中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

越乃寒梅「灑」

2017-05-31 21:34:38 | お酒の話(県外)
 今年は夏が早い。5月にして真夏日とは。この先のシーズンが思いやられます。

 街の「冷やし中華始めました」の、のぼりやポスターが「それもいいな」という好感度を伴って目に入って来るようになりました。

 季節が変わると、求める味も変わるのです。


 ということで、頂き物の銘酒「越乃寒梅」です。それも夏バージョン「灑」(さい)。

 もともと淡麗辛口の新潟酒において、「寒梅」はその頂点。それがさらに「夏バージョン」。どれだけサッパリすれば気がすむのか?


 よく冷やして、いざテイスティング。

 口に含んだ瞬間、涼風につつまれ…

…気づくとそこは、アルプス。

かと思うほどの爽やかさ。そして軽やかさと清涼感。これには、アルムのもみの木もビックリすることでしょう。


 55%の純米でここまで…さすがは寒梅。さすがは新潟。…ホッとして、涼むひとときを堪能しました。


 
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元服

2017-05-29 16:38:50 | 指導
 ゴールデンウィークに東京で選んだ楽器が送られてきました。私が教えている生徒のためのヴァイオリンです。

 ドイツ製の新作ですが、きちんとした職人の手によるもので、明るいハッキリした音が出る。


 …ヴァイオリンを弾く者にとって、新しい楽器を持つというのは、本当に嬉しいものです。車を買い替える以上のワクワク感がある。

 自分自身の能力がアップするようなものです。たとえるなら、重力が少ない星に行って、探検に出るとか。…断崖絶壁をなんなく乗り越えるなど、今までの数倍の身体能力を存分に試すことができるわけです。これは楽しい。

 一段階、上達することもよくあります。今までよりも、上手く行った時の感動が大きいので、それを自然に求める。つまり、楽器が導いてくれるのです。


 手渡すと慎重に受け取って、少し上気した表情で、いつもより真剣に弾いていました。ヴァイオリンを習ってきた者なら、誰にでもこういう経験が何度かあるので、懐かしく微笑ましい。特に、自分の初めてのフルサイズの楽器を手にするシーンに立ち会うのは嬉しいものです。時代劇で「元服させた」みたいな感じ。

 楽しく上達してくれることを願ってます。
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美術とハエ

2017-05-27 22:05:05 | 芸術
 休日の今日。子供たちは部活やバレエで忙しいので、夫婦で美術館へ。

 山寺にある「後藤美術館」。芭蕉記念館の向かいにある、普通の美術館です。収蔵品は、山形とも奥の細道とも無関係な、西洋絵画が中心です。


 私のような絵に不案内な者でも「おおっ」と感心するのは、光です。重要なものが、まるで本当に光が射しているように明るく見えるやつ。レンブラントほどでなくても、絵の具の色合いだけとは思えないような、光と影がくっきりしている絵には見入ってしまいます。光ってるとしか思えない。今、停電になったら、何も見えなくなってしまうということが信じられない。…ここの美術館には、そういう作品が多くて楽しめました。

 
 音楽に詳しくない人のためのコンサートでは、解説が大事です。もともとクラシック好きな人には邪魔なものでも素人は、作品の意味するものを知ることで、興味もわくし、より深く入ってくる。

 絵も同じです。解説を読んでからもう一度絵を見ると、心に残ります。

 今日、面白かったのは文学とのコラボ作品。シェイクスピアや聖書の一場面を絵にしたものです。私が特に気に入ったのは「デスデモーナ」。言わずと知れた「オセロー」のヒロインですが、美しい女性が涙を浮かべてこちらをじっと見ている絵。顔には血の気がなく、信じてもらえないことに絶望しきっている表情。絵を見ている私がオセローにさせられてしまう。気の弱い私がこんな目で見られたら、
「ごめんっ、疑ったりして!謝るから機嫌なおしてくれないかな…」
などと言ってしまうこと間違いなし。


 また、予想に反して面白いのが「静物画」。台所のテーブルに果物や食材や花瓶が置かれてる、あれです。

「散らかった自宅なんか描いてないで、外にスケッチに行きなさい。無精者が」

と思っていましたが、違うんですね。あれはメタファーなんです。花にも魚にも宗教的な意味がある。特に大事なのは、テーブルの端っこにとまっているハエ。生きてこの絵を見ている私と、メタファーとして固定されている「静かな物」の間をつなぐ者。つまり「これは『たとえ』なんですよ」ということの表現なのです。これは解説されなければわからない。


 …勉強になりました。
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昼の憩い

2017-05-26 09:36:53 | 山形
 山形県民は、よくラーメンを食べます。昨日の新聞でも、県民ひとり当たりのラーメンの消費量は山形がまた全国一位だったというようなことが書いてありました。

 
 私も山形に暮らすようになってから、ずいぶん食べるようになりました。とくに、こうしてスクールコンサートが始まると、昼食の「ラーメン率」は、ぐんと高まる。

 
 理由は簡単です。旨いラーメン屋がそこら中にあるのに、それ以外の食堂が少ないから。コンビニもなかなか見つからないような田舎町でも、「ラーメン」ののぼりはすぐに見つかる。

 しかもハズレが少ない上に、安いのです。今週もすでに、二回も食べてしまった。

 とくに酒田のラーメンは、魚の出汁がきいたシンプルな味が素晴らしい。それを知った上で、数多く立ち並ぶ名店を避けて、あえて遠くのファミレスに入ったり、コンビニでサンドイッチを買う気にならないのです。


 …寄る年波で、お腹周りが気になる今日この頃。気をつけて今シーズンを過ごしたいと思います。
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近代化と少子化

2017-05-24 23:59:29 | 山形交響楽団
 県内でのスクールコンサートの日々です。

 このぐらいの勤続年数になると、たいていの学校は、寝てても着きます。つまり、地図やカーナビに頼ることなく、ボンヤリと考え事をして運転してるだけで、無意識に到着するものなのです。


 ところが…。

 最近は知らない学校が多い。朝起きて「どれどれ今日はどこだっけ」と、スケジュール表に書かれた学校名を見ても、ピンとこない。あの辺りに、聞いたことない学校などないはずなのに。

 仕方なくカーナビに電話番号で入力してみると…

…なんだ「◯◯中学校」じゃん。

 学校の統廃合で名前が変わっているのです。少子化の波は、思ったよりも深刻ですね。名前が変わって存続するのはいい方です。付近の小さい学校は閉校になっているのですから。

 木造の風情ある建物の学校が失われるのは残念です。床がミシミシいう廊下を通って、古い体育館、それも私の子供の頃の記憶の中にあるような体育館に行くのが楽しみでもありました。

 新しく綺麗な体育館が増えているのは嬉しいことです。「アリーナ」と呼ぶにふさわしい、明るくて近代的な施設。しかしそこには、いちまつの寂しさもあるのです。生徒が少なければなおさら。


 …感傷に浸っている場合ではない。精いっぱい盛り上げていかなければいけませんね。
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初日から

2017-05-22 20:20:07 | 山形交響楽団
 山響は今日からスクールコンサート。

長年の習慣から、体育館でのスクールコンサートが始まると、「今年も始まったな…」という感じがします。


 しかし、本日の山形は最高気温が32℃。いきなりのことで、体がついていかない。

 なまった体から汗を噴き出しながらの、シーズン初めとなりました。一番いい季節であるはずの5月からこの調子で、今年度のりきれるのか…。

 
 とにかく頑張ります。
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雲が行くまで

2017-05-20 21:03:33 | 山形弦楽四重奏団
 ところで、山形Qの「第64回定期」に向けての練習が始まっています。気づけば、もう本番まで2ヶ月足らず。

 果てしないライフワークと思っていた「ハイドン・シリーズ」も終わりが見えてきました。全68曲の長い道のりが、予定通りいけば来年度中にも終わる感じです。


 今回とりあげるハイドンは「作品77–2」。ハイドン晩年の作品ですが「雲が行くまで待とう」という副題がついています。

 「ひばり」「日の出」のように、ハイドン本人が付けたわけではない、出どころ不明の「あだ名」。ですが「雲が行くまで待とう」とは、ずいぶんと風流なネーミングで、うっとりしてしまいます。


 「待とう」というからには雨雲なのでしょうか。

 朝から気持ちよく晴れていたから傘を持って来なかったものの、突然の雨。しかし遠くの方の空は明るい。イラつきながら走って行くよりは、ここでもう一杯飲んで上がるのを待とうじゃないか…。

 よっ、イキだねっ!…と言いたくなります。現代には無い、「おおらかさの美徳」を感じます。


 ところが…。

…さすがは最晩年の後期作品だけあって、音が多くて重厚。もちろん難しい。

 とても「雲が行くまで待」つような、のんびりした余裕はどこにもないのです。

 超絶難しい曲を、おおらかに弾けとは…ハイドンもなかなかサディスティックです。


 さあ、明日も練習です。もしご興味があれば、「山形Qブログ」もご覧ください。
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再チャレンジ

2017-05-19 22:14:09 | 山形交響楽団
 昨日、このブログを更新したはずなのに、されてないですね。眠い目をこすりながら書いたのに、出来あがったところで、変なところを押して消してしまったらしい。今までにも何度もあることですが、毎回ショック。しかも、酒気帯びのため何を書いたか覚えていないので、復元もできない。自業自得ですな。


 気を取り直して…

 今週の山響は明日の村山「ユアタウン・コンサート」。去年度の定期にも登場した田中祐子氏の指揮でベートーヴェン「第7番」をメインに、あとは地元のブラスバンドや合唱団との共演など。

 お時間のある方はぜひ!


 (注意深くクリック)。
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初観戦

2017-05-17 22:28:52 | 子育て奮闘記
 先日の日曜、山響定期の前に、生まれて初めてバドミントンの試合を生で観戦しました。この歳になっても「初めて」はまだまだあるものですね。

 息子の試合です。高校でバドミントン部に入ったらしいということは知っていましたが、見たことはない。…と言っている間にもう3年生で引退が近づいているのです。

 定期的に「ガット張り替えたから、金ちょうだい」と言われ「チッ…古楽でもあるまいし」と思いながらも、その度に代金を払い続けて3年目。出資したからにはそれが使われているところも見てみたい。

 県の体育館でしたが、そこに12面。ずいぶんと小さいコートでやるものなんですね。

 やはりレジャーでの「はねつき」とは、わけが違う。上手い人同士の試合だと、打球が速くて目で追えない。雰囲気としては、卓球に近いものがあります。なかなかハードなスポーツだということを知りました。

 「しょうがないから見に来てもいいけど、絶対に遠くにいて目立たないようにしてくれよ」

 と、しつこいほど言われていたので、観戦席の一番後ろにスタンバイしていたのですが、何しろコートは小さくて球は速くて、最近また目が悪くなったという三重苦。結局、家族三人で近くに移動して観戦してしまいました。

 シングルスでの勝ち抜き戦。どうせダメだろうと思っていたら、相手のミスにも助けられて初戦は勝利。しかし二回戦目は強豪と当たったようで、あえなく敗退。まあ、上出来でしょう。

 インとアウトの判定が、初心者の私にはわかりにくかったものの、なかなか楽しめました。なかなか攻撃的なスポーツなんですね。息子が小さい時に広場で相手をしてやったものですが、これからは危険なのでやめます。

 来月で引退らしい。そして受験勉強へ。

 …本当にあっという間ですね。
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幕開け

2017-05-14 23:36:18 | 山形交響楽団
 二日間にわたる山響の定期演奏会が終わりました。お客様方の反応を見るに、非常に好評だったようです。鈴木秀美氏の、ずれる事を恐れず、生き生きした音楽づくりをしようとする姿勢がもたらしたものだと思います。

 一曲目はモーツァルトの「34番」でしたが、「アマデウスへの旅」を聴き慣れた山形のお客さんにも、今回の演奏は新鮮に感じられたのではないでしょうか。


 そしてやはり「カツァリス効果」。素晴らしい演奏でした。端正かつ自由自在。ベートーヴェンはもちろん、アンコールで、そのピアノのセンスの比類なさを堪能しました。

 アンコールは即興演奏。テーマに沿って、縦横無尽にいくらでも弾き続けられる才能には、本当に驚きました。

 初日は「ブラ4」の終楽章のテーマで、今日は「ラ・マルセイエーズ」で、見事の一言。いろいろな有名曲があちこちに顔をのぞかせて、尽きない泉のように、とどまるところを知らない。いつまででも聴いていたいのは、ステージ上の私たちも同感でした。

…いやあ。いい演奏を、生で聴くというのは、心地よいものですね。

 
 そしてブラームス「第4番」は、やはり名曲です。アマチュアの熱演から、今回のような古楽的なアプローチまで、どんなふうに弾いても素晴らしい。キャパシティの大きい曲なのです。


 さて、今年のブラームス・シリーズは始まったばかり。後の3曲も楽しみに頑張ります。
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任期満了

2017-05-13 23:59:15 | 雑記
 今日は山響定期の前に、自宅マンションの管理組合総会。年に一度の「総会」。これが終われば。副理事長としての私の職務も終わるというもの。本番前ですが、キチッと済ませなければ。


 ということで、行ってみると、参加者はほとんどいない。役員にも欠席者がいて4人。しかし一般の参加者も、なんと4人!ここまで閑散としているのは、山響の組合の総会でも経験したことがない。もちろん管理組合と労働組合は違うものの「組合離れ」は、いずこも同じ秋の夕暮れ。

 
 …それにしても、理事長と副理事長との違いはすごい。その違いを一言で表現すると、「全部やらされる人と何もしない人」。

 今回は14年に一度の「大規模修繕」の議題もあり、雰囲気が荒れる局面もあったものの、上手くさばく理事長。隣でジッと黙っている私ですが、心の中で「ブラヴォー」しきり。


 結局、ほぼ何も発言しないで総会終了。そして任期も終了。

…「長」でなければこんなに楽なものなのか。

 山響の組合の総会などは、1日がかりでひどく消耗する。日頃の会議もそうです。もちろん私が代表だからなのですが、これも、そろそろ交代させてもらいたいところ。思えばすでに、在団年数の半分以上を、代表として過ごしていますので。


 何もしてなくても一年で「はいお疲れ様!」。なんとも素晴らしい。山響の組合でもぜひ参考にさせてもらいたいと思います。
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カツァリス

2017-05-12 21:40:46 | 山形交響楽団
 今週の山響は明日・明後日の定期演奏会。今回は鈴木秀美氏の指揮で、ブラームスシリーズからは「第4番」。そしてベートーヴェン「ピアノ協奏曲3番」。ソリストは、なんと巨匠のカツァリスです。


 このくらいピッグネームになると、「さん」とか「氏」を付けるのも気がひける。「カラヤンさん」とか「ハイフェッツさん」と言わないのと同じです。「モーツァルトさん」とか「サン=サーンスさん」と言わないのと同じです。

 
 カツァリスといえば、ファンでなくともクラシック好きなら、それと気づかずにCDの1枚や2枚あるはずです。私もそうですが、曲が聴きたくて買ったショパンの曲集とか。普通にスタンダードな名盤がたくさんありますね。

 
 昨日からリハーサルに参加して下さってますが、やっぱりすごい。一切の力みが無いのに、すべての音がクリアーに聞こえる。合わせやすいことこの上ない。しかも、その音楽の包容力がすごいので、オーケストラがどうなっても揺るぎない。まさにスケールが違う感じとしか言いようがない。


 本番は明日が19:00、明後日が15:00開演です。お時間のある方は是非。
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迷子に注意

2017-05-10 22:43:02 | 山形
 自宅を取り囲むようにして、植木市はまだ開催中です。


 今日は山響のリハーサルを終えて、夕飯を調達すべく、雑踏の中へ。

 さすがに「粉物」ばかりだと飽きるので、毎年、利用させてもらっている「牛すじ煮込み」の露店。そして隣の店で「チャプチェ」。韓国の春雨炒めですね。これもなかなか、日本酒に合う。


 連日うんざりしている人ごみの中を周遊する気はさらさらないので、さささっと買って、即自宅へ帰ろうとすると、ひとり女の子が泣いている。家の娘より幼く見えるので、小学2〜3年生か。

 あたりを見回しながらボロボロ泣いているので、迷子でしょう。なんとも悲しげなので、素通りするのも気がひける。

「どうしたの?お母さんとはぐれちゃったのかな?おじさんが探してあげようか…」

と声をかけようとしましたが、心のブレーキが。

 以前にも似たようなシチュエーションがあって、親切心を起こしたとたん、その子が近寄ってくる私を見てさらに泣き叫び走って逃げるという目にあったことを思い出したのです。

 こういう時の通行人の目は怖い。さっきまで迷子を放置してたくせに、今度は獲物を取り逃がした不審者を見るような目でこっちをジロジロと。

 その苦い経験がよみがえり…

…ここは見なかったことにするか。山形は安全なところだから、きっと大丈夫だろう。
…いやいや、私はれっきとした近隣住民。びくびくせず堂々と地域の安全に貢献すべきではないだろうか。
…ちょっと待て。親切なはずの近所のおじさんが、実は凶悪犯だったという恐ろしい事件もあったらしいし。

 煮込み片手にめまぐるしい葛藤が。

 心を鬼にして通過…して五歩ほど歩いてから意を決して戻ろうと振り返った瞬間、女子高生たちが迷子に声をかけてくれていました。そうそう、それがいい…女の子以上にホッとする私。


 混雑するイベントでは大切なお子さんから目を離さないようにお願いします。
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風薫る

2017-05-08 20:16:03 | 山形
 風薫る五月。爽やかな風を感じようと窓を開けると…

…お好み焼き臭。


 ということで、今年も我が家の前の通りで始まりました植木市。山形市の祭りといえば花笠ですが、あれは盆踊りのようなもの。祭礼としては、江戸時代から続いていると言われるこの「薬師祭植木市」が最大だと思います。

 
 初日の昨日から、日が暮れるにつれて若者の姿が増え、盛り上がりを見せていました。「植木市に集う若者たち」…こう書くとずいぶん地味に聞こえますが、もちろん植木を買うわけではありません。薬師寺の境内だけではなく、四方に延べ3キロの広範囲に無数の露店が立ち並ぶ、真夏の海岸にも匹敵する「アツい」イベントなのです。

 昔、明るい春の陽射しの中で「スーパーボールすくい」に夢中だった息子も、今では日没後に「徘徊する若者たち」の一員になりました。

 手を引かれていた子供が、手を引く親になり、再び手を引かれる老人になる…人のサイクルは思ったよりも速いようです。
 
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戦争と平和

2017-05-06 10:35:17 | 映画・ドラマ
 録りためておいたドラマを見る…これも、忙しい時に憧れる休日の過ごし方ですね。

 ということで、やってみました。だいぶ前ですがNHKで放送された「戦争と平和」。言わずと知れたトルストイの偉大なる大作ですが、1時間を8話。イギリスで制作されたものです。

 本来、分厚い文庫本にして4〜6冊の超巨編。8時間でも足りないのではないかと心配になるも、素晴らしかった。若い頃に「戦争と平和?…もちろん読んだことあるよ」と言ってみたいがためだけに根性ページをめくった時にはよくわからなかった部分や、登場人物の魅力がよく伝わってきて、話に飲み込まれる快感がありました。


 低レベルで恐縮ですが、やはりロシア人の名前は長くて覚えられない。まして原作での登場人物は合計で500人以上。しかしそれがドラマだと「これ誰だっけ」と考えなくても顔が見えるので非常にわかりやすい。


 贅沢で華やかな社交界に翻弄されるのも、戦場で血みどろの戦いに巻き込まれるのもすべて運命であり時代ですが、それらに振り回されながらも、人間には揺るぎない確かなものを求めて行く力がある…というトルストイの健康的な哲学が、若くて美しい主人公たちと相まって、実に眩しいのです。

 個人的には、いつも楽観的で気のいいお父さんの「ロストフ伯爵」がお気に入り。亡くなった時には、わりとリアルにつらくなりました。

 「良い者・悪者」だけでない、魅力的な登場人物がいくらでも出てくるのは、トルストイの神業です。そして、きちんとしたドラマを創るイギリスも素晴らしい。


 日本でも、多すぎるバラエティ番組よりも、歴史的名作をドラマ化したりすることがもっとあってほしいと思います。…見る時間はなかなか無いかもしれませんが。
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