中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

ラストステージ

2022-09-30 22:58:00 | 山形交響楽団
 初めての曲を練習する時、楽譜を見ながら音源を聴きます。最近はYouTubeのことが多いですが。

 その際の聴き方は、「鑑賞する」のとは違います。楽しむのではなく、頭に入れるためなので、自分のパートを実際に演奏しているつもりになって聴く。本番のホールで、ステージでの自分の位置、そこから見える指揮者の角度、客席の様子まで想像すると、より頭に入りやすい。…要するにイメージ・トレーニングですね。

 よく知っている指揮者なら、その癖も加味して「ここはもっと速いだろうな」とか、「多分ここでネバるだろう」とかも予測して聴きます。

 …「予測して」などと言うと緻密な感じを受けるでしょうが、そんなものではなく、「ああ来るな」という、体に染み付いた予感と言った方がいいかも知れない。

 こんな感じで聴いているので、もちろん、他のパートの音も、自然と山響のメンバーの顔や歌いまわしの癖などを想像します。

 管打楽器のソロなどはとくにそうです。小説を読んで、イメージの俳優がしゃべっている感じを想像するのと同じで、セリフを、その人の声や仕草と切り離せない。

 ところで今日は、米沢にて高校生対象のスクールコンサートでしたが、今日をもって、オーボエの斎藤さんが退団。最後のステージになりました。山形Qの定期にも何度かゲストで出ていただいている、長い付き合いです。

 彼女は山響でコール・アングレも担当していたので、目立つソロも多い。いつも味わいのある演奏をしていました。

 今日がラストステージでしたが、この先も当分のあいだ、譜読みの時の音源で、アングレのソロが出てくると斎藤さんの顔が浮かぶと思います。

 長いあいだ、お疲れ様でした!
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持薬

2022-09-28 23:59:00 | 山形交響楽団
 実は、健康のために毎晩「万田酵素」を飲んでいます。そのおかげでしょう。こんな生活をしていても重病になっていないのは。だから、飲み過ぎた日も、これさえ服用していれば安心です。

 …というのは、きっとただの思い込みです。しかし、目的が健康よりも「安心」にあるなら、充分に効いているとも言える。

 さて、今週の山響は、県内のスクールコンサート。

 本来は毎年この時期は、毎日各地で1日2公演ずつ、来る日も来る日もこなしてゆくのが当たり前でしたが、ここ数年のコロナと少子化などによって、めっきり減っています。

 あったらあったで「…ああ疲れた」となるわけですが、減ると妙に心配になる。実際の山響の収益がどうのこうのということよりも、「こんな調子でこの先大丈夫なんだろうか?」と思ってしまう。

 思えば「疲れた」と言いながらも、毎日、学校の体育館で演奏を繰り返していた頃は「これさえやっていれば、俺たちは大丈夫なんだ」という感覚があったように思います。…それもまた、実際のところはわからないわけですが、額に汗してさえいれば、社会に貢献している感覚が生まれ、それが安心感になる。

 そういう意味で、今週は、久しぶりに得体の知れない安心感があって、こういう感覚は久しぶりだなと思うのです。…やっぱり秋はこうでないと。

 若い楽団員にはわからない感覚でしょうね。私も年輩になったということでしょう。気を抜くと「昔はもっと〜だったもんだ」みたいなことを言いそうになってしまう。

 …そもそも毎晩、万田酵素を飲んで安心している事がシニアの証なんですけどね。
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大蛇と「つかみ」

2022-09-25 23:25:00 | 山形弦楽四重奏団
 オペラ「魔笛」では、序曲の後に幕が上がるとセットの巨大な大蛇がまず目につきます。これで、子供もぐっと惹き込まれる。ファンタジーとして素晴らしい「つかみ」だと思います。

 どこかの国の王子様が、いきなり大蛇に襲われているわけです。これは見ないわけにはいかない。

 戦うでもなく逃げまどう王子様、このまま食べられるのかと王子は気絶。すると、これまたいきなり大蛇がやっつけられる。見れば3人の女が魔力で一撃で蛇を倒したらしい。

 …オペラか。退屈かも知れないな。

 と思っていた半端な観客に平手打ちを喰らわすようなド派手な導入は、現代でも充分に通用するもので、江戸時代に考えられたとは到底思えない。

 さて、秋めいたきた山形です。台風は過ぎましたが、嵐のような芸術の秋がこれから始まるという静けさにも似た休日に、山形Qのリハーサル。もちろん「魔笛」を中心に。

 だいぶこなれてきました。あとは、フルートを入れて、音楽作りを深めたいところ。気をつけるべきは、器楽の部分と声楽の部分の役割が入り混じっているので、それをわかった音の処理をする必要があること。さらに要研究。

 ところで、これもいつも思うのですが、大蛇を一撃で倒した女たちは、夜の女王の侍女です。すごい魔力です。侍女でさえこんなに強いのですから女王はさぞやと思います。

 …それなのに、大蛇の前で気を失う「へなちょこ王子」の助けを請うのが、どうしても納得いかない。夜の女王も、娘にナイフを渡してる暇があったら、是非とも、ザラストロと直接のバトルをして欲しかった。稲妻と太陽光線の応酬とか。

 しかし、もちろん、そんなことは起きない。少年ジャンプではないので。

 この物語の目的はそもそも、フリーメイソンの教義を寓話化して一般人に伝えるためのものだからです。その話はまた。
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栄光富士「神力」

2022-09-24 23:59:00 | お酒の話し(山形県)
 最近「山形のお酒で何がおすすめですか?」と訊かれたら、「栄光富士」と答えるようにしています。

 もちろん「楯野川」愛は変わらないのですが、ここのところの栄光富士の伸びはすごい。どれを飲んでも、満足できる。そして決して高くない。

 この「神力」は、その中ではちょっと高めです。正直言って、最近の栄光富士だったら、もっと安いものでも充分満足できる。

 …これが理想なのです。

 ちょっと高いのを飲んでみた時に、いや「いつものでも充分だよ!」と言える蔵。

 多いのです。鑑評会に出すやつだけ気合い入れる蔵が。他のは全然飲めたもんじゃない。

 日頃からのサービスこそが、その実力ですね。大切な時だけどうにか取り繕うということは、本人が思っているほどできていない。

 私たちも気をつけなければと思うのでした。

 とにかく、最近の栄光富士はおすすめです。
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シルバー

2022-09-23 22:59:00 | 危機管理
 9月のこの時期を「シルバー・ウィーク」と呼ぶようになったのはいつの頃からでしょう?ちょいちょい都合よく移動するようになった「敬老の日」と「秋分の日」に囲まれたあたりの時期を指すようです。

 ゴールデン・ウィークほどではないが、暦の巡り合わせによっては大型連休になる。でも、ゴールデンほどではないのでシルバー。ついでに敬老の日もあるから、そこにもかけてシルバーだと。

 お気づきかも知れませんが、私はこの呼び名が好きになれない。シルバーシルバーちょっとうるさい。

 ということで、今年も「秋分の日」がやってきまして、誕生日。またひとつ、歳を重ねてしまいました。

 シルバー・ウィークのたびに、どんどんシルバーになっていくわけでございますね。…悲。

 もう、50才過ぎたら皆同じようなもの。開き直って今後も息災に過ごしましょう。
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さおだけ

2022-09-22 20:16:00 | 雑記
 最近「さおだけ屋さん」の車を見かけません。今もあるのでしょうか?

 私が実家にいた頃は「焼き芋屋」よりも頻繁に、あの「呼び声」を聞いたものです。「20年前のお値段です!」などと言っていましたね。

 20年前の値段とはすごい…破格だ!と思ったものです。

 私の父は「自分の頃は初任給が3万円ぐらいだった」と言っていました。ドラマを見れば「百円」が、家が買えるほどのすごい大金だったりする。

 物の値段というものは、時代の経過とともに、どんどん上がっていく。それに比べて「さおだけ」はすごい。

 かたや、私たちの世代では「若い頃はCDが高くて3500円ぐらいしたよな。今なら千円しないのに」などと話している。

 それが不自然だったのかも知れません。

 さて、値上げラッシュの昨今。何もかもが急に値上がりしてびっくりします。

 高くなった…しかし一方で、子供に「昔はいくらぐらいだったの?」と訊かれて考えてみると、わりと今と同じぐらいなのです。高校の帰りにおやつとして食べた牛丼は400円。高くなったと言われる今と同じぐらい。就職した会社の初任給は「バブルがはじけて大変だ」と言われて手取り18万ぐらい。…今の世の中と変わらない。

 本当はこれこそが今の値上がりよりも、おかしかったということです。円安なのも、世界から取り残されている証拠でしょう。

 値上げは辛いが、いつまでも「さおだけ」では良くない。

 しかし「便乗値上げ」も良くない。私たちも、さらにクオリティを上げて、「チケットもっと高くても良いのに」と言ってもらえるようにしなければいけませんね。
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手紙

2022-09-21 21:24:00 | 指導
 私の世代だからかも知れませんが、手紙をもらうのは嬉しいものです。メールやLINEは、どうしても味気ない。それに、簡単に送れるものだからと言って、会った時に言えば済むような事とか、どうしようもない独り言のようなものを送りつけられたりすることがよくある。そんな時代だからこそ、お気に入りの便箋に丁寧に書かれた自筆の手紙には、それだけで心がこもっているのが伝わります。今では自筆の手紙は一つの立派な「プレゼント」になりますね。

「先生お元気ですか。私はとっても元気です。もりおかでもバイオリンがんばっています。…(中略)…テレビで山きょうのコンサートが岩手であると知って、先生を見つけて、先生にとても会いたくなりました。すぐにお母さんに、つれていってとたのみました。なので19日のコンサートはとっても楽しみです!先生がんばってくださいね♡」

…コンサート後に、こんなに嬉しいプレゼントをもらったのは久しぶりのことです。

 19日は「敬老の日」でしたが、山響は岩手の花巻でのコンサートでした。ベートーヴェン「第7番」をメインに、地元の中学生の吹奏楽部と共演したりする演奏会。花巻は5年ぶりでしたが、満席に近い盛況で良いコンサートになりました。

 さあ山形に帰るか!と駐車場に向かっていると、母娘に声をかけられました。なんと、一昨年まで短い間ですが教えていた幼稚園生の女の子とそのお母さん。盛岡に引っ越して今では小学2年生になっています。岩手はやたらと大きいので、盛岡から花巻も近いというわけではない。

 …覚えていてくれただけでも嬉しいのに、こうして来てくれるとは。

 遠くまで演奏に行って、一番嬉しいのはこういう時ですね。プロの楽団に入って良かったと思える事のひとつです。

 煎じ詰めれば、音楽も楽器も、人と繋がるためのツールです。こういう、世代の違う「友人」ができるのも、楽器のおかげですね。…この歳になってしみじみと感じます。


 これからもバイオリンをがんばって下さい。先生も頑張ります。
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魔笛

2022-09-17 20:17:00 | 山形弦楽四重奏団
 前から思っていることですが、「魔笛」という日本語の題名は、今ひとつではないでしょうか?シンプルにそのタイトルだけで内容を想像すると、「魔弾の射手」のように、その笛を吹いてしまった者は特殊な力が与えられる代わりに魂が抜かれるみたいな「悪魔の契約」系の話かと思ってしまう。

 …私だけでしょうか?幼少の時に「悪魔が来たりて笛を吹く」のドラマのCMがよく流れていたのを見た記憶が強いせいなのかも知れません。古谷一行さんのご冥福をお祈り申し上げます。

 話を戻しますが、モーツァルトの「魔笛」は英語の題の「マジック・フルート」という方がピッタリくる、軽やかなファンタジーです。だから、その音楽にも、どこかで「軽さ」があるべき。横溝正史とは違うのです。

 ということで、今日は山形Qの練習の2回目。まだ弦楽器の男3人で下準備。

 軽いファンタジーである、ということがどの音のDNAにも入っているべきだということを忘れるべからず。

 それにしても、弦の3人で合わせるだけでも楽しい曲です。

 いつも伴奏でしかない私たちですが、時として歌手の役割が回ってきたりする。そんな時はすかさず、いつも聞いている歌手よりもカッコよく歌いたい。そういう欲求を、本番まで忘れないようにして演奏したいものです。

 お客さんと一緒に「ファンタジー」の世界を楽しみたいと思います。

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楯野川「我流酒未来」

2022-09-16 23:59:00 | お酒の話し(山形県)
 我らが「楯野川」久しぶりの登場。今回は「十四代」の蔵が造った酒米「酒未来」で醸した酒。これは期待に胸を膨らますなと言う方が無理というもの。もはや今では手に入りませんが、酒未来の十四代は、シリーズの中で一番好きでした。

 即、開栓。

 ああ…やっぱり楯野川は自分の舌に馴染みます。そして酒未来のクッキリした香と舌触りが、柔らかい楯野川によく合っている。

 久しぶりに会った友人のイメージが変わっていても、すぐに打ちとける感じ。甘みとキレのバランスが、「だよね〜」とシックリくる。

 しかし、最近の楯野川はちょっと高級路線になってしまって、ややご無沙汰でした。この「酒未来」も一升瓶で4000円。その辺りの価格帯が基本になってきています。一方、私の基本は3000円以下。

 最近、全てのものの物価が上がってますね。日本酒は円安に関係がない分野なのでまだ助かってますが、厳しい世の中です。

 …ヒトのガソリンの税金も軽減して頂きたいものです。
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公共事業

2022-09-15 21:23:00 | 山形弦楽四重奏団
 公共事業とそれにまつわる入札。そして、その不透明な遅れ。

 不正の黒い匂いが漂います。渦巻く陰謀。大きな権力の前に、善良な県民はただただ不利益を被るばかり…

 …でもなかった。

 山形の文化財でもある文翔館が、老朽化のために改修工事をすることになりました。そこで、年明けから使用できなくなるかもしれないという通達があり、フランチャイズでやってきた山形Qにも大きな影響があるなと。

 そんな不安の中でとりあえず確保した1月の日曜日。確保はしたものの、「やはり使用できません」という連絡を受け次第、他の会場をあたらなければならないという緊張感のもとで過ごしておりました。

 そろそろかと思っていた先日、蕎麦屋で出てくるのを待っている時に、私の携帯に文翔館から着信。「ついに来たか!」店の外に飛び出して電話に出てみると…

「工事は先になりました。だから大丈夫です」
…ああ、良かった。でも、と言うことは1月は大丈夫でも、4月は使えない感じなんですね。
「いえ、4月も大丈夫です。それ以降になりました」
…だいぶ適当ですね。でも、山形Qが長年の常連だとは言え、きちんと連絡してきてくれるのには感謝。

 まあ、先のことはその時に考えればよろしい。とりあえず1月は、確保した日曜日にそのまま開催できそうな運びとなり、ひと安心。

 いつも来てくださる皆様には、どうぞ、よろしくお願いいたします。
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音楽を見る

2022-09-13 21:18:00 | 山形交響楽団
 今週の山響は、県内でのスクールコンサート。だいぶ秋めいてきたとは言え、日差しがあると暑くなるのが山形です。学校の体育館での演奏は、残暑との闘いでもあります。

 さて、今日は午前中に養護学校、午後に聾学校という組み合わせでした。

 聾学校で音楽鑑賞教室?…私も最初の頃はそう思いました。本当に健常者ほど浅はかなものは無い。

 少し話がずれますが、指揮者の仕事というのは奥が深い。腕の動きの感じで、オーケストラの音色がまるで変わります。

 しかし、あえて言えば実際に「奥が深い」のは、それを読み取るプレーヤーの「目」です。その証拠に、指揮者自身が意識していないことさえも表現される。指揮者が高齢になってくると、だいたい音楽はゆったりしていきます。それは、人生経験を重ねた指揮者の音楽観に重厚さが増した…ということも無いとは言えませんが、それ以上に、運動能力の衰えによる腕の動きの俊敏さが無くなるせいの方が大きい。

 俊敏でないものを、いかに速く動かしたところで、オケのプレーヤーはテンポ以上に、腕が表現する音楽の雰囲気を読み取ろうとしているので、出てくる音楽はゆったりする。

 そのぐらい、指揮を読み取る能力は研ぎ澄まされているのです。…指揮者が意識し得ないレベルまで。

 その点で言うと、聾学校でも新しい発見があります。曲間の指揮者の解説には、横についた先生が手話で通訳をするのですが、その動きが本当に面白い。手話の表現力の豊かさには感銘を受けます。

 それを母国語として読み取っている生徒たちは、きっと指揮者の動きを我々と同じレベル、いやそれ以上に感じているのではないでしょうか。

 もしかしたら我々演奏者の動きによっても、我々が感じている以上に、音楽が伝わっているはずです。

 きっと、私たちが想像するレベルを遥かに超えて、意味のあるコンサートになったことと思います。
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ライヴ

2022-09-10 23:59:00 | 山形交響楽団
 山響定期の初日が終わりました。結果的に、チケットは完売。たくさんのお客様、ありがとうございました!

 内容的にも、満足して頂けたのではないかと思います。

 もちろんイッサーリス氏の演奏。表情豊かな深みのある音。これは、生でないと味わえない。

 今日のコンサートではアンコールとして、カザルスの「鳥の歌」を無伴奏で。

 今も、戦争の無くならない世の中。それを憂いて名手が弾くと、曲を鑑賞するとか、演奏を批評するとか以前に、そのメッセージがストレートに伝わって、かたずを呑むような空気になるものです。

 これも生のコンサートならではの感動でしょう。

 明日も良いコンサートになるよう頑張ります。
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コレクション

2022-09-09 21:19:00 | 危機管理
 先日の秋田公演で、秋田についてから衣装の棒ネクタイを忘れたことに気づきました。

 …よくある事ではありますが、これは悔しい。

 今までも「忘れた」という理由で、いったい何本ものネクタイを買ったことか。人の足元を見るようなコンビニで、高い代金を支払って買った、二度と身につけないだろう柄のネクタイが、すでに家にたくさんあるというのに。

 それでも仕方ない。忘れた私が悪い。ただ、今回の秋田では時間があったので、百円ショップを探して歩きました。…まあ、百円ショップのネクタイも、すでに家にたくさんあるのですが、まあ百円。傷は浅い。

 ということで、携帯のGoogleマップで見つけた秋田駅近くのショップへ。

 白や黒の冠婚葬祭はたくさんありますが、柄物は一種類。

「…これですかっ?」

 と言いたくなるような色の組み合わせのストライプ柄でしたが、仕方がない。このやるせなさを、しっかりと胸に刻むべし。

 買えば済むだけでもありがたいと思え。もし蝶ネクタイだったら万事休す。破格の散財か、最悪の場合、恥ずかしい折り紙細工をすることも覚悟しなければならない。過去には白蝶ネクタイを忘れて、ティッシュで作った猛者を見たことがあります。

 …自宅のクローゼットにまたひとつ、今後おそらく手にしないであろう一本のネクタイが、新たにコレクションされました。
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気高い

2022-09-08 22:39:21 | 山形交響楽団
 今週の山響は土曜・日曜の定期演奏会。

 チェロのソロに世界の巨匠スティーブン・イッサーリス氏を迎えて、定評のあるシューマン「協奏曲」・ブルッフ「コル・ニドライ」、メインはヒンデミット「気高い幻想」、そしてウェーバー「オベロン序曲」。指揮は鈴木秀美氏です。

 リハーサル二日目の今日から、イッサーリス氏登場。

 シトコヴェツキ氏やカツァリス氏の時も感じましたが、世界の超一流は、まとっているオーラが違いますね。一般人とは根本的に違うリズムで生きてきたのがわかります。その結果、すべてを達観した老人と、何にでも興味を持つ幼児が混在しているような感じ…これは天才に独特のものです。

 ところでメインのヒンデミットは、個人的には昔から大好きな曲です。

 話がそれますが、私は中途半端ながら映画マニアです。良い曲を聴くと「これで始まる映画があったらどんなに凄いだろう」などと思ってしまいます。

 今までで記憶に残るのは、やはり「マタイ受難曲」やモーツァルト「レクイエム」など、それだけで深いドラマ性を感じさせるもの。

 だいぶ前ですが、シャロン・ストーンが出ていた「カジノ」という映画がありました。冒頭でロバート・デニーロがエンジンをかけた途端に爆発してオープニング。そこで突然流れるのが「マタイ」の終曲。あれは本当に痺れました。…しかし、映画はちっとも面白くなかった。つまり、実際の映画の出来には関係ないことが証明されるわけですが、それでも劇的なオープニングに素晴らしい音楽は欠かせない。

 このヒンデミットの「気高い幻想」も、特に冒頭ですが、もし自分が映画を創るならこれを、タイトルが出る瞬間に使いたい。などと、昔から思っていました。

 …どんな映画かは知りません。

 「戦争と平和」みたいな大河的なものにはもちろん合うと思いますが、現代的にはサイコものでもアリかも…などと、今日も弾きながら妄想しておりました。

 いくらでもイメージを膨らませてくれる、とにかく良い曲なので、ぜひ、聴いていただきたい。

 ということで、素晴らしいプログラム、そしてまたとないソリストが登場する演奏会にもかかわらず、まだチケットがあるらしいので、お時間のある方はぜひ。
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久しぶりの秋田

2022-09-05 22:16:00 | 旅の空
 山響の能代公演が終わりました。青森の近くだけあって、やはり遠い。聞けば山響が能代に行くのは8年ぶりぐらいになるそうで、確かに懐かしかった。今回はバスでの移動でしたが、その窓から「ああ、昔ここに泊まったな」「あっ、この店で飲んだんだっけ」などと。

 会館は昔よりもさらに古くなっていましたが、コロナの中にも関わらずほぼ満席のお客さんの熱気で、「遠くまで来た甲斐があった」と思える良いコンサートになりました。

 今回の宿泊は能代で宿がとれずに、秋田三泊でした。

 秋田も久しぶり。ちょっとテンションが上がります。ホテルが繁華街の近くだったのでなおさら。歩いてみるといろいろな思い出が蘇ります。「あの頃若かったな」などと秋田で思うとは、自分も東北人としてもう長いんだなと実感。

 …しかし、昔と比べると活気がない。夜に煌々と輝いていたはずの街並みが、薄暗いのです。やはりコロナの影響は、テレビで見るよりも大きい。大きな声では言うべきでないかも知れませんが、応援している隣県民として、しっかりとお金を落としてきました。

 遠いけれど、隣県として親しみ深い秋田。

 訪れる機会がもう少し多くなればと思います。
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