財政難の鎌倉市が由比ヶ浜(海岸)の命名権を売りに出し、それに対し、昨日、鳩サブレーで有名な豊島屋が手を挙げた。価格は年1,200万円。10年契約だから、1億2,000万円である。命名について、豊島屋の久保田陽彦社長は、「鳩サブレーの名はつけず、公募する」と語ったが、これは久保田社長の粋であり、ファインプレーだと思う。公募すれば、10人中9人は、今までどおりの名を書くはずだ。 このことを別の角度から考えてみると、鎌倉市は(もとの姿、もとの名前のままで名浜が残り、1億2,000万円の金を得て)充分に目的を達し、また豊島屋は、「あのとき、由比ヶ浜の名を消さなかった」と、永く語りつがれる鎌倉栄誉賞を得たことになる。また、豊島屋は鳩サブレーだけでなく、上品な和菓子も作っているから、『ゆいがはま』という高級和菓子を考案作成すれば、地元の、あるいは観光の女性客にモテるだろう。 娘達が大学受験のときにお世話になった家庭教師のAさんの娘さんは「由比」という名で、これは由比ヶ浜からとったものだった。由比ちゃんも、もう30歳ぐらいかと思うが、今回のことを喜んでいるのではないだろうか。 私はもう由比ヶ浜へ遊びに行くことはないが、車で通るだけでも、久保田社長のファインプレーを思い出すだろう。 「由比ヶ浜辺を右に見て 極楽寺坂 越え行けば 露座の大仏 おはします」(小学校唱歌『かまくら』の第2章)。
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