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「鴨公は藤原宮の太極殿ある地とか鴨君担う祭祀のことを
(鴨君足人が香具山の歌一首、また短歌)」
「天降モりつく天の香具山霞立つ春に至れば松風に池波立ちて桜花
木の晩クレ茂み沖辺には鴨妻呼ばひ辺つ方にあぢ群騒きももしきの
大宮人の退マカり出て遊ぶ船には楫棹もなくて寂しも榜ぐ人なしに(#3.0257)」
「ももしきの大宮人は幻か楫棹のない舟寂しかり()」
「人榜がずあらくも著シルシし潜カヅきする鴛鴦ヲシと沈鳧タカベと船の上に棲む
(反し歌1/2首 #3.0258)」
「人気なく大宮人の乗りし舟鴛鴦ヲシと沈鳧タカベのすみかとなれる()」
「いつの間も神さびけるか香具山の桙ハコ杉の本に苔むすまでに
(反し歌2/2首 #3.0259)」
「香久山は神さぶにけりいつまでも桙ハコ杉の本苔がむすまで()」
「天降りつく神の香具山打ち靡く春さり来れば桜花木晩茂み松風に池波立ち辺つ方はあぢ群騒き沖辺は鴨妻呼ばひももしきの大宮人の退り出て榜ぎにし船は棹楫サヲカヂもなくて寂しも榜がむと思へど(或ル本ノ歌ニ云ク #3.0260)」