朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

松本龍さんの辞職

2011-07-07 08:12:28 | 21世紀
絶頂の全能感
2011/7/6
 松本防災大臣の辞職は就任9日目です。
 始めから就任を固辞すれば良いのに、こんな辞職は、自分の為にも、組織の為にもなりません。どうしたんでしょう?
 これは、私たちにでも起こりそうな、心理的な落とし穴だろうと感じます。
 私はバカだから若いころそんな失敗をしたことを、今も思い出し悔やむことがあります。
 自分が何かの成果を上げて、「俺でなくては出来なかっただろう」などと考え肩を張って、社内を歩いていました。営業に行くのに、社用車を出してもらいました。運転手と一緒にエレベーターに乗りましたら、彼はあざ笑うような口調で「会社の車に乗るのは10年早い」と言うのです。思わず手が出て、平手打ちをしてしまいました。普段は、控えめの私ですが、同乗していた部長から「会社の中で何だ?」と叱られ、逆に「ごめんね」とあやまることになりました。
 以前から横着な運転手と思っていたからです。仕返しに家に放火されそうにも感じ、何回もあやまりますが、相手の方が逆に強くなり、総務部長に訴えるなど言いだすのです。
 今回の松本大臣も、わざわざ県庁まで出向いたのに、待たされ、握手を求められ、カチンと来たのでしょう。その感情を口に出すと公の場所で、報道陣のいる所ですから、そのままでは済まないことになりました。
 被災地をないがしろにするとか、菅総理の足を引っ張るとかの考えなどなく、自分のプライドを傷つけられた男のヒステリー症状でしょうが、大臣では許されません。
 人間関係の中では、仕事関係でも夫婦関係の中でも、よくあります。
 金銭的制約などあれば、我慢してむっつりするだけでしょうが、恐れがなければ、感情をむき出し、離婚や破綻・辞職に繋がっていきます。
 自分を守るために、相手を貶めるのは、最低の作戦です。
 自分を守ることは、相手とは関係ない、自分の問題だ、と考えるのが大人の考え方です。自分の感情をコントロールするのが、日本式成熟であり、感情をそのまま発散するのが、韓国式であり、西部劇映画であります。
 「風とともに去りぬ」のスカーレット・オハラは、感情を制御せず、周りの人を傷つける見本です。私はそんな振舞いをしないようにしていますが、年取った証拠でしょうね。「七十にして、心の赴くところに従って、則を越えず」と孔子は言いましたが、松本龍さんは、まだ若いですからね。