中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

完売御礼

2014-08-30 23:50:29 | 山形交響楽団
 グレイトの本番の初日が終わりました。たくさんのお客さんに来ていただき、嬉しく思います。


 ところで私たち演奏家は、「音を売っている」と言えるわけです。たとえば八百屋が野菜を売るように、たとえば魚屋が魚を売るように。

 八百屋や魚やには「売り切れ」というものがあります。ということは、私たちにも「売り切れ」という状態があるのではないか?

 答えは、「YES」でもあり「NO」でもあります。

 楽器を弾いたからといって何かが「減るわけでもなし」。と思うのが普通でしょうが、物理的に「減るもの」は無くても、そうでない部分には、やっぱりある。


 本日の本番終了後は、まさに「売り切れ」状態。「グレイト」が要求するものは、それもまた「グレイト」なのです。しぼり取られる感じ。

 しかし、「何くそっ、もう一回弾かせてくれれば、もっと良い演奏をしてやる!」というような、「減らないもの」も同時にある。


 ・・・ということで、休んでふたたび「仕入れる」ことにします。
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グレイト

2014-08-29 23:14:03 | 山形交響楽団
 今週は、山響の定期。鈴木秀美氏の指揮で、ハイドン「太鼓連打」、シューベルト「グレイト」。


 やはり「グレイト」は、大曲です。弾いても弾いても終わらない。弾くだけでも大変なものを、これをスコアに全部書いたというだけでも、すごい作品です。しかも素晴らしい。

 
 この曲を初めて弾いたのは、東京のアマチュアの市民オケでした。エキストラでの出演を頼まれたもので、楽譜が送られてきて初めてこの曲を知りました。「グレイトすか?ああ、やってみたいです。」・・・軽々しく引き受けたことを、譜面を見て後悔したのを覚えています。

 本番の終演後・・・この私が、打ち上げも途中で失礼するほどに疲れていました。


 ・・・あれから20年。さらに体力も落ちましたが、明日と明後日の本番、頑張りたいと思います。
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若泉

2014-08-27 21:10:42 | お酒の話し(山形県)
 我が家の酒蔵(冷蔵庫の野菜室ともいう)にも、残念ながら、不況の波が押し寄せております。なので、このカテゴリーは実は、ほとんど頂きもので構成されています。

 では普段はどんな酒を飲んでいるのか?ということで、たまには今はやりの「ありのまま」を。


 山形は飯豊(いいで)町の蔵、若乃井酒造のスタンダード、「若泉」です。大吟醸でもなんでもない「特別純米」。精米60%ですから、一応「吟醸」を名乗っても許されるところを、奥ゆかしく「特別純米」。そういう姿勢が、味にも表れています。

 一升で2200円(税抜き)とは思えない、味の透明感と、しっとりとした米の旨味。地味ながら、本当に飲み飽きしない。


 高級な酒でも、二杯目になると底が割れることがあります。「パッと見すごいけど、つき合ってみると薄っぺらで、つまらない奴だな」みたいな感じ。

 しかしこの「若泉」は、飲めば飲むほどに「良い奴だ」と思えるような誠実さを感じます。気取らないだけで、育ちも志も、実に「気高い」。長くつき合いたくなる。


 だいたい一升2000円ちょいの酒は、「すさんでる」味がするものです。愛されて、手をかけられて育ってこないと、酒も人も、どこか投げやりな出来になる。きたない野良犬のような(昔はいろんなところにいましたね)、残念でかわいそうな味・・・安い居酒屋にはたくさんあります。


 しかし、この「若泉」のように、手塩にかけられた奴が、この値段。懐にやさしく、実に助かります。ひとくち飲むと「上質な日常」が広がる酒です。
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深奥へ

2014-08-26 10:01:44 | 山形弦楽四重奏団
 一週間続いた「アフィニス音楽祭」も無事に終わり、昨日は山響のOFF。こういう日は、輝く夏の陽射しを浴びながらアウトドアライフを満喫する・・・というようなことはなく、もちろん山形Qの練習。

 ・・・まったく、他にやることが無いのかこの人たちは。

 そうです、そういう寂しい人たちなので・・・いや、違います。午後の時間をたっぷりと使って、モーツァルトの名曲「不協和音」、その一曲だけを、じっくりと味わう・・・これこそ音楽を愛するものとして、無上の贅沢と言うべきでしょう。


 「狩」もそうですが、この「不協和音」も、弦楽四重奏曲としてはかなり有名な曲ですから、山形Qでも定期はもちろん、その他の依頼公演でも今までに何度も演奏しています。

 なので、ただ演奏するだけなら、練習の必要はないのです。では、何をしているのか。

 4人でこうしてヒソヒソと集まっては、弦楽四重奏という深い森の、さらに奥へ奥へと、分け入ろうとしているわけです。これが険しいけと面白い、面白いけど険しいの連続で、「ファイト一発!」のように、助け合っては少しずつ進んでいく・・・「超」インドア派なのは間違いないですが、「そこに山があるから」という精神には通じるものがあります。


 ということで、本番まであと約一ヶ月。楽しく彷徨することにします。
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Vol.2に向けて

2014-08-23 09:02:19 | 山形弦楽四重奏団
 昨日は、アフィニス音楽祭の合間の休日。ということは、もちろん山形Qの練習です。次回の「第53回定期」は10月1日。実はあまり間がないのです。夏バテしている場合ではない。


 今回のプログラムは、4月の「第51回」の続編で、モーツァルトの「ハイドン・セット」から、残りの3曲(17番・18番・19番)です。17番は「狩」、19番は「不協和音」と呼ばれ親しまれている、モーツァルトの四重奏の中でも特に有名な作品です。

 
 モーツァルトは、やはり人気があります。前回の「ハイドン・セット~vol.1」も、予想外に(?)喜ばれましたし、今回は平日なのにもかかわらず、すでに「楽しみにしてます!」と言ってくださる方々がいます。

 モーツァルトは、気分を明るくさせるからでしょうか。

 期待に応えるべく、良い演奏会にしたいと思います。
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「her」

2014-08-22 11:30:09 | 映画・ドラマ
「新しい彼女ができたんだ。」
「そうみたいね。とっても幸せそうだもの。で、どんな人なの?」
「彼女はPCのOSなんだけど、誰よりも僕のことを理解してくれて・・・」
「は?ちょっと待ってよ!PCのOSって・・・気は確かなの?」
「何が悪い!・・・僕は彼女を愛してるんだ。」


 我が家の揉め事ではありません。映画の話です。

 ということで、この間観た映画「her」は、簡単に言うとこんな話。舞台は近未来のアメリカ。新しく開発された人工知能のOS(オペレーティング・システム)に恋をしてしまう男性の物語です。

 OSとは辞書によると・・・「コンピューターにおいて、ハードウェアを抽象化したインターフェースを利用者またはアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。」

 ・・・何のことやら。ふつうの人はこの説明で「なるほどねっ」と理解できるものなのでしょうか。私には無理です。しかし、この映画の中の「人工知能のOS」とは、話の流れから解釈すると、「バビル2世」のコンピューターみたいなことをしてくれるソフトのようです。

 キーボードやらマウスをポチポチ動かさなくても、言葉で命令すれば、抑揚の無い声で忠実に返事をし、細かい所は自分で判断してうまいことやっておいてくれる。

 この映画の中のOSもまさにそんな感じ。公私にわたって、有能な秘書をつとめてくれるわけです。ただ違うところは、しゃべり方。ETCみたいなしゃべりではなくて、ユーザーの性格から割り出された、好みの声でしゃべる。ちょっと奥手の主人公には、明るくて行動的な印象のハスキーヴォイスの女性の声が選択されます。これが、実に魅力的。声だけですが、主演女優賞ものです。表情がぜんぶわかる。

 コンピューターの女性の声に恋をしてしまう中年男性・・・聞いただけでイタいそしてキモいわけですが、「こんな声で、こんな風にしゃべられたらありうるな」という説得力がある。そして、人工知能は次第に成長して、人間の感情というものを、日に日により深く理解するようになる。しまいには、自分に「実体がない」ということを悩んだりする。これがまた人間以上に純粋で、いとおしくなるのがわかります。

 考えてみれば、リアリティーとは何なのか。電話やパソコンが発達して、遠くの人といつでもコミュニケーションがとれますが、実際にしていることは、機械に話しかけたり、画面に機械が表示した文字を見て、一喜一憂しているわけです。バーチャルとリアルの境目が、どんどん曖昧になっているのが現代。数分おきに携帯に目をやっては、ニヤついたりイラついたりしている私たちに、主人公をキモいと思う資格があるのか。


 「PCのOS」などに縁が無い私ですが、いろいろ考えさせられて心に残る作品でした。
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受講中

2014-08-20 08:52:51 | 音楽
 山形では17日から「アフィニス音楽祭」が始まっています。山形と広島で交互に開催する、夏のセミナー。全国のプロ・オーケストラから集まった受講生が、世界の一流オケから招待された講師に「薫陶を受ける」わけです。

 私たち山響は「ホスト・オーケストラ」ということで、人数が足りない曲でお手伝いしたり、合同オーケストラを編成するなどして参加します。


 私の出番は、合同オーケストラのプログラムの中から、メインの「シューベルト交響曲五番」のみ。

 ・・・短い曲だし、難しくないし、「ユルくていいな・・・お盆明けにぴったり」などと思っていたら甘かった。そういう姿勢では許されない。

 今年の合同オケ公演は「指揮者なし」。コンサートマスターのホッホシルト氏(ゲヴァントハウスのコンマス)が中心となり、各パートにもトップに講師が入ってやる「セミナー」なのでした。

 つまり、私らも「受講生」。ということは、向学心を前面に出し、ハングリーな姿勢で臨まなくては講師陣に失礼です。日常業務の中で、このような勉強をさせてもらえる貴重な機会を頂いたことに感謝するモードに切り替えて、いつも以上に真剣に取り組んでおります。

 
 「弾き振り」のコンサートマスターが音楽づくりをしていきますが、「さすが」の一言です。「俺について来い」でもなく「管理・監督」をするでもなく、丁寧でオーソドックスな提案をするだけで、音楽が自発的に活き活きしてくる。名コンマスは、指揮者よりも指揮の本質をわかっているんです。しかも完璧に弾きながらそれができる。またそれが、すべて自然なのが本当にすごい。

 
 良い経験になりそうです。本番は24日、山形テルサホールにて。
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シンデレラ

2014-08-17 23:09:19 | 音楽
 「くるみ割り人形」や「白鳥の湖」など、有名なバレエ音楽には飽き飽きするほど接していますが、正直なところバレエそのものには、まったく不案内です。・・・今、不案内などという言葉を使ってごまかしましたが、実は、きちんとした生の公演を観に行ったことがない。

 ピットでは弾いたことがあるのに、観たことがないとは、恥ずかしいことです。

 だって、チケットはものすごく高いし、安い席だと遠くてよく見えないし、踊り自体に興味がなくて「あのトー・シューズの中では、つま先はどうやって立っているんだろう・・・」ぐらいしか思わないような人間が観ても失礼だし。第一、あんなに痩せすぎて、メイクの濃い女性は私の好みから言うと・・・

 つべこべ言う今までの自分をフライング・クロスチョップで黙らせて、本日、ここに断言いたします。

 バレエは最高の舞台芸術です。

 
 娘のバレエ発表会のメイン演目は、プロコフィエフの「シンデレラ」でした。もともとプロコの音楽は好きなのですが、あらためて言います。プロコ最高っ!(腕を振り上げてシャウト・・・しらふです念のため)。

 「音楽としては『ロミオとジュリエット』の方がはるかに上だな」ぐらいの認識しかありませんでしたが、「世界の童話」レベルの知識でなく、きちんと台本を知り、少しでもバレエを理解してから、バレエ作品として「シンデレラ」を観ると、そのあまりの素晴らしさにめまいがします。

 ただの、街の小さなバレエスクールの発表会で、音も生じゃなくて、キャストもスタッフも足りなくて・・・それでも鳥肌が立ちました。


 とにかくこの半年ちかく、娘が毎日のようにDVDを見て、狭い居間でぶつかりながら踊っている横で晩酌してきましたから、私もかなりの部分が頭に入っていたのです。

 もちろん、ひとりの父兄として、娘やお姉さんたちが舞台で緊張しながらも頑張っていることへの感動もありましたが、それとは別に、「バレエとはこれほどスゴいものなのか」ということを思い知りました。音楽、舞台セット、演出、そして体の動き・・・それが一緒になると、夢の世界が目の前に出現する。時計が凶暴に12時を打ち鳴らすシーンでは本気で慄えました。

 これが生のオーケストラだったら・・・と思うと、世の中のバレエ公演のチケットが高いのは仕方がないと納得します。


 何事も、きちんと知らないとその価値がわからないということですね。まずは、出演者はもちろん、今回の舞台にたずさわったすべての人に、最大の拍手を贈りたいと思います。
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お盆明けとゲネプロ

2014-08-16 16:33:19 | 危機管理
 お盆明け最初のコンサートは、山響「街なか音楽会」。「アイネク」やら「新世界」など、名曲を集めたファミリーコンサートです。

 客席には「夏休みムード」らしい、のんびりとした空気が漂っていましたが、ステージもそうだったかも知れませんね。しかし、いつまでものんびりしてはいられません。


 ということで、先ほど山形市民会館で本番が終わりましたが、今日はこれから中央公民館の大ホールへと向かいます。もうすぐ「ゲネプロ」が始まるので。


 コンサートではありません。明日の娘のバレエの発表会のための「通し稽古」です。演目は「シンデレラ」。大がかりな舞台です。もちろん音楽は「生」ではありませんが、衣装も含めて本番通りにやるので、緊張感があります。

 残念ながら、私は「アフィニス」のリハーサルがあるので明日の本番は観ることができません。今日のゲネプロに応援しに行きます・・・(さっきの自分の本番より、明らかに緊張しております)。
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田舎の夏休み

2014-08-15 22:12:49 | 山形
 ということで山響の夏休みは、あっさりと終わり。明日から再び通常営業です。


 世の中はまだお盆休み。都会ではいつもより電車がすいていましたが、山形は人口が増えています。好奇心に目を輝かせた都会の子が、おじいちゃんおばあちゃんに連れられているのを、あちこちで見かけます。

 私が小学校低学年の頃「夏休みに田舎に行く」と連れて行ってもらったのは、母が幼少を過ごした長崎でした。都会から持参した真新しい虫かごをさげて、あぜ道を消極的に歩いていた姿は、きっとこんな感じだったんだろうなあと、にわかに山形に増えた子供たちを見かけて思います。

 そのぎこちなさが面白い。「どうして田舎の大人は、誰も彼もいちいち話しかけてくるんだろう。なに言ってるかわかんないし・・・」と辟易したものですが、その時の大人の気持ちがよくわかりました。


 自然が豊かな山形で、「夏休みの想い出」をたくさん作って、都会に持って帰ってもらいたいと思います。
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同業者たち

2014-08-13 23:51:54 | 音楽
 昨日は東京にて、日本音楽家ユニオンのオーケストラ協議会の全国大会。日本中のほとんどのプロ・オーケストラの組合の代表者が集まるわけです。

 
 ジメジメして蒸し暑い渋谷の人混みをかきわけて、センター街から東急ハンズの方へ向かう。学生の頃は、このあたりにもお気に入りのバーがあってよく通ったものです。ああ、美しき青春の想い出・・・ですが、あらためて客観的に見ると、ゴチャゴチャ狭くてきたない街ですね。

 「おのぼりさん」のように地図を片手に、たどり着いたのは、怪しげな雑居ビルの貸し会議室。狭い部屋は、各オケの代表者ですでにぎっしり。関西弁も聞こえます。


 さて、会議の中身は、それぞれに起きている問題の報告。定年制の問題や、経営危機、身分が保障されていないなど、どれも深刻で、すぐに解決策がみつかるような問題は一つとしてありません。

 このような代表者会議に参加するのは久しぶりですが、確実に感じるのは、業界全体の冷え込みです。以前は他オケの話がすべて羨ましかった。「ずいぶん恵まれた悩みだな」と思ったものです。山響の状況はそのころと変わっていないのに、今回は相対的に「これでも山響は割とマシな方なのかな」などと思ってしまう場面がありました。


 議事の後は、居酒屋へ場所を移して、懇親会。みんな各オケの代表や全国幹事なので、いろいろと抱えている問題はあっても、それに正面から取り組んでいるのでグチは無く、さすがに建設的です。楽しく飲みました(・・・結局、会議と同じぐらいの時間)。

 元気をもらったような気がします。
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田園より

2014-08-11 16:17:03 | 山形交響楽団
 世の中には「偉大」な人や「卑小」な人がいますが、偉くて小さい人も、大きいのに卑しい人もいます。いや、むしろそちらの方が多いような気もする。特に演奏家の場合「スゴい人」は、物体としての体積は、イメージよりはるかに小さいことが多い。これはステージ上で演奏しているとき、その表現しているもののスケールが大きいために起こす錯覚のせいかも知れません。


 さて、昨日の鶴岡定期演奏会にて、お盆前の山響公演はすべて終了。しばしの夏休みに入ります。

 プログラムのメインは、夏休み前にふさわしく「田園」。・・・山形は日常が田園みたいなものだろうと言われればその通りですが、これはあくまでイメージの問題。翌日からの「心の田園」を楽しみにしつつ。


 演目の「メイン」は田園でしたが、「目玉」は、首席の川上一道氏によるウェーバー「クラリネット協奏曲」だったと思います。

 背後で聴いた感想を一言でいえば「やっぱり日本音楽コンクール優勝は、コネや時の運で手にできるものではない」ということ。きちんとした才能が無ければ通ることのできない登竜門なのです。中華料理屋みたいな名前ですが、本当にたいした門です(失礼)。

 ・・・後ろ姿が大きく見えました。惜しみない拍手を贈りたい。


 ということで、良い夏休みを!
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大山「凜匠」

2014-08-09 22:40:41 | お酒の話し(山形県)
 お中元の季節。子供の頃は「カルピス」が来ると大喜びしたものです。「来たっ・・・ま、幻の、グレープ味とオレンジ味!」みたいな。自宅用では許されない贅沢を味わう・・・これがお中元の醍醐味です。


 ということで、頂きました。山形は鶴岡の銘酒「大山」が誇る最高級酒「凜匠」です。もちろん山田錦40%。その味わいはまさに・・・ワンランク上の「おもてなし」。

 鶴岡の酒は、とことん「まっすぐ」です。きちんと整って塵ひとつ無い部屋で「ゆるりとくつろぐがよい」と言われ、背筋をぴんと伸ばして座るような感じ。

 品があって、清廉潔白で、まるで大岡越前の加藤剛と竹脇無我のような・・・(わかりづらくて申し訳ない)。とにかく、非のうち所がなさすぎて、ちょっと堅苦しい美意識を備えた味わいの酒でした。


 一点の曇りもない、ワンランク上の「匠の技」を堪能しました。
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雨と笠

2014-08-08 20:36:34 | 山形
 昨日の「花笠まつり」最終日は、結局、雷雨のため中止。残念なことですが、自然が相手では仕方がない。それだけに、その判断のタイミングもまた難しいものです。中止すればみんながっかりだし、強行して何かあれば責任問題。さぞ重いプレッシャーでしょうね。


 夕方から鳴り出した雷、そして夕立。この時期にはよくあることで、「まつりの時間には上がるだろう。涼しくなってちょうどいい」ぐらいにしか思っていませんでした。

 しかしその後も雨と雷の勢いは衰えず。「まつり」の最終日に各地から集まってきている人たちを帰さないように、がっかりさせないようにと、一生懸命に盛り上げようとする懸命なアナウンスが聞こえてきます。


「ただいまあいにくの空模様ですが、なんとかみなさんのパワーで・・・」
「さて、ここでスペシャルゲストが駆けつけてくれました!○月○日公開の映画『~~~』にご出演の△△さんです!」

 細部までは聞こえないものの、自宅に居ながらにして、主催者側の焦りが手に取るように伝わってきます。

 そして、気合いの大音量で「音頭」スタート。「ヤッショ~マカショ!」のかけ声と、それを引き裂く雷鳴と電光、さらに嵐が、くんずほぐれつの激闘を繰り広げる大スペクタクル。


 ・・・しかし、大自然がウリの山形で、自然に勝てるはずもなく…。全員「笠」は持っていても雨は防げない。

 人が変わったような、事務的かつ重々しい口調で「本日のパレードは雷雨の為、中止を決定いたしました」。とどろく落胆の声とブーイング。

 しかも、そのとたんに弱まる雨足・・・。もちろん気象台では、この雷雨はしばらくおさまらないという予想のもとの判断だったのでしょうが、見事にハズレ。数分後には、完全に風雨は止みました。天気予報はそれだけ難しいということですね・・・今年は冷夏だとも言われてましたし。


 実際の気温以上に、一気にクールダウンした山形市。例年、「花笠が終わると涼しくなる」と言われていますが、それを目の当たりにしました。


 久しぶりに冷房がいらない夜。心地よい風が吹いておりました。
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祭礼の街

2014-08-07 15:25:23 | 山形
 ただ今、山形は「花笠まつり」の真っ最中。会場になっているメインストリートは夕方から通行止めになり、あとは夜ふけまで、ひたすら花笠音頭。踊りながら進んでいく無数の団体と、それを見物する大群衆。まさに「踊り明かそう」という熱気に包まれます。


 そのメインストリートからほど近い私の家にも、その熱気は伝わってきます。各所のスピーカーから流れるエンドレスの「音頭」はもちろん、その合間の「ヤッショ~マカショ!」のかけ声。

 今年の暑さは強烈。日が落ちてからも冷房が必要なので、窓を閉めています。しかし窓の隙間から、換気扇から、あるいは壁をつたって、熱気とともに「音頭」は入り込んでくる。それはまるで、「砂の女」で男が閉じこめられている家が、どこからともなく砂だらけになってしまうような。

 弾いているモーツァルトの、ふとした休符にも・・・
 晩酌のグラスにもう一杯注いでいる間にも・・・
 因数分解できない二次方程式を解の公式にあてはめている時も・・・

「ヤッショ~マカショ!」


 今夜が最終日・・・無駄な抵抗はやめて見に行きますかね。
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