2007/03/30
「見せばやな雄島のあまの袖だにもぬれにぞぬれし色は変はらず
(殷富門院大輔)」
「さあ見てよ雄島の海女の袖でさえどれほど濡れても色は変わらぬ
(私は血の涙を流しているというのか)」
「後白河第一皇女亮子なり殷富門院式子の姉だ()」
2014/11/26
「見せばやな雄島の海人の袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変はらず(#090 殷富門院大輔)」
「【訳】わたしの袖をお見せしたいなあ。雄島の漁師の袖でさえ濡れても濡れても色は変はらないのにわたしの袖は血の涙で濡れています()」
092-◎-093 「わが袖は潮干に見えぬ沖の石の 人こそ知らねかわく間もなし (#092 二条院讃岐)」
「世の中は常にもがもな渚漕ぐ 海人の小舟の綱手かなしも (#093 鎌倉右大臣)」
「掃き溜めの鶴といえども色は白 濡れにぞ濡れし色は変はらず(付句遊戯-#090)」
「この大輔藤原信成の娘なり歌詠み上手で多作で知れる(千首大輔と言われた)」
「この大輔歌林苑にと参加して仲間と割りに自由に行き来(俊恵法師、清輔、二条院讃岐、寂蓮法師、道因法師など)」
「『無名抄』鴨長明書きたるも師の俊恵の歌林苑にも()」
「松島や小島の磯にあさりせし海人の袖こそかくは濡れしか(源重之の本歌)」
「小侍従と親しき仲で夜もすがら連歌に興ずとこともありしか()」
「この歌は本歌に対す返歌なり一句切れなど秀逸なりし(源重之の本歌)」
【参考】
「ありし日の兵士の服は土の色 濡れにぞ濡れし色は変はらず(安野光雅 #090)」「