って、放流種苗について考えていかねばならないのではないでしょうか。
長くなりそうなので、エドワジエラについてはまた後日報告いたします。

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