中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

夏へ帰る

2014-06-29 16:47:46 | 旅の空
 金曜日に大阪の「いずみホール」、土曜日に東京の「オペラシティ」にて、今年の山響「さくらんぼコンサート」が無事に終了しました。特に東京では、今回もたくさんのお客様に来て頂き、私たちもホッとしているところです。ありがとうございました。


 「東京は暑かった…涼しい山形に帰ろう」と思って山形に戻ると、こちらにもすでに本格的な夏が来ていで、期待していたほど涼しくない、というのが毎年のパターンです。

 学校公演の厳しい暑さも、これからが山場。旅行の疲れを残さずに頑張りたいと思います。
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六甲の麓で

2014-06-27 12:53:08 | 旅の空
 関西での一泊目は、転勤で神戸に住んでいる、大学時代からの友人の家。


 そこで昨日の朝はリハーサルの前に、自転車を借りて、教えてもらった近くの温泉へ。

 六甲山から吹きおろす、この時期のあまり涼しくない風を浴びながら、国道2号線を住吉から御影の方まで自転車をこぐこと20分超。住宅街の中にある、まさに地元の銭湯が「乙女塚温泉」です。

 「入浴セット」という切符を買うと、番台のおかみさんに、タオルやら石鹸のセットを渡される。そして「テルマエ・ロマエ」に出てきたような、日本の銭湯らしい懐かしさを漂わせる脱衣所へ。

 浴場はそこから階段を上って中2階と2階に分かれています。狭いスペースをフルに活かした設計で、普通の浴槽以外に、泡・電気・露天・・・盛りだくさんに詰め込むところが関西風か。しかし、泉質は本格的な天然温泉で、ぬるっとした美肌系の湯です。


 塩素の臭いがしない。住宅地にありながら、循環式でないとはすごい・・・と思って壁の説明書きを見ると、しっかりと書いてありました。

 「源泉垂れ流し」!

・・・「掛け流し」でしょう、ふつう。この直線的な勢いの良さが関西らしい。発音するときは、「た」にテヌートかな。


 とにかく、驚くほど体が温まりました。関西の「熱さ」を堪能しています。
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移動日

2014-06-25 11:37:07 | 旅の空
 今、わかりました。

 ・・・私がこれほど酒を飲み過ぎるのは、やはり、山形のせいです。他の土地に暮らしてたら絶対に、ここまでじゃない。

 山形新幹線「つばさ」の車内販売の、出羽桜ワンカップの、なんと旨すぎること。こんなものがあるから困るのです。


 ということで、ただいま、新幹線で移動中です。山響「さくらんぼコンサート」のため、いきなり大阪へ向かっております。本番は、金曜日に大阪、土曜日が東京です。


 長い移動なので本日は「移動日」。大都市への移動なので、このあと運転の予定は無し。楽器を弾く予定も無し。

 ・・・ということは、旅を楽しむしかありません。


 とはいえ、いくら呑兵衛でも「電車内でワンカップ」というのは、普通はしない。車内ワンカップというと、「堕ちるところまで堕ちた」「これ以上、失うものは何もない」「文句があるならかかって来い!」というイメージがあるものです。そこまでの覚悟は、私のような小心者にはない。

 ところが、「つばさ」のワンカップは、そういうダークな飲み物ではまったくありません。青い、おしゃれな缶は、ワゴンの中でもキリッと冷やされて爽やかな水滴をまとっています。缶コーヒーよりも気品にあふれている。

 そしてとにかく旨い。ワンカップなのに精米歩合50%!その上質な味と香りは、エグゼクティヴな大人の旅を華麗に演出します。(PRのページ)


 まったく困ったものです・・・さて、すっかり良い気分になったところで、そろそろ「のぞみ」に乗り換えることにします。
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歴史は流れ

2014-06-24 23:21:04 | 雑記
 今日は息子の中間試験。この間の新潟旅行から帰ってからは、朝な夕な、試験範囲を詰め込むことに追われ、今朝ようやく息子を送り出してホッと一息。


 受験生になってからは、勉強しろ勉強しろと言うばかりですが、考えてみれば私が中3の今頃は、まだ麻雀に明け暮れていました。

 中学生ですから雀荘に行くわけにもいかず、学校が終わったら誰かの家に集まってやるわけですが、この時期になると少しずつ、親や家族の目が厳しくなって場所に困るようになる。

「昨日もウチだったから今日は他にしてくれよ。連チャンはさすがにヤバいよ」
「だめだめウチはムリ。勉強だって言って出て来るんだから」
「俺ん家でやったら浪人中の兄貴に殺される」
・・・みんなそれぞれに家庭の事情があるのです。


 そんなある時、メンツに困って声をかけた不良のM(あまりにも下手で打つのが遅い。しかも負けると騒ぐ)が、
「じゃあウチ来いよ・・・今日は親いないし。ばあちゃんいるけど奥で寝てるだけだから」

 そこで放課後にMの家へ。あまり親しくないので訪ねたのは初めて。不良のくせに部屋がきれいな和室で驚く。

 出してきた麻雀牌を、下手なくせに得意げにかき混ぜるM。学校ではあまり皆から相手にされていないせいか、自宅に人が集まったのが嬉しいらしく、妙にテンションが高い。卓から落としそうな勢いでかき混ぜるのが、ややウザい。

 しかしその時、部屋のふすまが、時代劇のように突然、「ピシャッ!」と激しく開けられた。驚いて振り向く四人の前には、恐ろしい形相の「奥で寝てるばあちゃん」が仁王立ちしている。

「アンタたち、子供のくせに何やってんの!それは、しなのばくちじゃないかっ!」

・・・意味がわからず呆然とする私たち。中国のギャンブルであると言っているのだとわかるまでに、かなりの時間を要しました。でも、だから何?俺たち金銭の授受もしてないし、戦時中みたいな怒られ方されることないと思うんだけど。

「ゴ、ゴメンばあちゃん・・・すぐ片づけるから」
と、素直にしおしおと牌をしまい始めるMに再び呆然。お前それでも不良なのかっ!

 結局、即お開き。「ゴメンなっ、なっ!今日はホンっとゴメン」私たちにも拝むように手を合わせて、Mは玄関まで見送ってくれたのでした。


 前置きがすっかり長くなりましたが、今回の歴史の試験範囲に、「ソ連」が出てきました。私たちには馴染みのある、むしろ懐かしい呼び名ですが、今の子供にとっては完全に知らない歴史上の国名なんですね。私たちの世代は、もっと歳をとった時に、つい口にしてしまわないよう気をつけるべき単語でしょう。大昔の人だと思われてしまうことが確実です。

 歴史は思っていたよりも速いスピードで、移り変わって行くものですね。
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蔵粋

2014-06-23 20:17:25 | お酒の話(県外)
 冗談ではよく言ってましたが、本当にあるとは知りませんでした。「もろみ」に、じっくりとモーツァルトを聴かせて醸した純米大吟醸。その名も「蔵粋」(くらしっく)!なんともハイセンス。蔵の町、喜多方の酒です。

 「モーツァルトは胎教に良い」というのは、よく耳にする話です。しかしどう「良い」のかは聞きません。成長過程まで追跡調査をしたうえで、きちんと明らかにしてほしい。他の子よりも九九を早く覚えたとか、親孝行になったとか、有名私立小学校への進学率が明らかに高いとか。そうすればモーツァルトの需要は急騰、音楽家も大いに潤うというものです。

・・・まあ実際は、音楽家を見れば、そういう効果が無いことがわかってしまうのがツラい現実ではありますな。


 それはさておき、日本酒にモーツァルトはどのような効果があるのか。飲んで確かめるしかないでしょう。ということで、ありがたく開栓。

 ・・・・・・。まあ、純米大吟醸の味です。精米歩合38%という高級酒で、確かにその通りの味わい。喜多方らしい、キレのある、輪郭のシャープな酒です。

 モーツァルトを聴かせたことによって、「まろやかになった」とか「コクが出た」とかの効能は書いてないので、この味のどの辺にアマデウス効果があったのか無かったのかは、正直、私の舌では判定できませんでした。

 
 このシャープさがアマデウス効果だとすると・・・もしかして聴かせた演奏のカラーなのか?ベームやワルターだったら、もう少しまろやかだったかも。まさかピリオド奏法・・・?

 ・・・それはともかく、楽しくいただきました。ラベルもおしゃれで素晴らしい。日本酒業界に、こういう試みが盛んになるのは大歓迎です。何なら、「もろみ」に生演奏を聴かせるアルバイトに雇ってほしい。ギャラは現物支給でも結構ですから。・・・いろんな蔵の方、ご検討よろしくお願いします。
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ぶすの記憶

2014-06-21 13:38:42 | 山形交響楽団
 スクールコンサートの毎日です。

 我々にとっては毎日のことで、しかも一日2回あることも多いので、まさに「日常」なわけです。しかし当たり前のことですが、聴く子供たちにとっては地域により、多くても「年に一度」、少ない場合は「3年に一度」、中には「一生に一度」の子もいる。

 だから心をこめて演奏しなくてはならない。

・・・ということは確かではありますが、その理由は、子供たちにとってこれが「芸術文化」に触れる唯一のチャンスだから、ではないのです。むしろ逆。


 一昨日、娘の小学校は山形市民会館で合同の「鑑賞教室」でした。私たちは庄内で公演だったので、音楽鑑賞ではありません。演劇です。

 訊けば演目は、子供向けに短いものを3つ。「こぶとりじいさん」「ゆきおんな」とあともう一つ、「たぬきがでてくるやつ」。

・・・なんだ、昔話とは地味な。で、どうだった?

と、軽く馬鹿にしながら尋ねると、

「すっごく面白かった!歌もあったし。」

・・・ミュージカル仕立てとは。なかなか侮れない。お父さんとしては「やっぱオーケストラの方が楽しい」と言ってもらいたい気持ちもあったんだが。


 もちろん、芸術というものは地味で、子供向けでないのは仕方がない。それが本物であればなおさら。「すっごく楽しかった」と言わせることばかりが大切なわけではない。・・・負け惜しみではありません。


 私が小学生の頃、学校の体育館で狂言の鑑賞教室が開かれました。演目は有名な「ぶす」でしたか、和尚さんが毒だから近寄るなと隠していたのが実は美味しい水飴だったという、一休さんにもある、あの有名な話でした。

 私も含めほとんど全員が、狂言というものを初めて見た瞬間です。その上手下手などまったく関係なく、「これが狂言というものなのだ」と、そのまま素直に受け取ります。

 その時受けた印象は、「この人たちは、すごく真剣にやっているのだ」というものでした。狂言独特のせりふの抑揚や動きにユーモアがあるようでしたが、笑って良いものなのかどうかは、わかりにくかった。私個人は、素晴らしいとも退屈だとも思いませんでしたが、「とにかく、こういう伝統的な芸を一生懸命やっている大人たちがいるのだ」ということを知りました。それは、その人たちの芸が、何かそういうものを持っていたからでしょう。それは「上手下手」とは少し違うところにある。


 クラシック音楽は、子供にとって演劇ほどキャッチーではないので、なおさら「何かが伝わる」という所を大切にしなければならないな・・・と思うのでした。
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王国の旬

2014-06-19 10:07:03 | 山形
 「果樹王国」山形に暮らしていますが、果物が全般的に苦手です。「この非国民が!」と王国の皆さんに指さされ罵られ・・・たりはしませんが、申し訳なく思っとります。お詫びに、県産酒を人一倍(数十倍?)消費しているわけです。

 
 そんな私でも、あれば必ずつまむのがやはり「さくらんぼ」。それも義理からではなく、「おお、もうこの季節がきたか・・・」と、微かに心躍らせつつ能動的に。もちろん一粒二粒しか食べませんが、それでも爽やかな気分になったりします。

 「今日の満月はきれいだね」と言われれば、天体への興味にかかわらず、だれでも「どれどれ」と空を見上げて、しばらく見入るものですが、それと似ているかも知れません。「見て見て、機種変しちゃった」と言われるとチラリと目をやるのも億劫になる(私はですが)のとは、違うのです。

 自然のリズムがきちんと鼓動しているのを確認すると、かすかに快感をおぼえるのは、生き物としての本能なのでしょう。

 ・・・というのは大げさ過ぎるか。要するに「さくらんぼ」は小さいから良いのです。あれがメロンぐらいあったら遠慮すると思います。


 山形は今、さくらんぼのシーズンになりました。道ばたの畑でも、枝にたっぷりと実って、キラキラ光っています。
 
 ということで、これを携えて来週は山響「さくらんぼコンサート」。今年も大阪と東京へ持っていきますので、お楽しみに。
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日本海めぐり

2014-06-17 17:53:19 | 旅の空
 新潟を旅行しています。宿泊地は、柏崎~村上~見附の3泊。一日2ヶ所公演で、間の移動距離も長いので体力勝負です。


 そんな時のお楽しみは、やはり温泉。今回は村上の瀬波温泉が素晴らしかった。ビールの前に、日本海に沈む夕日を眺めながらの源泉掛け流し・・・疲れを忘れます。

 そしてその後は、日本海の海の幸で新潟の銘酒「〆張鶴」を・・・。たまらんですな。新潟は良いところです。


 というのは昨日の話。今日は、味わいのあるビジネスホテルの薄暗い部屋におります。・・・贅沢ばかりもしていられませんので。

 さて、今回のツアーは明日で終了。演奏会場の体育館も暑くなってきました。バテずにあと2公演、頑張ってから山形に帰ります。
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勝っても負けても

2014-06-16 08:40:34 | 危機管理
 大切な試合で負けてしまいました・・・残念だが仕方がない。この大会が大切なのは、相手にとっても同じことですから、お互い力を尽くしたということで、まずは健闘をたたえましょう。

 ・・・え?サッカーの話なんかしていませんよ。


 昨日は「中体連」。中学校の部活動の総決算になる大会です。負けた瞬間に3年生は引退し、あとは受験勉強という檻に閉じこめられるシビアな戦いであると同時に、中学生活の想い出の色合いを左右する大切な試合なのです。


 試合前にウォームアップのための練習時間があるので、選手たちの集合時間は早い。朝6時過ぎには家を出て、競技場へ向かいます。

 ・・・ご苦労なこった。と、他人事ではいられません。会場までは電車もバスもないので、親が車で送ってゆくのです。このへんが、都会と違うところですね。都会では中学生の部活に親が関わることなどありません。私の中学では「中体連」ではなく「区連体」という名前でしたが、親は「何それ、愚連隊みたいね」と言っただけでした。


 市の総合スポーツセンターに車を入れると、すでに駐車場は結構な混雑。「やばい遅刻する」と、車を降りて走っていく息子の後ろ姿をあらためて眺めると、脇にかかえたラケットがずいぶん小さくなったのを感じます。

 日曜日だし、父の日だし、本当ならスタンドで缶ビール片手に(それは禁止されているらしい)、口からヤジとさきイカを飛ばしながら応援してやりたいところだが、残念ながら演奏旅行に出発しなければならない。後ろ姿にそっと声援を送って、競技場を後にしました。


 その後、旅行の準備をして、新潟に向かって車を走らせていると、奥さんから速報が。
「もう負けた・・・」。
・・・早い。まだ山形県を出てもいないのに。

 まあしかし、結果はどうであれ、3年間(実際は2年ちょっとですが)お疲れさまと言ってやりたい。
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夏☆コン

2014-06-13 21:55:04 | 山形弦楽四重奏団
 半ドン(死語)の今日は、スクールコンサートの帰りに、山形Qの演奏会の打ち合わせ。ここ数年、毎年恒例となった、山形市北部公民館での「夏☆コンサート」です。

 去年も8月の暑いさなかに開催でしたが、今年も山形市が最も熱くなる「花笠まつり」の初日、8月5日の午後に予定しています。 


 さて打ち合わせ。寒河江からの帰り道に公民館へと立ち寄り、とりあえずお茶をごちそうになりながら、錬りに練ったプログラムを主催者にお伝えするわけです。

「まず、モーツァルトの『春』を。」
「・・・えっ、春夏秋冬の春ですか?」

 花笠の真夏に本当に「春」?・・・みたいな空気のネバつきを黙殺して、きっぱりと。
「はい、そうです!」

 アイネクは去年弾いたので、それに匹敵する名曲・・・というよりも、「おっ、聴いてみようかな」と思えるような副題がついた曲といえば、これしかない。季節は無視で。


 そのほか、老若男女が楽しめる曲目をその場で厳選し「じゃあ、そういうことでよろしくお願いします」。


 ということで、今年も花笠の前のひとときを、涼しい公民館で弦楽四重奏の響きとともに、ゆったりと過ごしていただければと思います。
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梅雨の最上川

2014-06-12 20:42:38 | 山形
 昨日と今日のスクールコンサートは、酒田。経費節減のため高速道路は使わずに(悲)、内陸の新庄を経由し最上川沿いを走ります。


 「五月雨をあつめて早し最上川」・・・旧暦の5月なので、ちょうど今頃ですね。梅雨の時期に水かさが増した、まさにこの最上川を詠んだ句なわけです。通勤の途中に、芭蕉の世界に思いを馳せ、風流にあふれたスローライフをしみじみと楽しむ・・・粋ですね。(負け惜しみ)


 ところで、途中の「清川」という地域に「芭蕉上陸の地」という看板が立っています。昔のこの辺りは、出羽三山につながる交通の要所として栄えた地らしい。

 ここから出羽三山・・・そうとう険しいし、かなりの距離だと思いますが、それを歩ききることがまた、「祈り」の一部なのでしょう。深い信心はまず丈夫な足腰から。


 しかし「上陸」という言葉の響きが、この看板を見る度に、少しひっかかる。「ついに日本上陸!」のようなセンセーショナルな感じが、今ひとつ松尾芭蕉のイメージにそぐわない気がするのは私だけでしょうか?


 目の前に大きく横たわる濁流の渦から、あの易者みたいな帽子をかぶった老人が突然、「ザバアッ!」と水しぶきをあげて半魚人のように立ち上がり岸によじのぼる。長い袖からボタボタと水をしたたらせながら、吠えるように衝撃の一句。「五月雨を~・・・」

 ・・・失礼しました。このような事を想像し、眠気を覚ましつつ現場へと向かう毎日なのです。
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笛吹き

2014-06-11 18:10:48 | ヴァイオリン
 山形県内のスクールコンサートが続く毎日です。そうなると、朝も早いが終業時間も早くなるわけで、午後3時過ぎにはオーケストラの一日の仕事が終わります。

 ということで午後4時には、よく冷えた缶ビールの栓を「ばしゅっ」と開けることに・・・は、なりません。それぞれ各自、他での演奏やレッスンなど、オーケストラ以外の仕事に散ってゆきます。

 わずかではありますが、私にもヴァイオリンを教えている生徒がいるので、レッスンをすることがあります。家に来てもらうことがほとんどですが、時間と位置関係が合えば、スクールコンサートの帰りなどに、そのお宅へ寄ってレッスンをすることもあります。


 山形でヴァイオリンをたしなむような方のほとんどは、私の家などとは比較にならない立派な家に住んでいます。一軒家なのは当たり前。それも、都会の一戸建てとはスペースの贅沢さが違います。

 そこでお目にかかるのがペット。犬・猫・小鳥・魚・亀・・・お宅によって、じつにさまざまですが、みんな広々と暮らしているので、ストレスがなさそうです。だから私に襲いかかって来ないのでしょうか。


 面白いのは、たいていのペットがヴァイオリンの音を聞くとテンションを上げることです(もちろん魚や亀は除く。・・・もしかしたら水槽の中でハイになって、他の奴に求愛したり噛みついたりしてるのかも知れませんが、確認してません)。とにかく犬や猫・小鳥は、ほとんど興奮します。やはり何かを感じるのでしょうか。

「うわっ、また間違えた!ったく学習しない人間だなあ・・・」

ということはないと思います。嫌がっている感じはしないので。特に犬や小鳥は、参加してくるように声を出すのが、なかなか可愛いものです。


 「ハメルンの笛吹き男」の話も、動物のこういう様子からできたのかも知れませんね。・・・私たちも「弾くとお客さんがうじゃうじゃ集まってきてしまう」術を身につけたいものです。
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アデル、ブルーは熱い色

2014-06-09 21:38:29 | 映画・ドラマ
 またレイトショーを観に行ってきました。現実逃避に余念がない今日この頃でございます。

 それも「Rー18」指定。黒っぽい服を着てマスクをしサングラスをかけ、夜陰に乗じてこっそり・・・というわけではありません。


 観たのは「アデル、ブルーは熱い色」。フランス映画です。女性の同性愛が、大胆なシーンを含めて描かれているのでR指定なわけですが、それがお目当てというわけではなく、カンヌで激賞されたのが話題になった作品だからです。山形での公開は1週間のみなので「観ておかなければ」という心理もはたらきました。


 さて、感想を一言でいうと「きれいな映画」でした。主演女優の2人の裸体が・・・ではなく、フランス映画にしては拍子抜けするほどピュアな青春映画。しかし、わかりやすい教訓は無く、主人公のアデルも結局最後まで精神的に成長しないで、そのまんま放り出されるように終わるところは、さすがフランス物。

 そして一つ面白いのは、堅実に就職する道を選ぶアデルよりも、芸術に没頭してばかりいるパートナーのエマの生き方の方を肯定的に描いているところ。普通の映画なら、「若い頃は恋だ芸術だ哲学だでもいいが、そのままじゃ社会に出たときに通用しないぞ」というお説教メッセージが必ず入り込むはずなのに、全然ちがう。きちんと教師になったアデルは空しさを抱え、画家になったエマは成功し充実していく。フランスというお国柄でしょうか。日本では考えられないことです。


 良い映画でしたが3時間超は、ちょっと長かった。そして、スパゲッティ・ボロネーゼが食べたくなる。主人公たちが口の周りにミートソースをつけながら、あまりにもよくパクパク食べるので。あと生ガキと白ワイン・・・これからフランス映画を観る時には、事前に一杯やってからにすることにします。
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梅雨入り

2014-06-07 17:33:36 | 山形
 山形もずいぶん暑い日が続いて、「ビールの美味しい季節になったか」と思ったら、今度は「梅雨入り」。平年よりも早いようです。

 この間までは予想外の大繁盛に喜んでいたビヤガーデンの経営者も、あっと言う間に意気消沈。期待が大きすぎたせいでしょうが、少し一喜一憂し過ぎだと思います。ビール好きの人にとっては一年中いつ飲んでも美味しいし、そうでない人には、ほかの酒を奨める企画をすればよいのです。

 
 「パンがないならお菓子を食べれば良いじゃないの!」と言って断頭台の露と消えた、マリー・アントワネットにあやかって、フランスの赤ワインフェアをやるとか。キャッチコピーはもちろん、
「ビールじゃ寒いならワインを飲めば良いじゃないの!」
・・・『アントワネットちゃん』みたいなユルキャラが、常温でデキャンタージした赤ワインをサーブ。

 気温よりも梅雨のジメジメが嫌だという向きには、乾き物食べ放題の「シケないで!」キャンペーンでサービスするとか。


 まあ、よく冷やした日本酒を、春夏秋冬・年中無休でたしなんでいる私には、あまり関係のない話です。

 さて、これからますます忙しくなりますが、心までジメジメしないように頑張ります。
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ありのままの女王

2014-06-06 18:57:44 | 危機管理
 我が家でも最近、「アナと雪の女王」が大流行中です。映画を観ていない私も、娘たちから繰り返し聞くので、まるで何度も観てきたかのようにストーリーを熟知しております。

 そして、もちろん歌も。世の中の女の子の家庭にはもはや標準装備の、主題歌サウンドトラックCDが、家でも常に流れている日々です。「♪ありの~ままの~・・・」


 過酷な運命に可憐に翻弄されて、そこから救い出してくれる白馬の王子様の出現を待つのではなく、自らの手でそれを切り拓くヒロインたちの生きざまが、現代の「強く生きる女の子」に、さらなる勇気を与えるのでしょう。

「♪な~にも~こわく~な~い・・・」
あまり怖い物知らずになられても・・・とも思いますが。


 おじさんは、酔っぱらって「ありのままの姿を見せ」て寒がられないように気をつけるばかりです。
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