2014/05/28
宝島社新書で「大麻と古代日本の神々」出口博著を読んだ。本著では忌部氏の家伝である「古語拾遺」にスポットライトが当てられている。
この本は、忌部氏が斎部と改字した四年後の平城天皇の大同二年(807)に斎部広成によって書かれたものだが、家伝であるので古事記の記述からは少し細かく祖先神のこと、祭祀のことが書かれている。
少しつまんでみようとネットで調べて、独自の現代語訳をしてみようとトライしたが、難しいのでテキストが必要と言うことがわかった。いずれ岩波文庫を探しに行くが、簡単に概観してみる。
古語拾遺の中には、アマテラスの岩戸隠れでのどんちゃん騒ぎ(いろいろな祭祀の原点がある)のことや、天孫の始祖である瓊瓊杵のことや、高皇産霊神の子である天の忍日命(大伴氏の祖)や天の太玉命(忌部氏の祖)のことが書かれている。
天の太玉命は天富命、天日鷲命等を子孫に持つが、古事記にはこれらの神は出てこない。しかし、国家建設に一役買っていた忌部氏は麻栽培に力を入れていた。四国の阿波と南房総の安房は、忌部氏の足跡が残っている。忌部氏は幻覚性大麻を知っていて、その植生を求めて四国から安房まで移動した。シャーマンの神がかりには、この幻覚性大麻が何らかの方法で使われていたと言われている。このへんの事実には、松本清張も興味を持っていて「火の路」や「眩人」などで書いているらしい。
いずれにしても、面白そうなのでしっかりしたテキストで、「古語拾遺」を読んでみようと考えている。