中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

生姜焼きとガトーショコラ

2024-02-29 21:46:00 | 男の手料理
 昨日と今日は、山響がお休み。忙しかった今年度ですが、小康状態の今月。

 ということで、今日も調子に乗って厨房に立ちます。

 昨日は「豚の生姜焼き」。これは、昼休みのおじさんが定食屋で食べる定番なので、私の中にもイメージがしっかりある。

 …「ちょっと味が濃い」と言われながらも、無事に好評を博しました。

 残った分は、娘の今日のお弁当のおかず。

 …父親が作ったものを、女子高生がお弁当に持って行くなど、まるで男手ひとつで娘を育てたドラマみたいですよね。

 勝手に感慨に浸っていると、娘が言いました。

「〇〇(友達の名前)のお父さんはガトーショコラが得意なんだって。」

 …は?…もう一度お願いします。

 「お父さん」と「ガトーショコラ」という二つの単語が、私には遠すぎて結び付かず、何を言っているのかわかりませんでした。「コブラツイストが得意なんだって」の方がまだわかる。そもそもガトーショコラって何ですか?

 時代は変わったのです。母親が健在なのに父親が料理するなど考えられない時代に育ちましたが、そんな私でも、時代の変化に適応して頑張っているな…と自負しておりましたが甘かった。世の中には、いくらでもすごい人がいるものです。

 さらに精進します。

 さすがに、ガトーショコラはないと思いますが。

 …にしても、まずは、それが何なのかを知るぐらいは、現代人として必要なことなのかも知れませんね。
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春の訪れ

2024-02-28 23:16:00 | 危機管理
 最近、どうにも体がだるい時がある。

 …ついに、なにか大きな病気にかかったか。生活習慣がこれだから仕方ないか。

 充分に休んだし、疲れているはずもないのに、肩や腰も痛みやすいし、とにかく全身、調子がよくない。

 …いよいよ死期が近いのか。まあ、好きなように生きてきたので、それも仕方ないか。

 という感じで、いろいろな覚悟を決めたところで、毎年、気づくのです。

 …もう花粉の時期か。

 ということで、まだ冬ではありますが、もう花粉の季節に入っています。去年の夏が暑かったので、今年は多いようですね。

 それにしても、鼻水や目の痒みだけではない、全身のこの「具合の悪さ」は本当にどうにかならないものですかね。

 まだ2月。これから辛い日々が続きます。
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大江町にて

2024-02-26 22:12:00 | 山形弦楽四重奏団
 山響が休日の昨日は、山形Qで大江町でのコンサート。先日の河北町と同じプログラム。

 入場無料ということなので、整理券が発行されたようですが、それがわずか2日で無くなったと。

 …ありがたいことです。

 倉田夫妻が在住だからということで、もうだいぶ前から続いているコンサートではありますが、やっぱり嬉しい。

 こういう形で、町の音楽家を誇りに思ってくれるところが温かいです。

 かつて、山形でも庄内の方では、新ホールのこけら落としに、わざわざ東京のオーケストラを呼んだところもあります。

 そういう意味で、大江町はやはり、先進的な町なのだと思います。高いお金を出して他から呼んできても、それはそれで良いイベントだとは思いますが、その町の文化が高まるわけではない。それをわかっているのでしょう。

 そういうことで、私たちにとっては昔から馴染みのある大江町。各地の学校でコンサートをしたり、民俗資料館ができた時には、江戸時代の農具などがある畳の部屋で演奏したことも懐かしい。

 地元のつながりを大切にしてくれている大江町には、私たちとしても、ぜひ恩返しがしたいのです。

 昨日も、町の教育長さん他から「このシリーズを来年以降もぜひ」と言っていただきましたが、私たちも同じ気持ちです。

 企画運営してくださった方々、聴きに来てくれたお客様、本当にありがとうございました!
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ブラス・フェスタ

2024-02-23 20:22:00 | 山形交響楽団
 今週末の山響は、明日の「ブラス・フェスタ」。寒河江市民文化会館での公演です。

 地域の中高生のブラスと協演するステージがメインなので、弦楽器を含めた山響としての演奏は前半のみ。

 なので、私たち弦楽器奏者は前半にて「お疲れ様でした〜」と帰ります。これは新鮮で嬉しい。

 …なんとも細かく、そして、つまらないことを言っているのかとお思いになることでしょう。

 しかし、これは私たち弦楽器奏者が日ごろ夢に見るシチュエーションなのです。

 コンサートの前半のみ、場合によっては序曲のみで帰って行く打楽器奏者やトロンボーン奏者などを「お疲れ様でした」と送り出しながら「…疲れるのはここからなんだけどな」と舞台袖に戻ってゆくのが私たち弦楽器奏者の日常なので。

 それが逆転する貴重な機会。悪びれずに堪能させていただきます。

 さてコンサートの方は、「スラヴ舞曲」でゴージャスなフルオーケストラのサウンドを楽しんでいただいた後で、「イタリア第1楽章」、そして吹奏楽のレパートリー「風之舞」のオーケストラ編曲、ヴォーン・ウィリアムズ「イギリス民謡組曲」。

 前半でオーケストラを堪能していただいた後は、協演のステージが後半にたっぷりとありますので、そちらをこそ、存分にお楽しみいただきたいと思います。指揮は田中祐子さん。

 午後三時開演です。お時間おある方はぜひ。
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確定申告

2024-02-21 23:32:00 | 雑記
 今年は諸事情により、確定申告をしなければいけないことに。初めてのことです。

 「スマホで簡単にできる」という噂を耳にしたので、気軽にやろうとしましたが…これがなかなかできない。頑張って、良いところまでたどり着いても「エラーが発生しました」などが出て、「戻る」を押したらもうダメ。…初めからやり直し。

 これを数回繰り返したところで、仏を超える忍耐力が自慢の私も我慢の限界に到達し、星一徹のように、ちゃぶ台をひっくり返したくなりました。幸い、我が家にちゃぶ台は無く、テーブルは大きいので思いとどまることができました。

 昨今、政治家の悪事が露見したことで、確定申告をボイコットしようとか、そういう声があるそうですね。気持ちはわかります。でも、根本的な問題はそこではない。

 そもそもやり方がわかりづら過ぎる。こんなに大変なら、バレた時に罰金払った方がコスパ的にまさるのでは?…と思っていたところに、政治家がそんなだから「やっぱそっちが正解だったか!」となるのです。

 私も数回目にエラーが出た時には脱税を決意しましたが、タバコを一本吸う間に、仏の心を取り戻し(ニコチンはすばらしい)、山形テルサの確定申告会場の予約をとったのでした。

 それが今日だったので、行ってきました。

 山形Qでも演奏会をしたことがあり山響のリハーサルでも使う、いつものテルサの小ホール「アプローズ」が会場でした。

 一応スマホを使える私は「スマホコーナー」へ。要は、携帯ショップにいるような若いお姉さんの介護のもと、自分でe-Taxをやるわけです。

「はい、これはそのままでいいので、下までスクロールして『次へ』を押してください」

 こんな感じで介護されます。アルバイトでしょうが、よくやってくれている。私よりも高齢の方も多いので、大変だと思います。

 すると、入力も終わりかけたところで、やはり出ました。

「エラーが発生しました。トップ画面に戻って下さい」

 ほらねっ、だから言ったんだよ!こんなのできるヤツいないんだって!

 会場の机に手をかけそうになりましたが、

「すみません…」

 と、娘とそう違わないバイトちゃんに頭を下げられると「頭をお上げなさい。悪いのはお前さんじゃない。ワシも大人気なかったんじゃ」とでも言うしかなくなる。

 再び、すべてを許す心でチャレンジしたら、どうにか終わりました。所要時間1時間以上。

 この作業を政治家にやってみてほしい。それで「エラー」が出たら税金2倍払うとか。

 今の世の中は、正直者が虐げられている感じがします。払いたくないものを払うために苦労させられる。

 どこに投票すれば変わるんでしょうかね?
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旬を感じる

2024-02-20 23:36:00 | 男の手料理
 山響は五連休中。私に関しては、その前のオペラも休んでいるので、十連休近い。…こんなに休んだのは一昨年のコロナ感染の時以来。

 ということで、毎日、厨房に立っております。

 大した日数でもありませんが、それでも毎日、スーパーに行くと「あれっ、今日はこれが安いな」とか、「昨日までのよりも良いものが入ってるな」など、わかるようになってくるものです。

 これまで自分は、酒屋のショーケースで「おっ、新酒が出た。もうそんな時期か」と、そこぐらいでしか季節を感じてきませんでしたが、世の中の主婦の皆さんはスーパーで感じているのでしょう。スーパーだと、季節だけでなく、物価のこととか、気候の変動による高騰とか、そういうものに敏感になる。

 今はやっぱり「タラ」ですね。これまで居酒屋の「寒鱈汁」しか興味ありませんでしたが、スーパーでは違います。他の魚の切り身に比べて、安いだけでなく、ツヤとかプリプリ感がすごい。これが「旬」ってやつなんですね。

 そうなると、どうしても買ってみたくなる。買わないと損するような気になる。ということで、本日は「タラのソテー」にしました。「ソテー」などと、ちょっとカッコつけましたが、要するにバター醤油焼きです。

 素材が良いと、それだけで美味い。料理の腕の何割かは、旬の良い素材を見極めることだということがわかりました。

 「五十の手習い」。幾つになっても勉強になります。
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試験明けと時代性

2024-02-19 22:27:00 | 子育て奮闘記
 昨日まで高校の定期試験だった娘。晴れて開放されたような表情をしています。

 そういう時、今の高校生は何をするか。

 ケータイを思いっきり見ています。ティックトックですね。同世代の子たちが、単純でリズミックな曲で踊っている動画とか。

 …見て何が楽しいのか、本気でさっぱりわからない。それが世代の差というものです。試験中は見るのを我慢していたということですから、さぞ楽しいのでしょう。「それの何が楽しいの?」などと、無駄に溝を広げるような発言は、もちろんしません。

 ふと、自分が高校の頃を思い出してみる。

 試験が終わった日には、もちろん遊びに行きました。

 「ゲームセンター厳禁」という校則があったので、試験が終わった日には、先生たちが近くの駅(新宿周辺など)には見回りに来ていたようです。私は「ゲーセン」などに興味が無いので関係ありませんでしたが、捕まって停学になった奴もいました。

 もう時効だということで、思い出話として言いますが、私はもっぱら雀荘。もしくは居酒屋。どちらも新宿のディープめな地区なので、先生方も来ません。

 道を歩きながら詰襟の学生服を脱いでカバンにしまって歩きました。それは先生対策ではない。今の時代では考えられないことですが、当時は高校生と見ると脅してくるような客引きもいたので、制服の下に派手目なシャツを着ておくのがいつものことでした。すると、私の顔を見て未成年だと思ってくれる人は誰もいない。安心ですね…良いことなのか残念なことなのか。

 ところで、ケータイばかり見ている今の若者を見ると、心配になります。

 悪いところに遊びに行ってほしいわけではもちろんありませんが、こんなことで良いのかなと。

 時代が間違った方向に行っているのか、そう感じるのもまた世代間ギャップの範囲内のことなのか。

 実際のところ最近、自分が時代について行けてない感じもする。ケータイの設定関連のことは娘に頼り切りだし。

 …よくわからなくなってきております。
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パーフェクト・デイズ

2024-02-17 21:09:00 | 映画・ドラマ
 「コジ・ファン・トゥッテ」の公演をしている山響のみなさんには申し訳ありませんが、私は今日も休日です。

 本当に申し訳ないのですが、特別な出来事も無いので、少し前に観た映画の話でも。

 「パーフェクト・デイズ」。海外の映画コンペティションで賞を獲ったようですね。役所広司の主演。

 ひと言でいえば、人生についてしみじみと考えさせられる映画です。特筆すべき事件もなく、主人公の淡々とした日常が描かれる。公衆トイレの清掃をしている役所広司の日常。 

 さまざまな部分が観る人に委ねられている作品なので、自由に解釈してみます。

 主人公はおそらく、かつて大きな犯罪を犯してしまって長いこと刑務所で暮らしていた男性。目が覚めるとすぐに簡素な布団を畳んで身づくろいする描写から伺えます。かなりのインテリなのに、他者と関わらない清掃の仕事をしているのも、そのためだと思います。

 公園のトイレ清掃をして、夕方に銭湯へ行き、駅地下のスタンドで酎ハイを飲む。判で押したようなスケジュールを自動的にこなすあたりは、相当長い刑務所暮らしがあったとしか思えない。

 この映画のテーマは「人生における人との触れ合い」だと思います。極端に寡黙な主人公は人との関わりを避けているように見えます。そこには最低限のコミュニケーションしか無い。

 しかしそもそも、コミュニケーションとは何でしょうか?

 大切な場面に、川が出てきます。思春期の姪っ子が言います。「この川をずっと行けば海に出られるのかな?一緒に行こうよ!」。しかし、役所広司は言います。「また今度な」。

 末期がんの三浦友和が川の前で、かつての妻だった石川さゆりへの気持ちを語ります。「夫婦ってなんでしょうね?思いを伝えようとしても『ごめん』しか出てこない」。

 昔から人生は川に喩えられることが多いものですが、そこに浮かぶ泡のような私たちは、同じ川を下っても、同じところに行き着くことはできない。たとえ血のつながりがあっても、夫婦だったとしても。

 結局は、トイレのすみに隠した紙に書いた「◯✖️ゲーム」のやり取りとか、公園のベンチでパンを食べている時にふと目が合うとか、いつも同じ場所でパントマイムをしているとか。人と人の「触れ合い」というのは、その程度のものなのです。人生を共有することなどできない。兄妹であってさえ。

 一瞬、影が重なるようなものです。重なったからといって、どうなるわけでもない。影が濃くなるわけでもない。

 でも、だからこそその一瞬が、かけがえがないとも言える。意味はなくてもカメラに収めておきたい一瞬の「木漏れ日」。首都高のビルの谷間から射してくるただの朝陽も、かけがえのない「今日」を照らすものです。そこに対して、人はふと、感謝とも悲しみともつかない感情を覚えて涙を流しそうになる。

 それが「人生のすべて」なのです。それでしかない。「パーフェクト」とは「最上」ということではない。「それ以上でもそれ以下でもあり得ない、真の」ということだと思います。

 …長くなってしまいました。観てない人には退屈で申し訳ない。

 好きな映画です。まだ観ていない人にはお勧めします。
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降り番と料理番

2024-02-16 21:05:00 | 男の手料理
 今週の山響は、明日のオペラ「コジファン・トゥッテ」村山公演。

 なのですが、私は「降り番」をもらっています。

 キャストの声量その他を勘案して、オーケストラの人数を減らしたりすることがあって、今回の場合、1stヴァイオリンも余剰が出る。そこで、待機となるのが「降り番」なのです。これは順番で割り当てられる。山響の1stの場合、2年に一度ほど巡ってきます。

 つまり、待望の休日なわけです。

 よしっ、海外旅行にでも連れて行ってやるか!みたいなことを言ったら食卓は氷点下。

 …なに言ってんの?

 奥さんや娘は、もちろん通常の日常なのです。

 震え上がり、罪滅ぼしのために毎日、夕飯当番をしています。

     

 「給食で一度食べたピーマンの肉詰めが食べてみたい」

 娘の一言で、山のように作る親父。

 にわかクッキングパパとして一言。タネにマヨネーズを入れておくと、味も香りも良くなります。

 しかし、バレエの公演に向けてのダイエット中だということで、あまり食べてもらえず。

 明日のために、低カロリーで美味しいレシピを、今夜もまた検索します。
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「あら玉」の町で

2024-02-13 20:41:00 | 山形弦楽四重奏団
 昨日は山形Qの依頼公演で、河北町に行ってきました。

 河北町は山形県の中央あたりにある町で、山形名物「冷肉そば」発祥の地です。

 …これが実に美味しい。

 見た目はいわゆる「鳥そば」とほぼ同じなのですが、載せられた鶏肉が親鶏でコリコリしている。あっさりしたチャーシューのような立ち位置なのです。そして、なんと言っても、冷たい(常温ですが)なので、そばがキリッと締まったままで歯ごたえが良い。「冷やしラーメン」のノウハウによる、冷たくても固まらない脂が、そこにしっとり感を加えて、ラーメンよりも奥深い味わいになります。

 そして、河北町は酒も旨い。このページでもいくつか紹介している銘酒「あら玉」は、透明感がありながらも、ただの「淡麗」とは違う、キリッと一本筋の通った美酒なのです。このあたりが、新潟の酒に山形の酒が優っている部分だと思います。

 …おっと、コンサートの話でした。

 先日、山響でも「新世界」をメインとしたコンサートをした大きなホールで、弦楽五重奏を中心に演奏しました。響きが良く、天井から自分の音が返ってくるのが聞こえて心地が良い。

 町で主催した公開講座に関するイベントの一環ということでしたが、ほぼ満席のお客様に恵まれました。1時間ちょっとのコンサートでしたが、いかがだったでしょうか。

 尽力してくださった実行委員の皆さまにも深く感謝。お土産に「あら玉」の「搾りたて」まで頂き、私としては最高のコンサートでした。ありがとうございました!
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文化都市

2024-02-11 19:59:00 | 山形交響楽団
 今日は山響定期の2日目。「2日目」は、一応リハーサルが予定してありますが、気の利いた指揮者はリハーサルを無しにします。海外の活動が長い、今回のキンボー氏も、もちろんそうです。

 ということで今日は、お客さんと同じ時間、3時開演の少し前に会場へ行こうとしましたが、ホールの周辺は、どこの駐車場も満車で渋滞。…なにかイベントがあるのかな?

 と、思っていたところ、わかりました。ピアニストの反田恭平のコンサートが、となりの県民ホールであるようでした。主催がどこかは知りませんが、ぶつけるのはどうかと思いますね。

 しかし。山響は心配なく、今日もほぼ満席。

 …本当にありがたいことです。こうして、山響を選んで来てくださる皆さまで満席になったホールで演奏できるのが幸せです。

 とはいえ、同じくピアノで、世界の頂点のコンクールを制したソリストが山形で同じ時刻に演奏するというのもすごい。そして、両方にきちんとお客様が入る。…山形も、音楽文化の舞台として、本当に成熟したことを感じます。

 上原彩子さんのピアノはもちろん素晴らしく、圧巻でした。そして、初登場でしたがキンボー氏の指揮も、山響の新たな魅力を引き出してくれたような気がします。

 終演後、急いでホール出口に行って「お見送り」をしますが、「感動しました!」と言ってくれたお客様が、いつもより多かったように感じました。本当に嬉しいですね。
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バランス

2024-02-08 22:37:00 | 山形交響楽団
 今週の山響は、土日の定期演奏会。

 キンボー・イシイ氏の指揮で、メンデルスゾーン「イタリア」をメインに、パウルス「スペクトラ」そしてチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲」。ソリストは上原彩子さん。

 昨日からリハーサルが始まっています。キンボー氏の指揮は大らかで情熱的で、やはり日本人とは違います。緻密さよりも、テンションとかイメージを大切にする感じ。しかし、いわゆる欧米人とも違うのは、そこに合理性が感じられることでしょうか。

 これまであまり体験してこなかったタイプのバランス感覚が新鮮です。緻密にやるところと、ノリだけで行くところの、見極めと割り切りがはっきりしているのが面白い。

 ところで、私だけの感覚かもしれませんが、日本人の「バランス」というと、それはすでに個人の内部で釣り合いが取れた状態で外部に伝わるもの。たとえば「優しさ」と「厳しさ」が、5対5だったら中庸の人。9対1だったら優しい人。7対3だったら、やや優しい人。みたいな。

 しかし、外国の人(と、まとめるのはたぶん不適切ですが)は、5対5でも「中庸の人」にならない。めちゃめちゃ優しい時と、とんでもなく厳しい時、それぞれの現れている時間が同じぐらいということ。外に出たもののトータルでバランスを取っている感じがします。

 どちらが良いという話ではありませんが、「表現」に限って言えば、日本人が平坦に感じられてしまうのはそのあたりが原因なのでしょう。…わかったところで直せるものでもありません。日本人の典型である私は、内部でバランスを取ってしまう前に外に出せる人に憧れます。

 さて、チケットはすでに完売に近いようですが、きっと良いコンサートになると思います。
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師恩「吟醸生原酒」

2024-02-07 22:01:00 | お酒の話し(山形県)
 山形県の中央、月山のふもとにあるのが西川町です。「ふもとにある」というよりも、町の大部分が月山。「秘境」と言うと失礼かも知れませんが、とにかく良い所なのです。

 そんな西川町に酒蔵があるとは知りませんでした。山形に来て四半世紀ですが、まだ知らないことがたくさんあるんですね。

 秘境で醸された日本酒にふさわしく、扱っている酒店がほとんどない。寒河江市の1店のみ。休日だった一昨日に行ってみたのです。

 「師恩」。グレードが4種類ほどありましたが、上から2番目の純米吟醸の生原酒を。これでもかなり安い。

 さて、期待して開栓。

 内陸部の酒は、昔ながらの重い感じがするものが多い傾向があります。覚悟していましたが、予想に反して、香りは軽く華やか。

 味も、びっくりするほど華やかでした。甘みが洗練されている。…意外でした。

 ローカルな無人駅に降り立ち、覚悟して宿泊先に向かうと、逆に都会でも目をひくほどの、お洒落なシティホテルだったような。

 予想外に、洗練された味を堪能しました。山形の秘境には、上質なものがまだまだあるようです。

 秘境の豊かさを堪能しました。
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相場

2024-02-05 20:30:00 | 雑記
 そういえば今年の正月にひいた「おみくじ」は、「中吉」でした。

 「くじ運」というものに、絶大な自信を、何の根拠も無く持っている私は、年始の「おみくじ」が大好きです。

 私の中では、おみくじの結果は2種類しかない。大吉かそうでないか。生涯において大吉率の方が高いので、それ以外は「負け」と言える。

 そんな慢心を戒める「中吉」でしょう。

 ところで皆さんは、おみくじに書いてあるいろいろな項目を、どの程度の関心を持って読んでいますか?

 「病気」「商い」「学業」「失物」「待人」…いろいろありますよね。

 私は「相場」にしか、ほとんど関心がありません。

 「相場」とは、「ギャンブル運」みたいなことでしょう。ここが一番重要だと思うのです。私がギャンブル好きだからだけではありません。

 そもそも、よく考えてみれば、神様に「訊いてみたい」「頼りたい」こととは、自分の力ではどうにもなり難いことのはず。神様に「学業」がどうなるか訊くのは、その姿勢からしてどうかと思う。

 「病気」にしたところで、そこに望みをかける場合、確率の低い抗がん剤が効きますように…などのような、ギャンブル的な部分に望みを託しているから気になるのだと思います。たとえば私が、毎日このペースで酒を飲みながら「今年は大吉だったから、きっと肝機能の数値も改善しているはずだ」と言ったら、皆さん白けるはずです。

 つまり、おみくじ自体、そもそもギャンブルに関する占いなのです。…だから好きなんです。

 ちなみに、私の今年の「相場」の文面は…

 …「うまくいかない」。
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飯豊町のみなさんと

2024-02-04 19:57:00 | 山形交響楽団
 暖かいな…と気を緩めたとたんに、寒い日が続いています。都会の人にはわからないでしょうが、雪もないのに最高気温が2℃とかだと、本当に耐え難い。寒さが直撃してくる感じなのです。

 たぶん、畑の作物などもそうだと思います。雪がないと、逆に凍りついて枯れてしまうらしい。その気持ち(?)がわかります。

 さて今日の山響は、飯豊(いいで)町でのコンサート。山形県が毎年、県内各地で主催してくれている、「山響とみんなで創る音楽会」。地元の皆さんとの協演がメインのコンサートです。

 飯豊町は、山形市に住んでいる私たちからすると、新潟県に行く途中に通過する峠にある町で、ものすごく雪深い。異常なまでに雪がない今年でさえも、山形市とは全然違う雪景色です。本来この時期であれば、行くのに「命懸け」レベルの場所ですが、今年は道路も乾いて、夏タイヤでも大丈夫な感じ。

 今回は地元の合唱団との協演でした。昼食の場所にも困るような静かな町なのに、集まってくれた有志の合唱団は100人超。

 これだけ多くの方々が「山響と歌いたい」と思って集まり、練習を重ねて来てくれたと思うと感動します。

 気持ちが温かくなるコンサートになりました。
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