中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

スペシャルサンクス

2021-07-30 21:39:00 | 山形交響楽団
 今週の山響は、日曜日の「スペシャルサンクス・コンサート」。市民会館にて、午後3時から。

 今日からリハーサルが始まりましたが、指揮者は3人。創立名誉指揮者の村川千秋氏と常任指揮者の阪哲朗氏、指揮者として長く関わった大井剛史氏。豪華な顔ぶれですね。

 とにかく、驚くべきは村川氏の健在ぶり。90歳近い年齢を感じさせない。それどころか、現役時代、一緒にバスに乗って各学校を回っていた頃と、何も変わらないのが凄い。お得意のシベリウス「カレリア」を指揮します。

 そして、常任の阪哲朗氏。これもお得意のウインナー・ワルツなど。

 大井氏はオープニングの「マイスタージンガー」と、ゲストのヴァイオリン前橋汀子さんの伴奏。これも大役です。

 前橋汀子といえば(もはや偉人なので「さん」づけするのが逆に馴れ馴れしくて違和感がある)、私も子供の頃からテレビでその演奏を観ていた巨匠。山響との共演は初めてなので、身の引き締まる思いです。

 なぜ、これほど豪華なコンサートが突然行われるのかといえば、それがまさに「スペシャル・サンクス」なわけです。昨年からのコロナの影響を受けた山響に対して、山形市が先頭に立ってクラウドファウンディングを募ってくれたその「お礼」です。

 もし、コロナ自粛の期間に何か得たものがあったとすれば、本当に、山響は山形の皆さんに支えてもらっているのだということが実感できたことです。予想をはるかに上回る寄付と声援を頂戴しました。

 山響を、必要なものとして感じてくださる方々がこんなにいたということには、本当に励まされます。

 …それがわかって私たちは、気持ちの上ではコロナ前よりも元気になったかもしれません。

 そういう感謝を込めて、良い演奏会になるよう頑張ります。
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虹色ばくれん

2021-07-29 22:41:00 | お酒の話し(山形県)
 果物の得意でない私ですが、旨い日本酒の吟醸香は果実っぽい香りがする。梨・メロン・バナナなど。実物は梨以外苦手です。特にメロン。…しかし、吟醸香となると話は別。甘酸っぱい香がたまらない。大好きなのです。

 ご存知、羽黒の銘酒「くどき上手」の辛口ブランド「ばくれん」から、今年の限定酒が出ました。「虹色ばくれん」。

 ちなみに、基本の通年商品が「赤ばくれん」。冬に出る貯蔵酒が「白ばくれん」。新酒の時期の生酒が「黒ばくれん」。これらが、毎年の「三人衆」です。「白」も「黒」も毎年、楽しみにできる旨さ。これで季節を感じると言ってもいい。

 「白」が出ると、「もう冬か…」としみじみ。

 「黒」が出ると、「さあ、また新しい一年だ」と気持ちが改まる。

 さて、初めてお目にかかる「虹色」。さて、これはどんな季節感を与えてくれるのか?

 …とにかく香が爽やか。これは、マスカットです。それも、ここまでハッキリと感じられる果実感は、滅多にない。

 味は、さらにスッキリとして、暑い夏にぴったりの爽快感。すっかりハマりました。ぜひ毎年出してほしい。もうこれが無いと、夏がつまらないかも。

 暑気払いを堪能しました。
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賭ケグルイ

2021-07-28 22:20:00 | 映画・ドラマ
 娘に薦められてアマゾンで観た映画です。漫画が原作の、荒唐無稽な青春物語。まったく興味を感じなかったのですが、文翔館で撮影されたと聞いて、思わず視聴。

 いつも山形Qの定期演奏会や、山響のリハーサルでお世話になっている、文翔館ホール。それだけでなく、我が家の最寄りの文化施設です。庭も広くて、娘も息子もここで、自転車に乗れるようになりました。

 その文翔館が舞台になっているのなら観ないわけにはいかない。

 物語はある特殊な高校の物語。その学校では、生徒間の力関係がギャンブルによって決まる。最も強いものが生徒会に入ることができ、弱いものは奴隷のような扱いを受ける。そういう高校での「学園モノ」です。

…はい。この時点で、大人にはツラい設定ですが、この学園の校舎が文翔館。「翔んで埼玉」も似たようなセットがありましたが、荒唐無稽な一流私立学校には、文翔館のような鹿鳴館っぽい建築物がよく似合う。石造りに赤い絨毯。

 文翔館の時計塔が映るたびに、「県内ニュース」に切り替わったかと気が散る部分もありますが、やはりこういう施設が日常にあるのは、すごいことです。

 映画セットのような所で、いつも演奏していることを、あらためて感じました。誇りに感じます。

 かつての「るろうに剣心」もそうですが、もっと映画に使ってほしい。
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夏の遊佐

2021-07-26 22:53:00 | 山形
 昨日の遊佐公演は、チケット完売だけあって、客席にも熱気がありました。半分制限なので、席はひとつおきなのですが、それでも「満席」だと満員の感じがあるのは不思議なものです。

 もともと町の公民館を改装して作ったホールなので、ステージは狭く天井も低いので冷房の効きも悪く照明が近いので、暑いことこの上ない。それでも、爽やかな気持ちになる、心地よい雰囲気のコンサートになったのは、客席のおかげでしょう。

 ところで、ゲネプロと本番の間の昼休憩には、遊佐駅近くのラーメン屋に行きました。

 最近首都圏では、昔ながらの「街中華」が流行っていると聞きますが、山形で熱いのは、さらにもっと原始的な伝統の味です。この店も、「中華そば」と書かれた看板と煤けたのれんだけ。山形のこういう店にハズレ無しなのです。

 メニューはラーメンと蕎麦しかありません。カレーライスはもちろん、チャーハンとか餃子も無し。これこそが山形の「中華そば屋」の名店なのです。

 そして恐れていた通り、冷房が効いてない。古い扇風機の「首振り」がこっちに回ってくる時だけが頼りで、待っている間にも汗が止まらない。

 しかし出てきた「中華そば」は、さすが庄内の味。魚系の出汁が香る綺麗なスープのシンプルなラーメンで、いくら食べても飽きがこない。こういうラーメンは、都会には絶対ありません。

 結局、さらに汗だくになる。このままでは本番に集中できない。仕方なく帰りにコンビニでTシャツを買い、着替えました。

 好きな遊佐町。またゆっくり訪れたいなと思いつつ、聴きに来てくださったお客様に感謝、そして招いて下さった、町の実行委員会にも感謝。

 ありがとうございました。
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すずかぜ

2021-07-24 23:11:00 | 山形交響楽団
 今週末の山響は、遊佐町での「すずかぜコンサート」。飯森監督の指揮で、ベートーヴェン「第7番」をメインに、「コリオラン序曲」、ゲストに漆原啓子さんでモーツァルト「協奏曲3番」。

 誰が、どのようなコンセプトで名付けたのかわかりません「すずかぜコンサート」。…「すずかぜ」など、どこを探しても無いような酷暑が続いている山形です。

 しかし、遊佐町で、去年コロナで延期になった公演がようやく開催できる運びになったことは本当に嬉しい。

 そういう意味で、心情的な比喩としての、精神的なメタファーとしての「すずかぜ」なのです。その気持ちさえあれば、実際の風なんて吹く必要も無いのです。

 …いろいろ言ってみても、暑いものは暑い。今年はちょっと異常ですね。

 ありがたいことに、チケットは完売のようです。楽しみにして来てくださるお客さんのために、良い演奏会になるよう頑張ります。
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夏への扉

2021-07-23 22:06:00 | 映画・ドラマ
 しばらく山響が休みだったので、ふらっと映画を。

 ところで、冬に雪が降るとそれを嫌がって、あちこちの部屋のドアを開けてみろとせがむ猫がいたとする。その猫の様子を見て「こいつはきっと、夏への扉を探しているんだ」と思いますか?

 …私には思いつきません。詩的すぎる。そんなことを言われたら、当の猫も驚くのではないかと。

 そのあたりが鼻につく部分はあるものの、SFの古典、ハインラインの名作「夏の扉」を現代日本に舞台を移して再構築した映画なので、どうしても観てみたかったのです。

 ということで映画「夏への扉」。娘が大好きな山崎賢人主演。「…ああ、なるほどね。たしかに綺麗な顔していらっしゃること」と、やや批判的に見ておりましたが、これが素晴らしい。なかなか良い俳優じゃないですか。

 さて名作なので、あらすじを書くような無粋なことはしません。しかし、実にうまく現代日本に移植されている。こんな風に、過去の名作を生き返らせるのは本当に意義のあることだと思います。ぜひ、もっとやって欲しい。

 タイムスリップがあるので、辻褄が合わないところもあります。でも、そういうことは抜きにして楽しめる、気持ちの良い映画になっています。とにかく、どんどん伏線が回収されてゆくのが心地よい。

 むしろ、原作よりもシンプルでわかりやすくまとまっています。

 主人公は30年の冷凍睡眠をするのですが、それが1995年から2025年。タイムスリップと呼ぶには、「1995年なんて最近じゃん。もう平成だし」と違和感を感じるのは我々の世代でしょう。

 でも、「バック・トゥーザ。フューチャー」しかり、SFにはちょうど良い距離なのかもしれません。「バック・トゥ〜」の時は「なんだ、たった30年か」とは思いませんでしたから、単に私が歳をとったということにすぎないとも言える。

 とにかく、よくできた面白い映画でした。時間を忘れるひと時を堪能しました。
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臨時主夫

2021-07-22 21:59:00 | 男の手料理
 昨日まで珍しく、奥さんが二泊で家を空けていました。山響の仕事が休みなこともあり「ぜひ行っておいでよ」ということで。

 息子が小さい頃や、娘が小さい頃は、こういう事態に戦々恐々としたものですが、息子も家を離れ、娘も中学生。もう、恐れることはありません。

 そして最近、急速に腕を上げつつある料理のスキルを存分に発揮して、娘のお弁当づくりに本格的に挑戦し、何なら出来上がったキャラ弁を写真に撮ってインスタグラムに…

「あ、お弁当は自分でやるからいい」

と、サラッと娘に言われる。…そ、そうだよね。もう15歳の女子。今さら父親に「にわか」の腕をふるわれる無駄なリスクは回避するのが正解というもの。

 娘は、母親がいなければいないで、むしろいつもよりキチンと早起きして玉子焼きを綺麗に巻いたりしている。いつの間にか、もう、手が離れつつあるのです。

 夕飯は、しっかりと私が作りました。初日は「豚肉のすき焼き風」、二日目は「ささみの蒲焼風」。おつまみ系の味付けですが、好評をいただきました。

「何これ旨っ、主婦やれるじゃん!」

 …あ、ありがとうございます。
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山形弦楽四重奏団第80回定期演奏会終了

2021-07-19 22:24:00 | 山形弦楽四重奏団
 山形Qの定期は年に4回。ちょうど、春夏秋冬のリズムと同期しているので、今回は「夏場所」。

 暑いのはもちろんなのですが、ここまで暑かったことは記憶に無い。

 「おはようございま〜す」と集まって、開場設営した時点で、もう汗だく。…さらに正確に言うと、自宅を出て5分歩いて文翔館に到着した時には大粒の汗。やはり下着の着替えを持って来て正解だったと思ったのでした。

 夕方になっても暑さはおさまりませんでしたが、そんな中、ご来場くださったたくさんのお客様に、心から感謝します。

 「第80回」という、一応の「キリ番」にあたるコンサートでしたが、いかがだったでしょうか?ちなみに、旧メンバーのVn駒込が、ビールとおつまみの差し入れを持って来てくれました。粋な心遣いはさすが。本当なら、終演後に盛大なパーティーでもしたいところなのですが、残念ながら各自持ち帰り。…これも、あと少しの辛抱だと信じましょう。

 さて、ゲストのオーボエ柴田氏の活躍もあって、終演後のお客様の表情を見る限り、それなりに満足していただけたのではと思っています。

 次回の「秋場所」へ向けて、また頑張ります。

 第81回は、10月15日の金曜日。ゲストにはフルートのおなじみ小松崎さんを迎えて、モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」のフルート四重奏版からの抜粋など。

 今後も、もうしばらく三人での演奏に、ゲストを入れるなど工夫を凝らして楽しんでいただける演奏会にしていきます。ぜひ、よろしくお願いします。

 ありがとうございました!
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避暑の室内楽

2021-07-17 21:25:00 | 山形弦楽四重奏団
 …暑すぎる。

 こんなに暑いと、週末でも何もする気になりませんね。

 どこか涼しいところで、音楽でも聴いて過ごすしかあり得ない。

 …できれば、文化財になっているような、古くからある石造りの建物が良いですね。

 そして、音楽は室内楽の生演奏に限りますね。

 そんなあなたのために!

 明日は山形Qの「第80回定期」です。涼しい文翔館で18:30開演。

 ボッケリーニ、ドホナーニ、モーツァルトの知られざる名曲で、心地よいひと時をどうぞ。…ウトウトしても怒りません。

 お待ちしております!
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山形夏の昼休み

2021-07-16 21:23:00 | 山形
 私も山形に来て20年以上。「郷に入りては郷に従え」「朱に交われば赤くなる」など、いろいろな言い方はありますが、染まってきたようです。

 めっきり暑くなってきたここ数日、午前午後のスクールコンサートの合間の楽しみは「そば」。

 山形は蕎麦処ですから名店が多い。それも、東京の「更科そば」のようなお上品なものではなく、暮らしに根付いた「その辺の旨い店」が多いのです。

 冬は寒いですが夏も暑い山形。冷水でしめた蕎麦が食べたくなるのです。

 そして、ここに欠かせないのが「下足天」。一般的に「天ざる」などと言うと、値段も高く、奮発した「よそ行きの食べ物」という印象がありますが、いま求めているのはそういうものではない。暑くてぐったりした体に、蕎麦だけだと力が出ないので、ちょっとアクセントが欲しい…そんな欲求に見事に応えるのが「下足天」なのです。そのため、山形では蕎麦の旨い店には、安くて美味しい下足天がある店が多いのでしょう。

 「名物」とひと口に言っても、そこの特産品という意味もあれば、そこの「特有の郷土料理」というニュアンスもあります。たとえば、仙台は「牛タン」が有名ですね。しかし、仙台で良質の牛の舌がやたらと産出されるということはないので、モノはアメリカ産だったりする。でも、アメリカ名物ではなく仙台名物なのです。郷土料理として素晴らしいからです。

 山形の「下足天」も同じ。内陸で、イカの、それも足だけ上質なものが収獲できるわけはない。郷土料理としての「名物」です。しかし、山形でしか味わえない旨さがあります。

 冷たく香り高い「もりそば」に、カリッとした「下足天」。

 これで午後もやる気が出る…山形の夏に欠かせない名物です。
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夏らしく

2021-07-15 22:24:00 | 山形交響楽団
 今週は毎日、飽きるほどの県内スクールコンサート。

 …「飽きるほど」というのは表現が良くないですね。こうして、昔のように毎日、県内をあちこち行ったり来たりして、スクールコンサートにまみれる日々を過ごせているのは、ありがたいことなのです。

 毎日、片道2時間ほどかけて午前午後2回公演して帰る。昔はこれが、数ヶ月続いていました。

 長年、当たり前のスケジュールなのですが、去年から中止が相次いで、なまっている体には、なかなかこたえます。

 暑い体育館には慣れていますが、マスク着用となると…。

 しかし聴いている子供たちもそうなので、不平は言えません。

 娘も学校から帰ると、炎天下での体育がキツかったと言います。

「日焼け止め塗ったのにマスク焼けした〜」

 …グラウンドでの陸上競技でも、マスク着用とは。

 子供たちも頑張っています。体育館で文句は言っていられませんね。
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勤め人の日常

2021-07-13 22:17:00 | 山形交響楽団
 今週の山響は、県内のスクールコンサートが続いています。

 とくに庄内で午前午後の2回公演が続いているので、朝早く出て夜に帰る。普通のサラリーマンのようです。

 …ハードなのですが、ちょっと嬉しい部分もある。ホッとする自分もいるのです。

 オケマンは勤め人で、サラリーマンと同じような体系なのですが、給料が安いだけあって、拘束時間は短い。

 そこが良いところではありますが、昼過ぎに私服で出て行ったり、または午後3時ぐらいにフラっと帰宅する日も多くて、マンションのエレベーターで人に会うと、我ながら「怪しいよな〜やっぱり」とは思っているのです。

 ところが。今週は早朝からネクタイを締めて「ご出勤」。エレベーターで人に出くわしても、そのへんの企業の係長ぐらい(いや、このくらいの年齢では課長ぐらいでないと元気よく挨拶できないのかな)の威勢の良さで「おはようございます!」と言えます。

 …「今さら」なんですけどね。冬場でリハーサルが無い本番の日など、夕方から燕尾服で出かけていくこともありますから、「普通の人でない」ことはバレてるでしょう。

 などと、つまらないことを考えつつ、ロングドライヴの前に眠気を醒まして出かける毎日なのです。
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法事

2021-07-10 22:42:00 | 旅の空
 今週は記事がひとつ足りないので、もう一本お付き合い下さい。

 今週の最後の公演を終えたのが千葉だったので、京葉線に乗って東京駅まで向かいました。

 千葉とは縁もゆかりもなく、京葉線も乗り慣れないので、「早くつかないかな…」と、どんよりした車窓を眺めていました。すると途中で、窓の外にディズニーランドと葛西臨海公園の観覧車。

 …縁もゆかりも、ありました。

 世の中の皆さんが、コロナ禍で「お墓参りに行けない」とか「法事ができない」とかあると思いますが、考えてみれば、私もそうです。

 両親を東京湾に散骨したので墓もなく、無宗教で法事もないのですが、かつて散骨した時期であるゴールデンウィークに家族で集まって、再び船を出してもらい、偲びに行こうと決めていたのに、実現できていないまま。

 散骨する船から見えた、ディズニーランドと観覧車は、記憶の中で墓標のようになっています。

 思いがけず窓の外に、それらとあの海が見えて、「おおっ」と駆け寄りました。

 …ごめん全然来られなくて。でも、みんな元気でいるから。

 側から見たら、「このおじさんよほどディスニーランド好きな人なのかな」と見えたかも知れませんね。

 思いがけず、車窓から「墓参り」させていただきました。…もちろん、日をあらためて、きちんと行きたいと思います。
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荷ほどきの前に

2021-07-10 21:56:00 | 山形弦楽四重奏団
 山形に帰ったらまず、すぐにやるべきことと言えば…もちろん山形Qの練習です。いや、山形の酒を飲むとか、そういうことはもちろん済ませた上で。

 ということで、今日は山形Qのリハーサル。旅の疲れもそのままに、荷解きや洗濯もさて置いて、18日の本番に向けた練習です。

 「やまぎん県民ホール」に集まって、モーツァルト「グラン・パルティータ」から。

 ゲスト参加オーボエ柴田氏の、疲れを一切見せないエネルギッシュな演奏には頭が下がります。…若いって素晴らしい。もちろんそれだけではありません。豊かな音と表現力の豊さは、天性のものでしょう。

 これはぜひ、たくさんの方に聴いて欲しいところです。

 その他には弦楽三重奏で、ボッケリーニとドホナーニ。

 ボッケリーニは、古き佳きイタリアの、おおらかで屈託のない音楽です。ドラマティックな出来事が起こらない中に、どれだけの恩寵を感じられるか、みたいなところ。私たちもそろそろ、こういう音楽で味わいを出さなければいけない年齢です。

 実は個人的に、今回の「目玉」だと思っていおるのがドホナーニです。

 「セレナーデ」と銘打っていますが、多楽章形式で、冒頭のマーチの主題が最後に戻ってくるのはベートーヴェンのようです。

 しかし、東欧的な部分も、フランス音楽のような色彩もある曲で、五楽章それぞれが面白い。よくできた曲だと思います。

…なかなか難しいのですが、ようやく形になってきました。

 明日からはまた、山響の県内スクールコンサートが集中していますが、よい演奏会になるようにあと一週間、頑張ります。
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新アイテム

2021-07-09 15:03:00 | 危機管理
 関東での公演はすべて、つつがなく終了。天候その他による移動スケジュールの混乱などもなく、運がいい山響です。

 ところで、移動中には本を読んでいることが多いのですが、最近、細かい文字が見えづらい。

 …ついに来たようです。これが老眼なのですね。

 もともとド近眼なので、眼鏡が無いと顔の近くのものしか見えない。しかし眼鏡をかけると遠ざけないと見えない。…肘を曲げたり伸ばしたり。面倒くさくなって来ますね。

 コンタクトが入っていると、もうどうにもならない。離れた譜面が読める度数にしているので、近くの文字はかなり厳しい。もはや自分の腕の長さが足りない。怖くて爪を切ることもできません。

 ということで、コンタクト装着時用に、ついに老眼鏡を購入しました。

 かけてびっくり、見てびっくり。

 初めて顕微鏡を見た時を思い出しました。小学校の入学祝いに親戚の叔父さんから貰ったセットに、サンプルとして「ノミ」のホルマリン漬けが入っていました。別に目でも見えてるけど…と思いながらも、顕微鏡をいじって、やっとピントが合った時の衝撃。毛先までギラギラとしてどぎつい。

 あの感じに似てます。暴力的に細部まで見え過ぎる。観察ならまだしも、文字としては形としての情報量が多すぎて、記号としての用途を超えた圧迫感がある。「この漢字よく見ると怖い形してるな」とか。

 あまり観察を続けると度が進みそうなので、老眼鏡に頼りすぎないように気をつけてることにします。
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