最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
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コマルシジミガムシ

2012-07-21 13:00:00 | 水生昆虫

コマルシジミガムシ Laccobius masatakai
2012,7,19 新潟県長岡市

2007年に記載されたシジミガムシの仲間。山形・福島・神奈川・茨城などで記録されている。
大きさはこのくらい↓

横のメモリは1mm。ということで本種の大きさは2mmちょい。

岩盤などの染み出し水に生息しているが、砂防ダムの下などの人工的な環境でも見られる。

こんなところとか、

こんなところにいる。

生息地での個体数は多く、よく動き回っているため、大きさの割りに発見は容易。
普通は染み出し水の中にいるが、体を水から出して甲羅干しをしているような個体も見られた。


同じような環境にはミゾシジミガムシ[Laccobius moriyai](本種も2007年に記載。山形がタイプ産地らしい)がいるようだが、こちらは未見。
というか、コマルシジミとミゾシジミの区別点がよくわからない
調べると、[parasutural furrow]があるとGlyptolaccobius亜属でミゾシジミ、無いとCyclolaccobius亜属でコマルシジミとなるようだが、分類学には詳しくないので、この[parasutural furrow]とはいったいなんなのか?

検索するといくつかのサイトが出てくるが、イマイチはっきりしない。それぞれの単語を検索しても[furrow]は溝だが、[parasutural]が出てこない。専門用語なんだろうか?
それでも手持ちの文献なんかを調べてみるとおそらく・・・

会合線に沿って出来る溝のことを指しているのではないかと思う。写真はキベリヒラタガムシと思われるガムシ。

[parasutural furrow]を会合線脇の溝と仮定して採集した個体を見てみるとそのような溝は確認できなかった。

コンデジ+ルーペ+トリミング。もっと鮮明に撮りたいが自分ではこの程度が限界白いのは綿の糸くず。

というわけで、長岡で採れているのはコマルシジミガムシだろうという話し。
結局は原記載を見てみないとなんとも言えないんでしょうがね

コバンムシ

2012-07-20 13:00:00 | 水生昆虫

コバンムシ Ilycoris exclamationis
2012年採集 新潟県産

緑の頭部と赤い眼が特徴的な水生昆虫。
各地で減っていて、環境省のレッドデータでは絶滅危惧Ⅱ類。新潟県では準絶滅危惧種にランクされる。

水草が繁茂する安定した水域を好み、採集した場所でもクロモ、イヌタヌキモ、ヒツジグサ、ヒシなどの水草が生えていた。

ハッチョウトンボ

2012-07-18 13:00:00 | トンボ

ハッチョウトンボ Nannophya pygmaea
2012,7,10 新潟県長岡市

湿原や休耕田などに生息するトンボ。
生息地での個体数は多く、この場所でも多数が見られた。

個体数が多いので、こんなこともしばしば↓

クモの巣に捕まった個体。


溺れていた個体。


発生初期なのか未熟個体が多く、オスばかりそしてメスには中々近づけない。

オス10に対してメス1くらいの割合だった。

コシアキトンボ

2012-07-17 17:00:00 | トンボ

コシアキトンボ Pseudothemis zonata
2012,7,16 新潟県長岡市

綺麗な池から富栄養化が進んだ池まで広く見られるトンボ。
縄張り意識が強いトンボで、いつでも飛び回っている印象がある。

今回確認した池はこんなとこ↓


本種のほかにはアオイトトンボ、モノサシトンボ、クロイトトンボ、キイトトンボ、ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、オオヤマトンボを確認。

昔はトラフトンボとオオトラフトンボもいたが、今でも生息しているだろうか?

2005,5,8 同所

時期の関係もあるが、着々と富栄養化が進んでいるように見える

キイトトンボ

2012-07-16 22:27:50 | トンボ

キイトトンボ Ceriagrion melanurum
2012,7,14 新潟県長岡市

ため池や湿地などに生息するイトトンボの仲間。
今が最盛期のようで、各地で姿を見ることができる。
一時期は中々見られない種類になったかと思ったが、今はそこそこ見ることが出来、写真の場所では個体数が非常に多かった。

ニホンカナヘビ

2012-07-15 21:03:24 | 爬虫類

ニホンカナヘビ Takydromus tachydromoides
2012,7,14 新潟県長岡市

昨日の記事で気がついた方もいましたが、新潟に帰ってきました。
本格的なシーズンを前に北海道を離れるのはもったいなかったが、いつかのんびりと道内巡りでもしたいと思っている。

帰ってきたので、昔色々と採集した場所を回っているが、何処も環境の変化が著しく、ショックを受けることも多い
写真の場所は2003年ごろまでハッチョウトンボの一大産地だったところ。
なぜか埋め立てられ、スギが植えられたにもかかわらず、現在はただの藪。当然ハッチョウトンボなどは見られず、踏むと僅かに水が染み出るようなところでキイトトンボを2頭だけ見た。
これからは痕跡を巡る事が多くなるんだろうか?先行きが暗いなぁ

ミツガシワ

2012-07-09 19:50:55 | 植物

ミツガシワ Menyanthes trifoliata
2012,6,8 北海道大樹町

湿原や池の浅瀬など水深が比較的浅いところに生える抽水植物。
群落を作ることが多く、ここでもそこそこまとまって見られた。



しかしここ、環境がよさそうに見えるのに水生昆虫が異常に少なかった。
結果としてはミズスマシsp(コミズ?)が1頭ガムシ類2種(小型種で種は不明。数も数頭)そしてゲンゴロウ類が0
たくさん入るのはヤゴとマツモムシのみ…。タヌキモ類なんかもあり期待してたのに。

ただヨツボシトンボがやたらと多く、少なくとも5~60頭はいたと思う。
今までは多くても十数頭が限度だったと思うが、これは圧巻だった。
産卵シーンも何度か見たが写真は撮れず。飛んでいるのも早くて写真は撮れず。止まっているのも敏感で写真は撮れなかったのが残念。