Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

尖閣諸島問題と日米安保条約

2010-09-24 00:09:54 | 時事
日中間で修復が極めて難しいところまで来てしまった尖閣諸島(中国名・釣魚島、台湾名・釣魚台)問題。23日に実施された前原誠司、ヒラリー・クリントンによる日米外相会談で、クリントン国務長官は「尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用対象にある」と語ったという。

第5条(共同防衛)
1 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続きに従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

わかりにくいが、米国は尖閣諸島が日本施政下にあると認め、日本を脅かすような武力紛争があれば、その解決のために手を貸す、ということだ。米国もこの件では日本の味方だ。新華社などもこの点については仔細に報道していないようだ。というか、できないのだろう。

と、ここまで書いたところで、フジタの社員4人が河北省石家庄市で、軍事施設を違法撮影したとして拘束されたニュースが入った。うがった見方をすれば、那覇地検が身柄拘束している尖閣諸島で海保船と衝突した中国船の船長と交換する人質を確保したというところか。また、24日になって那覇地検がこの船長を処分保留のまま釈放した。日本側は手を打った。

さあ、中国どう出る?

中国が尖閣諸島問題で、閣僚レベルの交流停止やレアアースの禁輸、訪日旅行団の中止などなど、さまざまな対抗措置をして、日本政府にプレッシャーをかけてきた。やり方が拙速でやりすぎの感じはしていたが、中国共産党内保守派が胡錦濤、温家宝に攻撃をしかけているのだろう。また、国内の反日デモが中国指導部の弱腰を批判する方向に転じるのはまずい。そのため、日本に対して必要以上に強い態度を見せていると考えるのが普通だ。

これらの国内状況を悪化させないように日中関係を元に戻すのは難しいが、来月には、中国共産党の中央委員会第5回全体会議(5中全会)が開かれる。ポスト胡錦濤の最有力候補で江沢民ら保守派が後押しする習近平・国家副主席が、最高指導者への次のステップとなる中央軍事委員会副主席になるかどうかが注目されている。後継指導部の人事問題でイニシアチブを握るためにも胡錦濤、温家宝の踏ん張りどころだろう。お手並み拝見だ。