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煙草のけむり

2010-12-30 00:55:14 | 日記
幼い頃住んでいた家は洋館で、応接間も洒落たつくりだった。中央にテーブルがあって、その上にライオンの絵のある箱が置かれていて、中身は紙巻煙草だった。 当時、我が家に喫煙者はいなかったから、来客のためだったが、その頃は客用に煙草を用意しておくという習慣があったのかもしれぬ。あるとき、8ツ年上の叔母が祖父に「これ、専売局から送られてくるの?」と訊いたことがある。祖父は明治39年に大学を出て、最初に就職したのが専売局(後の専売公社、現在のJT)だったから、叔母は、その程度のものは、OBに送ってくるのかもしれないと思ったようだ。途端に祖父は声をあげて笑い出した。そして叔母に向かって、「それじゃあ、造幣局に勤めたことのある人は、どうなる?」と訊いた。  昨日(DVDで)、日活映画『鷲と鷹』を観た。裕次郎さん、三国さん、西村晃さん、安倍徹さん・・・とにかくみんなやたらと煙草を吸う。タバコは動くアクセサリー・・・という公社のキャッチコピーがあったが、アクセサリーどころか、タバコは演技の必需品の如くであるように見えた。最近のドラマでは『相棒』が好きだが、そこではタバコのシーンは全くなく、こういうのを時代の差というのだろう。 昔は会社の事務室も煙だらけだったし、雀荘などは煙の中の世界だった。近距離電車は別として、横須賀線クラスでも座席の横に灰皿が設置されていた。 私は平成6年でタバコをやめたが、愛煙家の方々には同情している(吸うも自由、吸わぬのも自由というのが基本だろう。受動喫煙の害は、ちょっとした工夫で避けられる)。 そして思うのが、みんながこれほど従順に従っている(条例などの)きまりは他にないのではないかということである。

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