暇つぶし日記

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手作りソーセージ講習会 (下)

2018年02月28日 00時16分49秒 | 喰う

 

(上)より続く 

さて豚肉についての講習が終わりいよいよソーセージ造りの実習となる。 赤身3割、脂身7割ほどの片手に余るほどの塊を何個か秤の上に載せ、参加者14人がそれぞれ500gづつ割り当てられるのだからといいながら肉屋は7kgまで目盛りを上げた。 参加者の一人が名指しされその塊を挽肉にする機械に放り込む。脂身7割というのでは多すぎるのではという危惧もあったけれど挽肉になってみれば普通の肉屋で見るようなピンクいろの豚ミンチになっており基本的にはこれだけで原始的なソーセージができる、というのだが参加者はそれぞれ500gづつ入ったボールを与えられテーブルの上に並んだ様々な香辛料、ピックルスに塩・コショウなどをこれから各自適宜に配合して混ぜ、つなぎに生卵をも割り入れ捏ねるわけだ。 こちらはこの30年幾つもハンバーグや餃子の具を捏ねてきているのでお手の物であるが肉屋はそれ以上によく捏ね塊を握ってブチ切れるのではなく餅が伸びるように落ちてくるように捏ねるのだといった。 当然オランダの肉屋には日本の餅の柔らかさは知らないもののそれに相当する柔らかいチーズの粘り具合をいい実際に我々の捏ねたものをチェックしていく。

自分はわざと塩を控え香辛料の量を少なくし出来るだけ元々の肉の味を試してみたいと思いその少なさを補う意味でクーミンや粗びきの辛子、それに刻んだセージとケッパーを加えて捏ねた。 それが終わるとそれぞれ二人一組になって捏ねたものを器具に詰め込みハンドルを回して豚の腸に詰めることになる。 講師がいうには今日の材料の中で単価が最も高いのはソーセージを包むこの腸なのだそうだ。 何回も腸の内外を洗浄し食品衛生官の検査を通らねば使用できない仕組みでそれにかかる人件費が嘗てはコンドームとして使われたこの柔らかい膜にかかってくるらしい。 年寄りばかりの参加者の誰もが経験のあることを思い出しながらも冗談を言って笑う者もいずそんな笑いをかみ殺しながら黙々と作業を続け長さ7-8cmのソーセージを5つか6つ作って出来上がりとなる。

突然講師は出来上がったものを各自一個彼のところに提出することを求め、それぞれの名前を控えプレートの上にならべてそれを大きなロースターの中に入れて炙り焼きにする。 その間各自に飲み物と紙片が配られ焼きあがるまで待つ。 焼きあがってから講師はそれぞれのソーセージを14個の輪切りにして我々に配り試食する。 そしてそれぞれの紙片に1から14までの番号を書きそれぞれの輪切りにした肉片の評価をプラス1かゼロかマイナス1かで評価する。 当然誰もが今喰っているのが誰の作品か知る由もなく後で講師が全ての紙片を集めて自分が控えてあったナンバーと比較してだれのソーセージが一番人気があったか発表されることになる。 この時自分のものは最下位だとおもったが一つづつ試食しているうちにどれもが市販のものより美味く薄味であるのに味にはっきりしたうま味があるのに気付く。 それにここでの特徴というのは塩が効きすぎたものははっきりわかり、それはじぶんのものではないということぐらいしかはっきりせず、他の人も意識してあまり香辛料をいれなかったのかと思った。 結局自分のものは上位3位の中に入らなかったが最下位でもなかった。 それも美味かった。 肉屋は保存剤も加えていない生ものだから家に持って帰って2日以内に焼いて食べてしまう事といった。

翌日うちに持って帰った4本をグリルにして夕食に供した。 市販されているものより美味いというのが家人の評価だった。1本半、つまり150gをサラダと喰ってそれだけで満腹になった。



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