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そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

高柳蕗子(09/25)

2020年09月25日 | 日めくり帖

2020/09/25

「吸血鬼よる年波の悲哀からあつらえたごく特殊な自殺機
 [高柳蕗子/不死なるも牙抜け生血吸えなくて自殺を思うもいかにいたすか][]」

「あばかれるひみつのように一人ずつ沼からあがってくるオーケストラ
 [高柳蕗子/せり上がる舞台を思うが奈落から上がるを沼といふはをかしい][短歌]」

「夕暮れの少年探偵影二つ 五パーセントは幽霊を見る
 [高柳蕗子/謎多し五パーセントの意味不明空白のあと探偵を見る][短歌]」

「朝からは雨がしこたま降っている今日は集まり剣道部での
 [高校時代の剣道部][日記]」

「半世紀前の同士の集まりで鰻を食みて歓談をする[日記][]」
「納屋孫で鰻やなれ鮨いただける客は一組わたしたちだけ[][日記]」
「お土産に鮎の飴炊きいただけるご飯に湯漬ひさしぶりだな[][日記]」




藤原龍一郎(09/24)

2020年09月24日 | 日めくり帖

2020/09/24

「地下鉄南北線とは鶴屋南北の異界へ続く鉄路であるか
 [藤原龍一郎/南北線どこの線かは知らないが異界に続けばおもしろいかも][短歌]」
「怪談の快楽を説く雑誌『幽』加門七海の写真が怖い
 [藤原龍一郎/七海さんこんなところにかり出され写真が怖いは失礼である][短歌]」
「セレベスに女捨て来し俳人の虚無の日々その虚無の旦暮アケクレ
 [藤原龍一郎/セレベスに女を捨てるとこありやインドネシアにわざわざ行くか][短歌]」
「木製の濃霧の底に断念の破片いくつもいくつも見える
 [藤原龍一郎/断念の破片は何でできているゴムかスポンジはたまた豆腐][短歌]」
「木製はジュピターなれどこのままで読んでしまうもおもしろきかな
 [木星の帯の形に原初で生成根拠残りいるかも][短歌]」
「八時半しあわせの村行けるバス乗ってベタンク始めて行けり[][日記]」
「帰りには西鈴降りてブックオフ5冊買い物700円に[][日記]」
「昼飯は西鈴駅前焼き鳥屋お好み焼きで昼から飲めり
 [気持ちよく飲んで美味しかった1200円ほど][日記]」



杉原一司(09/23)

2020年09月23日 | 日めくり帖

2020/09/23

「夭折の天才歌人でなかなかに手強い歌を詠んでいるかな[前川佐美雄に師事][]」
「ひややけき彫刻台にかけのぼりまなこまで石化してゐたる犬
 [杉原一司/いろいろと気になることの多い歌犬は本物眼の石化][]」

「とめどなく撞球台をあふれでるなめくぢと窓に見える砂漠と
 [杉原一司/撞球台のどこからなめくぢ出でくるかおまけに砂漠わけわからない][短歌]」

「内面にあぶら蟲栖む階段を夜に日にくだるあめいろの液
 [杉原一司/階段を下るは液で油虫なかに含めるそんな液だと][短歌]」

「ゆびさきは繊毛となり核となり夜はとうめいな粘液となり
 [杉原一司/指先と夜の対比も関係はかき回すのか指の先にて][短歌]」

「孵卵器の卵くるしげにひずむころ不潔な神話世に流布しだす
 [杉原一司/感覚が鋭敏過ぎて追い付けず不潔な神話はおもしろきかな][短歌]」

「雲ふかく没するほそき吊革にぶらさがつてるおびただしい手
 [杉原一司/雲ふかく没するものは太陽も細きつり革ピンと来ないが][短歌]」

「フラスコや振り子はらばふ磐の影橙をけしていま寝る深海魚
 [杉原一司/フラスコや振り子と同じ場所にいる深海魚とはいかなるものぞ][短歌]」

「午後三時愛原さん宅伺えり歌稿をもって打合せする[][日記]」
「愛原さん『本作り』の本執筆の途中経過の査読頼まれる[][日記]」


十月投稿歌

2020年09月22日 | 三十一文字

2020/09/22

「朝夕に飲むべき薬つい忘れ数の多さにあきれるばかり[][短歌]」
「歴史には裏あることのおもしろき未だ奈良から一歩も出れず[][短歌]」
「ひと時を無限に使うことできぬことは知りつもむだに過ごせり[][短歌]」
「なんというよろずことの葉いろかたちいまにのこるをうれしくおもう[][短歌]」
「コロナ禍の世界の壊れ人により様々なるもわれも失業[][短歌]」
「お釈迦さま西行法師子を捨つむた宮本武蔵養子をとれる[][短歌]」



加藤克巳(09/22)

2020年09月22日 | 日めくり帖

2020/09/22

「ルドンの眼いつしかビルの谷に落ち物音絶えて都会は死んだ
 [加藤克巳/関心の外の作家のルドンなり『眼=気球』なる作品残す][]」

「無尽蔵の人間、物体、猛烈に回転しつつ天へ舞いゆく
 [加藤克巳/ハリケーンこんな光景見ることがありますよね怖いですよね][短歌]」

「からからとわらいきこえくる、石段の 上から下から かくれられない
 [加藤克巳/石段の途中で嘲笑聞こえきて二元とすれど逃げ場所なけれ][短歌]」

「たわみきわまりしずかに折れてゆくまでをくりかえしくりかえし夢みつづける
 [加藤克巳/物体は鉄か木だか知らないがたわんで折れる映像怖い][短歌]」

「哄笑の渦にもまれて片手あげつつしだいに世界のはてへ消えゆく
 [加藤克巳/雛壇に向かうわけではないらしい世界の果てに何があるのか][短歌]」

「不気味な夜の みえない空の断絶音 アメリカザリガニいま橋の上いそぐ
 [加藤克巳/断絶音どんな音にてなりたるかザリガニまでも逃げるというか][短歌]」

「惨劇が街の暗きに 叫喚の幻聴 いな、床屋の渦巻き
 [加藤克巳/惨劇の幻聴なるか聞こえ来るトリコロールも天に消えゆく][短歌]」

「床やの隣の肉屋豚肉が逆吊りだらりなま色をして
 [加藤克巳/乙女もう肉屋の裏でぶら下がるなま肉を見て食えぬからだに][短歌]」

「秋晴れの彼岸に行けるペタンクに秋の衣装で大石さんと[半ズボンは止めた][ペタンク]」
「昼からは五輪書を読む武蔵書く宗教書より上をいきたり[][日記]」
「珠玉なる言葉溢れるあちこちに語呂合わせにも垂涎の書か[][五輪書]」
「乾坤をそのまま庭に見る時はわれは天地の外にこそ住め[武蔵-1][五輪書]」
「坐禅して工夫もなさず床の上にただいたずらに夜を明かすかな[武蔵-2][五輪書]」

「振りかざす太刀の下こそ地獄なれ一足進めさきは極楽[武蔵-3][五輪書]」