中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

上喜元(玉栄)

2011-05-31 09:25:08 | お酒の話し(山形県)
 お疲れさまでした・・・ということで、新しい気持ちで次へ向かうべく、燃料の補給を。


 またまた珍しい酒米で醸した上喜元です。馴染みの酒屋で「何か新しいの来てますか?」と訊いて出てきたのがこれ、「玉栄」55%の純米吟醸です。できたての「無濾過生」と聞いてつい買ってしまいましたが、値段もお手頃。いろんな支払いで、やたらと貧乏なこの春先には有り難い。お父さんの嗜好品は、「つつましく目立たぬように」が基本です。

 ところで日本酒の香り(吟醸香)は、果物の香りに喩えられるのが普通です。「桃のような」とか「メロンを思わせる」とか。しかし個人的にはどうもピンとこないのです。日本酒の香りは、そんなに甘ったるくないと思うのですが・・・。たぶん私自身、果物があまり好きではないので、果実香に対するイメージが豊かでないせいでしょう。(ちなみにメロンは私の「嫌いな食べ物」上位に位置します。なんだか「セメダイン」みたいな感じがしませんか?好きな人すみません。)

 しかしこの「玉栄」は、まさにマスカット。これほど爽やかな香りの酒は珍しい。開栓してすぐは「ちょっとツンとくるな」と感じましたが、しばらく置くとまとまって、スッキリした酸味を予感させるような良い香りになります。

 味も透明度が高くて清々しい。若いので奥行きはないものの、サッパリとひいてみずみずしさが残る感じです。

 一般的に吟醸香は、使う米よりも、酵母に左右されるものです。ですから、この酒の香りも「玉栄の」というよりは「上喜元」のセンスなのでしょう。


 日頃、果物など食べないくせに言うのもなんですが、新鮮な果実のような爽やかさを堪能しました。
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結果報告

2011-05-30 09:51:56 | 山形弦楽四重奏団
 夜に、箱の中からお金を取り出して、やや興奮しながら嬉しそうに数えている子供たち・・・この家では、それほどまでにお金は珍しいのか。


 さて、昨日の山形弦楽四重奏団のチャリティーコンサートに、雨のなか聴きに来て下さったお客様方には、本当に感謝しています。皆様が募金箱に入れて下さった志は合計70,500円となりました。山形新聞「山形放送愛の事業団」を通じて寄付させていただきます。


 新しいメンバーによる山形Qの最初のコンサートになりましたが、いかがだったでしょうか。いくつか聞いたところでは、概ね好評のようでした。個人的にも手応えを感じています。7月の第40回定期でさらに飛躍できるように頑張りたいと思います。

 新しい紅一点の今井東子さん、そしてチャリティーに協力してくれたオーボエの齋藤真美さん、そしてもちろん山形Qを応援して、演奏会に毎回(足もとの悪い中)足を運んで下さる皆さんに深く感謝しつつ。
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チャリティーコンサート

2011-05-29 09:19:14 | 山形弦楽四重奏団
 さていよいよ本日、15時から七日町の富岡本店4Fのオーパ・ホールにて、山形弦楽四重奏団のチャリティーコンサートです。

 今朝は「この光輝く朝の陽射しのように爽やかにいこう!」と思って窓を開けると、天気はあいにくの・・・いやいや、関係ありません。今日の「日の出の時刻」は15時です。オーパ・ホールに、良い陽がのぼることになっているので、今の空模様は無視することにします。

 
 「チャリティー」と銘打ってはいますが、この程度のことで多少の募金を集めたところで、被災者の方々のためになるなどとは思っていません。「音楽の力で復興を」などと大それたことを言うのはおこがましいでしょう。

 ただ、4月に教会でやったチャリティーコンサートの時に、聴きに来て下さった方から言われました。
「同じ東北に住む者として、いたたまれない気持ちでいますが、自分にはやれることがほとんどありません。こういうかたちで皆で音楽を聴きながら静かに、被災した人たちのことを思う機会があるのは本当にありがたいです。」


 今回は山形Qの新しいスタートでもあります。それぞれにとって良い演奏会になるように頑張ります。
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任期満了

2011-05-28 10:17:37 | 危機管理
『議長:本日はお忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。まず、総会に先立ちまして、組合員の皆様の出席状況のご報告を致します。
  議決権総数~のうち、出席議決権数~、委任状出席での議決権数~、議決権行使書での議決権数~、以上の結果により、管理規約第46条第1項を満たしましたので、ここに総会が成立することを確認し、これより管理組合第7期通常総会を開催致します。
  管理規約に基づき、本総会の議長を管理組合理事長である、わたくし「中島」が務めさせていただきますので、よろしくお願い致します。』

 ・・・事前に管理会社から渡されている「シナリオ」です。棒読みすればスムーズに議事が進行することになっている便利な冊子です。要するにそれが、管理会社の「筋書き」なわけですね。しかし先の方まで読んでみると、「こんなには上手くいかないだろうな」と思える箇所もあります。


 今日はこれからマンションの管理組合の総会。せっかくの休日だというのに・・・って、私のスケジュールに合わせて今日に決めたんだった。しかし、今日が済めば任期満了。一年ですっきりと「お役御免」なので、楽なものです。いつ抜けられるかわからない、山響の組合の役員とは比較になりません。


 ということで、議案書とそれにくっついている「シナリオ」に目を通しています。去年は、次期役員として初めて出席しましたが、やる気のある「熱い人たち」が管理会社にくってかかる場面もあって、びっくりしました。そしてまさに紛糾している最中に、
「あの~、この後ちょっと仕事なもんで・・・」
と言って席を立ち、かるく顰蹙をかいました。今日はどうなることやら。

 今年度は「管理費引き下げ」の目玉項目を用意させたので、それがどこまで効果を発揮するかがポイントかな。・・・なんだか、こういう「板挟み」みたいな立場に慣れてきてしまっている自分に、ため息をもらしつつ、シナリオの最終ページまで。


『議長:その他、ご意見やご質問等ございますでしょうか。
   (→出席者からご意見やご質問が無いか確認して下さい。あれば、お部屋番号とお名前を聞いて下さい。)
 (無いようでしたら)無ければ、以上をもちまして管理組合第7期通常総会を閉会致します。

  本日は、ありがとうございました。』
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山形Q練習40‐vol.5

2011-05-27 08:08:46 | 山形弦楽四重奏団
 昨日は天童にてスクールコンサートのあと、山形Qのリハーサルでした。チャリティーコンサートに向けた最後の練習です。


 本番が近づいた4人のメンバー間に流れる空気は殺伐として
「なにやってんだ!」「うるさい、お前のせいだろっ!」
つかみ合いで服は破れ、したたる鼻血が点々と・・・

 ・・・というようなことは、まったくありません(当たり前か)。以前にもまして、和やかな雰囲気のまま最終チェックをしていきます。


 爽やかに、そして快活に。明るい演奏を心がけます。


 本番の29日は、どうやら雨模様のようですね。あいかわらず演奏会当日の降水確率が異常に高い山形Qでございます。おかしいな・・・メンバーが替わったのに。(と、いうことは・・・?)

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心構え

2011-05-26 08:59:48 | 危機管理
 昨日は山形市内、しかも自宅から徒歩圏内の小学校でのスクールコンサート。天気も良くて(陽射しは強くなりましたが)空気も爽やかなので、20分弱の道のりを歩いて行きました。

 その小学校は娘の幼稚園のすぐ近くで、体育館に入ってようやく思い出しましたが、去年の6月に娘の運動会をした場所です。梅雨の時期で、当日になって雨が突然降り出したので延期することもできず、急遽最寄りの体育館を借りて決行されたのでした。

 
 そうそう・・・「父の日」にあわせて運動会をやるのです。困ったことに。それで、父と子でやらされる競技があって、苦労したのでした。障害物競走みたいなリレーを親子でやって、途中で巨大なニンジンをおっことしたりして、最下位になって・・・。演奏の合間にふと、その記憶が蘇って気が重くなりました。

 今年は年中か・・・どんな競技だったっけ?まったく記憶にありませんが、「うわ・・・来年はあんなことしなきゃいけないのか」と思ったような気がするので、覚悟はしておかないといけません。

 いや、それより来月のそのあたりのスケジュールはどうなってたかな・・・旅行中だったりしたら一大事です。去年もお父さん達の出席率は100%で、また当然のようにそれを前提とした構成になっているので、仕事が理由でも参加しないわけにはいきません。あれっ「さくらんぼコンサート」は…次の週か。

 (申し訳ありません・・・金管楽器の楽器紹介の最中そんなことを考えていて、気が散っておりました。)


 ということで、終演後に手帳を確認すると・・・う~ん、山形Qの練習。時間をずらしてもらえば、どうにかなるか。

 仕方ない・・・少し体でも鍛えておきます。
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一献(純米にごり)

2011-05-25 08:01:13 | お酒の話し(山形県)
 のむヨーグルトではありません。山形県は置賜地方、川西の銘酒「羽陽一献」のにごり酒です。「にごり」とは言っても、ここまでオリがたっぷりと入っている酒は珍しい。ラベルにも「にごり」とか「おりがらみ」ではなく、「もろみ酒」とはっきり書いてあります。しぼる前の「もろみ」をそのままビンに入れた感じです。


 もちろん純米酒ですが、精米歩合はなんと70%!最近、贅沢にも50%以下のものばかり飲んでいたので、これは久々の野生的な数字です。「どぶろく」みたいな感覚の酒を造りたかったのでしょう。しかし70%でまともな味の酒が造れるのか?とも思いますが、酒米を見て納得。

 使っている米は、山形が研究を重ねて開発した新しい酒米「出和の里」です。実はこの「出和の里」は、まだまだ無名ですが実によくできた米で、精米歩合を上げなくても綺麗な酒ができる、夢のような米なのです。

 またまた顰蹙を覚悟で専門的な話をしますが、一般的に精米歩合を上げるのは、純度の高い糖分がつまった「心白」のみを使おうとするためです。そうすることで、雑味をなくすことができるわけですね。「心白」はその名の通り、米の中心あたりにあるので、できるだけ周りを削り落としていくわけです。

 しかし当たり前のことですが、あまり削りすぎると、米自体が小さくなってしまって、少なくなってしまいます。つまり精米歩合を上げると手間賃だけでなく原材料費がかさむので、高価になっていくのです。

 しかしこの「出羽の里」は、心白が大きく、しかもきちんと米の真ん中に位置しているので、削り取る部分が最小限で済むわけです。他の米で「70%精白」だったら手を出す気になれませんが、「出羽の里」は特別です。さすが山形、本当にすごい発明だと思います。大吟醸にしなくても、上質なものが低価格で出せるわけです。


 ということで、一献いただくと・・・なるほどもろみ。「つぶつぶ感」がすごい。甘酒と同じような「食感」です。しかし、味は元気ながらも、べたつかずに爽やか。生き生きとした酸味が、甘さを消してくれます。「置賜の酒」ということで、「内陸的な重さ」を覚悟していましたが、後味もすっきり。これは素晴らしい。素朴に旨い酒です。

 そしてこの酒、野生的に見えても、実はきちんと計算されているんです。この「もろみ」も、そのままではなくて、火入れしたものを後から加えたものです。生のままこれほど大量にビンにつめたら発酵が進んで味が保てないし、それ以前にガスで爆発してしまいます。


 地道な努力と匠の技による「上質な素朴さ」を堪能しました。
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山形Q練習40‐vol.4

2011-05-24 08:16:43 | 山形弦楽四重奏団
 そして昨日も山形Qは練習。29日のチャリティーコンサートのプログラムを仕上げにかかります。

 チャリティーにここまで時間を割いていいのか・・・そういう疑問がわくようでは、四重奏はやれません。コストパフォーマンスとか採算というものを完全に無視しないと、少しも奥へわけ入ることができないジャンルなのです。そういう意味で、こういう時間を共有できる仲間に恵まれたことを感謝します。


 ということで、賛同してつき合って下さるゲストのオーボエ、齋藤真美さんにも感謝しつつ、シュターミッツの四重奏から。・・・と言いつつも、やっぱりこの曲はどうもヴァイオリンの負担が大きすぎるような気がします。個人的には今回のプログラムでもっとも難しい。黙ってあと5日間、練習を重ねることにいたします。

 次に日本民謡。最上川舟歌を筆頭に、我が山形Qの大切なレパートリーなので、29日のためだけでなく、きちんと作りなおします。たとえば三味線の音を、和太鼓の音を、または風の音、水の流れる音などを模したような部分が多いので、イメージの共有も大切になります。そういうところに時間をかけられるのが、常設の四重奏団の良いところだと思います。

 そして、「日の出」。ご存じの通り、山形Qにとってハイドンはライフワークとも言える作曲家なので、代表作であるこの「日の出」に時間をかけるのは意義のあることです。新しい山形Qのサウンドを創る良い時間です。まだまだ道なかばのハイドンシリーズですが、今のところこの先の道中が楽しみに思える雰囲気になってきています。


 本番まではあと5日ですが、四重奏団としての新しい一歩を、お客さんと共に楽しめるように頑張ります。

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肝臓週間

2011-05-23 09:26:29 | お酒の話し(山形県)
 さっきラジオで聞きましたが、今日からは「肝臓週間」なんだそうですね。どういう趣旨のものなのかは知りませんが、いろんな「週間」があるものです。ほとんどの「週間」は日常生活にあまり関係のない「人畜無害」なものですが、中には注意が必要な「週間」もあります。


 たとえば「交通安全週間」は、本来は事故をなくそうというキャンペーンのことですが、実際には取り締まりの強化です。ですから、町中に仕掛けられた「わな」に注意しなければなりません。しかもその「週間」は一年に何度もあります。

 これは、本当はおかしいですよね。もし「肝臓週間」がこういうものだったら、恐ろしいことになります。

 夜に居酒屋の前に張り込んで、出てきた飲み過ぎの酔っぱらいをいきなり逮捕。へべれけ度合いに応じて罰金を科す。「こうして市民の肝臓は守られた」。

 ・・・なんてね。今週の「肝臓週間」はこういうことはないでしょうが、「健康増進法」の例もあります。お上に強制される前に、自覚して気をつけるべきかも知れません。


 しかしイスラム教の「断食月」も、それがあることによって、逆に太る人が多いと聞きます。何事も無理はよろしくない。ということで今週は、肝臓をいたわりつつ、肝臓に感謝しながらお酒をいただくことにします。
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山形Q練習40‐vol.3

2011-05-22 09:30:46 | 山形弦楽四重奏団
 少しずつ、日がのぼってきているような感じがします。

 
 さて、新しくなった山形Qの練習も3回目。初めての演奏会になるチャリティーコンサートはもう、一週間後に迫っています。

 ということで、昨日は「日の出」と「日本民謡」を。

 ハイドンの「日の出」は、何回か前の定期演奏会でも演奏した曲ですが、今回は新鮮な気持ちで、まったく新しく作りなおしています。単に以前のアプローチを覚えていないという説もありますが、時間が経って、メンバーも替わって、また別の角度からこの名曲に一歩近づくことができそうです。

 名曲というものはみんなそうですが、自然の景色のように、見る角度や季節、天候さらには見る者の精神状態によっても、まったく違って見えるものです。穏やかに見えたり険しく見えたり。

 今回は「屈託のない快活さ」が見えるように、若々しくいきたいと思います。練習の録音を聴くかぎり、もう少しのところかなと。


 そして「日本民謡」。今までいろんな所で演奏してきていますが、今回はあらためてバランスなり音の処理などを再考してみる、良い機会になりました。「今までそうやってきたから、なんとなく」をもう一度意識的に吟味することで、たまっていたホコリがとれたりするものです。

 「がんばろう東北」ということで、東北の民謡を4曲並べましたが、「再出発」にふさわしい演奏にしたいと思います。

 こちらも、もうひと頑張り。あと一週間で、じっくり仕上げることにします。

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南無阿弥

2011-05-21 08:52:26 | 雑記
 「神童」といえば、やはりモーツァルトでしょう。スクールコンサートでも、モーツァルトについての説明をするときには必ず「5歳の時には作曲をしていた」などのエピソードが入ります。

 しかし、こういう話を聞いて「すごい!」という素直な反応が返ってくることはありません。
「ふ~ん、ホントなの?」
これが自然な感想だと思います。なんだか、興味のない商品の誇大広告みたいで、逆に興ざめしたりするものじゃないでしょうか。


 しかし昨日、うちの息子が教えてくれた話は面白かった。学校の歴史で教わってきた聖徳太子の話です。 

「聖徳太子って生まれてすぐに西を向いて『なむあみ』って言ったんだって。」
・・・それは知らなかった。
「そんなの、赤ちゃんがむにゃむにゃ言っただけでしょ?」
・・・そ、そうだろうね。

 学校の資料集に書いてあったそうですが、偉人の神童伝説にしては、あまりにも素朴でほほえましい。

「おっ、お父さん!この子、今『南無阿弥』って言いましたよ!」
「なにっ、本当か?むむっ、しかも西方浄土を向いておる・・・天才じゃ!」
みたいな、心あたたまる家族の情景まで浮かんでしまいます。そして、聖徳太子にも「ただの」赤ちゃんだった時があって、またそれをかわいがって育てた「普通の」両親もいたのだ、ということで親しみがわきます。

 
 作曲家のことを解説するときも、親しみがわくような話の方が良いかも知れません。実際、モーツァルトの神童話よりも、「ベートーヴェンは耳の病気に悩んで自殺まで考えた」というくだりの方が、子供たちは集中して聞いているものです。ベートーヴェンの音楽が理解できなかったとしても、そういう気持ちは理解できますからね。


 ・・・しかし「なむあみ」とは。歴史に残る「親バカ」に、深い親近感をおぼえます。
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ルーツ

2011-05-20 09:57:49 | クァルテット
「ああ!ぼくらもクラリネットを持てたらなあ!・・・シンフォニーが、フルートとオーボエとクラリネットを伴ったらどんなにすばらしい効果をあげるか、ご想像になれないでしょう」 (1778年、モーツァルトが父に宛てた手紙より)


 シンフォニーにフルート・オーボエ・クラリネットが入ってるのは当たり前です。これらが無かったら、ほとんど弦楽セレナーデとか合奏協奏曲みたいになってしまって、シンフォニーとは呼びにくい。しかし、この当時はまだ、そういう方が主流だったわけですね。

 ところがモーツァルトが21歳の時、マンハイムを訪れて、レベルの高い管楽器奏者達をそろえた宮廷楽団を見て驚くことになります。その頃のマンハイムは音楽的には先進国で、のちに「マンハイム楽派」と呼ばれて、古典派の源流とみなされる作曲家達が活躍していました。その中心となったのが、シュターミッツ親子です。シュターミッツの作品に、管楽器を含めた室内楽曲が多いのは、そういう環境があったからなんですね。


 さて、早くもあと10日後に迫った山形Qチャリティーコンサートですが、プログラムの中にC.シュターミッツ(息子の方です)の「オーボエ四重奏曲」があります。

 当時の貴族達の華やかなサロンを彷彿とさせるような、軽やかな明るい曲です。「オーボエ四重奏」と言いながらも、ヴァイオリンの方が音が細かかったりするのは、オーボエ愛好家の貴族の注文で作曲したからなのかも知れません。

 そして7月の山形Q定期では、モーツァルトの「オーボエ四重奏曲」を演奏します。こちらはまさしく、オーボエが主役。モーツァルトがマンハイムで知り合った、オーボエの名手、フリードリヒ・ラムのために作曲したと言われています。きっとすごく上手い人だったんでしょう。聴くと納得します。


 ということで、私にとってはシュターミッツの方が厄介なのですが、それは個人の事情。深いつながりがある二曲の「オーボエ四重奏」・・・ルーツをたどるつもりで、どちらも楽しみたいと思います。
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酒田まつり

2011-05-19 08:32:16 | 山形
 昨日は3連続の酒田日帰り公演の二日目でしたが、誘惑に負けて・・・いや、地球環境保護の観点から宿泊しました。宿の窓から見下ろす「山居倉庫」は、初夏の陽射しに照らされて、木々の緑と壁の白のコントラストが爽やかです。


 ということで、まだ明るいうちから酒田の街へ。すいぶんと日が長くなりました・・・昼間から飲んだわけではありません。お気に入りの店で「もつ焼き」などを堪能しました。

 「目には目を」・・・(ちょっと意味が違いますが)、弱りがちな胃腸や肝臓に精をつけるべく、ホルモンやレバーをいただきました。それにしても、酒田はどんなものでも新鮮で旨い。「こういう店が山形市内にもあったらなぁ」と思うことがよくあります。


 今朝は心地よく目覚めて、天気の良い朝の酒田を歩きました。折しも今日から「酒田まつり」なんですね。市役所の前の広場では、クレーンで巨大な山車を制作中。側面には「がんばろう東北!」の文字が、朝日に輝いていました。今夜は帰るので見ることはできませんが、いろんな思いを込めた「まつり」になることでしょう。

     


 さて、今日も2公演。そろそろ支度を始めることにします。
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鷲の尾

2011-05-18 08:20:57 | 山形交響楽団
 昨日の月山道です。やっぱりこの冬は雪が多かったのでしょう。初夏の陽射しになった今でも、山の斜面にはまだたくさんの雪が残っています。月山のスキー場も、ようやくシーズンが始まったばかりのようですね。


 昨日からまた、山響はスクールコンサートシーズンに戻りました。昨日今日明日と、3日連続で酒田に行きます。

 ありがたいことに酒田は各学校で、毎年のように山響を呼んでくれています。これは県内の他の市町村に比べるとかなり多いです。なので、酒田の学校に来ると「あれっ、ついこの間来たような気がする・・・ボケたのかな」と心配になります(わりと本気で)。

 そういうなじみ深い酒田に日帰りは失礼です。是非とも何日間かゆっくり逗留して、庄内の味覚を堪能したい・・・ところではありますが、高速道路が整備された昨今では、県内で宿泊費は出してもらえません。昨日も庄内の銘酒たちに後ろ髪を引かれつつ、再び月山を越えて帰宅しました。


 しかし天気の良い月山道はいつの季節でもきれいです。

 そう言えば以前、安比高原に宿泊した時に「鷲の尾」という酒を飲みました。味は今一つでしたが、良いネーミングだと思いました。宿の人が言うには、山に積もった雪が、春になって融けていき、黒い山肌が現れる。その白地に黒い模様が鷲の尾羽の形のようなので、「山に鷲の尾ができた」と言うのだそうです。ちょうど初夏の今頃の、雪国の「季語」のようなものですね。

 さて、今日もこれから鷲の尾を見ながら出勤することにします。
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山形Q練習40‐vol.2

2011-05-17 08:29:28 | 山形弦楽四重奏団
 「やっと寒くなくなってきた」と思ったとたんに、突然初夏らしくなりました。山形Qが練習で使っているコミュニティセンターの研修室も、暖房が要らなくなったと思ったら、昨日はもう暑く感じられました。今年の夏は気軽に冷房がつけられないでしょうから、あまり暑くならないといいんですが。


 ということで山形Qのリハーサル。とりあえず、5月29日のチャリティーコンサートがひかえていますので、その練習を中心に。

 まずはメインのハイドン「日の出」。何度弾いてみても名曲です。この作品76の6曲はどれをとっても、完成度が高いですね。「聴いて楽しい」と「弾いて楽しい」が両立されてます。さらに、各声部の役割がすごく「練られている」というか偏りがなくて、「弾きながら他を聴くのも楽しい」のです。

 そこで「合わせても楽しい」となるわけですが、それは注意が必要です。新メンバーで二回目の練習ですが、早くも馴染んできて、和やかに練習が進むのは良いのですが、音が馴染み過ぎてしまっても、曲の良さが出なくなってしまいます。

 全体的にまったりとして、何の具が入っているのかわからなくなったような、煮込みすぎたような感じになってしまうと美味しくない。味の調和がとれていながらも、時々「サクッ」とか「シャキッ」とした食感が楽しめるべきでしょう。もちろん「ジャリッ」とアサリの砂が抜けてないようなのは興ざめですから、その辺の加減は難しいところです。


 そして、後半はオーボエの齋藤真美さんが初登場。同じくチャリティーでやるシュターミッツの四重奏と、定期のモーツァルトを軽く。

 山形Qではオーボエを入れた曲は初めてです。合わせてみて、クラリネットとはまた違った面白さと難しさを感じました。特にヴァイオリンの立場としては、音域が近いので、掛け合いなどは生き生きとしてスリリングですが、その分ぶつかりやすいところもあって、もう少し慣れと余裕が必要です。


 5月29日の本番まであと二週間。スクールコンサートのスケジュールも忙しくなってきますが、良いコンサートになるように頑張ります。
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