中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

つくしに寄せて

2019-03-30 23:09:56 | 指導
 先日、鶴岡のホールの裏に「つくし」がたくさん出ていました。春ですね。

 つくしを見ると、母親を思い出します。子供の頃、春になると毎年採りに付き合わされました。大量に採って家に持ち帰り「はかま」を取り除く。あの、節目にあるギザギザした部分ですね。あそこは食べられない。頭がまだ開いてなくて緑の「胞子」が詰まっているやつも切って捨てます。…苦いので。

 そして水にさらしてから炒めて、醤油で味を整えてできあがり。これが本当に美味しい。炒めると、あれだけ苦労して大量に集めたつくしが、ほんの少しになってしまうのが残念ですが、シャキシャキして香ばしい。…春の味です。


 さて今日は、毎年恒例になりました、私たちの門下生の発表会「つくしんぼコンサート」。

 この一年の伸びを春とともに確認し、新たな力にして欲しいという願いを込めたネーミングです。

 
 ヴァイオリンに限らず、ピアノでもバレエでも、幼少期からする「習い事」は本人だけでなく、親がどれだけ力を注ぐかにかかっているとも言えます。月謝はもちろん、送り迎え、日々の練習に付き合うことなどなど。

 「発表会の思い出」というと、出るのが嫌だった自分の記憶が先に立っていましたが、最近はむしろ、頑張ってるのは、通わせてくれている親御さんたちの方であるということがわかるようになりました。そして私も今更ながら、親に感謝したりする。


 今年も良い「つくしんぼ」になりました。出演者の方々、そして周囲の方々、皆様の労をねぎらいつつ感謝。
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年度納め

2019-03-29 23:46:21 | 山形交響楽団
 今日は、山響で毎年恒例の「オーケストラの日」。午後に子供向けの「楽器体験コーナー」を含む「オーケストラ探検」のイベントをしてから、夜には大人向けの短めのコンサート。

 平日ではありましたが、沢山のお客様に来て頂きました。この中から、楽器を始める子や、クラシック音楽が好きになる子が出て欲しいものです。


 コンサートの部はギターの村治奏一氏をゲストに迎えて「アランフェス協奏曲」など。

 年度末ということで、終演後には定期会員の皆様との交流会がありました。そこでも話題になりましたが、ギターというのはやはりカッコいい。ヴァイオリンやピアノにつきまとう「お上品さ」「お高い感じ」がなくて、少しくだけた、それでいて魂のこもった雰囲気が、なんとも羨ましい。

 弾いている姿のせいなのか、出た瞬間に消えていってしまう音の特性なのか、「孤高の」感が強くて、ずるい。…ちょっと憧れますね。


 おかげで良いコンサートになりました。今年度もありがとうございました!
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勝負の春

2019-03-28 23:59:13 | 家族の思い出
 コンクールというものは、「結果よりもそれに向かう姿勢や努力にこそ意味がある」と、いくら言ってみたところで、やはり順位が気になるものです。発表会とは違う。明らかに、形に残るものを「獲りに」来る場です。

 キレイごとの通用しない「勝負」なのです。これがとくに「女の闘い」となるとその熾烈さは…。


 ということで、今年も仙台のバレエコンクールに娘が参加したので、観に行ってきました。仕事の都合で予選しか観られませんでしたが、関係者は手に汗握りますね。

 なんとか通過しましたが、同じ教室の仲間では、合格者に名前がなくて号泣した子もいたとか。

 観てる方には、その差は感じられない。結果は「水もの」だということがよくわかります。

 わずか2分ほどの演技のために、どれだけ練習を重ねてきたことか。足は痛み、衣装代はかかり…(これは親の愚痴でした)。

 出番を終えた子は、着替えるとすぐに客席で、他の参加者の演技を観ます。その視線のまた厳しいこと…。見た目は華やかなのに、男のスポーツよりもはるかに闘争心が溢れてます。


 本選を終えて結果は…望むところには届きませんでしたが、なんとか昨年以上の賞が取れて、我が家はひと安心。

 勝負の春が過ぎて行きました。
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銀近し、そして金遠し。

2019-03-25 21:56:32 | 危機管理
 そういえば、先日、今年も結婚記念日が終わりました。

 まる22年。

 昔「銀婚式」などと聞くと、仲睦まじい「おじいさんとおばあさん」をイメージしたものですが、それがもはや、そう遠くない。


 今年は…というか今年も、何もしませんでした。誰もが忙しい年度末ですし。

 しかし、そんなことを言っていると、何もしないままに一生が終わってしまう。素行のよろしくない私が「金」まで生き延びることは難しいでしょうから、「銀」の時はなにか思い出に残ることをしようと、心に誓うのでした。


 そのためにまず必要なのは金か…

…ややこしいですね。
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雪だけで

2019-03-23 20:26:21 | 山形交響楽団
 週末の山響は、火曜日の「鶴岡定期」のリハーサル。音楽監督の指揮でベートヴェン「田園」と、歌手の福井敬氏をゲストに迎えたオペラアリアなど。

 鶴岡は歌の盛んなところなので、ゲストの歌手も一流になるわけです。きっと楽しんでいただけるはず。


 ところで、今日は村山でのリハーサルでしたが、雪が降りました。こんなに花粉がきついのに雪も…。そして車がまだらになるぐらいの黄砂も。あと、ちまたで噂のPM2,5とか。

 つらいものがいろいろと降る春です…。

 
 「雪の降る街を」で有名な鶴岡ですが、それ以外のものは降らないでほしいと願うばかりです。

 良い演奏会になるよう頑張ります。
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思えばいと疾し

2019-03-21 22:55:03 | 子育て奮闘記
 一昨日は、娘の卒業式。たまたま山響が休みだったので、参加できました。

 最近は「仰げば尊し」を歌わなくなった学校が増えているようですが、残念なことです。…絶対歌うべきだと思います。

 一昨日は歌ってもらえましたが、やっぱり感動的ですね。実際には、先生に恩など感じてなくても、歌うことによって「そんな気になる」という効用は確実にあって、それが式を感動的な空気にするのです。

 …それにしても、小学生はいいですね。歌の場面がたくさんありましたが、卒業生も在校生も、わりと真剣に歌います。子供が一生懸命歌う声というのは、それだけで感動的なものです。

 感極まって泣き出す卒業生もいました。自分がこれまで毎年歌ってきた「卒業生に贈る歌」を聴く立場ですからね。

 6歳から12歳までの6年間は長い。というより最も変化が大きい。「ものごころ」がついてゆく過程そのものです。

 「今こそわかれめ〜いざさらば」

 …みんな一緒の中学校に行くんですけどね。
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目だけならまだしも

2019-03-20 21:49:48 | 山形交響楽団
「目が、目がぁ〜!」(ムスカ大佐。「天空の城ラピュタ」より)


 今週の山響は、まず明日の「ファンタジック・コンサート」。今回は「となりのトトロ」の井上あずみさんをゲストに迎えて、ジブリ名作の歌など。

 トトロ、ラピュタ、魔女の宅急便、もののけ姫、崖の上のポニョ…

…どれも名作ですが、ものによっては、もう数十年も前の作品なんですね。充分グラシックと言えるものです。


 ところで、花粉症がピークに達しております。目や鼻にとどまらない。喉から頭痛から肩こりから腰痛から吐き気から…本当に今年はきつい。花粉症だとわかっているからまだしも、他の時期にこれだけの体調不良があったら、死期が迫っていると思えるほど。

 …「バルス」を食らった気持ちで、明日も頑張りたいと思います。
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三人寄れば

2019-03-18 21:52:24 | 山形弦楽四重奏団
 今日は山形Qの練習。紅一点がいなくなり、オヤジ3人で集うコミュニティセンターの昼下がりなのでした。


 初めは寂しくて死にそうになるかと思いました。「ウサギは寂しいと死んじゃうんだよっ!」という名ゼリフが印象的なドラマが昔ありましたね…(「のりぴー」でしたか)。

 しかし、誰も死なずに済みました。ウサギとオヤジでは「しぶとさ」が全く違うから…だけではありません。

 弦楽三重奏には、じつは四重奏に引けをとらない魅力があるのです。


 4人→3人…25%減

ということには、全くならない。より純度が増しつつも自由で、四重奏では見えなかった景色があるものです。


 「前奏曲とフーガ」はバッハの作品が元になったものですが、これも完璧な三重奏になってます。なにも足りなくない、むしろ付け加えたら壊れてしまう。本当に素晴らしい作品です。

 そしてベートーヴェン「第1番」。…さすがはベートーヴェンです。かれの作品には、なにを足してもなにを引いても許されない完成度がありますね。充実感がすごい。


 新しい世界に出会ったような気がします。4月12日の「第71回定期」は、山形Qの新しい1ページになるはずです。…ぜひ、たくさんのお客様に聴いていただきたいと思います。
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金平糖の春

2019-03-16 23:59:56 | 子育て奮闘記
 この週末は、娘のバレエの発表会。

 山形市民会館の大ホールでの公演ですが、山響でもよく使う広さのステージで、小学生がひとりで踊るのは、ズゴイことだと思います。

 あのステージに、年端もいかない子供が、楽器も持たずに、体ひとつで出て行くとは恐れ入ります。そして客席のお客さんに、何かをきちんと伝える。

 今回、娘は「くるみ割り」から「金平糖の踊り」をやらされました。しばらく我が家は金平糖一色。

 あらためて思うのは、バレエの有名な踊り(コンクールでやるような有名な場面をバリエーションと言います)にあるような曲で、きちんとした曲は案外少ない。オーケストラの世界では聞いたことのない作曲家のものが多いのです。

 音楽だけでも観賞に値するのは、やはり、チャイコフスキーとプロコフィエフ。続くのは、ドリーブとグラズノフぐらいか。

 やはりチャイコフスキーの天才ぶりが、あらためて感じられます。音楽だけでも感動的なのに、バレエとしても非の打ち所がない。

 ちなみに、オケの「くるみ組曲」では「金平糖」は簡単で、チェレスタにお任せの「ひと休み」タイムです。

 その「金平糖」で手に汗握るというのも、はじめての体験で、やはり違う世界には違う世界の大変さがあるものなのだということがよく分かりました。


 …ちなみに今回の発表会は4月のコンクールの練習を兼ねているので、我が家の「金平糖」シーズンは、まだまだ続きます。
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豊盃(純米吟醸・豊盃米)

2019-03-15 20:57:25 | お酒の話(県外)
 摂取した瞬間に、今まで悩まされてきた体の不調…だるさや頭痛、どうしようもない倦怠感など…が、嘘のようにスッと消えて本来の自分に戻る。閉じ込められ、行き場を失っていた思考は翼を取り戻し、再び自由に駆け巡ることができるようになる。

 薬物とは、そういうものでしょうか。


 それまで素晴らしい演技や活動をしていた人が薬物で逮捕された時に、いつも思うことです。

 …酒で充分なのに!

 「凶悪」という映画も、本当に好きでした。


 さて、「豊盃」。おなじみ青森の超銘酒です。今回も行きつけの酒屋で「お一人様一本限り」ということで入っていました。

 飲めば、本当に爽やか。柔らかな風が吹いてくるような口当たりと、ほのかな甘さ。スッと落ちて、霞のようにフワッと消える喉越し。これが一升で3400円だとは。


 ところで、毎年、この時期になると「もしかして、ついに悪い病気になったのかな」と思うような日があります。頭は痛いし全身がだるい。胃腸の調子も悪く、とにかく全体的に体の不調を感じるのです。もちろん花粉症のせいなのですが、「もはやこれまでか」と思うレベルの日がある。

 それが…

…こういう旨い酒を飲むと、劇的に解消する。頭痛の霧は晴れ、全身にのしかかっていた重しが取り除かれた感じ。押し寄せる多幸感。それはそれで、私は大丈夫なのかと不安になりますが。


 結論。コカインより豊盃。
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時は流れ

2019-03-11 23:59:19 | 山形
 私が子供の頃、「震災の時は…」という昔話は「関東大震災」のものでした。9月1日の「防災の日」のたびに語られる。

 昭和の大戦の話ならまだしも、大正の震災の話とは…。本当に歴史上の話にしか聞こえませんでした。


 しかしもう今は、震災といえば3月11日です。そして「関東〜」と明らかに違うのは、「あの震災の時は…」と語る人が老人になっても、さらにその後もなお、福島の放射能が消えていないことでしょう。これは元号が変わっても、さらにもう一回ぐらい変わっても消えない。…結局、天災よりも「人の欲」の怖さの方が何倍も怖いということなのかもしれません。


 娘の小学校でも、3月11日には「黙祷」をしているようです。9月1日以上に重要な行事なのです。

 娘が感慨深く語りました。
「今の1,2年生は、震災の時、まだ生まれてなかったんだよね…」

 こんなところにも、もはや「世代の差」が生まれている。昔言われた「戦争を知らない世代」みたいなものですね。


 確実に年月は過ぎて行きます。それが、人の心や美しい自然の傷を癒していくものでありますように。
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大入

2019-03-10 23:59:49 | 山形交響楽団
 二日間にわたる山響定期が終わりました。本当にたくさんのお客様に来ていただきました。

…と、よく書いていますが、実際にこれほどなのは珍しい。大きな声では言えませんが、席が足りなくなりそうでした。


 ピアノソロの金子美勇士氏の人気もあるでしょうが、最近、入場者数が伸びているのは本当に嬉しい限りです。メインはブルックナーの「詩篇」ですからね。…それで満席になるとは。

 
 休憩に一服するためにテルサホールの外へ出ると、となりで建設中の新県民会館が少しずつ大きくなっているのが見えます。今年中のプレオープンを目指しているとか。そちらも楽しみです。

 山響にとってよい流れが続いているような気がします。…来年度も良い年になりますように。
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修了

2019-03-09 23:59:28 | 雑記
 2週間ちょっと。…あっという間ですね。

 バタバタと日々をやり過ごしていると知らないうちに終わってしまいますが、それだけの時間があれば、人は運転免許を取得することもできるのです。…時間は有効に使わなければいけませんね。


 ということで、運転免許のために山形に帰ってきていた息子は、無事に検定をパスして東京に戻って行きました。


 意識して見ていると、この季節はたしかに道に教習車が多い。「合宿免許」で、こういう田舎に、都会からたくさんの若者が来るのでしょう。

 しかし、こんなにのどかな広い所で練習して、本当にあの東京で安全に運転できるのか、心配になります。車は多く道は狭く、そこら中に路上駐車の車。


 都会に帰っても、気をつけて安全運転をして欲しいと思います。


 息子は、予定があって急いで東京に戻りましたが、まだ山形の運転免許センターでの学科試験が残っています。…次に来た時には、飲み屋まで迎えに来てもらうことにしましょう。…(膝にのせて運転の真似ごとをさせた遠い昔が懐かしい)。
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思いをこめて

2019-03-08 23:05:08 | 山形交響楽団
 今週の山響は明日と明後日の定期演奏会。飯森音楽監督の指揮で、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲2番」と、ブルックナーの「序曲」「詩篇」など。ピアノソロは金子三勇士氏。

 金子氏の人気なのか、ラフマニノフの魅力なのか、合唱団の集客力なのか、ブルックナーマニアの力なのか(それは多分ない)、チケットは両日ともに完売だそうで、嬉しい限りです。


 演奏する側としては、ブルックナーが実に難しい。音が多く、複雑で細かい。そして…どうせ聞こえない。

 どうせ聞こえないのに、複雑極まりない音型を演奏させるのは意味がない。それは、作品の完成度の低さの現れでしょう。

…と思っていましたが、最近、少し考えが変わりました。歳のせいでしょうか。


 たとえば、千手観音像。あの、背中に無数の手がある仏像です。客観的に見れば、気持ち悪いわけですが、それでも見る者を圧倒する。若い頃は、その姿の異様さに圧倒されるのかと思ってましたが、違いますね。

 あの無数の細かい手を彫るのは、どれだけ大変な作業でしょうか。普通、すぐに嫌になり、「もうちょっと少なくてもいいか…やっぱ阿修羅に変更かな」みたいに思うはずなのです。

 それをあそこまで彫り続けた。気持ち悪いとしか思われないのに。あるいは、もっと少なくても、誰も手抜きとは思わないのに。

 …そこにこそ、「祈り」があるのでしょう。ひとつひとつの手に、祈りがこもっている。仏師のその「念」に、人は圧倒されるのです。


 ブルックナーにしても、パソコンもコピーもない時代に、あれほど細かい音符を考えて、ひたすら書きつけるのは、どれほどの苦労だったでしょう。もっとずっと少なくてもギャラは変わらなかったはずです。それでも書くのはなぜか。

…そこには「祈り」にも似た、強い気持ちがこめられている。その「思いの重さ」は、手編みのセーターの比ではない。

 誰に聞こえなくても、できる限り、汲み取ってあげたいなと思う、今日この頃なのです。


 良い演奏会になるように頑張ります。
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雪の茅舎「美酒の設計」

2019-03-06 21:13:45 | お酒の話(県外)
 またまた頂きもので恐縮です。みなさん、私の日本酒狂を、よく理解してくださっていますね。

 緊張の後の、心やすまるひと時に、美酒は欠かせないものです。


 ということで、秋田は由利本荘の銘酒「雪の茅舎」の特別銘柄である、「美酒の設計」。

…すごいネーミングですね。もともと好きな「雪の茅舎」は美酒揃いなことはわかっていますが、正面切って言われると…。

 どんな設計をされた酒であろうが、ひと口飲んで気に入らなければ「料理用」に格下げされるのが、我が家の掟です。大吟醸だろうが何だろうが、今ひとつなら冷蔵庫での居場所は無く、煮物かなんかに投入される。…ここは、容赦なくいただきます。


 …旨い!恐れ入りました。

 精米歩合を見ると「55%」。とても信じられない透明度。そして、同時に濃厚な甘み。かすかにチョコレートを思わせるような、ねっとりした香り。とても独特です。よくある「フルーティ」な感じと全く違う。かといってスッキリ感は損なわれていないのです。

 どういう「設計」なのかわかりませんが、とにかく珍しい、独特の旨さを持った酒であることは間違いない。よくある「さらっとフワッと」の大吟醸とは、まったく別の世界観です。そして、そこらの「受賞酒」より明らかに上です。


 名前負けしない「設計」の妙を堪能しました。
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