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愛人

2012-04-29 00:40:12 | 日記
引っ越したばかりの世田谷の家のトイメンに、ピアニストの天地真佐雄氏の稽古場があって、そこは同時に愛人との住み家だった。 愛人は越山あつ子さんで、当時のNHKの娯楽番組『3ツの歌』のテーマソングを唄っていた。稽古場には多くの歌手達がレッスンに来ていたから、愛の巣といってもオープンなものだった。また、歩いて5分ほどの裏山の登り口に、作詞家の大村能章さんが愛人の歌手、久保幸江さんと住んでいた。越山さんも久保さんも、その辺の主婦たちには見られない、濃い色気があった。俗に謂う、「男をとろかすような」であり、高校生だった私には、なんともまぶしい、オトナの女性だった。  本妻に八千草薫、愛人に都はるみ…と男の理想を語ったのは山口瞳先生、池田弥三郎先生であるが、私は理想の愛人は、どうしても太地喜和子さんを想ってしまう。 山崎豊子さんのドラマ『白い巨塔』をご覧になった方は多いと思うが、あのときの、財前五郎(田宮二郎 演)の愛人役を演じたときの太地さんは、まさにハマリ役だった。 太地さんは、動作も当然だが、声までも愛人っぽいものがあった。彼女亡き後、愛人役にピッタリなのは誰なのか、山口・池田対談にある、都はるみさんは、ちょっとツヨすぎる気がする(愛人は女房よりヤワラカイことが必要だろう)。  と考えてみると、女房役は数多くいるが、愛人役は簡単にはみつからないことに気付く。 ついでに女優さん達でなく、今まで(アチコチの場所で)会ったことのある女性を、女房型・愛人型に分けて考えてみるのも何分間かのヒマツブシになる。

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