中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

つかの間の

2021-12-31 11:24:00 | 雑記
 東京はこの時期、毎日天気が良くて暖かい。冬に遊びに行くだけなら、良い所です。東北と比べると、南国に来た気分。…暮らすとなると大変でしょうが。

 まだまだコロナが過ぎ去ったとは言えませんが、今がつかの間の平穏であることは間違いない。リスクはゼロではないものの、休暇らしいことをするとしたら、逆に今しかない。

 ということで、大学の頃からの親しい友人たちと、久しぶりに会いました。今年の「さくらんぼコンサート」では、我々が「面会謝絶」だったので、コロナの前の「さくらんぼ」以来。

 貸スタジオをとってもらって、遊びで合奏をしたりしてから、懐かしい池袋で食事をしました。

 「懐かしい」とは言っても、知っている店もほとんど無くなって、すっかり別の街になってしまっています。芸術劇場の前の公園は、すっかりオシャレになって、私が知っている暗くて怪しい雰囲気は全くない。酔っ払いがザブザブ入っていくあの噴水も無くなっていました。

 丸井が無くなったのにも驚きました。飲み代がなくなった時にキャッシングするぐらいしか用事はありませんでしたが、西口のシンボルタワーでした。

 街も変わったし、私たちも歳をとりました。

 それでも会えば、時間が戻るのが古い友人です。ついこの間のことのように話しているのが、実は30年近く前の出来事だったりする。

 「つかの間」ではありますが、良い年の瀬になりました。

 来年も、良い年になりますように。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かけがえのない時を

2021-12-30 22:03:00 | 音楽
 28日に東京へ。ウサギの「ココアちゃん」がいるので、新幹線ではなく車で行きました。

 しかし…途中の福島で高速道路が「吹雪のため通行止め」。

 大寒波が来ていましたから仕方のないことだとは思いますが、高速道路が通行止めになったら、そこを通るはずだった人々はどうするか。

「雪がひどいから、移動は諦めて家に帰ろう」

とは思いません。だって、そもそもその覚悟をもって家を出てきているわけですから。だから、その区間は高速道路を下りて一般道で向かうわけです。

 高速道路を運営している人は、通行止めにすれば、そこで事故が起きたりしないので自分の責任にならず、安心して過ごすことができる。…良かったですね。

 しかし、そこを移動する人々は除雪もされていない一般道に集中して動くわけです。どっちの方がトータルで人々の安全に寄与するのか?

…はい、つまらない愚痴はここまで。結果、山形から東京まで、9時間かかりました。これは最長記録かも。


 朝10時に山形を出て、なんとか、19時開演の息子のオーケストラの演奏会に間に合いました。

 コロナのせいで中止が相次いだこともあって、今回はなんとか聴くことができて良かった。

 来年、山響にも来る川瀬賢太郎氏の指揮で、ブラームス「第4番」など。すみだトリフォニーホールにて。

 やはり、学生オケの演奏は良いものです。この一瞬にしかない燃焼度がある。「ブラ4」は、私も立教のオケで入学したばかりの1年生のときに演奏しました。その時の感動が忘れられず、このようになってしまったとも言える、思い入れのある曲です。

 感動的な、良い演奏でした。長時間の運転でクタクタではありましたが、しばし時間を忘れました。「あの頃」の気持ちが思い出されます。

 息子も4年生。コンマスの任も解かれて、2ndの後ろで偉そうに弾いていました。楽しそうでもあましたが「これで終わりか」という思いもあったはずです。

 コロナによって、若い世代が失ったものは本当に大きい。かけがえのない時間の中に「不要不急」のものなど、ひとつもない。…またそれが、当の本人たちには判り得ないというのが残酷なところ。


 この切実な名作は、彼らにこそふさわしいと、3階席からせめてもの拍手を贈りました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山Q納め

2021-12-27 19:49:00 | 山形弦楽四重奏団
 山響は昨日で仕事納め。山形Qは今日で練習納めです。

 ということで、大雪の中ですが元気にリハーサル。今回のゲストのクラリネット川上一道氏が初参加での合わせです。

 ついに新曲の全貌を知ることになるわけですが、はやる気持ちを抑えて、まずは穏やかにいけそうな、クロイツァーから。

 今回のコンサートのオープニングの曲になります。ベートーヴェンと同時代の、古典的な作品。明るくて落ち着いた曲想が、幕開けにふさわしいかなと。

 本番は2月3日ですから、「お足元の悪い中…」などという生やさしい状態では済まないかも知れない。吹雪の中、なんとか無事にお越しくださったお客様に、まずはホッとリラックスしていただけるような作品です。

 そしてお待ちかねの新曲。クラリネットが入ることで、より難解になってしまうのでは、という心配はハズレ。沖縄民謡の骨格がはっきりとして、「現代曲」の印象よりも、沖縄への郷愁のようなものが温かく伝わるような響きになりました。

 とは言え、意欲的なところもあるので、4人でふたたび爆音メトロノーム。おかげで難所もだいぶスッキリしてきて、ひと安心。

 心穏やかに年を越すことができそうです。

 これにて、年内の山形Qの活動は終了。いつも応援してくださる方々、ありがとうございます。

 来年もまた、山形Qをよろしくお願いします。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年もありがとうございました

2021-12-26 21:55:00 | 山形交響楽団
 今年も、今日の「第九」公演をもって全ての業務が終了。無事に仕事納めです。

 今年もコロナに振り回された一年でしたが、終盤は例年以上に忙しく、空白を取り戻す勢いで、各地で多くの方々に演奏を聴いていただけました。

 …さすがに少し疲れました。

 しかし、最近の「山響を応援しよう」という、各地での空気を感じて、むしろ例年以上に充実した活動だったように感じます。アンサンブルで行った先でも、「よく来てくれた」みたいな応対を、今まで以上に受けることが多くて、本当にありがたいことです。これがあるから頑張れる。疲れは年齢のせいです。

 さて、山響は明日から一週間のお休み。

 来年もどうぞ、山響をよろしくお願いします。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリスマス・カウントダウン

2021-12-24 21:24:00 | 危機管理
 メリー・クリスマス!

 皆様に良いクリスマスと良いサンタが訪れますように。

 ということで、今日は昨日のいわき公演を終えての移動日です。皆、朝にホテルを出てバスに乗り、山形に帰って来ました。

 考えてみればクリスマス・イブは、毎年、忙しくて、ゆっくり自宅で過ごすということがない。

 今年は移動だけだったので、帰宅後は、ゆっくりと家族で過ごすことができました。もちろん、息子は相変わらず東京で「便りのないのは良い便り」状態が続いていますので、娘と3人で、買い物などの後に家でチキンなど。

 来年からは娘も高校生。クリスマスイブには予定もあるでしょうし、あと3年で出てゆくので、これからは老夫婦での静かな過ごしかたを考えなければならない。

 本来の、イエス様の生誕に静かに感謝する日に慣れないといけません。

 そのためにも、若い頃に遊んでおかないといけないということなのかも知れません。それもすべては、神のご計画なのかなと。

 さて、あとは「第九」を残すのみ。今年もまた、すべてに感謝しつつ、締めくくることにしましょう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラス前

2021-12-22 22:06:00 | 山形交響楽団
 今年の山響もあと2本。まずは明日の「いわき公演」。阪哲朗常任の指揮でのクリスマスコンサートです。

 プログラムは、アンダーソン「クリスマス・フェスティバル」をオープニングに、「くるみ割り人形」組曲、そして横山幸雄さんをゲストに迎えてのラフマニノフ「協奏曲3番」。

 フル回転でのこの秋も、いよいよゴールが見えて来ました。何やら不穏な「新株」の噂もありますが、今のところは、良い年末を迎えられそうでホッとしています。

 さあ、冬休みまであと一息。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

普通を知らずに

2021-12-21 21:45:00 | 子育て奮闘記
 ウチの娘も中3。卒業アルバムの写真をこの間撮ったらしい。

 4枚撮って、出来上がった写真を見て自分で「これ」というのを選ぶシステム。昔はそんなのなかったから、ずいぶん手厚い感じがします。まあ、中学生は自意識のかたまりなので、そういう配慮があるのは良い時代なのかなと。

 ということで、残りの3枚はお持ち帰り。どれも大して変わらないのに、本人は「これは口がダメだ」とか「これはまぶたがダメだ」とか、いちいち気にしている。

 聞き捨てならなかったのは、クラスの男子が、その写真を欲しがったということ。

 生意気な。どこのどいつだ中坊のくせに。連れてこい!

 しかし…。このコロナも、もう2年。真面目な山形の中学生は毎日、先生に言われた通り一日中マスクをつけています。

 ということは、一年生の頃以来、友達の素顔を知らない。中学生の2年間は、もっとも変化がある時期です。クラス替えもあったし、もはや、マスクをつけない顔を見たことがないのが当たり前なのです。

 他人が着替えをしているときにジロジロ見るのは、ぶしつけな事ですよね。しかし、今の中学生のエチケットとしては、他人が食事などでマスクを外しているときに素顔をまじまじと見るのは、それと同じことらしい。

 だから、マスクを外している写真というのは、非常に価値がある。場合によっては、スターのプロマイド以上なのです。

 …それはそれで、切実な問題なんだなと。ちょっと「あの子良いな」と思っても、その素顔を見ることができない時代。なんとも不自由なことです。

 ちょっと男子に同情してみたりもする。

 はやく普通の世の中になってほしいと思いますが、もはや「普通」を知らない世代が拡大していることに不安を感じます。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新曲のスリルと楽しみ

2021-12-20 22:10:00 | 山形弦楽四重奏団
 山形Q次回定期の委嘱作品の楽譜が、ついに来ました。全部ではないものの、これで何となく曲の雰囲気はわかります。

 それにしても、演奏会の日どりが決まっていて、すでにチラシもできている状態で渡される新曲の楽譜を見るのは、緊張を伴うものです。

 そこに何が書かれているかによって、正月返上はもちろん、本番の日まで夜も眠れないことにもなりうる。…このスリルがまた、委嘱初演の醍醐味でもある。と言うべきなのか?

 ということで、午前中に新庄で山響のスクールコンサートをこなしてからのリハーサルにて、弦楽器3人での初合わせ。

 3日前にもらった楽譜は、いくつかの沖縄民謡をもとにした幻想曲といった感じ。やや音が多いものの、難解ではない印象で、まずは胸を撫で下ろしていたところです。

 しかし…合わせてみると、これがなかなか。さすがは気鋭の現代作曲家だけあって、単純に民謡を編曲したものとは違いますね。

 民謡が複雑に絡み合いながら、全体としては現代曲としての斬新な作品になっています。

 複雑な部分は、山形Q所蔵の爆音メトロノームを活用して合わせていきます。なかなか骨のある本格的な作品だということがわかりました。

 次回はクラリネットの川上氏を交えて、作品の全貌に迫ります。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

他人の顔

2021-12-17 22:52:00 | 読書
 二日間にわたる「山響ストリングス」が終わりました。両日ともチケット完売で、たくさんのお客様に感謝しています。

 やはり武満の「他人の顔」のワルツは素晴らしい。聴いたみなさんはどう思ったでしょうか。

 安部公房の小説を映画化した作品につけられた音楽ですが、武満のセンスはさすがだと思います。

 安部公房の小説は、どれも大好きなのですが、中でも「他人の顔」はたまらない。

 「砂の女」をはじめ、彼の小説の設定はすべて「思考実験」の装置だと思います。

 「砂の女」で言えば、いきなり閉じ込められた砂丘の穴にある家。そういう家ばかりが集まった集落。その集落を維持するための「人手」として捉えたれた主人公。

 これは「社会システムにおける役割だけが求められる現代人」のモデルでしょう。

 では「他人の顔」はどうか?

 化学者の主人公は実験の失敗で顔に大きな火傷を負います。元の人相がわからないぐらいの。「顔」などというものはただの表面の皮膚にすぎない…と頭ではわかっていても、アイデンティティが揺らぐほどの悩みを抱えてしまう。

 周囲の人間が遠慮すれば「自分の顔のせいだ」と思い、軽んじられれば「自分の顔のせいだ」と思い、妻にいたわられればそれも「顔のせいだ…本当は疎ましく思っているくせに」と、心を閉ざしていきます。

 それを打開するための手段として考えたのが、本物の顔と見分けがつかない「仮面」を作ること。そして、どうせ作るなら元の自分と違う人相の仮面がいい。そして、その仮面をつけて、自分の妻を他人として誘惑してみよう。

 …妻を愛しているのです。しかし、壊れた自意識のために、その愛はねじれきってしまっている。

 その「ねじれた愛」が、この「ワルツ」に喩えられているのだと思います。

 この「自意識」の崩壊は、何も「顔」そのものに限らない。容姿全般はもちろん、肩書き、コネ…何でもありうるでしょう。それが突然失われた時、「自分は自分だから」と、どこまで言っていられるか。

 私たちの「自我」とは、いかにもろいものか。

 …こういう問いを立てて、シビアに答えていくのが安部公房作品の面白さです。

 最後、結末で妻が主人公に突きつける言葉が、本当にたまらない。まだ読んでない人が羨ましい…初めてこの作品に触れる衝撃を味わえるから。と思えるほどに好きです。

 思い入れありすぎて長くなりました。未読の方はぜひ。映画もおすすめです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神前でも

2021-12-15 22:13:00 | 山形弦楽四重奏団
 山形市に「六椹八幡」という神社があります。

 …読めますか?絶対無理ですよね。私は読めませんでした。「むつくぬぎ」八幡と読みます。

 そもそも「椹」はクヌギではない。「くぬぎ」と打っても変換できません。何か歴史的な「いわれ」があるのでしょうが、知らないので読めない。もはや暗号のようなものですね。それもまた神秘的で良いのでしょう。

 さて、山響からの依頼で「ストリングス」のリハーサル前の午前中に、山形Qでコンサートをしてきました。「会場は六椹神社」とだけ言われてやってきましたが、畳敷きの社務所。

 言われればどこででも演奏するのが、山響のアンサンブル業務です。時間と現場だけ言われて集められ、仕事をする。工事現場の職人さんたちに近いワークスタイルなのです。

 地域の方を中心とした50名ほどのお客さんの前で演奏してきました。

 クラシックから民謡、唱歌、懐メロまで。短時間ですが、楽しんでもらえたのではないでしょうか。クリスマスソングなども演奏しましたが、よく考えると、宗教的に大丈夫だったのかどうかはわかりません。

 しかし、こういう形でも、日ごろクラシックコンサートなどに縁のない方々に、身近に生演奏を楽しんでいただく機会として意味のあるものだと思います。

 ヨーロッパだと、街の教会で、日常的に演奏会が行われています。それを考えると、社務所も「アリ」なのかも知れませんね。山形がさらに、音楽にあふれる街になるよう、これからも地道に頑張ります。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

師走のストリングス

2021-12-14 21:57:00 | 山形交響楽団
 今週の山響は、ストリングス・シリーズ。木曜日が上山の温泉宿「古窯」で、金曜日が文翔館でのコンサートです。

 今回はチェロの中木健二さん、ギターの福田進一さんをゲストに迎えてということもあり、すでにチケットは完売になっています。…ありがたいことですね。会場が狭いので、満席と言っても数は少ない。それでも、「チケット完売」というのは嬉しいものです。

 個人的に、今回のプログラムで一番好きなのは武満徹の映画音楽「他人の顔」ワルツです。

 ロシアの近現代ものを思わせる、不安なロマンが漂う、おしゃれな曲です。

 私は、この「他人の顔」の映画が大好きでたまらない。もともと安部公房の小説は三島由紀夫の次に好きなので、思い入れが強すぎる。仲代達矢もイメージ通りで素晴らしい。

 もう、もともと5本の指に入るほど好きな小説なので、その世界観が再現されているだけで、もう充分です。

 また武満の音楽は、そこにピッタリなのです。

 人間の「自意識」というものは、どこまでも深いロマンティシズムと、どこまでも冷徹な絶望感の間を、常に行ったり来たりしているものです。安部公房の世界は本当に素晴らしい。「他人の顔」については、もう少し文字数をとって語りたいので、それはまたの機会に。

 両ソリストの妙技も素晴らしいので、良い演奏会になると思います。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

音楽と師走

2021-12-12 22:31:00 | 山形弦楽四重奏団
 山響の業務の谷間の今日は、もちろん山形Q。…疲れを引きずらないようにと心掛けるも、体から滲み出て漂うグッタリ感が抑えられない。

 若い頃は、酒飲んで一晩寝ればスッキリとリセットされたものでしたが、少しずつそうはいかなくなってきています。

 しかし、コロナの前はこんなスケジュールが当たり前だったはず。体が鈍っているのでしょう。 

 ということで、定期のための練習の前に、まずは15日の依頼公演のためのリハーサルから。これも山響のリハーサル前の午前中に行われる強行スケジュールの公演。

 また倉田氏に第2ヴァイオリン、田中さんにヴィオラをお願いしての弦楽四重奏です。クラシックから民謡、唱歌から懐かしのメロディーなど、バラエティに富んだラインナップで楽しんでいただきます。

 それからようやく、3人で定期の練習。クラリネットを除いてのクロイツァーと、シベリウス。いつ届くかわからない新作が来る前に、少しでも仕上げておかないと。

 まだ2回目ですが、なかなか良い曲だと思えるのはシベリウス。単一楽章の短い曲ですが、短歌のように、無駄を排して凝縮した世界観を感じさせる曲です。

 3人が一体となって動けるかどうかがポイント。もう良い歳なので、小さな自我から離れて、音楽に身を任せたいものです。

 さあ、今年も残りわずか。良い年末年始が過ごせるよう、まだまだ頑張りましょう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

言葉と音色

2021-12-11 22:28:00 | 山形交響楽団
 今週の山響は、私立高校のスクールコンサートから始まって、朝日町の地域コンサート、そして今日の酒田でのファミリーコンサート。…年度末の道路工事かと思うような、なかなか多忙な日々が続いています。

 どれもが、延期になったものの復活公演です。世の中がやや落ち着いて、こうしてもう一度やれるのはありがたいことです。が、こうも集中してしまうと、体力が…。

 しかし、何やらまた新しい「株」が出てきてますから、できる時にやってしまわないと。…このあたりが、年度末の工事と同じ現象なのかも知れません。

 ところで、「語感」というか、音によるイメージというのは面白いものです。「オミクロン」という音は、凶悪な感じがしなくて、名前としてはふさわしくないような気がするのは私だけでしょうか?

 それよりも「レムデシビル」とかの方が、ずっと悪そうな気がしてならない。治療薬なのに。

 …つまらない話ではありますが、でも、言語も音ですから音色によるイメージは大切なはずです。

 たとえば、「ウィリアム・テル」。主人公の名前でもありますが、どう聞いても正義の人っぽい。一方で、悪役の名前は「ゲスラー」。…もうこれは初めから良い人のわけがない。日本人の私たちでも感じるということは、音楽と同じように言葉にも、言語を超えた「音色」があるように思えます。

 「オミクロン」が、名前の語感のように、穏やかなものでおさまりますように。そして演奏業務も、通常のペースでできる日々が戻ることを願っております。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

早朝のスクールコンサート

2021-12-08 22:25:00 | 山形弦楽四重奏団
 寒い…でも、真剣に聴いてくれる若者たちを前にしたら、一生懸命に熱い演奏をしたいと思うものです。

 ということで、今日は早朝から山形Qの大江中でのスクールコンサート。

 たぶん、さらに早くから温めてくれた体育館ですが、生徒たちも制服の上に完全防寒の上着着用で集合。

 今回は1年生と2年生。吹奏楽部の生徒もいるので、ホルンの実演などは、それなりに興味深く聴いてもらえたのではないかと思います。

 声を大にして言っておきたいのは、大江の中学生が本当に素晴らしいということ。寒い体育館ながら、最初から最後までビシッと真剣に聴いてくれました。

 毎回恒例の「質問コーナー」を今日もやりましたが、頭の良さそうな吹奏楽部の子が「大勢の人の前で演奏するのは緊張すると思うんですけど、そういう時はどうするんですか」みたいな、ナイストス的な質問をくれたりします。協力的なのです。

 おかげで今日も、良いコンサートになりました。準備してくれた先生方、大江町の教育委員会の方など、関係各位に感謝。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作よ来い

2021-12-07 22:11:12 | 山形弦楽四重奏団
 寒くなってきました。雪はまだ積もっていませんが朝は氷点下の日もあり、車のフロントガラスが凍っています。

 さて、ようやく山形Qの第82回定期のための練習がスタートです。今回(2月3日)のプログラムは、クロイツァー「クラリネット四重奏」、シベリウス「弦楽三重奏」、そしてクラリネットの川上一道氏の委嘱作品の新垣雄「Rhapsodey in Uchinaa Ⅱ」です。

 さて、世界初演の委嘱作品は、いったいどんな曲なのか?

 期待が高まるところですが…まだできてません。

 やっぱりね。だいたい作曲家というものは、演奏家のことを考えていないので、練習にどれぐらい時間がかかるかなど、そういうことにはお構いなしなのです。

 個人的にはこれまでも、新作には何度か酷い目に遭っていますが、最悪だったのはジャズ。日頃から即興でやるジャンルなのはわかりますが、こっちはそうはいかない。アドリブもちゃんと譜面にしてくれと、ずっと前から懇切丁寧に何度もお願いしていたのにも関わらず、来たのは前日の真夜中にファックスで。…クルンクルンした長大なファックス紙相手に、消音器つけて寝ずに朝まで練習してそのまま行きました。若いから我慢できましたが、今だったら断ってましたね。

 話はそれましたが、そういうわけで新作はお預け。年内には届くと良いのですが。

 ということで、今日は残り2曲を弦楽器3人で。

 クロイツァーは、古典的な聴きやすい曲です。知られていない曲ですが、埋もれるのはもったいない、心地の良い曲です。

 そしてシベリウス。これも知られていませんが、単一楽章の曲で、集中力がすごい。シベリウスの硬質なロマンが凝縮されたような曲です。

 まあ、どちらも今日は「はじめまして」の感じで、さらっと合わせて終わりました。

 …何といっても明日が早いのです。明日は、大江中学校スクールコンサートの2回目。なんと朝8時に集合です。そしてその後に山響のリハーサル。

 もう冬ですが、芸術の秋はまだ継続中。早めに休むことにします。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする