中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

今年の節分は

2021-01-31 22:23:00 | 山形弦楽四重奏団
 おとといの夜から今朝にかけて、かなりの大雪になりました。一夜にして、車が、丸々とした雪だるまになってしまうような積もり方です。不精なので、駐車場の雪かきなどはしないので、膝まである長ぐつが無いと、車を出すこともできません。

 …とはいえ、これが本来、毎年当たり前の冬の山形なのです。雪が無かった去年が異常だっただけで、これでも、私が入団した頃に比べると山形市もずいぶん雪が少なくなりました。

 しかし、楽な暮らしにはすぐ慣れてしまうもの。本当は昨日・今日と朝日町でコンサートの予定だったわけですが、県内でも雪深い朝日町です。コンサートの中止は返す返すも残念ではありますが、真冬以外の時期に延期できるなら、それに越したことはないじゃないかとも思ってしまう気持ちもあるのでした。ぜひ、良い季節に再びできますように。

 ということで、一月も終わり。

 次の演奏会はいよいよ、2月3日の、山形Q「第78回定期演奏会」となりました。モーツァルト〜バッハの弦楽三重奏を皮切りに、ペンデレツキのクラリネット四重奏、休憩を挟んでマルティヌーのヴァイオリンとヴィオラの二重奏、そしてコーカイのクラリネット四重奏という、なかなかハードなプログラム。古典的なものから現代的なもの、おしゃれなものから民俗色豊なものと、かなり変化に富んでいるので、きっと喜んでいただけるはずです。

 雪もおさまったことですし、良い演奏会になるよう頑張ります。

 ところで、今年の2月3日は「節分」ではないそうですね。豆まきと恵方巻きは前日に終わらせて、ホールを暖かくしてお待ちしております。いつも通り文翔館議場ホールで18時45分開演です。
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朝日町でも

2021-01-29 20:52:00 | 山形交響楽団
 今週末の山響は、県内の朝日町での「みんなでつくる」参加型コンサート…の予定でした。

 しかし、数日前に数人の感染者が出たために中止。東京など都市圏の人には理解しにくいと思いますが、数人出ただけで「緊急事態」になるような田舎町もあるのです。それぐらい、本来はのどかな街だということです。

 朝日町は、私が入団してすぐから教えに行く縁があって「これが山形の本当の姿かか…!」と感動した秘境(失礼ですかね)として自分の中で、好きでもあるし、大切な街と感じています。

 雪深い気候を活かし、県内ではリンゴの産地として有名で、首都圏のデパートに出荷するようなブランドになっています。私が教えに行っていた所は、リンゴの仲買人さんの家だったので、びっくりするような良いリンゴを、「余ってるから」と無造作に箱ごと頂いて「やっぱり田舎ってすごい」と思ったものです。

 街の温泉は「りんご温泉」として有名で、傷物のリンゴを浴槽に浮かべています。硫黄の匂いと、リンゴの爽やかな香りがマッチして、なかなか良いのです。泉質も良くて、子供が小さい頃に、ずいぶん通いました。風呂上がりの「りんごソフトクリーム」もよく買わされました。

 こんな桃源郷のような奥地にまで、感染症の影響が出ていることに心を痛めます。狭い所ですから、回復しても暮らしにくさもあることでしょう。

 再び、普通にコンサートができるようになる日が来るのを、遠くからではありますが、他人事でなく願っています。
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はたらくおじさん

2021-01-27 21:30:00 | 山形交響楽団
 昔、3チャンネル(関東では)の教育テレビで、「はたらくおじさん」という番組がありました。操り人形の男の子「カンちゃん」と犬の「ペロくん」が気球にのっているオープニングが印象に残ります。

 小学校での社会の時間にも、よく観せられました。いろいろな企業(おもに職人さんですが)を訪れて、社会科見学みたいなことをする番組ですね。

 さて、今日と明日は、新しい「県民ホール」での、社会科見学コンサート。県内の小学生の社会科見学のひとつとして、山形の新県民ホールがコース内にあるのでしょう。

 新しいホールの設備や何かの話を聞いてから、実際にどのように使われているのかを見るということで、山響が40分のコンサートを行う企画です。コンサートに興味が無ければ訪れることのない施設ですが県民みんなのものです。このような形でその良さを知ってもらうのは非常に良いことだと思いまます。

 ということで演奏しましたが、弾きながら、これは「はたらくおじさん」のようなものなのだなと気づきました。

 音楽を鑑賞させるのではなくて、こういう施設で、こんな仕事をしている「おじさんたち」もいるのだと。そんなふうに、音楽家を見る機会は大人でもあまりない。素晴らしい企画です。

 どんな夢を叶えるのでも、それが職業である限り「はたらくおじさん」(おばさんも多数ですよもちろん)の側面を持つ。これは、是非とも知っておいて損はないポイントです。

 工場見学のようにコンサートホールに行き、試食品をもらうごとくに演奏を聴く。…良いじゃないですか。

 ちなみに昔の私は、パン工場を見学して、パンの耳をもらって帰りました。それよりだいぶ良くないですか?…いや、パンも昭和の子供達には大ウケでした。帰りのバスの中でも食べられますしね。

 とにかく、良い機会に立ち合わせてもらえた気がします。明日も頑張ります。
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善知鳥「大吟醸・山田錦」

2021-01-25 22:00:00 | お酒の話(県外)
 これも年末の頂き物。青森の「田酒」の蔵の銘酒「善知鳥」(うとう)の、山田錦を使った最高級酒。田酒もそうですが、プレミアがついて、なかなか手に入らない「レアもの」です。

 頂いてから何気なくネットを確認すると、すごい値段で取引されているのを見て青ざめます。私が日本酒マニアだと知って、良い物をくださる方が最近多くて、本当に恐縮しております。

 さて、青森と言えばやはり「田酒」でしょう。山形の「十四代」に並ぶ「ブランド酒」ですが、十四代と違って、地元だとわりと普通に置いてあって、飲むことができます。

 昔、青森に演奏旅行に行って、例によって夜の街に繰り出し、その居酒屋の田酒を全て飲み尽くすという暴挙に及んだことがありました。

…これもうひとつ下さ〜い。
「すみません、もう全部終わりなんです」
…ええ〜っ、ホントに?じゃあどうしようかなぁぁ(泥酔のため発音に締まりがない)。
「あの、これならあるんですけど」
…なんすかそれ。
「善知鳥っていうんですけど、田酒と同じメーカーさんので、地元では評判いいんですよ」
…ふ〜ん、じゃあそれでっ(もはや人格が残り僅か)。

 そんな感じで飲んだ「善知鳥」でしたが、スッと冴えるような旨さで、わずかに我にかえった感じがしました。

 そんなお恥ずかしい思い出はさておき、今回、あらためて飲んでみると…やはり、田酒よりも冴えた透明感があります。

 火照った身体に、サッと雪混じりの冷風を浴びたような、キリッとした涼しさ。しかもこの冷風は、都会の乾いた寒さではなくて、雪国のしっとりとした、きれいな水気をたっぷり含んだ風。まさに、冬の青森の空気です。

 しばらく行ってませんが、青森は、東北で一番好きな他県です。空気も景色も、きれいな冷水でしめたような感じがいい。…かなり寒いですけどね。

 あらためて、東北の美しい冬を堪能しました。
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凍結注意

2021-01-24 22:50:00 | 山形
 寒い日が続いています。しかし、とくに一昨日はひどかった。大雪ではないものの、気温が低すぎて、そこら中が氷。最悪なのは、明け方に雨が降ってそこから冷えて凍結。

 ずいぶん昔ですが「ホームアローン」という映画がありましたね。子供が一人で泥棒を撃退する話です。機転を利かせていろいろな罠を仕掛けるわけですがその中に、階段に水を撒いておいて凍らせて、泥棒たちが滑って上れないシーンがありました。東京で観た頃には「あんなにうまいこと凍るもんかね」と思いましたが、雪国で暮らしてみてわかりました。あれは最凶のトラップです。雪や霜ではなくて、水を撒いてから凍らせると、白くならないので、そこに氷があることがわからない。石やアスファルトが透けて見えるので、濡れているだけだと思ってしまうのです。…これは恐ろしい。


 何をここまで力説しているのかと言えば…すっころびました。

 早朝、マンションのゴミ置き場の前で鉄扉を開けようとした瞬間に、ゴミ袋を持ったまま世界が反転し、右腕に激痛。

 雪が積もってないので、まったく警戒心がありませんでした。

 打撲と擦り傷ぐらいで済んでよかったというべきか。

 少し前に、山響でも、転倒して腕を骨折したメンバーがいます。

 …もっと気をつければ良かったのに

 とは言えません。滑るときは滑るし、避けらるものではないのです。

 はやく、無事に春を迎えたいものです。
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おあずけ

2021-01-22 22:30:00 | 山形交響楽団
 明日は、山響の「鶴岡音楽祭」。冬の恒例行事です。

 この時期に雪の月山を越えて庄内に行くのはなかなかのスリルなのですが、それを補ってあまりあるのが、冬の味覚「寒鱈汁」です。毎年のように書いてますが、鱈の白子が入った熱々の鍋に、よく冷えた新酒を合わせると…おっと、かなり長い間、キーボードを叩く手が止まっていました。

 しかし…鶴岡といえば合唱の盛んな地域。地元の上手い合唱団との共演がメイン。

 残念ながら、今年は共演が無しです。ということで、前日に鶴岡に入る必要もなく、宿泊も無しということに。

 何から何まで残念。それでも、首都圏の厳しい自粛を思えば、仕方のないことか。私たちだけ飲み歩くわけにもいかないでしょう。

 貴重な庄内宿泊の機会が無くなるとは…。ですが仕方がない。演奏会ができるだけでも、ありがたく思いましょう。

 道中に気をつけて、良い演奏会になるよう頑張ります。
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癒しのひととき

2021-01-20 22:20:00 | 危機管理
 東京に出た息子は、事実上、音信不通になり、娘はバレエで忙しい。

 夫婦での静かな夕食が多くなりました。

 そんな時にはテレビですね。とにかくサスペンスが好きな奥さんと観るのに一番のお気に入りはやはり「相棒」です。

 ご存知、水谷豊と若手で事件を解決する「刑事もの」ですが、長寿番組だけあって、安定感がある。

 昔よりもストーリーが平板であるとか、あそこは無理があるとか、観終わった後に、いろいろと言おうとすれば言えることはたくさんあるわけですが、やはりその「安定感」はさすがです。

 また、週イチでは足りないので、山形である昼の再放送も併せて観ています。…それほど好きなのです。

 私は、それほどのサスペンス•フリークでもないので、酒のつまみに観ていますが、フリークとはグッとくるポイントがやはり違う。

 再放送の方が良いですね。

 ストーリー?…いえ、そうではなくて、事件が解決した後に訪れる「花の里」のことです。

 おかみの鈴木杏樹が素晴らしい。あれがあるからこそ、右京さんは頑張れるのです。かつての「はぐれ刑事」でも、藤田まこと以上に、真野あずさが観たい。いや、藤田まことと一緒に、真野あずさに癒されたいわけです。

 仕事が一段落して、それを「お疲れ様でした」みたいに言いながら、「どうぞ〜」お銚子をさしのべてくれる。

 …たまらんねっ。(失礼)

 しかし今は、「花の里」も夜8時で終わりだから、右京さんもさぞお困りでしょうね。居酒屋のシーンもあまり無いような。

 残念です。そういう意味でも、早く世界が元通りになりますように、右京さんと共に祈っています。
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千秋楽

2021-01-19 22:50:00 | 山形交響楽団
 またまた日本海側が大雪ですが、山形市はそれほどでもなく済んでいます。やはり盆地は、山に守られている感じがしますね。…夏の暑さにはまいりますが。

 さて今週の山響はまず、明日のスクールコンサート。高校ですが、県内では今年度の最後になります。

 本来は春にあるはずだったものが、延期になって今の開催。

 思えば今年度は、数々の公演が延期になっているわけですが、こうして年度内に延期公演が実施できていることは少ない。

 主催者側の努力に感謝します。

 考えてみると、「落ちついたらそのうちにね」と延期するのは簡単ですが、それをあらためて実現するのはなかなか難しい。

…こんなことなら、あの時に、ちょっと無理しても決行しておくべきだった。

 と思うことがいくつもあります。結果的には今、去年の自粛期間よりも状況はだいぶ悪いわけですし。

 いつまでも続くことが予想されるこれからの時代は、「しないでおく」ということよりも、「実現するためにどうするか」ということに心血を注ぐべきなのだろうと思います。たとえば忘新年会だって本当にやった方が良いものであれば、かなりの苦労をしてでも、みんなが納得のいく対策を講じた上でやれば良いのです。それを「そこまでして」と思ってしまうようなら、そもそも要らないわけです。政治家の会食もそうです。

 そんな中で、後回しにされがちな音楽鑑賞の場を、苦労して実現した高校の関係者の方々に感謝しつつ、良い演奏会になるように頑張ります。
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香田「純米吟醸原酒」

2021-01-18 22:59:00 | お酒の話(県外)
 忘年会や新年会が全くなかったこの年末年始。この重さは計り知れない。

…いや、今朝、思い知りました。

 今日は今年初めての「ビンカンごみ」の日。よくもこれだけ…と思うほどずっしりと溜まった一升瓶を、大量にこっそりと出させていただきました。その辺の飲み屋だったら捨てずに飾っておくほどの逸品の数々なのですが。

 それもこれも、気を遣って銘酒を送ってくださる方々のおかげでございます。

 ということで今週も、またまた頂き物。京都の「香田」という酒です。

 正直いうと、今まで京都の酒では「これは」という物に当たったことがない。なので、去年、演奏旅行で京都に行った時にも、もう日本酒は飲みませんでした。…自分には水が合わないのかなと。酸度が高いのか、やや「すえた」味で、お神酒っぽいイメージのものが多いのです。

 しかし、日本酒通の方からの贈り物。心していただきます。

 京都の宮津市は由良の酒蔵。「由良の門を渡る舟人かぢをたえ…」などと風情を感じながら開栓。

…おお。覚悟していた酸味が来ない。それどころか、山田錦のふっくらとした甘みが何とも心地よい。

 これで精米歩合60%とは思えないほどの雑味のなさ。この前の神戸の酒でも感じたことですが、やはり山田錦の本場の酒は、その「旨味」を引き出すのが本当に上手いんですね。この、たっぷりとした円みは、他の地方の蔵ではなかなか出せない。磨きすぎてないぶん、味に奥ゆきが出る。

 宮津ですから、京都とは言っても、日本海側。山形の酒でもそうですが、内陸よりも引き締まった透明感がありますね。

 まだまだ寒い折ですが、新春の京都を堪能しました(…こうしてまた、酒瓶が増えるのです)。
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ベト7の魅力をあらためて

2021-01-15 22:00:00 | 山形交響楽団
 山形では年末にドラマ「のだめカンタービレ」が再放送されました。…本当に懐かしい。家の息子も娘も、みんなで観ていましたので。

 真剣に音楽に取りくむ音大の若者たちの青春ドラマですが、それにとどまらない面白さがありましたね。音楽の世界を知っている者にも「あるある」と思えるし、知らない人でも普通に楽しめる…ここまでよくできたドラマはなかなか無いと思います。原作も読みましたが、竹中直人のシュトレーゼマン最高ですね。

 そして、テーマ曲がベートーヴェン「第7番」なのが素晴らしい。おかげで当時は「運命」以上に頻繁に演奏しました。あのイキイキとした音楽が、夢に溢れた若者たちのドラマにピッタリなのです。世界を代表する古典、ベートーヴェンの曲の持つ魅力を、今さら日本の現代ドラマがさらに引き出すということがありうるのだと、感動したものです。

 そして、この曲のフレッシュなイキイキ感…これを、四十過ぎて、すでに耳も聞こえずに作曲したベートーヴェンの凄さ。

 さて、明日と明後日の山響定期はその「第7番」がメインです。弾き慣れた、というより「弾かされ疲れた」感もある曲ですから、あらためてじっくり取り組むのには、指揮者の力量が大切になります。

 常任の阪氏のもと、3日間に渡ってみっちりとリハーサルを重ねましたが、この曲の魅力が尽きないことに驚きます。

 良い演奏会になると思います。ライヴ配信もありますので、ぜひ多くの方に見ていただきたい。明日19時開演です。
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通常営業の有り難さ

2021-01-13 22:00:00 | 山形交響楽団
 今週の山響は、土曜日曜の定期演奏会。指揮は常任の阪哲朗氏。ベートーヴェンシリーズの一環として「第7番」をメインに、前半は趣向を凝らして芥川の「交響三章」、そしてソリストに辻彩奈さんを迎えてプロコフィエフの「協奏曲第2番」。

 土曜日は午後7時から開演で、ライヴ配信も予定していますので是非!

 さて、こうして忙しくスケジュールをこなしている「通常営業」が、世界的に希少なことになってきています。

 ヨーロッパはコンサートどころでないのはもちろん、日本でも緊急事態も拡大している中で、夜の公演が全て中止になっているオーケストラも多いと聞きます。夜8時まででは、平日のコンサートは難しい。

 …いったいこの先、どうなってしまうのか?

 心配だけしていても仕方ありません。できる時に、できることを、できる限りやるだけでしょう。

 「有難い」という言葉の意味を噛み締めつつ、良い演奏会になるよう頑張ります。
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年頭の神事

2021-01-11 23:30:00 | 山形交響楽団
 山響の酒田定期が無事に終了。たくさんのお客様、ありがとうございました。こうして、ほぼ普通にコンサートができていることは今珍しいことで、本当に感謝します。

 さて、この冬初めて、雪の月山を越えましたが相変わらず命懸けですね。今日は少し落ち着いているようでしたが、今年の庄内地方は、これまでにないほどの大雪だそうで、月山道もなかなかの積雪。前が全く見えなくなる「ホワイトアウト」はありませんでしたが、もさもさと深く新雪が積もってハンドルが取られる所もあり、最近の「立ち往生」のニュースが頭をよぎる場面もありました。

 思えばここ数年は、山響の新年最初のコンサートが、庄内で始まることが多い。苦労して山を越えたからには、冬の名物の「寒鱈」でゆっくり飲めればもちろんいいのですが、そんなスケジュールが許されることもなく、とにかく雪山を往復するという「荒業」で一年がスタートするという、まるで神事のような行事となっています。

 出羽三山の神々に、その心意気が伝わっていることを願います。

 それはともかく、今年も、山を越えて谷を越えて、酒田に行った甲斐がありました。たくさんのお客様が、面倒な感染対策に協力させられながらも、本当に喜んでくれているのが伝わって来るのです。

 酒田のお客さんは本当に温かい…今年もよろしくお願いします。

 さらに今月は、まだ鶴岡公演もあります。道中の安全を、また出羽三山の神々にお祈りします。
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鶴齢「大吟醸・牧之」

2021-01-10 21:40:00 | お酒の話(県外)
 さ〜て、新年2本目の酒は☆

(…もちろん今年飲んだのはこれが2本目というわけではありませんが、「酒ばかり飲んで…」と、一部にたいへんな顰蹙をかっているので、記事にあげるのは週に一本と決めております。)

 そんな情けない事情はさておき、新潟の超銘酒「鶴齢」の最高級グレードの「牧之」…「ぼくし」と読みます。「まきゆき」ではありません。

 日本屈指の「米どころ」、魚沼は塩沢の酒です。

…こう文字に起こしただけで、たまらなく行きたくなる。昔から山響には毎年、新潟ツアーがあって、それは暑くて辛い夏の音楽教室の中での「ごほうび」的なイベントでした。思い出をあげればきりがない。大好きな隣県です。

 しかし昨今の不況と少子化に、コロナの影響がとどめとなって、ついに、なくなってしまいました。残念なこと極まりない。

…ガックリと肩を落としている私に、「わかっている」方が「お歳暮」として下さった逸品がこれ。

 そうです。肉体の移動が叶わぬなら、せめて、魂だけでも魚沼にGoTo!(…そもそも酒が目当てなのですから、大袈裟なことを言う前に取り寄せればよろしい)。

 ということで開栓。

…なんとも美しい味です。もちろん淡麗系なのですが、この「汚れのない」美しさはなんと表現すればいいのか。

 真冬の朝起きて、仕方なく雪の中に出てゆく。寒いし眠い。しかしそれでも、静かな雪の早朝に、まだ誰も踏んでいない新雪の中を「さくっさくっ」と音を立てて進んでゆくのは、どうにも気持ちが良い。今日という、真新しい時間に踏み出してゆくような新鮮さ。

…そんな感じでしょうか。

 未来を考えれば、不安だったり気が重いこともありますが、でも新年。この先は、誰の足跡もない「真新しい」時間です。さあ、踏み出して行きましょう。

 そんな気持ちを堪能しました。
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不安の中の仕事始め

2021-01-09 21:50:00 | 山形交響楽団
 今日は山響の「仕事始め」。明後日の、酒田定期に向けてのリハーサルです。

 プログラムは、ニューイヤー的に「青きドナウ」、祝祭的にリムスキーの「スペイン奇想曲」、ボロディン「だったん人の踊り」、そしてコンサートマスターの高橋氏によるチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」など。まるで「お節料理」のような、さまざまな魅力を詰め込んだ名曲プログラムです。

 いま、コンサートをやれるということだけでも、貴重でありがたいことです。これは、地方の強みとも言えます。酒田は100km以上離れていますが、ほぼ山形県民で構成されるオーケストラが、県内で、県民のためにコンサートをするわけですから、そういう意味では普通の企業よりも移動が少ない。

 ぜひ、多くの方に楽しんでいただきたいと思います。

 いつも、県内だと日帰りで「夜の街」に出られないことを残念がっておりますが、逆にこのあたりも「クリーンな人たち」というイメージで受け取っていただきたい。

 この先、世の中がどうなるかわからないだけに、今できるコンサートもさらに貴重なものになりかねない。この機会に、ぜひ、多くの庄内の皆さんにお楽しみいただければと思います。

 今年、最初のコンサート。良い演奏会になるよう頑張ります。
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始動とリズム

2021-01-07 22:30:00 | 山形弦楽四重奏団
 毎年、年明けの最初に楽器を持って出かけて弾くのは、山形Qのリハーサルと決まっています。

 しばらく誰も使っていなかった感がありありの、コミュニティセンターのキンキンに冷えた部屋こそが、私たちにとって松飾り以上に、すがすがしい新春を感じさせる。

…もはや病気ですね。

 ということで、今年も元気に、病気はじめ。

 2月3日の定期演奏会のために、冬休みを切り上げて臨みます。そんな健気な私たちを応援するかのように、窓の外も、青空が雪景色を照らして輝いています。

 しかし…三重奏を終えてVic茂木氏が帰った後に、天気がどんどん悪くなる。窓を叩きつける猛吹雪。これもまた、山形Qの新年ににお似合いかなと思ったところで、バツンと停電。

 雪国の悪天候は、暗いとか寒いとか濡れるとか、なんだかちょっと寂しいとか、人間のわがままな評価の範囲を軽々と超えて、普通に災害につながります。

 今年も、雪国の自然は荒々しく元気だということを祝福して、急いで帰りました。

 …ああ寒かった。

 まだ吹雪が続くようですが、ここは雪国。自然のリズムが健全なのは良いことです。緊急事態などに比べると、冬が寒いのは当たり前で、むしろ気持ちがいい。

 人間の世界も健全なリズムを取り戻すことができれば、と思いますね。
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