そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

長谷川櫂『俳句的生活』より4

2016年02月06日 | 俳句

2016/02/07

「子規がいう悟りとも思う『平気』だが子規の『平気』は広くて深い()」
「子規にとり五月は厄月来るたびに病状悪化の道を辿れり()」
「鉄板の上で炒られる豆のごと苦痛の日々を『平気』で生きる(1902/9/19死亡)」
「生涯で子規は作れる句の数は二万三千六百もあり()」
「子規がせし江戸徘徊から滑稽を抽出しては写生を加う()」
「二つある子規の句集は虚子選と大岡信の選びしがある
 (高浜虚子選『子規句集』2306句
 ,大岡信選『子規の俳句』1400句
 ,重複は330句のみ)」
「選ちがう二つの句集の印象がガラッとちがうおもしろきこと
 (虚子選:写生家の面
 ,大岡選:滑稽家の面)」
「滑稽家子規の面目死の床で書きし三句に表れており
 (1.糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな
 ,2.痰一斗糸瓜の水も間にあはず
 ,3.をととひのへちまの水も取らざりき 
 この順番に詠う。この句の十四時間後に亡くなる。
 )」

「吉原の太鼓聞こえて更くる夜にひとり俳句を分類すわれは(子規)」
「この仕事六十六冊和紙和綴じ室町以降の十二万句収む()」
「革新者子規の面目ここにあり俳句分類神業のごと()」
「久しぶり読みごたえある長谷川の『俳句的生活』ひとまず名著()」



 

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長谷川櫂『俳句的生活』より3

2016年02月06日 | 俳句

2016/02/06

「俳句では言葉を生かすために切るただ切るだけは句にはならない()」
「切ったあと異質な言葉と取り合わせ風味の世界現出させる()」
「細雪戦争描写と取り合わせ描かなければ意味ないという()」
「虚子逝くは昭和三十四年の潅仏会鎌倉の寺行われおり(享年85歳)」
「虚子歌う『棒』の名句は年の暮れ倒れしときの新春詠と
 (S25.12末、二度目の脳溢血に襲われた直後の新春詠)」

「去年今年貫く棒の如きもの()」
「春の山屍カバネをうめて空しけり(S34.3.30死ぬ1週間前、辞世の句)」
「若くして逝きし作家は文豪と称えられない谷崎は別(三島が大谷崎と称えている)」
「谷崎や虚子は老たる辺境を当然のごと歩きたる人()」
「トレアドルパンツの似合ふ渡辺の千萬子の繊ホソき手にあるダリア(谷崎潤一郎)」
「つまいもうと娘花嫁われを囲む………亭センカンテイの夜のまどゐ哉(谷崎潤一郎)」
「世の中を遊びごころや氷柱おる(高浜虚子が老いの深淵を垣間見た句)」
「虚子のいう『遊びごころ』は変奏か芭蕉や子規の滑稽のこと()」
「滑稽は芭蕉にありて『かるみ』なり子規にありては『平気』だという()」



 

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長谷川櫂『俳句的生活』より2

2016年02月06日 | 俳句

2016/02/06

「俳句とは言葉の意味を少なくし風味を最大限に生かす形式(P.37)」
「散文に抗い風味で成り立てる韻文なりし句・歌・詩の世界()」
「俳句とは夏炉冬扇のごとくあり役立ずにてナンセンスなり()」
「生け花は花生かすため切るもので殺すためには切るのであらず
 (柳生石舟斎がお通に語り聞かせる)」

「一本の槿生かすためだけに他の槿むしり取りたり(秀吉は怒ったが)」



 

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長谷川櫂『俳句的生活』より1

2016年02月06日 | 俳句

2016/02/06

「切れのこと芭蕉は秘伝と考えた『去来抄』には教えがありし()」
「切ることは切り口に間を生み出せる時間的とか空間的な()」
「句の切れと切れ字の関わり四つある切れ字なくとも切れる句のあり
 (切れ字:句切れ=有・有:当然/有・無:駄句/無・有:味読/無・無:当然)」

「切れ字にて句を解すれば間がわかる句を読むときはそこまで至れ()」
「さらに間は時間・空間だけでなく心理的なる綾をも綴れり()」



 

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花と七十二候(0206)

2016年02月06日 | 日めくり帖

2016/02/06

「落とし物探しに戻る道すがらヒメオドリコソウ愛らしく咲く(鳥海明子)」
「初耳も帰化植物というらしいヒメオドリコソウは変な形か(花言葉:愛敬)」
「初午は二月初めの午の日で稲荷神社でお祭りがある(『初午』)」
「初牛は商売人の我が父が伏見稲荷に祈りし日なり(商売繁盛を祈った)」



 

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