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酒器

2016-04-04 23:33:32 | 日記
傘寿の祝いに妹が湯呑み型の陶器をくれた。姪(妹の一人娘)が作ったものであって、厚手であり、燗酒に向いているので、毎晩使わせてもらっている。色は白を基調に淡い水色と桃色を配してあって、女性的だ。器の底の部分に姪の名前の一文字である真が描かれている。
主にウィスキーを呑むようになったのは30歳の頃だったから、50年が経つ。恰好の好いグラスが食器棚にいくつもあるが、ついつい馴れたもので間に合わせている。納戸を探せば徳利も猪口も来客用のものがあるはずだが、眠ったままだ。ワインを呑むことが稀にあるが、これもウィスキーグラスを使ってしまう。
酒場へ行くと、ピカピカのグラスが出てくるし、氷も家庭用冷凍庫のものとは大差があり、だから同じ銘柄のウィスキーを呑んでも全く別の味になる。スーパーマーケットの氷を買って、新品のグラスで呑んだこともありが、バーテンが自分自身だから、あの静かな、大人びたひとときとはならない。
今宵も姪のぐい飲みで呑む。最初の1杯のお供は、食卓に初登場の梅干しの蜂蜜漬になる予定だ。仕上げはサントリーオールドの薄い水割りで、使い込んだ古いグラスに冷凍庫の氷を入れる。