山形に暮らすようになってもうすぐ、まる15年になります。県内の小中学校なら地図を見ずとも、たいていはたどりつけます。眠くてぼんやりしていても、ふと気づくとスケジュール表に書いてある学校の体育館に着いている。・・・ある意味怖いですね。
しかし昨日一昨日と、「はじめての町」を訪れました。山形の有名な湯治場である「肘折温泉」の街です。去年から始まった「山響温泉コンサート」のためです。
これは温泉と地元の名物料理で、演奏の前後に楽団員をもてなしてくれるという企画ではもちろんなく、温泉客へのおもてなしの一つとして、山響のコンサートをプレゼントするという、山形県が主催する豪華なPRイベントです。すでに上山温泉と赤湯温泉で開催されました。
肘折温泉は県内でも秘湯中の秘湯。なにせ冬は5メートルの積雪がある地域ですから、そう簡単には近寄れません。ということで、「秘湯マニア」でない私は足を踏み入れたことがありませんでした。
山形市の桜は今が満開ですが、肘折温泉の桜は・・・まだまだそれどころじゃない。山形市の真冬以上の雪が残っています。そういえば、途中の険しい山道は、青森の八甲田山近くの道に似ていました。豪雪地帯に共通するものがあるのでしょう。確か八甲田山近くにも有名な秘湯がありましたね。
残念ながら今回は、「おもてなし」をする側なので、秘湯には入らず、銘酒にも出会わずに帰ってきました。険しい山に囲まれた集落は、まさに「湯治場」の雰囲気。中心を川が流れていて、そこかしこから湯気が立って空気がしっとりしているのは、本格的な温泉街ならどこも共通ですが、浮ついた飲食店や遊技場の類は一切なし。本気で籠もる場所なんですね。
いずれゆっくり、そう、最低一週間ぐらいは逗留してみたい・・・と車窓から振り返り振り返りしながら、温泉街を後にしました。
さて、いよいよ明日は山形Qの庄内定期。保養は、まだおあずけです。