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朝の歌

2015-12-12 11:24:43 | 日記
朝ベッドを離れる前に布団の上での電動器具を使って脚の手入れをする。器械はトントンと音がする(家人は、それをバリバリとい表現する)。手入れは4か所、それぞれ10分間ずつ行う。そのとき、ふと歌の文句が口を突いて出ることがある。たとえば今朝は、「京都先斗町に降る雪も~」が出た。別に我が家に雪が降ったわけではないし、京都のニュースをテレビで観たわけでもない。つまり、ふと…というのは、わけもなくひとりでに出るのである。この歌は、『御座敷小唄』の第1章の途中部分であって、それを繰り返し口にする。脚の手入れを終えて、専門所の椅子に座っても、京都先斗町か…とつぶやいたりする。 毎日同じ歌に親しむわけではなく、歌はその日、その日で変わるのも不思議だ。
昨日何の歌を唄ったかということは全く憶えていないが、何かが頭に浮かんだ時に、これは何日か前と同じだと思うことはある。もちろん、何の歌も出て来ないままに、その日の株価の上げ下げを考える日もある。トントン40分は、かなり長い時間なのだ。トントンが無いとどうなるかを考えてみると、それは病院のベッドに限られるが、確かに歌は出ない。いま想像するのは、この世の最終日のことであって、やはり歌の一節を口ずさみながら、お迎えの車に乗れたらいいなと思う。そのときの一節は、もちろん「天国よいとこ 一度はおいで 酒は旨いし ねえちゃんは綺麗だ」になる。

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