gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

プロの目

2020-11-08 16:59:49 | 日記
A君はハンサムだった。両家に育ち、性格も好い。頭も好く、有名大学を出て一流商社に就職していた。当然ながら女性にモテる。運動神経も秀でていたから、スポーツの仲間も多い。酒のツキアイも好い。と、これだけそろった男性は少ないだろう。しかし、A君がモテない場所があった。たとえばキャバレーがそうだった。ボックス席に仲間とホステス7,8人で座って呑む。たいていのホステスがA君に寄り添いたがると思いきや、そうはならない。彼はキャバレーでは人気がないのである。なぜだろうか。私も不思議だったので、あるとき1人のホステスに訊いてみた。「Aって、好い男だろう?」「そうね、でもつまらない」「どこが?」「ああいうタイプは苦手なの」。私はだいたいのことがわかった。

まだ日本国に赤線・青線と呼ばれる公娼地帯があった頃、たいていの若者が一度や二度はそこで遊んだ経験を持っていた頃、そういうところへは絶対に足を踏み入れない男性もいた。彼らの頭の中には、玄人は不潔だという思い込みがあったのではないか。この考えは表に出る。水商売の女性はすぐにソレを見抜くのである。見抜けば、「ふん、何を気取っているの」となる。だからそういう男性を敬遠する。

モテない男の4大条件は、チビ、デブ、ハゲ、ケチとされているが、これは、ケチを除いてあまり当たっていない気がする。チビでもデブでもハゲでも金があっておもしろい男はモテる。プロの女性には人気がある。

私達が通えたようなキャバレーのホステスだって、男を見る目を持った女性はいた。当然の話だ。家庭の事情とやらでキャバレーで働くことになった女性が多いのである。男では苦労をしているのだ。ノホホンとした専業主婦とは違うのだ。玄人の目を持っているのだ。ちょっとカッコをつけた男なんか、キザなヤツだと鼻先で笑われてしまう。

コメントを投稿