中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

季節感

2019-10-31 23:59:29 | 山形交響楽団
 県内のスクールコンサートが続いています。ついこの間まで暑くて仕方がなかった学校の体育館が、すっかり寒くなりました。冷房が無いことを恨んでいたのをすっかり忘れて、ジェットヒーターの周りに身を寄せます。

 昨日は酒田でのコンサート。途中の月山道路は紅葉の見頃を迎えていました。朝早いのがつらいスクールコンサートですが、鮮やかに染まっている山を見て、少し目が覚めます。


 最近の県内で嫌なのは、道路工事が多いこと。雪が積もる前に、ということなのでしょうが、そこら中で停められます。雪のシーズン前と年度末の駆け込み工事ラッシュにはいつもウンザリしますが、これも「季節感」ですね。

 これからはタイヤ交換の時期を図りつつ、天気の長期予報を見る季節に入ります。

 
 酒田で、白鳥を見ました。なんだか、追い立てられるような気になります。

 …今年も大したことせずに終わってしまう。

 
 今年もあと2ヶ月。「良い年だった」と言えるように頑張ります。
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十九(純米吟醸ゴールデンベア)

2019-10-29 23:09:26 | お酒の話(県外)
 非常に珍しいものを頂きました。見ただけでは、名前はおろか、日本酒であるということもわからない。

「え、これは何ですか?」思わず訊いたら、
「じゅうくです。」
「…は?」

 見て分からず、聞いてもなお分からず。まさに秘酒ですね。


 詳しく訊くと、長野県の知る人ぞ知る小さな酒蔵が醸す「十九」という名前の酒の「秋バージョン」らしい。世の中には、まだまだたくさんの蔵があるものです。

 それにしても…ちょっとラベルがオシャレすぎますよね。私だったら、見つけても手に取らないかもしれない。しかし、「僕の一番好きな日本酒です。ぜひ試してみてください」とまで言われて贈られた酒です。心して頂きましょう。


 美山錦50%ですから実質、純米大吟醸です。長野の酒はあまり知りませんが、フルーティなものが多いような印象があります。これも、ラベル的にそんな予感がしますが、開栓。

 …ん?ほんのかすかに微発泡。ひと夏寝かせた秋あがりでの発泡は珍しいです。さて味は?

 …これは、今まで体験したことのない感じ。フルーティなのですが、そんなライトな分類に収まらない、濃厚な果実の甘酸っぱさと、深めのコク。女子が「これ飲みやす〜い」とか言いそうなフルーティとまったく違います。ワインの「ホイリゲ」を、アルコール度数高めのドライにしたような。後口には甘さが残らず、スパッと切れる。

 爽やかで濃厚、芳醇でスッキリ…どうも、よく使われる言葉では、うまくカテゴライズできない不思議な体験です。

 飲んで楽しい酒です。しかし、食中酒ではないかもしれません。内陸だからか、刺身などとは合わない感じがします。食後にじっくりと、ときどき野沢菜の切れ端でも噛みながら飲んだら最高でしょうね。


 極上のフルーティを堪能しました。
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コミュニティ

2019-10-26 23:59:05 | 山形弦楽四重奏団
 私が育った実家の近くに、「住区センター」がありました。誰のためにある、何のための施設なのかわからないので、入ったことはほとんどありません。近くの公園で遊び疲れた時に、友達が「この中に冷水機あるよ」と教えてくれて一緒に入ったことぐらいです。

 中はシンと静まり返って人の気配がなく、とにかく居心地の悪い「センター」でした。


 しかし、山形のコミュニティセンターは違います。まさに、コミュニティの中心。平日でもいろいろな団体が利用していますし、定期的にあるイベントには、びっくりするぐらいたくさんの人が集まる。

 今週末に開催された「出羽地区文化祭」も、大盛況でした。

 前の道路は渋滞し、駐車場に広げられた「出店」には小中学生で溢れている。建物の中も、餅つきやら福引で、歩くのも大変なほどごった返していました。


 そんな、地域のしっかりしたコミュニティがあるのが、山形の良さですね。

 ということで、我が山形Qも依頼を受けて文化祭に華を添えるべく演奏してきました。いつも研修室で年がら年中音を出していますから、こうした機会に、きちんと貢献しておかないと、うるさくてただ怪しいだけのおじさんたちになってしまう。


 50分間のミニコンサートでしたが、少しは見直してもらえたのではないかと思っております。

 今後とも私たち山形Qをよろしくお願いいたします。
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昼のいこい

2019-10-25 21:28:23 | 山形
 今週は忙しくも穏やかな、県内でのスクールコンサートの日々です。

 午前の学校で1ステージ、別の学校に移動して午後に1ステージ。学校の体育館もだいぶ肌寒くなってきました。


 午前と午後の間は、移動と昼休憩を合わせたものなので、わりと時間があります。

 …これが、山形の「旨い店」をめぐる貴重な機会なのです。忙しい秋ですから、そんな楽しみでもないと、心がカサつきますので。


 今週は妙に蕎麦が食べたくて、毎日、これまで行ったことのない店を巡りました。それも、山形名物の「冷し肉そば」を。

 県外の人に簡単に解説すると、「冷やしラーメン」発祥の地の山形は、冷たくても脂が白くならない技術が発達しています、蕎麦処の山形ですから、蕎麦でも「冷やし」をやらないわけがない。そこでいわゆる「鶏そば」を、冷やしでやって完成度を高めたものが、山形名物「冷やし肉そば」なのです。

 これが、地域や店によって、流儀も味も全く違って奥が深いのです。麺の硬さや太さはもちろん、具の鶏肉やダシの風味、甘みの具合から鶏油の加減などなど。

 もちろん冷やさない、温かいのもできるわけですが、面白いことに、旨い店は「冷やし」の方が断然旨い。つまり、「冷」と「温」は完全に違うもので、「温」は山形名物ではない。全国共通の「鶏そば」です。


…いろいろ語りましたが、やはり山形の蕎麦文化は最高です。名店がいくらでもある。酒に飽きたらレビューしたいぐらいです。

 忙しさに負けず、(負けないように)、山形の味覚を堪能しております。
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国民の祝日

2019-10-22 21:18:20 | 山形弦楽四重奏団
 今日は祝日だったのですね。

 仕事柄、世間の休みと私の休みが無関係なので、昨日まで気がついておりませんでした。

 今朝も外に出てみると、世の中がずいぶんシンとしているので驚きました。


 新しい天皇陛下の御即位を、心よりお慶び申し上げつつも、本日から山形Qのリハーサル。

 今週末の依頼公演のための練習です。


 いつも練習会場としてお世話になっているコミュニティセンターの文化祭。

 私たちのように音を出す団体は、なかなか肩身がせまいのが普通なのですが、ここは非常に理解があって本当に助かっています。ここがなければ、山形Qの活動も今のようにはできていなかったでしょう。

 ということで、恩返しの気持ちを込めて男3人、弦楽三重奏で演奏します。


 ちなみに、山形Qのブログの練習日誌は今回、つまり1月23日の第74回定期まで私が担当しますので、そちらの方も良かったら覗いていただければと思います。
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山形弦楽四重奏団第73回定期演奏会終了

2019-10-21 21:33:42 | 山形弦楽四重奏団
 昨日は、「暑くも寒くもない」という、本来の秋らしい穏やかな天候の中で、無事に山形Qの定期演奏会を終えることができました。

 ゲストのピアニスト小林路子さんの人気もあって、たくさんのお客様に恵まれました。今回も、酒田をはじめ静岡や神戸から聴きに来て下さった方もいて、ひたすら感謝です。


 さて、初挑戦となる名曲の「ます」はいかがだったでしょうか?5楽章まである大曲なので、前半は軽めの選曲になっていましたが、やや短すぎたかなとも思いました。15分で前半終了で15分の休憩。

…まあ、それだけ「ます」に懸ける気持ちが強かったということで。


 そしてメインの「ます」。ピアノの小林さん、コントラバスの三崎屋氏に支えられて、気持ちよく演奏しました。「大好きな曲だが実演に触れるのは初めて」というお客さんが何人もいましたが、楽しんでいただけたのなら嬉しく思います。


 さて、次回は来年の1月23日。山響の都合で残念ながら平日です。ゲストにはおなじみ山響首席クラリネットの川上一道氏を迎えて、知られざる名曲、ケルターボーンの三重奏、クルッセルの四重奏、そしてベートーヴェン生誕250年ということで弦楽三重奏第2番。

 またのお越しを、お待ちしております。
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いよいよ明日

2019-10-19 22:14:31 | 山形弦楽四重奏団
 だいぶ秋も深まって、朝晩は涼しいを通り越して寒くなっています。


 ということで、いよいよ明日、山形Qの第73回定期の本番です。

 天気もまずまずなようですが、とにかく、無事に開催できそうなだけでも感謝するべき昨今です。


 文翔館で久しぶりにピアノを使うということで、会場の設営もいつもとは少し違った配置になると思います。

 ぜひ、楽しみにしていただきたい。


 お待ちしています。
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秀鳳「雪女神」超辛口

2019-10-18 23:59:09 | お酒の話し(山形県)
 もはや私の日本酒中毒は知れ渡っておりますが、知らない人には、ヴァイオリンが仕事だと言うと、
 「ワインとかブランデーじゃないんですか?」
 などと意外そうな反応をされます。べつに「オーケストラ」が「洋風」ということでもないでしょうに。

 「甘党」「辛党」または「犬派」「猫派」のように、人のタイプとして「洋風」「和風」のイメージというものが存在するのですね。…ほぼ洋式トイレしかなくなったこの現代だというのに。不思議なものです。


 しかし、こんなことを言っている私でも、日本酒は「和風のもの」というイメージは、どうしてもあります。

 だから酒瓶のラベルには、やっぱり毛筆の書体がしっくりくる。そうでないものは、ちょっと「イロモノ」なのではという先入観を持ってしまいます。


 ということで、山形市の銘酒「秀鳳」ですが、出ましたアルファベットラベル。「超辛口」も、「awesome karakuchi edition」だと。おしゃれなのは構わないのですが、それでもちょっと躊躇してしまう。気にはなりつつも、これまで手を出さないできました。

 しかし、山形の新しい酒米「雪女神」の純米大吟醸にして破格の安さ。秀鳳は、良いものを安く造るので応援してあげたい。…迷いに迷った末に、一度味見をしてみることに。


 開栓。

 …まず香りが素晴らしい。優しくてキメが細かい吟醸香。ふわっとしながらもツンと来ない。グラスに注いだ時点で、もう絶対に美味いことが伝わってきます。

 吸い寄せられるようにひと口。

 これまで、「雪女神」というネーミングには、ちょっと上滑りというか、雰囲気は良いが実体がないようなイメージを持っていました。どのへんが雪でどのあたりが女神なのかが伝わってこない。

…しかし、それが、この酒で初めてわかりました。

 凛とした冷ややかさがありながら、気づいた時には消えていて、淡い残像だけが残るような…それが持ち味なのです。この冷ややかさは山田錦には無い。温度が低い時のサラサラした雪が舞い上って、その先になにか美しいものが蜃気楼のように一瞬見えたような…。

 予想をはるかに超えて旨い酒だったので、私も言葉が滑ったようです。


 雪女神の良さを最大限に引き出している銘酒だと思います。堪能しました。
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紫外線

2019-10-17 21:54:38 | 雑記
 「紫外線は肌に悪い」と言いますが、そんなことはシミなどを気にする一部の「マダム」に関係のある話としてしか、今まで聞いていませんでした。

 しかし、長い間の積み重ねというものは、いかに人体に影響を与えるか。ちょっと考えさせられました。


 世の中は今、ラグビーにわいていますが、我が家ではバレーボールでした。理由は簡単。娘が見たがるから。

 報道では、すっかりラグビーの陰に隠れてしまいましたが、日本男子のバレーボールはすごかった。大健闘に次ぐ大健闘。娘のように、お気に入りの選手がいなくても、観ていて充分に熱くなれる試合がたくさんありました。

 とにかく、身長において、日本が初めから負っているハンデは計り知れない。日本よりも小さい人たちの国は無いのだなと思い知らされました。

 それがしかし、互角以上の闘いを見せるのです。ロシアとか、聞いただけで戦意が喪失しそうになる国にも、堂々の勝利。これは、応援したくなります。

 特に今回、大活躍した若い選手が息子と同い年。可愛く見えてしまいます。


 しかし、可愛く見えるのはそのせいだけではない。ゴリラのようなラグビー選手と比べて、そもそも可愛らしい。

 顔が?表情が?

…いろいろ考えましたが、やっとわかりました。肌が白くてきれいなのです。

 小さい頃から激しい運動ばかりしてきているとは言え、やはり屋内なのです。肌の綺麗さが、少年そのまま。白くてつるつるなのです。むくつけき外人選手でさえ、お肌すべすべ。



 山形の温泉でもいます。首から上は農業で真っ黒にやけてシワも深いのに、首から下は白くて筋骨たくましく若々しいおじいさんが。そう、黒くなるだけではなくて、シワも深くなる…これは見た目年齢に大きく関わります。

 …気をつけなければ、と思うのでした。
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歌舞音曲

2019-10-16 21:39:19 | 音楽
 台風の爪痕が全くない山形です。連日のニュースで、さらに明らかになる被害状況を見るにつけ、なんとも申し訳ないような気持ちになります。

 その中でも、山響の今年のツアーで毎回利用した北陸新幹線が、あのようなことになっているのにはショックを受けました。ほんの先日も乗ったばかりなのに。

 台風の規模や針路は、人智ではどうにもならないことですが、被害を見ると「運」の一言では片付けられないものを感じますね。

 
 このような折に感じることですが、「演奏会などやっていて良いのだろうか」という気持ちになることがあります。

 日本では古来から、忌中などに「歌舞音曲(かぶおんぎょく)」を禁止する風習があるので、なんとなく後ろめたいような感じがするのでしょうか。


 そんな時にいつも、思い出して励みにしていることがあります。

 もうだいぶ前のことですが、文翔館で毎年「舞踏会」がありました。生のオーケストラをバックに社交ダンスをするという贅沢な催しです。

 ある年、本番の数日前にあの「9・11同時多発テロ」がありましたが、舞踏会は予定通り行われました。世界を揺るがす一大事ではありますが、海の向こうのことですから、日本の、こんな地方のささやかな催しが自粛されても何の意味もないので当然です。


 しかし、心情的には「こんなことをやっていて良いのだろうか」という気にはなります。

 開演前の挨拶で、館長がそのことに触れました。「こんなことがあったからこそ、平和の尊さを胸に刻んで、感謝しながら踊りましょう」と。

 歌舞音曲は「祈り」にも使われます。自分たちが大丈夫だったからそれに感謝するというだけではなくて、再び起きないようにと祈りを捧げる気持ちがあれば、自粛する以上の意味があるのではないかとも思うのです。


 災害に遭われた方々には心からのお見舞いを申し上げます。祈りの心を込めながら、日々の演奏に励みたいと思います。
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息災祈願

2019-10-12 21:52:33 | 山形
 「ツイスター」というアメリカ映画を観たことがありますが、ハリケーンの凄まじさに驚きました。

…日本の台風なんて、可愛いもんだ。


 などと思いましたが、とんでもない。最近は、台風と聞くたびに恐ろしい。

 大きな災害が、遠くの海から刻一刻と近づいてくるというのは、地震とはまた違った怖さがあります。被害も、昔よりも明らかにひどくなっていますし。


 さて、次第に強くなってゆく雨にも負けず、山形Qのリハーサル。いよいよあと一週間です。

 今日はピアニストのお宅で「鱒」を合わせたあとに、公民館へ移動して三重奏。


 …じっくりと仕上げにかかっていますが、やはり落ち着かない。どちらも早めに上げて、帰りました。

 すでに、いろいろなニュースが入ってます。携帯の緊急警報も鳴りっぱなし。…各地で大きな被害が出ないことを祈っております。
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花より

2019-10-11 23:59:36 | 山形交響楽団
 「花より団子」を辞書で調べると、「風流よりも実利を取ることのたとえ」というような解説があります。

 せっかくの花見の席なのに、花を愛でずに、そこにある団子の方に目がいってしまうということですね。そこには「やれやれ…情けない」みたいなマイナスイメージが込められている。

 …しかしどうでしょう。現実的には、「花見をする」とは、桜の下にブルーシートを広げて飲み食いすることを指します。「花より団子」を批判することのできる人などいないはずです。


 その点では、山形の文化は素晴らしい。花見より「芋煮」。新入社員の「場所取り」と言えば、桜の下などではない。秋口の河原、それも日陰もある橋の下で、できれば水道やトイレが近いところのことです。

 初めから風流にかこつけることなどせず、素直に「この秋に穫れた芋を煮て、それをアテに屋外で昼間から飲みましょう」という清々しさが心地よい。むしろ粋だと思える。


 ということで、金曜日は山響の「芋煮会」。近づきつつある台風を心配しながらも、雨にはあわず無事に開催されました。

 忙しい秋の真っ只中なので、参加人数は全楽団員の半分弱。それも、ここ数年開催できていなかったので「初めて」という若手もたくさんいました。今年はなんとか、伝統を伝えることができたのではないでしょうか。

 …偉そうなことをいっておりますが、私は新人の頃から見た目通り、アウトドアでは役立たずの筆頭なので、足手まといになることを自主的に避け、中途半端に手伝いに参加しないよう心がけております。脇の方で、持参した酒を飲みつつ芋が煮えるのを待つという「ダメおやじ」のポジションを守り続けて20年。今年も職務をまっとういたしました。

 今回の「持参酒」は、青森の「豊盃」。ほとんど自分で消費しつつも、ときどき若手に振舞って、職務終了。


 広々とした河原で、昼間から飲むうまい酒は格別です。それも、地元で穫れた里芋やら牛肉やらと合わせると…。これぞ、山形の秋ですね。


 忙しい芸術の秋ですが、ホッとひと息。良い時間でした。
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2019-10-10 22:35:59 | 山形弦楽四重奏団
 ふと気づけば、山形Qの第73回定期まであと10日。

 今回のメインは何度も書いているようにシューベルトの「ます」。コントラバスを入れたピアノ五重奏という珍しい編成です。名曲でもありますし、良い演奏をしたいところです。


 ところで、この曲が有名なのは、もちろん歌曲の「ます」があるからです。学校の音楽の時間でも習いました。

 うろ覚えですが、歌詞の内容としては、ある釣り人が鱒を狙って釣り糸を垂れている。しかし、鱒は素早いし賢いので、全然かからない。そして、ここが面白い所なのですが、この詩の「語り手」はそれを傍観していて、鱒がちっとも釣れないことを喜んでいる。釣り人に好感を持っていないのか、鱒を応援している感じなのです。

 品のない釣り人は、鱒がかからないことに腹を立てて、川の水をバシャバシャやるのです。すると、川の水が濁って鱒は視界を奪われ、釣り人の針にかかってしまう。「私」はそれを見て、「なんて酷いことをするのだと憤った」というような内容の詩です。

 ずいぶん妙な詩だと思ったものです。愚かな人を傍観する場合、たとえば「待ちぼうけ」のように何かの教訓が入っているのが普通なのですがそれも無い。さらに、水を濁らせると釣れるというのも納得いかない。普通、魚は逃げてしまってむしろ釣れなくなるはずです。そして何よりも、この人はなぜそこまで「釣れなければいいのに」と思って釣り人を見ているのか。

 後になって知りましたが、「鱒」は若い女性で、「釣り人」は今風に言えば、チャラい男を喩えたものらしい。とすると、それを傍観して憤っているのは、奥手な詩人とそれに共感するシューベルトといったところなのでしょう。

 汚い手を使って、若い女性の判断力をなくさせて引っ掛けるとは、なんと姑息なんだ!…と、遠くからそれを見て、怒ったり嘆いたり、たぶんちょっと羨ましがったりしているシューベルトがいじらしい。

 しかしこの旋律の、のどかで明るいこと。昨今のネットの人たちのようにジメジメしたところが微塵もない。健康的で大らかな、心の美しい若者なのです。好きにならずにはいられない。


 あと10日。良い演奏会になるよう頑張ります。
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忍者の子

2019-10-09 23:59:28 | 山形交響楽団
 時代劇で、忍者が屋根まで跳び上がるシーンがありますよね。子供の頃にそれを見て驚いた私は親に、「なんでこの人あんなに跳べるの?」と訊いたものです。

 返ってきた答えは、以下の通り。本当かどうかはわかりませんが。

 忍者は子供の頃に、長く伸びる植物の種を植えて、毎日その上をピョンと跳び越える。芽が出たばっかりの頃はもちろん簡単だが、毎日やっていれば、どんどん高く伸びても同じように跳び越えることができる。気がついた頃には、自分の背をはるかに超える塀や屋根まで跳び上がることができるのだ。

 …ちょっと感動しました。これこそまさに、努力を継続するということです。それ以降、楽器における日々のトレーニングのモチベーションを高めようとする時には、畑で苗の上をピョンと跳び越えている忍者の子供が頭に浮かびます。


 現実にはトレーニングによってそこまで極端なことはできないはずですが、増して行く負荷に対して「耐性がつく」ということはある。この「伸びしろ」は、思っているよりもすごくて、人間の限界というものについて考えさせられます。

 ここ数年、山響のスケジュールと公演内容のボリュームアップは、計り知れないものがあります。実にありがたいことではあるのですが、移動や稼働でこなしている量がそれ以前とは比較にならない。


 今週は山形県内でのスクールコンサートの毎日。酒田・川西・また酒田と遠方が続きました。1日に2公演の日もある。往復4時間以上で2公演だと、以前はどっかりと疲れていたものです。それが「今週は楽でいいな…」としか感じない。

 強くなったのか、どこかが麻痺してきているのか…。


 まだまだ続く芸術の秋。前だけ見て頑張ります。
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旅の終わり

2019-10-05 09:00:38 | 旅の空
 山形に戻って来ました。今年の演奏旅行もこれですべて終了です。

…涼しさが心地よい。

 北陸からの帰りに、関東で一泊してきたのですが、とにかく暑かった。台風の影響もあるでしょうが、10月とは思えない。異常気象が当たり前になりつつあるこの頃では、暑い寒いぐらいで文句を言ってはいけないのかもしれません。


 余分に一泊したのは、調整のために楽器屋に寄る用事の他に、母方の叔父や叔母やいとこの顔を見るためでした。父の葬儀以来ご無沙汰してしまっていたので。

 私にはもはや東京の実家も無くなってしまったので、親戚は貴重です。誰かの葬儀の時にしか顔を見ないというのでは寂しすぎるなと、最近感じるのです。思えば今年は父の葬儀で始まった一年でもありますし。

 みんな元気で、安心しました。やはり、「なんでもない時」に会うのが一番です。「無事」というのは、そういうことですね。
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