中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

許しましょう

2013-10-31 16:44:42 | 映画・ドラマ
 旅行先ではもちろん毎日のように土地の銘酒を飲みますが、時には「これではいかん」と思うこともあり、鋼鉄の意志でぐっと我慢の「休肝日」にすることもあるのです。・・・べつに威張るようなことでもないです、はい。


 この間の旅行中の休肝日には、ふらっと映画を観に行きました。その日宿泊したのは、繁華街のビジネスホテルで、すぐまえは「映画館通り」。小さな映画館が点在する区域だったのです。

 「通り」を歩くと確かに、映画のポスターが貼ってある建物が何軒かある。しかし、映画館自体はどこにあるのかわからない。何往復かしてから、ふと上を見上げるとありました。飲食店がつまった雑居ビルの最上階にあるんですね。

 各階で何度も赤提灯に吸引されそうになりながら、階段を上ります。「踊り場」は、しだいに暗くなって、テナントの看板も少なくなり、さびれた感じに。「本当にこの上に映画館なんかあるのか?」と心配になったころに、ようやく到着。ずいぶん高いところにあるのに、まるで地底のような、雰囲気のすてきな映画館でした。


 チョイスした作品は「許されざる者」。豪華キャストで話題になってますからね。渡辺謙、柄本明、佐藤浩市・・・西部劇のリメイクというのは気になるが、良い役者さんたちだと思います。

 さて、内容の方は・・・やはり西部劇。設定を明治初期の日本に移し換えてありますが、やや無理があったかも知れません。開拓地ということで舞台は北海道ですが、どうしても日本に「賞金稼ぎ」は今一つピンとこない。「恨み晴らします」的な「必殺仕事人」の方がしっくりくる。キレるととたんに強くなる主人公は、あまりにもそのままイーストウッド的で、あえて渡辺謙で作り直すという意図は、今ひとつよくわかりませんでした。シーンとしては、佐藤浩市にひたすらボコボコにされる國村隼(でしたっけ、眼の大きなシブい人)が最高。


 なんといっても感動したのは、観客が私ひとりだったこと。これは地方にしかない贅沢です。始めのうちは落ち着かず、「劇場での盗撮は犯罪です!」などの案内映像に居心地の悪い思いをしましたが、次第に自宅の「映画室」でくつろいでいるような気分になり、終わって出る頃には「いや~映画って本っ当にいいものですね。ではまた来週!」とばかりに、足取り軽く宿へ帰りました。

 しばらく、レイトショーにハマりそうです。
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香梅(純米大吟醸)

2013-10-29 22:31:23 | お酒の話し(山形県)
 今週は毎日、宮城に行っていながらも宮城の銘酒とふれあえないので、山形の銘酒を頂くことにします。(いちいち恨みがましい。)


 ということで、くさくさした気分を吹き飛ばすべく、とっておきの頂きもの。米沢の銘酒「香梅」の純米大吟醸です。山田錦40%!酒好きなら、これを聞いただけでも気分は上昇するのです。


 ところで、米沢の酒というと、芳醇なイメージがあります。内陸だからでしょうか。川西ほどではありませんが、味も香りも「しっかり系」のものが多いような気がします。私の中で評価が高いのは、定番ですが雅山流の新藤酒造。次に東光あたりかなと。重くなりがちな置賜の酒質にあって、柔らかさ重視のところが好きです。

 「香梅」の香坂酒造は、知りませんでした。まだまだ知らない蔵があるんですね。さらに勉強せねば・・・と、みなぎる向学心で杯を満たします。

 香りは強め。置賜らしい、濃厚な香りです。やや重いか・・・と思いましたが、味は全然違う。意表をつく端麗系です。しかし、水っぽいということはなく、後にきちんと山田錦の旨味が残ります。やや珍しいバランスですが、質の高い丁寧な仕事ぶりがうかがえる。いろいろ兼ね備えつつも、「じゃまにならない食中酒」を目指した酒です。控えめですが心尽くしの、「おもてなし」を受けたような気分を堪能しました。


 実は、「良いもの」なら遠くに行かなくても、山形に十分そろってるんです。酒も食べ物も温泉も、水も空気も人情も。・・・感謝して、明日も「日帰り」にいそしむことにします。
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落涙

2013-10-28 09:36:00 | 山形弦楽四重奏団
 公民館文化祭での山形Qの演奏会も、無事に終了。「好評を博した」と言ってよいのではないでしょうか。「命の洗濯になりました」などと声をかけてくださる方や、中には涙を流しておられた方もいらっしゃいました。そんな・・・こちらの方が感動してしまいます。初めて間近で弦楽四重奏を聴いたようですが、ここは市街から少し離れているとはいえ、文翔館まで車で20分足らずです。遠慮せずに、定期演奏会にも是非来ていただきたいものです。


 さて、今週は先週に引き続き、文化庁主催のスクールコンサート。今日から3日間は宮城をまわります。

 ・・・宮城の銘酒と言えば「乾坤一」「伯楽星」「日高見」「墨廼江」・・・挙げればきりがない。こうして列挙しているだけでもよだれが・・・

 しかし、残念ながらそれはかなわず。今週は近いので「日帰り」です。せっかくの行楽シーズンなのに・・・泣。


 さあ、涙とよだれを拭いて出かけることにします。
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文化祭

2013-10-26 09:00:25 | 山形弦楽四重奏団
 ハッと目が覚めると布団が固い。どこの安宿だったかなと思い出すと・・・久しぶりの自宅。布団は薄くても、やはり落ち着きますね。


 ということで、五泊六日の旅行を終えて帰ってきました。天気が悪い日が多く、「秋の行楽」にはなりませんでしたが、台風の直撃を受けることもなく、無事に全日程が終了して一安心。

 
 さて、芸術の秋はまだ続きます。

 今日はこれから山形Qの本番。いつも練習場としてお世話になっているコミュニティーセンター主催の「文化祭」にゲスト出演するためです。モーツァルト「狩」第一楽章などを中心に30~40分ほどのステージ。

 山形市出羽コミュニティーセンターにて13時30分より。お近くの方は是非!
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湯田温泉

2013-10-23 08:58:21 | 旅の空
 青森の三戸の後は盛岡のビジネスホテルに一泊し、翌日の宮古での公演を終えてから、秋田との県境にある湯田温泉に来ています。小さな温泉宿が渓谷に点在する、ひなびた(良い意味で)湯治場です。

 泊まっている宿も、建物は古くて部屋には鍵もなく、階段は急で、歩くと「みしみし」大きな音がするような、とても趣深い旅館です。こういう所は間違いなく、お湯が素晴らしい。


 みしみし降りていった所にある浴室は、暗くて前時代的ですが、川の音がうるさいほどに聞こえています。これだけでもう、入ってみなくても泉質が良いことがわかります。勘ではありません。これは「法則」なのです。

 以前、温泉好きの同僚から「温泉法則」という本を、借りて読んだことがあります。温泉通というより「温泉おたく」の人が、数限りない実体験とあくなき探究心につき動かされて書いた、シュールなほどにマニアックな本でした。

 詳しい内容は忘れましたが、いや、詳しすぎる内容に今ひとつついていけませんでしたが、印象的だったのは「とにかく温泉は鮮度が大切である」ということ。温泉の源は必ず川の近くにあるので、川から離れている施設はパイプによってそこまで湯が移動する間に質が劣化してしまう。これは地中深くまで掘削して無理矢理出した温泉も同様。従って、川原から自然に湧出した源泉をそのまま利用して、その近くに浴室を作り、そこを軸にして建てた宿が良いと。だから「展望大露天風呂」のように、わざわざ高いところまで湯を汲み上げるなどは「愚の骨頂」で、「きさま温泉になんてことするんだ!」という憤りさえ感じる・・・とまあ、こんな記述があったように思います。

 ということで、ここの宿も法則通り。成分その他の細かいことはよくわかりませんが、薄い茶褐色の湯がジュワッと体にしみこんでくる、素晴らしい温泉でした。出ても汗がなかなかひかない。やはり東北地方は、見た目の清潔感とか設備にこだわりすぎなければ、安くて良い温泉宿がいくらでもありますね。ここも、ひと月ぐらい逗留したくなる宿でした。


 さて、今日からは秋田をまわります。
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圏外にて

2013-10-22 09:49:45 | 旅の空
 山形Qの定期の翌日は、ひたすら一日中、抜け殻のように眠り・・・たいのはやまやまでしたが、まだまだ「芸術の秋」。山響の演奏旅行です。ということで、20日の業務は「北上すること」。要するに「移動日」ですね。

 
 午後から車を走らせて一路、青森と岩手の県境へ。天候不順のせいで今年の紅葉は今ひとつなのでしょうか。八戸の手前の「浄法寺」で高速を降りて上る山道は、雨模様の霧の中、ぬれ落ち葉ばかりが寂しげに見える。そしてたどり着いた山間の温泉施設で宿泊。

 やわらかなお湯とドブロクの「おもてなし」に、疲れが抜けた気がします。


 ところで、ここは山奥のせいか濃霧のせいか、携帯には常に「圏外」の文字が。電波が届かないのでしょうか?こういう所もまだあるんですね。

 私は携帯を持ったのは娘が生まれた時からですから、7年前。周囲ではかなり遅い方でした。あれを持っていると、どこにいても縛られていて自由でないような気がして、最後の最後まで頑張っていたのです。しかし、子供が小さいと、買い物その他で奥さんに迷惑をかけるということで負けました。しかし、それが今ではすっかり毒されて・・・

・・・け、圏外?どうしよう。メールも見られない、天気予報もわからない、ニュースもわからないし、ブログも投稿できない・・・

・・・なんと情けない。それがどうした。ついこの間までは、家族に行き先も告げずに平気で旅行してたし、ニュースが知りたいならフロントで新聞を読めばよし。

 気がついてからは、逆に、しずかな時間を過ごせたように思います。文明に毒され、機械に使われる情けない現代人になってしまっていたのに気づかされます。


 しかし・・・後で同行の同僚に訊いてみると・・・
「えっ、ふつうに3本立ってたけど・・・」

 なにっ?なんだ、だらしがないなソフトバンクは。乗り換えようかな・・・

・・・いやいや、これで良いのです。
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山形弦楽四重奏団第49回定期演奏会終了

2013-10-21 13:21:32 | 山形弦楽四重奏団
 ようやく「第49回定期」が終わりました。

 古典ばかりの、しかも滋味めなプログラムでしたが、熱心にそして楽しんで聴いて下さっているお客様が多くて、むしろ弾いているこちらが感動してしまいます。私たちの活動を応援してくれている方々と、純粋に室内楽が好きな方々、もちろんその両方である方々と共に、秋の夜のひととき、音楽を楽しむことができる幸せに感謝しております。


 山形Qの定期では演奏会の最後に、次回予告を兼ねた「ご挨拶」ということで、次の「担当者」が舞台で少し話すことになっています。次回の担当は、らびお氏ですが、
「今は歯の治療中で割舌が良くないから」と頼まれて私が話しました。

 そこでもふれましたが、山形Q定期も次回でついに「第50回」。長いようで短いようでやっぱり長い14年目で、ここまで回数を重ねてきました。


 ちょうど少し前に公開された映画で「25年目の弦楽四重奏」という作品がありましたね。非常に楽しみにしていたのですが、山形での公開期間はあまりにも短く、しかも「本当に見せる気があるのか?」と訊きたくなるような変な時間帯にしか上映されなかったために観ることができずに終わってしまいました。

 聞いたところでは、永きにわたって活動を続けてきた弦楽四重奏団が、メンバーの老いや病気、そして男女関係のもつれ、あるいは積年の不満が爆発するなどして関係が崩れていき、最後のコンサートを迎えるまでが描かれているとか。その解散コンサートのプログラムである、ベートーヴェンの「第14番」が、映画全体を通してのテーマ曲にもなっているそうですね。

 映画館での予告編でしか観ていませんが、あの「14番」という曲の迫力・重さ・切実さと、「25年」という時間が4人の人生に彫りつけたもの(観ていないので何ともわかりませんが)が共鳴して流れるようで、ジーンときました。・・・実際の映画の評判は今ひとつだったようですが。まあ、あの曲のすごさに見合うストーリーを求めるのは酷というものでしょう。

 ベートーヴェンの後期の四重奏曲にはそういう「人生というもの」、「一人の人間が生きたということ」を感じさせる、巨大さや怖さ、神聖さがあります。


 ということで、「第50回」にはベートーヴェンの「第14番」ではなくて「第13番」をとりあげます。

 我々はまだまだ14年目。それなりに永い時間ではあったと思いますが、経験的にも実力的にも、まだまだ過去をふり返る段階ではありません。しかし、すっと後になって「あの第50回は大きな礎になった」としみじみ思い出せるような、そしてそれが「第13番」の調べとマッチするような、そういう印象的な演奏会にしたいと思います。

 
 とにもかくにも、今回足をはこんで頂いたお客様、本当にありがとうございました。
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秋の夕暮れ

2013-10-19 17:17:11 | 山形弦楽四重奏団
 さて、いよいよこれから山形Qの定期本番です。台風が過ぎて、少し肌寒くなりましたが、気持ち良く晴れて爽やかです。文翔館にもカラッとした夕陽があたっています。

 演奏の方も爽やかにいきたいと思います。

 さあ、開場までもう少し。たくさんのお客様をお待ちいたしております。
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天災は

2013-10-16 16:55:10 | 山形
 今回の台風は、「右の方」(太平洋側です)を通ったようで、山形市では大した被害や混乱はありませんでした。小学校もふつう通り。山響のリハーサルもふつう通り。・・・べつにガッカリしてるわけではありませんよ。


 それにしても最近の荒天は侮れないから怖い。しかも「過去に経験したことがない」とか「最強最大」など、恐ろしい前評判とともにやって来ます。そして「最大級の警戒を」とか「命を守る行動を」などと言われると、どうしてよいかわからなくなります。家に閉じこもってればよいのか?でもリハーサルが・・・。


 ところで、こういう時に「増水した川に近づかないで下さい」という注意があります。実際、川の様子を見に出かけて行方不明になる事故のニュースを聞きます。

 「こんな時にわざわざ川に近づくからいけないんだ」と、都市や市街地に住む人は考えがちですよね。「余計なことをするから痛い目に遭う」みたいな。私もそう思ったことがあります。しかしそれは、何も知らない人のセリフなのです。


 先日、青森まで車で移動しているときに、台風に遭いました。高速道路が通行止めになり、国道を走るも、冠水で次々に迂回しなければなりませんでした。迂回しても、交差点は池のようになり、田んぼに水を与えている小川が濁流になって、今にも飛びかかってきそうな道を通ります。橋には折れて流れてきた大木が引っかかり、橋桁が壊れそうになっている。あふれる泥水は家のすぐ前まで迫っていて、土嚢でなんとか遮っているようなところもありました。

 車窓を眺めて思いました。もし自分がこの家の住人だったら、今やるべき事は何か?土嚢をさらに積み上げることなのか、家財道具や貴重品を二階に移すことなのか、それとも通帳と印鑑を持って(我々の場合は、そんな小銭よりもちろん楽器)車で脱出すべきなのか・・・迷わない人はいないはずです。

 それを決断するには、危険が今どの程度なのかを知るために、刻一刻と変化する状況を知らなくてはなりません。というより、「目が離せない」のが当然でしょう。そうした逃げ場のない危機に追い込まれて、事故に遭うのです。決して思慮が足りないからではありません。


 ・・・私ごときが何を熱く語っているのかわからなくなりましたが、震災以降、お茶の間のテレビで見て感じる被害の様子と、その場の現実があまりにも違うものなのだということを知った気がします。

 今回の台風でも、被害が少ないことを願ってやみません。
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あと4日

2013-10-15 20:18:51 | 山形弦楽四重奏団
 さて、いよいよ19日の山形Qの第49回定期演奏会まであと4日になりました。意気込みでも書いておきましょう。


 ハイドンシリーズも3分の2を超えて、ゴールが見えてきています。そこで今回の「作品20ー3」。初期の作品ですが短調で、なかなか印象深い曲です。ハイドンもこれだけやってると、すでに弾いた曲でもどれがどれだかわからなくなることもあります。そんな中、この「20ー3」は昔から「気になっていた」作品です。

 「作品20」は奇をてらわずに、のびのびした曲想の作品が多い曲集ですが、その純粋な歌心で歌う「短調」は実に瑞々しい。我々も「第50回」を前に、初心に帰って楽しみたいところ。


 そしてベートーヴェン「第2番」。これは再演ですが、ベートーヴェンにしては、力強さよりも軽妙さが求められる分、何度弾いても難しい。「私たち、一生懸命頑張りました!」が通用しない曲です。

 そろそろ私たちも、団として「円熟期」を迎えるべき時期です。当たって砕けている場合ではありません。前回とは「ひと味違う」ところを見せたい。


 そしてモーツァルトの「第18番」。これがまた「くせ者」です。こういう曲だという定義が難しい、とらえ所のない「浮遊感」に包まれた音楽です。美しいのは確かですが、「気合いの入れ所」がない。

 こういう曲は、若い頃は(団としてですよ。個人的にはいつも若いつもりでまいりましょう)やや退屈に感じられるものです。しかし私たちももう14年目。しっかりと「滋味」の伝わる演奏がしたい年頃です。味わって弾きたいと思います。


 ということで、今日、最後のリハーサルが終わりました。あとは本番に向けて集中力を高めるのみ。相変わらずシブいプログラムですが、良い演奏会になるように頑張ります。
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芋日和

2013-10-14 22:10:35 | 山形交響楽団
 人類にとって「二度寝」が、かくも心地よく危険なように、「二度飲み」にも注意が必要です。


 本日はお日柄も良く、山形人にとっては絶好の「芋煮日和」。この季節は週末ごとに川原のそこかしこで「のろし」のように、芋を煮る煙が立ち上る山形ですが、そのなかでも今日ほど条件が良い日もまれです。天気がよくて風が無く、火を囲んでちょうど良いくらいに涼しく、冷えたビールがつらいほどは寒くない。

 そんな佳き日の今日、山響の「芋煮会」は例年になく、ベストなコンディションで執り行われました。

 晴天のもと、10時過ぎには飲み始めるというのは、なんとも贅沢。たまりませんね。もともと、「億万長者になったらやりたいこと」の筆頭が「朝から飲む」の私にとっては、こたえられない。背徳的な喜びがあります。


 ということで、午前中から気持ちよく飲んでしまい、夕方に帰宅して一寝入り。そして夜にまた飲むという・・・


 ・・・入眠。あっと言う間の一日でした。
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菊の司

2013-10-12 17:26:25 | お酒の話(県外)
 盛岡でもう一つ、頂いたものがありました。

 「菊の司」。もちろんニュージーランドのお土産ではありません。南部杜氏が醸す盛岡の銘酒です。聴きに来て下さった方からの差し入れでございます。


 「菊の司」の蔵では「七福神」という酒が有名ですね。もちろん私も存じております。南部らしい、どっしりとした味わいの「男酒」です。私のような軟弱者は相手にしてもらえないような、逞しいお酒です。

 ということで、「吟醸」といえども、やや警戒しつつ味見。

 ・・・おっと!重いと思いこんで力いっぱい持ち上げたものが実際は軽くて、ひっくり返りそうになる感覚。のど越しも香りも、すべてが「さりげない」。薄いわけではありません。南部の魂を、パステルカラーを使って描いたような穏やかさと、柔らかさがあります。

 予想外のフレンドリーな扱いに戸惑いつつも、美味しくいただきました。これは旨いです。


 どこの蔵もどんどんと工夫を重ねて、バリエーション豊かになっているんですね。私の「銘酒の旅」も、さらに隈無く念入りにしなくては…と各方面からの顰蹙をよそに、決意を新たにするのでございました。
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国際交流

2013-10-11 22:02:39 | 山形交響楽団
 追われているうちに、どんなスケジュールも次々と過去になりますね。もはやだいぶ前の事に感じますが、せっかくの経験ですから8日の「アジア・オーケストラ・ウィーク」の盛岡公演の事も書き留めておきましょう。


 この日はニュージーランドのサザン・シンフォニアとの合同演奏会。海外オケとの共演はドイツのヴュルテンベルク・フィル以来2度目です。その時はきちんとリハーサルがありましたが、今回は当日のみ。ほとんど一度通しただけで、ブラームスの「交響曲第2番」を共演しました。一種の「お祭り」ですから、神経質な事は言いっこなし。


 私はニュージーランドにはもちろん行った事はありませんし、知識もイメージもほとんどありません。しいて言えば、地理では、アジアではなくて「オセアニア」だと習いました。・・・だからどうした。こういう知識は実際には役に立たないものですね。

 ということで、ニュージーランドの「お国柄」というものは全くわかりませんが、オケのメンバーはとにかく皆さん「おおらか」。指揮者も含め、細かいことは気にしない感じで、ほのぼのとした雰囲気です。音楽も角がなく、キチキチしない。何事も「無理のない範囲でやる」ような姿勢のおかげで、私たちもストレス無く共演できたように思います。

 私のお隣はベテラン格の女性で、周囲からは頼りにされているタイプのようでしたが、日本人が陥りがちな「気負い」は全然なくて、私も一緒に和やかに楽しんで弾かせてもらいました。


 アンコールには、我らが音楽監督の指揮で「ルスラン」を弾きましたが、速いテンポのせいでしょうか、彼女はしきりに「Oh my God!」とつぶやいておられました。・・・その気持ちはわかる。深くうなずき目が合う。心が通い合う瞬間ですね。まさに国際交流。


 終演後に舞台袖で、本番前に買っておいたプレゼントを渡しました。・・・プレゼントというほどのものではありません。適当に岩手らしいキーホルダーです。すると彼女も用意してくれていたようで、プレゼント交換。ニュージーランドの綺麗な装飾のついた手帳でした。・・・私も、もう少し上等な物を買っておくべきだったか。


 心に残る「一期一会」で、「ウィーク」は終わったのでした。
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邂逅

2013-10-09 09:59:53 | 山形交響楽団
 東京オペラシティでの山響コンサートが、7日に終わりました。「アジア・オーケストラ・ウィーク」といって毎年、アジアの国々からオーケストラを二つほど招いてひらくコンサートでした。数年前から日本の地方オケが一つ「ホストオーケストラ」として参加するようになったらしい。そこに今年は山響が選ばれたと、そういうことです。山形が海外だと思われていたわけではないようで、安心いたしました。

 思いの外、と言ってはいけないのですが、たくさんのお客様に来ていただきました。どうも「さくらんぼコンサート」以外の東京公演は客入りが悪いイメージがあるので(すみだの地方オーケストラ・フェステイバルのトラウマか)、ホッとしました。


 そんななか、大学卒業以来会っていなかった友人が来てくれていたので、終演後は例によって旧交をあたためるべく新宿へ。


 ところでここ数年、こういう「懐かしい再会」多いのは、やはり「お年頃」だからでしょうか。社会に出て、なんとか無我夢中で仕事を覚えて、次第に仕事が面白くなって責任も出てくる。または、結婚して、やがて子育てに追われる。それらが、ちょっとした「一段落」を迎えるのが、このぐらいの年頃だということなのかも知れません。

 この間、誰かから聞きましたが、私の代が来年「卒業二十周年」だとか。・・・もうそんなになりますか。二十年。一般的な会社勤めの年数からすると、だいたい「折り返し」のあたりになるわけですね。人生全体を俯瞰できる地点。その時に、自分にとって掛け替えのない「あの頃」が懐かしく思えたりして、ふと「みんなどうしてるかな?」などと思ったりする。

 ・・・私のように、まっとうでなく、明日をも知れない稼業の人間よりも、普通の立派なお勤めの方々の方がそういう気持ちが強いかも知れません。
「先輩は全然変わらないですね」
今回も言われましたが、喜びません。成長してないということだと自覚しておりますので。


 しかし、外見もすっかり「ひとかどの人物」になっている後輩も、ちょっと杯を重ねると、学生の顔に戻ります。気づくと、お互いに「あの頃の自分」でいる。楽しく、不思議な感覚です。

「また何か一緒に弾きたいね」、と盛り上がる。選曲までしたりして。

 でも、それを無理して実現する可能性も、意味も、ほとんどないことはわかっています。居酒屋を出たら、「また会おう」と乗る終電で帰る先は「現在」ですから。


 今回の東京行きも、とても良い「旅」になりました。
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アジアの仲間

2013-10-07 12:32:01 | 山形交響楽団
 まだまだ続く芸術の秋。今週もせっせと動きますよ。泳いでいないと呼吸ができない魚のように。

 
 ということで東京オペラシティに来ています。「アジア・オーケストラ・ウィーク」。

 私たちオーケストラの楽員に配られるスケジュール表というものには、時間と場所・プログラムしか書かれていません。書かれてある時間に書かれてある場所に行くと、どこからともなくみんなが集まっている。東京だろうが大阪だろうが青森だろうが、また都市の大ホールだろうが山奥の学校の体育館だろうが・・・。入団して間もないころは不思議な感じがしました。行き先もわからずに集まって運ばれていく「人足」のようです。

 「人足」さんたちが、どこの会社のビルを建てるのかわからないように、私たちも誰のためのどういう趣旨の演奏会なのか、行ってみないとわからないこともあります。今回のがまさにそうです。


 確かに山形はアジアに位置していますが、「アジア・オーケストラ」として東京に招かれるのでしょうか・・・外国扱い?オペラシティには、毎年「さくらんぼ」を運んで来てあげてるのに。

 ・・・ということでもないのでしょうが、とにかく、プログラムの「ブルックナー第1番」に集中して、良い演奏会になるように頑張ります。
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