2020/09/06
「五月来る硝子のかなた森閑と嬰児みなころされたるみどり
[塚本邦雄/五月きてガラスの向こう森静か嬰児殺される緑の中で][短歌]」
「揚雲雀そのかみ支那に耳斬りの刑ありてこの群青の午ﾋﾙ
[塚本邦雄/そのかみがわからないけどおぞましい光景ありて鮮血走る][短歌]」
「くちなしの実煮る妹よ鏖殺ｵｳｻﾂののちに来む世のはつなつのため
[塚本邦雄/皆殺しあとの初夏迎えんとくちなしの実を煮る妹][短歌]」
「はつなつのゆふべひたひを光らせて保険屋が遠き死を売りにくる
[塚本邦雄/保険屋はいまは色々売りたるも歌読む頃は死のみ扱う][短歌]」
「理髪店まひるとざして縛めし青年の皮剥げる火曜日
[塚本邦雄/剃刀を研げる理髪屋休みには中でなにする人皮剥げる
/火曜とあるが昔は火曜が休み?][短歌]」
「痙攣ﾋｷﾂﾚれる死鶏の眼、輪唱の 輪唱の輪のひろがるなかに
[塚本邦雄/絞められて鶏かっと眼を開き見つめないでね輪唱のごと][短歌]」
「台風が近づき妻はフィトネス休んでわれは病院に来る[][短歌]」
「利尿剤5mgから10mgに腎臓負担減らすためだと[本日検診、体温は36.7℃だった][日記]」