中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

異例の年末

2020-12-30 21:00:00 | 山形弦楽四重奏団
今日は山形Qリハーサル。これをもって、今年の活動は全て終了。冬休みに入ります。

 12月30日までリハーサルをするという、家族というものをまったく顧みない所業の山形Q。しかしこの冬は全国的に各自、自宅にこもることが推奨されているので、これも「新しい年末年始」の一つのあり方だと大目に見ていただきたい。

 いまさら言うまでもなく、今年は異常な一年でした。小学校の給食当番からご無沙汰だった「マスク」が、もはや眼鏡以上に「顔の一部」になり、身だしなみを超えた必需品として不可欠のものになるとは。

 そして「忘年会ゼロ」。これも、大きな声では言えないが、小学校卒業以来と言ってもいい。

 ちなみに、ただいま山形の自宅で「レコード大賞」を見ています。山形できちんと年末年始を過ごすのは、初めてのことかも知れません。

 来年は、少し落ち着いて、以前の日常に近い暮らしができますよう祈るしかない。

 今年は、この異常な中でも、本当に多くの励ましや支援を頂きました。これは、例年では考えられない。こんなにも、皆さんに支えられていたのだということに気づいたのは、大きな財産になりました。

 来年もどうなることかわかりませんが、皆さんに恩返しをするために、できることを最大限にやっていく覚悟です。

 今年も、本当にありがとうございました。良い年をお迎えください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鬼滅を語る

2020-12-29 23:40:00 | 読書
娘が友達から借りてきた「鬼滅の刃」最終巻を読ませてもらいました。

 第23巻。

 空前の人気の中で、スパッと終わるというのも、なかなか潔くて好感が持てますね。「〇〇編スタート」とか言って、いくらでも続けることはできたと思いますが、それをしなかったのは良かったと思います。きちんとテーマが完結した感じがします。

 人の「恨み」というものは、いつまでも残る。しかしそれに囚われず、逆に新たな力として昇華できた者の勇気は、後の世代に伝わって、人間の財産となる。 

 テーマとしてはこんな感じでしょうか。

 「いつまでも残る恨み」というものが「鬼」なわけです。それは、どこかできちんと首を切るか陽の光にさらして「成仏」させなければならない。そうしないと、夜ごとに再生して、いつまでも生き続けてしまう。

 それを倒すのは、同じかさらなる不遇な中に生きて、その逆境をどうにか乗り越えた者にしかできない。

 この物語の成功の秘訣は、そうした「恨み」や「不遇」をきちんと描くことで、読む人の共感を確保し、話の深みを出したことに尽きると思います。

 「悪者」も「良い者」も、それなりのやむに止まれぬ事情があってのことなのです。

 それがまたきちんと、なかなか魅力的なキャラクターとして成立しているところが、ヒットの要因でしょうね。

 「13日の金曜日」だって、ジェイソンの辛い生い立ちとか、悲しい挫折とか、チェンソーとの忘れられない出会いとか、その辺りを丁寧に描写したら、もっと違ったかも知れません。あのマスクが飛ぶように売れたりとか。

 シェイクスピアだってそうです。「マクベス」を読んでも、「ああ…奥さんの言いなりになって大罪を犯すマクベス。でもわかるよ、その気持ち!」と思わされるところが素晴らしいのです。

 とくに目新しいところはないはずの漫画なのですが、そのあたりを丁寧にやり尽くしたところに、成功のポイントがあるように思います。


 なかなか面白い漫画でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年末の初合わせ

2020-12-28 21:30:00 | 山形弦楽四重奏団
 年齢のせいか、明け方に目が覚めます。しかし、きちんとした目覚めではない。「あれ、今日は何の日だったかな?」と、暗い中でしばらく考えるのが日課です。ちなみに今朝は「今日は第九か…頑張るぞ」と思った瞬間に、それは昨日だったことを思い出す始末。

 …なんだ、今日から冬休みか。

 ということで、年末大掃除をするわけでもなく、とりあえず山形Qのリハーサル。

 今月頭に、新潟公演があったために、次回定期に向けての練習がまだ始まってもいなかったのです。さすがにこのまま年を越すわけにはいかない。

 というのも、次回定期のプログラムは、山形Q史上、屈指の難曲ばかりです。

 とにかく、ゲストの山響首席クラリネットの川上氏の要望によるプログラムが、大変厳しい。

 ペンデレツキとコーカイ。

 何のことやらわからない方もいると思いますが、私も同感です。とくに、ペンデレツキ。譜面をただ音にするだけでも難しいのに加えて、合わせても、合っているのかどうかわからない。

 コーカイも充分、風変わりな曲なのですが、ペンデレツキの後だと、とてもスッキリ感じる。

 そして二重奏シリーズ。今回はヴァイオリンとヴィオラの二重奏でマルティヌー。…これも難曲ですが、その前の2曲に比べるとわかりやすく、ホッとしてしまう。

 総じて今回は、なかなかハードなプログラムになりました。冬休みも、かなりの時間をかけなければ。…音楽家の休暇は、その後の演奏会の曲目にすべて左右されるのです。

 ということで、良いお年を…は、まだおあずけ。年内に、もう一度練習します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

禍から希望へ

2020-12-26 23:50:00 | 山形交響楽団
今年もいよいよ大詰め。

 コロナに振り回されてばかりの一年が、さらなる混迷の中で終わろうとしています。

 このままじっとしていても始まらない、と開き直る向きもあれば、今はとにかく閉じこもるべきだという流れもあり、もはや何が正しいのかわからない。

 正解は誰にもわかりませんが、きちんと心配しつつ、その中でできることを最大限にやる…ということしかないように思います。

 ということで、山響の仕事納めは明日の「第九演奏会」。今日はリハーサルでしたが、フェイスシールドをつけた合唱団の人数を制限して間隔をとり、オーケストラとの間についたてを設け、さらにまたフェイスシールドをつけたソリストと客席の間に巨大アクリル板を置いて、さらに客席はひとつおきでの開催です。

…やるべきことは全てやり、その上で、できることをする。

 今の私たちには、それしかできないということです。役に立たない心配をしている暇はない。

 こんな中でも、マスクをつけて検温をして、それでも山響の「第九」を聴いて年納めにしたいと思ってくださるお客さんがたくさんいるということに、まずは深く感謝しながら、明日も良い演奏会になるよう頑張ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鍋島「ニュー・ムーン」

2020-12-25 22:00:00 | お酒の話(県外)
 もはや今年を振り返る時期に入ってきています。今年を「ああ…良い年だったなあ」と言える人は少ないのではないでしょうか。むしろ、こんな事になってしまうとは、という方がしっくり来るのではと思います。

 来年こそは良い年になりますように。…とくに先行きがますます不安だからこそ、そう願うしかない。現実逃避に近いような気がしても、心配してもどうにもならないことは心配しない方がいい。感染防止の対策とか、自分ができることはしっかりやって、そのあとは気にしない。「自分の力の及ばない部分に関して気を揉むのは愚かである」ということは、古来より多くの哲学者も言っているところです。

 ということで、日本酒の世界に目を向ければ、華々しい新年が真っ盛りです。銘酒の便りがぞくぞくと。…新酒が好きな私には、悩んでいる暇など無いということを思い出しました。

 まずは九州の銘酒「鍋島」から「ニュー・ムーン」。もともとコクのある甘みが堪らない酒ですが、これに新酒のフレッシュさが加わると…まさに絶品。

 クリスマスだからといって、シャンパンばかり飲んでいる場合ではない。この、舌を押し返してくるようなイキイキ感は、炭酸の刺激に負けません。七面鳥のローストにも合うはずです。

 こういう、明るい新年の便り(私が勝手に感じているだけですが)には、元気づけられますね。来年も頑張ります!

 …おっと、現実の世界では、冬休みはまだおあずけ。残る「第九」も、もちろん頑張ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジョーカー

2020-12-23 22:30:00 | 映画・ドラマ
 勧善懲悪ドラマとは違って、世の中、「良い者」と「悪者」にスッパリと分けられるものではありません。

 さらに言うなら勧善懲悪ものだとしても、本当は、悪者にも悪者なりのどうしようもない境遇があるのです。最近はやりの「鬼滅の刃」でもそうですが、そのあたりをしっかり描くことによって物語に深みが出るわけです。

 ウルトラマンでさえも、怪獣や宇宙人の側のやむに止まれぬ事情が描かれた回は、感動が深い。水戸黄門だって、悪代官の、実は不遇な生い立ちからきちんと描けば、きっと大河ドラマになります。

 さてレンタル屋で、今年「観ておくべき」映画のトップとして、置かれていたのが「ジョーカー」。公開時、バットマンを知らない私には、どうでもいいかなと思っていたのですが、随分と評判が良かったので観てみることに。

 猟奇的な話かと思いきや、実は貧困の中での可哀想な男の子の話。ジョーカーというのはもっと天才的な、例えば「羊沈」のレクター博士のような存在なのかと思っていましたが、普通の不遇な人として描かれていました。

 もちろん主演のホアキン・フェニックスは噂通り素晴らしい。「スタンド・バイ・ミー」のガキ大将の男の子の弟だとは知りませんでした。演技力の才能も血縁によるところが大きいんですね。

 もっと常軌を逸したものを期待していた私の方が、実はジョーカーよりも異常性が高いかもしれない。と思うぐらい、まっとうな作品でした。

 しかし、どうしても思うのは、やはりアメリカは銃があるからいけないんじゃないでしょうか。ジョーカーさんだって銃さえ持ってなければ、ああならなかった。

 私としては、この手のテーマなら、銃を使わない邦画に軍配が上がると思います。

 良い作品でした。しかしこういう作品が上位に来るのは、社会が疲れているからなのかもしれません。

 来年は良い年になりますように。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新しい年末年始

2020-12-22 22:22:22 | 危機管理
 先日の「くるみ割り」の本番の日が、奥さんの誕生日だったので、その後、娘と3人でお気に入りのイタリアンに。

 「お気に入りのイタリアン」などと、ちょっとカッコつけてみましたが、滅多に行かないので、約1年半ぶりです。

 
 久しぶりに入った、おしゃれな店内には、全てのテーブルにアクリル板のパネルが立っていました。

 そして寒い。雪の中でも換気を充分にしているためでしょう。こうした、感染対策をしっかりやっているのは、素晴らしいことです。

 しかし…。

 4人がけの予約席についた私たちの間にも、きちんとアクリル板。これでは、料理を取り分けることもままならないし、メニューを見るのにも、板の隙間からやりとりをしなければならない。

 他のパーティーとの間についたてがあるのはわかりますが、家族間でもこれでは、不便極まりない。

 …あの…私たち、家族なんですけど、それでもこの仕切りなくすわけにいかないんですか?

「すみません、今は、そういうルールでやってるものですから」

 寒風の中、留置場での差し入れのように、透明板の隙間から、皿に取り分けた料理をやりとりするのでした。…ごめん、お父さんきちんと罪をつぐなって家に帰るからね。

 いやいや、愚痴ではありません。重ねて言いますが、それほど、この店はしっかりと対策をしている、信頼できるお店だということです。

 度重なる忘年会・新年会に明け暮れていたこれまでの年末年始は、もはや遠い過去のものになったのを実感します。

 私も意識をあらためて、慎重な年末年始を過ごすことにします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

くるみ割り人形

2020-12-18 22:50:00 | 山形交響楽団
 クリスマスが近づいています。コロナとか大雪の立往生とか、いろいろなことが解決されないながらも、今年も暮れてゆきます。

 人の力でどうにかできることは頑張って、そこから先は神に祈ることしかできません。

 来年は良い年になりますように!

 ということで、明日は山響と東京バレエ団での「くるみ割り人形」の公演。新しい県民ホールでの初めての、本格的なバレエ公演です。

 今日は会場でのバレエとの合わせリハーサルでしたが、セットその他、本当に素晴らしい。

 ようやく、山形でもこういう公演ができるようになったということを本当に嬉しく思います。

 バレエは声を出さないので、安心してご覧いただけます。児童合唱もカットですし。

 クリスマスにおこる奇跡の物語を、生の公演で、存分に味わっていただきたい。オペラの時もそうでしたが、きっと「バレエってこんなにすごいんだ!」と感じてくださる方もいるはずです。

 何を隠そう、私もそうです。娘の教室の公演は何度も見ていますが、プロのバレエ団の公演を観たことがないのです。

 今日のリハーサルでは、そのセットと群舞などの迫力を、休符のところでチラッとですが見て、感動しました。

 同じような感動を、多くの人に味わっていただきたい。

 よい演奏会になるよう頑張ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

陸奥八仙「おりがらみ生」

2020-12-17 22:50:00 | お酒の話(県外)
 大雪で大変です。前の冬は全く雪が降らなかっただけに久しぶりで、心の準備がまったくできてない身には、災害に見舞われたぐらいの感があります。

 雪国に住んでいても、冬の自然の厳しさをあらためて思い知りますね。

 しかし厳しい自然には、また実りもあるのものです。

 ということで、今年も少しずつ新酒がお目見えしています。

 その中でも「北国からの便り」にふさわしく、青森の「陸奥八仙」。

 銘酒の多い青森ですが、「田酒」はブランド化が先行しすぎて今ひとつ。続く「豊盃」はちょっと路線が変わってきてしまっている。どちらも、私のようなオールドファンにとっては、最近「ん?…こんなはずでは」というものが多い。

 そんな中で、今青森で、一番良いかもと思えるのが「陸奥八仙」です。水の柔らかさ、優しい香り、ほのかな甘さ…どれをとっても素晴らしく、それでいて他の地域にはない「青森らしさ」がちゃんとある。

 その新酒。淡雪を思わせるかすかな濁りが、「今年も新酒の時期か」と嬉しくなります。

 一口飲むと…これこれ。この「初々しさ」。このフレッシュな酸味に、この時期だけの、かけがえのない一瞬が閉じ込められています。若い頃の、一番良い思い出。特別なことはなくても、「若い」って、ただそれだけで、あんなにも楽しかった。…みたいな。

 やはり新酒は良いものです。

 今年も終わりに近づいています。「良い年だった」とは言い難い状況ですが、それでも季節はめぐって、その時なりの恵みを与えてくれます。

 静かに堪能しましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪国の冬

2020-12-16 22:08:00 | 山形
 昔「シュガータウン」なんていう歌がありましたね。朝起きると、窓の外の景色が、雪でうっすらと砂糖をまぶしたようになっている。

 クリスマスも近いし、なんだか、ワクワクする!神様からの贈り物かしら。

 …などというのは、都会人の妄想です。

 こちらは突然の大雪にげんなりです。朝起きてカーテンを開いて「…まじかっ!」とうめくばかり。

 時間をかけて車の雪を落として、ガラスにこびりついた氷を融かし、その後も日頃の数倍の渋滞で時間がかかり…。

 チラッと来ただけで、

「あっ…雪♡」

 なんて、都会の人はロマンティックなイベントの感覚なのでしょうが、なにも降雪はデートの前とは限らない。めんどくさいプレゼンの朝、雪が降っているというだけで電車がいつもの倍以上に混雑して、しかもかかる時間が3倍ぐらいだったらどうですか?…キレる人もいるに違いない。犯罪にも発展することでしょう。


 …と今朝、娘を学校に送って帰るまでの道のり、普段なら20分で済むはずのところを、1時間の渋滞の中で考えておりました。

 まあ雪は綺麗だし、空気が柔らかくなって寒さがマイルドになるから好きなんですけどね。


 雪道の安全運転と、寒い中での体調管理に気をつけて、今年の残りも頑張ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

音楽会食

2020-12-14 23:00:00 | 山形弦楽四重奏団
 山響が休日の時は、朝寝・朝湯・朝酒というゴールデンコースにどっぷりとひたって命の洗濯を…できるわけもなく、山響関連のアンサンブル業務。

 今日は山形Qにフルートの小松崎さんを加えた編成で、山形の名士が集う昼食会のBGM。

 「昼食会」とは言っても、昨今の事情から円卓ではなく、学校の教室のように並んだテーブルで、間にはアクリル板の間仕切りがあって、私たち弦楽器奏者もマスク着用での演奏。

 会食ではありながら、会話も自粛なので、BGMなのに静聴。静かに食べながらコンサートを聴く…新しい会食ですね。

 とにかく、この不自由な時代においてなお、「ちょっと贅沢な」オプションとして、生演奏を選んでくださる方々がいてくれるのは、身にしみて嬉しく思います。今日も一生懸命、演奏させていただきました。

 さらなる制限がかかる可能性がちらついている今日この頃ですから、こういう機会のひとつひとつが、ありがたく貴重なものなのだという実感があります。

 主催者、関係者各位に感謝します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

密とドラクエ

2020-12-12 21:05:00 | 山形交響楽団
 今週末の山響は、郡山でのドラゴンクエスト。

 とにかく今は、開催できるだけでありがたい。

 山形から福島の郡山まではなかなか遠い道のりですが、日帰りです。寂しい気持ちもありますが、歓楽街で飲食する隙も与えられていないので、ご安心ください。…郡山は良い店が多いんですけどね…辛い時代になったものです。

 今回はドラゴンクエストの、Ⅰ•Ⅱ•Ⅲからの名曲セレクション。

 このような時勢だからこそ、存分に、楽しんでいただきたいと思います。

 「福島ルール」で、舞台上は各人が1.5メートルの間隔を空ける必要があるので、弦楽器も1人1本の譜面台で「密」を避けての実施です。

 …はやく、普通に演奏・鑑賞してもらえる日が来てほしいのですが。他の地域を見ると、それは贅沢な悩みなのかも知れませんね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雅山流「魂」

2020-12-11 23:53:00 | お酒の話し(山形県)
 「コロナ禍」という言葉を聞かない日はありませんが、どうも語感が良くないので嫌いです。「コロナ禍のこの中で」みたいなフレーズ。…ややこしいことこの上ない。

 文章でもそうです。そもそも「禍」という語に馴染みが無いので、「コロナ渦」とか、ひどい場合は「コロナ鍋」などの誤字が目立つのが残念。会話で「ころなうず」と発音していた人もいるぐらい。

 …とにかく、全てがコロナに振り回されている昨今。

 そんな中で、米沢の銘酒「雅山流」が、苦しんでいる飲食店のために出した新しい酒が、この「魂」。純米酒ですが、自社の吟醸酒などをブレンドすることで、値段を抑えています。確かに破格ですが、味はどうなのか?どれどれ、とばかりに開栓。

…なんと!新潟の淡麗辛口もびっくりの透明感。それでいて、無味無臭系ではなく、雅山流のきちんとした米の味わいがあります。感覚的には、この倍の値段でもおかしくない。

 普段あるはずの需要が無くなって、質の高いものが品あまりしているという話を聞きますが、これも、そこから生まれたのかもしれません。

 今までなら接待なんかで、偉い人が無駄になんとなく消費していた上質なものを、一般の人が安く、しかも自宅でじっくりと味わえる良い機会とも言えるでしょう。

 「コロナ禍」。本当に良いものは、そんな「にわか」のものに負けて消えたりはしないはずです。そう信じて、質をみがいていくチャンスと考えるしかありませんね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リニューアル・コンサート

2020-12-08 23:00:00 | 山形交響楽団
 山形の長井市のホールがリニューアルということで、明日、山響によるコンサートが開かれます。

 …思えば、山形のホールも建て替えが進み、私が入団した頃のままである所はほとんどなくなりました。

 今日は会場でリハーサルでしたが、今までの「昔の映画館」みたいだった客席が新しくなり、新しいホールとして生まれ変わりました。

 新しい空気にふさわしく、指揮には若手女性指揮者の沖澤のどか氏。今日のリハーサルでも素晴らしい指揮でした。棒が良ければ、男だとか女だとか、関係ないのだということがわかりますね。

 プログラムは、メンデルスゾーンの「イタリア」をメインに、長井市出身のソプラノ、梅津碧さんをソリストに迎えてオペラのアリアなど。

 盛り沢山なプログラムですが、感染対策として、昼・夜の2回公演。…なかなかハードですが、良い演奏会になるよう頑張ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山形Q新潟マルタケホール公演

2020-12-07 22:50:00 | 山形弦楽四重奏団
新潟での「マルタケホール」での山形Qのコンサートが、無事に終了しました。

 新しくできた室内楽向けホールということで、どんな所かと楽しみにして行きましたが、本当に新潟駅の目の前にある立派なビルで驚きました。その最上階。席数100のシックなホールで、同じ階には、私などには到底縁のない高級なフレンチレストランが入っている。新潟はやはり、山形よりもだいぶ都会なのだと思いました。

 さてコンサートですが、そのビルの社長さんの希望で「本格的なクラシックのみ」のプログラムという縛りがあったので、ベートーヴェンの三重奏曲を前後半に一曲ずつ据えた、重厚なものでした。…これはマニアックが売りの山形Q定期でも躊躇するレベル。しかし、主催者の希望なら喜んでやらせて頂きます。

 とはいえ、やはりハードなものでした。静寂な小さな会場で、弦楽三重奏だけでフルサイズのコンサートをするのは、私たちにとっても初めてで、そのシビアさは想像以上のものがありました。

 
 しかし、そんな所にまで関西から足を運んでくれる私たちのコンサートの常連のお客様がいたり、山響グッズの「ブラヴォー・タオル」を持参して掲げてくれる方がいたりして、心強いことこの上ない。

 こんなに各地で、応援してくれる方々と繋がることができたことが、この仕事をしていて嬉しい一番のことです。

 アンコールの「佐渡おけさ」を含めて、おおむね喜んでいただけたようで、ホッとしています。

 大切な隣県の新潟ですから、これからも、山形の演奏家が新潟の皆さんと繋がることができる場として、あり続けて欲しい。その「すすはらい」をできたなら、嬉しく思います。

 主催の皆様、関係者各位、そして会場に足を運んでくださった皆様に深く感謝します。ありがとうございました!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする