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九死に一生スペシャル その3

2010-09-18 20:36:34 | 日記
手術中、私は不思議な世界に立つ。 薄明かりの、6畳ほどの和室に小包が30個ばかりきちんと積まれている。 20センチ四方に焦げ茶色の包装紙、長さは30センチ、黄色のシールで留められていて、シールの中央に水色の円形のマークがある。それを見ながら、私は「ああ、死んで行くって、こういうことなのか」と考えている。それは今考えてみても、決して夢でも幻覚でもない。明らかに別の世界である。よく、死の直前まで行った人が「三途の川を見た」と言うが、私も、その小包を開ければ、中から三途の川の図があらわれ、向こう岸で両親や祖父母、叔父達、あるいは昔の雀友が手招きしていたのかも知れぬ。 玄関のロビーで待つ家人達に知らせが届いたのが午後11時20分。「手術は無事に終わりました。面会できる状態になりましたので、ICUまでおいでください」。 その後執刀医から諸々の説明を受けたようだが、「お帰りになっていいですよ」と聞いて、「生還」の実感がわいたようだ。