中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

山形弦楽四重奏団第61回定期演奏会終了

2016-10-31 22:18:22 | 山形弦楽四重奏団
 このところ晴天率が高い山形Qの定期。今回も、2nd今井嬢の日頃の行いが良いおかげでしょう。気持ちの良い秋晴れに恵まれました。


 ということで、昨日の山形Q第61回定期は、大盛況のなか無事に終わりました。モーツァルトの「クラ五」人気と、ゲストの山響首席クラリネットの川上一道氏の人気のためかわかりませんが、いつも以上にたくさんのお客様に恵まれてのコンサートとなりました。


 本番が終わるまで言えないことですが、今回のアンコール曲は、チャイコフスキーの「四季」より「秋のうた」。今年没後20年の武満徹がクラリネット五重奏に編曲したものです。

「アンコールがすごく良かった」

と言われるのは演奏者として微妙な気持ちです。しかし「あの曲を、もう一度聞きたいと思った」などと言ってもらえるのは、嬉しい。だって、とにかく良い曲なのです。


 さて、次回は来年「1月31日」。残念ながらの平日開催。山響が忙しいので仕方がない。弦楽四重奏曲で最も有名な曲のひとつ、ドヴォルザークの「アメリカ」を軸に、バルトーク「第3番」などを聴いていただきます。

 また、たくさんのお客様をお持ちしています。今回は本当にありがとうございました。
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いよいよ明日

2016-10-29 23:59:51 | 山形弦楽四重奏団
 いよいよ明日は、山形Qの「第61回定期」です。

 今回はゲスト・クラリネットの川上一道氏の人気のせいか、あるいはモーツァルトの名曲のせいか、チケットの売り上げが好調です。


 トミオカ楽器店においてあるチケットも完売だとか。足を運んでくださった方、すみません。直接私の方にお電話をくださった方には、「お取り置き」サービスをさせて頂いております。


 旅の疲れもあるなかではありますが、良い演奏会になるよう頑張ります。ということで、就寝。
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南国から北国へ

2016-10-29 21:46:37 | 旅の空
 明け方。

 寒い…飲みすぎて、またホテルの部屋のベッドでそのまま寝ちゃったんだっけ?早く、コンタクトを外したりしなければ!

 と思って起きようとすると、ここはどこだろう?

…自宅の部屋。そうだ、山形に帰って来たのでした。


 ということで、熊本の演奏旅行を終えて、無事に山形に戻って来ました。しかし全然、季節が違う。冷房必要から暖房必要へ。暑くて目がさめた翌日、寒くて目がさめるとは。渡り鳥もびっくりの温度差です。


 風邪注意!

 30日の山形Qが終わるまでは、頑張ります。
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ビリッと

2016-10-27 18:25:08 | 旅の空
 熊本に着いて4日目。まだまだ冷房が必要な陽気の中、演奏旅行は続いています。

 今回は全公演、熊本県内なので、熊本駅前からバスに揺られての往復。楽なのはありがたいものの、地理がわかるようにならない。地図で見るところの、どの辺りに自分がいるのか知らないというのは少し味気ない。


 バスの窓からは、ハス畑が見えます。畑なので、お釈迦さまがいる極楽浄土のようにはならない。機能的に密集して、効率よくレンコンを生産しています。

 この旅行で、初めて「辛子蓮根」を食べました。自宅でも、実家でも、和がらしが好きな人が私しかいないので接する機会がなかったのです。

 今が旬のレンコンは、ホクホクと炊き上がって美味。その柔らかな甘みを、穴にこれでもかと詰め込まれた辛子がひきたてます。さすがは、九州男児の郷土料理。ピリッと喝を入れられたような気がします(やや「ビリッ」に近いか)。


 明日の最終公演も頑張ります。
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遠路はるばる

2016-10-23 23:59:14 | 旅の空
 はるばる〜来たぜ函館〜♫

 という歌を聞いたことがありますが、函館ぐらいだったら、わりと近くて楽ですね。仙台から飛行機で博多へ。さらに九州新幹線で熊本まで移動すると、声を張り上げて明るく歌う力は残されていない。


 ということで、今週は熊本をまわる演奏旅行。地震に引き続き、噴火も騒がれるなど大変な熊本ですが、演奏で元気づけられるよう頑張ります。

 
 しかし暖かい。7月に来た時のように暑くはないものの、最近の山形の冷え込みから考えると、一度加熱してから冷凍して、また解凍された感じ。…鮮度が落ちそうです。

 帰ったらすぐに山形Qの定期なので、風邪をひかないように気をつけます。
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通勤の車窓から

2016-10-22 21:36:40 | 山形
 今朝は演奏会のため、行楽の車に混じって酒田までドライブ。

 
 途中、月山道路を通りますが、今が紅葉のピークです。庄内に行く時には年中、幾度となく通る道ですが、この季節は「こんなに綺麗な所だったんだ」とあらためて気付かされます。

 一度、通勤ではなく純粋に「紅葉狩り」のためだけに、ここを訪れたい…

…と、今年も思いました。思い続けて19回目。紅葉の時期は忙しくて…などと言っていると、実現しないまま終わってしまいますね。


 そして庄内に車を進めると、刈り取りのすっかり終わった田んぼのそこここに、白鳥が集まっているのが、高速道路からも見えます。白い塊が、足元に夢中になっているところを見ると、この時期の田んぼには、きっと食べ物がたくさんあって、大宴会中なのでしょう。

「やっぱ、あったかいわ〜、南の島最高!」
「食い物うまいし。トロピカルだねっ!」

…みたいな感じなのでしょうか。


 とにかく山形は今、冬の直前の短い秋の真っ盛り。忙しさに心を奪われず、美しい秋をしっかりと味わいたいと思います。
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サックスとともに

2016-10-21 19:17:32 | 山形交響楽団
 今週の山響は、明日の酒田公演のリハーサル。サックスの須川展也氏を迎えてのコンサートです。ソリストとしては、グラズノフの協奏曲やピアソラ、オーケストラに入っては「アルルの女」組曲など、ほとんどフル出場の活躍をしてもらう贅沢なプログラムです。

 
 名人が演奏しているのを聴いているせいかもしれないが、サックスという楽器は、なんともズルい。音が大きいし、吹いている姿も、音色も、妙に「魂がこもった」感が出る。たとえ下手でも「心の叫び」みたいに聞こえるでしょう。

 次に、けっして「お堅い」感じにならない。ヴァイオリンやピアノが、上手い人でも陥りがちなところです。サックスだったら、真面目な人が真面目に吹いても、むしろ「実はロマンチストだったのね」みたいな感じがする。

 その強力すぎる「ムーディーさ」が、クラシックのオーケストラに使われにくいところなのかもしれません。


 さて、明日はそのサックスの魅力が十二分に味わえるコンサートです。お時間のある方は是非。希望ホールにて16時開演。
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親子の道

2016-10-19 21:14:53 | 子育て奮闘記
 息子の高校には修学旅行がないらしい。進学校だとは言え、少し気の毒にはなります。まあ、保護者としては費用がかからないのはありがたいのですが。

 その代わりとして、今、学校から東京に二泊三日の研修旅行に出ています。

「遠足か?楽しそうだな」と訊くと、
「ちげーよ。企業見学っ!金くれよ」と言われました。

 高校生の男子というものは、とにかく親に何も言いたがらないものです。なので、東京に行って、どんな企業をどのように見学するイベントなのかは、私にはわからない。謎に包まれた旅なのです。

 自分の高校生時代もそんなものでした。親に訊かれたことは、できるだけ少ない単語数で答えないと死んでしまうと思い込んでいたかのようでした。これがもう少したって、一緒に飲むようになると戻るわけですが。

 ちなみに私の高校時代はバブル期でしたから、進学校ながら修学旅行は北海道4泊でした。それでも、韓国などの海外に行っている周りの私立高を羨ましく思ったものです。

 今となっては、修学旅行の土産話など、もっと母親にしてやるべきだったな、などと思いますが、その時にはできないものなんですよね。

 「親の心子知らず」…みんなが通った道なのでございます。
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むしろ落ち着いて

2016-10-18 17:53:05 | 山形交響楽団
 バボラーク氏による山響定期演奏会が終わりました。二日間にわたり、たくさんのお客様にご来場いただき、嬉しく思います。


 ところで、メインのベートーヴェン「交響曲4番」の、静かな第2楽章で緊急地震速報が鳴ってしまうというハプニングがありました。

 私の携帯は設定が違うのか、飼い主に似て世の中に疎いのか、日ごろからそういう知らせはしてくれないのですが、忠実な子はマナーモードにしていても鳴るんですね。

 演奏中の我々はもちろん、携帯は舞台袖に置いてありますから、何が起こったのかわからない。舞台からは、客席で何かが「ざざーっ」と、こすれているような音に聞こえました。

 テルサホールができたばかりの頃、本番前のリハーサル中に突然、掃除のおばさんが二階席で大きな業務用掃除機のスイッチを入れてお仕事を始めたことがありました。あの時の感じに似ている。またしても、誰かが何かやっちゃったのかなと、演奏しながら思った程度。しばらくして音も止み、演奏も滞りなく進みました。

 幸い、山形市は「震度1」だったようですね。確かにあとで言われてみれば、不安そうに天井を見上げているお客さんがたくさんいました。


 こういうことは、この先、どんどん増えるのでしょう。

 しかしあの「速報」は、本当に有効なんでしょうか?突然大声で「2~3秒後のゆれに気をつけろ」と言われても、多くの人のように天井を見上げることぐらいしかできないように思うのですが。


 少なくとも、演奏してる私たちは、どうやっても逃げ遅れるので無関係ですね。「タイタニック」の四重奏団のように、むしろ落ち着いて弾き続けることにしましょう。
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世界に名だたる

2016-10-15 23:16:47 | 山形交響楽団
 昔、夜の報道番組にチェロのヨーヨーマがゲストで出て、演奏しているのを見ました。久米宏に「緊張しないんですか」と訊かれた彼はこう言いました。

「昔は、自分を証明するために弾いていたのでプレッシャーを感じました。しかし、その必要がなくなってからは、聴く人と一緒に音楽を楽しむために弾いているので緊張しません」

 わかる気がします。失敗して「なんだ、あいつもこの程度か」みたいに思われるのは、演奏家としてもっとも恐ろしい。仕事が減ってしまうのではという心配以上に、自分の存在価値そのものが薄れてしまうような気がするのです。

 逆に、周りからの評価が定まって、しかもそれに不満がないようになれば、余裕を持って音楽に集中できるし、そうすればさらに良い演奏になるという「好循環」が生まれる。これこそ、最も理想的なものです。つまり、演奏家というものは、それほどまでに評価を気にしてしまう生きものなのです。


 さて、今週末は山響定期。「世界一」と言っても過言ではないホルンの名手、バボラーク氏の指揮と「吹き振り」です。

 40歳という若さでありながら、もはやその評価には揺るぎがない世界的な名手ですから、やはり余裕が違う。ホルンのテクニックはもちろんですが、その音楽にも、指揮にも、穏やかな美しさがあります。

 これは、もちろん人柄や天性の音楽性による所もあるでしょうが、一番大きいのは例の「揺るぎない余裕」のなせる業だと思えて仕方がない。自分の評価に汲々としている普通の指揮者が、頑張れば頑張るほど到達できない境地にあると思います。


 初日の今日も、良い演奏会になりました。明日も頑張ります。

 テルサで午後3時開演。お時間のある方は是非。ちなみに、開演前のロビーコンサートは、山形Qが担当いたします。
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秀鳳「つや姫」

2016-10-14 22:58:48 | お酒の話し(山形県)
 「武士に二言は無い」とか「男に二言は無い」という言葉があります。カッコいいし、日本男児として、そうありたいと思うのです。

 しかし、この手の言葉には魔力がある。守れないのなら、もはや人としての資格がないような気持ちにさせられるのです。

「ゴメン、やっぱ違ってたわ」…このひと言が言えないばかりに切腹した武士がどれほどいたか。

 そういう価値観を、日本人として美しいと思うし大切にもしたい。でも、それがなければ、太平洋戦争ももう少し損失が少なくて済んだのかなとも思います。戊辰戦争でも、もっと多くの有為な人材が残ったはずです。


 …何が言いたいのか。要するに、「前言撤回」をさせていただきます。

「食べて美味しい米は、旨い日本酒にならない」

 私は過去にこう言いました。ササニシキやコシヒカリ、そして「はえぬき」の「失敗作」を見たからです。

 山形が誇るブランド米の「つや姫」もまたしかり。開発されるやいなや、いろんな蔵が挑戦しましたが、旨い酒は無かった。


 しかし。山形市の名蔵「秀鳳」がやりました。つや姫45%の純米大吟醸。

 やや甘めの仕上がりにしたのが「技あり」だと思いますが、その透明感は素晴らしい。穏やかで上品な甘みには、雑味がまったくなくて、「はんなり」とした優雅さがある。正直、驚きました。

 …勇気を持って高らかに言いましょう。

「やっぱり、いい米は何にしても旨い」

 切腹より乾杯をしましょう。
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秋と肩

2016-10-12 22:27:30 | ヴァイオリン
 今朝は温泉に行く間も無く、ちまちまと譜読み。定期のリハーサルが今日からなのにも関わらず、忙しくて放置してきた報いなのです。


 ベートーヴェンの「交響曲4番」。学生の頃に1度、山響に入ってから多分2度弾いたことがありますが、やはりベートーヴェンの中ではもっとも馴染みがない。

 名作なのは間違いないが、難しいわりに聴き映えがしない。演奏される機会が少ないのも、やはりこれが原因でしょう。弾きにくいのです。


 曲を悪く思うと、練習のクオリティが下がります。「なんと素晴らしい作品だろう」と思うのがいちばんの近道。


 しかし…しばらく練習したところで、肩が。

 軽症だと診断された「五十肩」ですが、この秋の深まりとともに、しっかりと悪化しています。問題はつまり、忙しいスケジュールと、気温の低下。正直に言うと、しんしんと冷える野外コンサートは、なかなかのダメージだった。

 
 なんとも情けないことですがこの五十肩、最初はTシャツの着脱あたりから痛みが始まって、昨日あたりから洗髪ぐらいまで下りて来ました。

 長時間楽器を構えていると痛いのが、次第に短くなって来ている。今朝は、シンフォニーの3楽章あたりで嫌になってくる始末。


 本番が思いやられます。芸術の秋。なんとか騙し騙しやって行くしかないですね。
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羽黒山にて

2016-10-10 22:10:34 | 山形交響楽団
 山形が誇るパワースポット、羽黒山でのコンサートが終わりました。羽黒山神社前の特設ステージにての野外コンサート。


 野外コンサートと言えば、山形Qでの「巨木の森コンサート」を思い出します。山の天気は変わりやすい。本番が始まる頃に天気は崩れ、テントの屋根に雨音がボツボツとうるさい中での公演になりました。そこら中に水滴が飛んで、ヴァイオリンのネックも指板もびしょびしょ。その状態で、ハイドンを弾く。…よくやったものだと自分達をほめてやりたい。と同時に、雨合羽を着て笠地蔵のように堪えながら聴いてくれたお客さん達にも感謝しています。


 さて、今日のコンサートは逆に午前中雨模様だったにもかかわらず、そこはさすがパワースポット。宮司さん達の祈祷が天に通じたのか、なんとか雨が上がって無事に予定通り、境内での野外コンサートを挙行できました。

 静謐な境内は、予想以上の効果をもたらし、集まったたくさんのお客さん達にも、ステージ上の我々が感じる以上の感銘を与えたようでした。

 ただ、問題なのは「寒さ」。

 少しずつ紅葉が始まっている秋の山形ですが、標高が高いところは本当に冷えます。手はかじかんで、背筋はゾクゾク…さすが山伏達の「修行の場」。私たちにとっても、精神的にいろいろ試される環境となりました。お客さん達も大変だったでしょう。それでも、2時間強のフルサイズのコンサートで途中退出する人もほとんどなく、最後は温かい拍手に包まれました。

 これも、出羽三山の神々の力なのかもしれません。


 頑張った我々とお客さんに、ご利益がありますように。
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フォースと共に

2016-10-08 23:59:36 | 山形交響楽団
 週末の山響は、日曜のロータリークラブ主催のイベントでの演奏。式典の中でのアトラクションのような出番です。ということで、オープニングは久しぶりに「スターウォーズ」。


 恥ずかしながら、「スターウォーズ」はちゃんと見たことがない。CMでチャンネルを替えたらたまたま放映していたので、その間だけ見たぐらい。振ると「ぶぉんっ」と音が鳴るビームサーベルに、少しの間だけ見とれました。

 とにかく流行りましたね。特に私が中学生の頃、夢中になった友人は多かった。

 ひどい点数の答案が帰ってきたり、バスケのシュートが外れたりする度に、
「フォースが乱れているっ!」
と呟く人たちがいました。


 もはや古典ですね。名画と一緒に、音楽もクラシックとして残っていくのでしょう。
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ほっこり

2016-10-07 21:49:29 | 山形弦楽四重奏団
 なんだか心が「ほっこり」しますね。

 私も、ほんと「ほっこり」しました。


…意味わかりますか?私には最近耳にする「ほっこり」という言葉がよくわからない。文脈から察するに、良いイメージを持つ単語のようですね。

「新市場の盛り土の問題には、まったくほっこりさせられます」

よりは、

「ノーベル賞受賞のニュースは、私たちの心をほっこりとさせてくれます」

の方が、用法としては正しいのでしょうか。


 私が解釈するに「ほっこり」するとは、「なんとなくぼんやりと、いいかな、と思える」というような意味のように感じます。

 だとしたら、ノーベル賞には当てはまらない。おぼろげなものではなく、きちんと喜ばしいことだからです。…新しい日本語はいつも、曖昧でいい加減な感覚を正当化するように感じられて軽くイラっとするのは、私が古い人間になったという証拠なのでしょうか。


 昨日も山形Qのリハーサル。いつもお馴染みのコミュニティセンターに集合します。

 本番が、もう今月末に迫っています。忙しいスケジュールの中、休日返上でやるリハーサルは真剣勝負。開始前には静かな殺気が部屋を満たします。


 そんな、冷たい木枯らしがタンブルウィードが転がしている研修室に、ふとノックの音。

「どうぞこれ、ふかし芋です」

なんと、コミセンの事務のお姉さんが、サツマイモを蒸したものを4本、差し入れてくれたのでした。

 山形の秋は豊かです。採れすぎた野菜のおすそ分けが飛び交わないところはない。

 しかし調理までしてくれるとは。

 甘いもの嫌いの私ですが、これほどの人情にふれては、好き嫌いなどたわ言にすぎません。ありがたくいただきました。

 おそらく数十年ぶりの「ふかし芋」でしたが、歯に心地よい柔らかさと、ほのかな甘み、そして何よりも優しい温かさ。

 こういう時にこそ、声を大にして言おう。

「ほっこりしました」!


 さらに帰りには、ひとり一袋ずつ、生のサツマイモのおすそ分けまでいただきました。

 山形の実りの秋に乾杯!
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