Takepuのブログ

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社会の管理強化

2011-02-21 12:40:04 | 時事

新華社サイトによると、中国共産党の中央党校で19日、胡錦濤総書記兼国家主席が省レベルの幹部を集めて、社会管理についての重要講話を行ったという。現在の国内外の新たな変化を正確に把握し、広範な国民の利益を守るために共産党の執政能力と地位を高める必要があるとし、8項目の意見を提起した。
1、党の指導を強め政府の社会管理能力を強化すること。
2、不正をただし群衆の利益を守ること。
3、流動人口の管理を強化すること。
4、地方自治機能を高め、地域社会の管理を進めること。
5、公安安全体系を完成させること。
6、非公有部門の経済、社会組織の管理を強めること。
7、インターネット網の管理を強め、健全なネット世論管理を強化すること。
8、思想道徳建設を強め、社会主義精神文明建設に力を入れること。

これには政治局常務委員全員が参加し、中央党校長でもある習近平・国家副主席が主催。胡錦濤を持ち上げることで、自分が後継であることを見せつけたような格好になっていた。日本のメディアなどはこの7番目のみ強調していたが、もちろんネット管理は最重要課題の一つだが、それだけでなくあらゆる手段を講じて社会全体の管理を強める決意を示したものだろう。

というまさにそんなときに、ネットを通じて全国13都市で20日午後2時から、中東政変に影響を受けたデモが計画されたという。香港紙などによると、「中国ジャスミン革命」と名付けられ、おそらく民主活動家が発端となって参加者を集めたようだが、北京の王府井で数百人が集まったり、上海では数人が連行されたり、まとまった動きにはならなかったようだ。
デモ・集会を呼びかけるサイトには何者かからのハッキングを受けたとの報道もある。
中国当局は中東の愚を犯さぬように断固として民主化を訴える集会を抑えようとしている。19日の胡錦濤の演説は若者の失業問題、物価急騰、不動産価格暴騰、貧富の格差の拡大、官僚腐敗など積もりに積もった民衆の不満にどう対処するか、このような状況下でやむにやまれぬ決意を示したのだろう。社会情勢はエジプトやチュニジアなど中東と全く同じだ。

ネット上では2月17日に集会を呼びかける文章が現れたらしい。「あなたがまじめな人でも、失業者でも、お上に訴える問題を抱える人でも、〇八憲章署名者でも、法輪功練習者でも、共産党員でも民主党派の人間でも・・・・あなたも私も将来に夢を持つ中国人だ。我々は自己の未来に責任を負わなければならない。未来の子孫のために」と書かれていたという。当局のネット検閲に引っかからないようにデモを「散歩」などの言葉に置き換えていたらしい。国内外の民主活動家が背後にいるとの話もある。

この時期に行動を起こすように煽ったのは、当局のネット抑止や公安のデモ鎮圧の能力を測るためではないか。勝ち目のある戦ではない。

ただ、中国でも一定の動きが出た。当局側の管理はますます強化されるだろう。