Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

池袋反中デモ

2010-01-13 03:55:55 | 時事

日本で発行されている中国語紙「中文導報」によると、東京・池袋駅西口前の中華物産店「陽光城」前で10日、「新右翼」と自称する若者たちによる反中デモがあった。警察が出動し、大きな混乱はなかったという。
安いアパートや日本語学校が多いため中国人留学生が住み着き、次いで中華料理店や食材屋、ビデオ店など、池袋はここ十数年で本当に中国人と中国系の店が増え始めた。08年には在日20年の中国人を中心に「トウキョウチャイナタウン計画」構想が持ち上がり、店同士のネットワークを進めようとしている。一方で、古くからの日本人商店主たちはこれを警戒、反中のデモが起きるなどして、構想は思うように進まず沈静化している。
彼らの反対の理由は、日本のマナーを守らないこと、マフィアが跋扈するのではないかと恐れることだが、当然といえば当然だ。冷凍餃子事件やチベットや新疆ウイグル自治区などでの民主化抑圧などで日本における中国のイメージは極めて悪い。馳星周の「不夜城」や、古くはジョン・ローン主演の映画「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」などチャイナマフィアの印象は強烈だ。中文導報は「反中は日本人を代表しているわけでない」と書いているが、事態を悪化させず沈静化させるためだろう。代表はしていないが、実際は多くが不信感を持っているだろう。
中国人は海外に行っても自分たちの習慣を捨てようとせず、チャイナタウンを作り始める。排他的で地元の人々からの理解は不足する。唯一の成功例は日本最大のチャイナタウン、横浜中華街だが、ここでは古くからの華僑たちがこのような心配事を払拭しようと努力してきた。その結果、華僑の居住区というより、日本人にとって居心地の良い中国的テーマパークになった。そこに華僑の生活の匂いはない。80年代から中国の改革開放に伴い残留孤児の子孫や留学生、出稼ぎなど「新華僑」が入り込み始め、新たな展開を見せ始めたが、「旧華僑」たちは彼らと話し合い、協力して現在の繁栄をもたらした。

池袋の場合は、旧華僑がおらず新華僑だけで話を進めているのが問題を難しくしているのではないか。地元商店主との協力は不可欠だろう。「陽光城」にいると、日本人が冷やかしで肉まんを買いにくるというより、中国人たちが必要に迫られて食材を買いに来るのが多く目につく、売っているものもお土産というより実利的なものばかりだ。近くの四川料理店も本当に辛く、日本人には無理かなあ、という味だ。中国人と正宗川菜(本当の四川料理)を味わいたいという日本人が訪れている。
「横浜は日本人のためのチャイナタウンで、池袋は中国人のためのチャイナタウン」と誰かが言ったが、なるほどと思う。後者が本来の意味のチャイナタウンなのだろうけど。日本化してしまったチャイナタウンでなく、そういう選択肢も残しておいてほしいとは思う。