暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

歯を抜く

2005年09月29日 17時48分24秒 | 健康
もう5ヶ月になるのか、このまえここに歯のことを書いたのは。 感慨を持って読み直したのもつかの間、この感慨もあと何時間かで麻酔が切れて痛みが始まれば悪罵に変わる。

悪罵といえば、これを書いている草稿をスイッチを間違えて、1時間ほどもかけて書いたものを消してしまい、これは2度目なのだが、その悪罵も加えて書いているのだがそういうこともあり、書くのをやめようかと思ったのだが、せっかく書いたものを忘却のかなたに放り投げるのが惜しいので、えんやらや、と再度挑戦とする。 なんと暇なものだ。

手元に最後の奥歯、左下から抜いたものが転がっている。 まだ湿って、長さ20mm、長径12mm、短径10mm。 この種では私の最後のコレクションになるのだろう。 口の中には抜歯したあとの穴にガーゼを無造作につめこんで、今は唾液で薄まって中途半端に固まった血でぐちゅぐちゅになったガーゼが詰まっている。 多分ガーゼの様子はスーパーで買った肉汁、血を吸い込んだ安物のステーキ肉の下のマット状態なのだろう。

ここまで読んで気分を悪くされた読者には謝りたいが、なにせまだ麻酔が効いて舌と左側の口がままならぬのでご容赦を、と不自由な舌をぺロッとだしてその振りだけしておく。

で、禿の歯医者がこれであと10年ぐらいはなんとかなるでしょう、とのたまったのだが、本当にそう願う。 ボーっとした風貌の口内衛生士はこの5ヶ月での成果を、目を見張るほど、だの、驚異的ですな、などとふやけた笑い顔で保険のかかっていない患者の虎の子をふんだくって、そういったのだが、裏を返せば、どれだけそれまで口の中を、歯をないがしろにしていたか、ということではないか。 

歯の上面には銀色の詰め物がしてあり、その仕事は必要十分条件を備えているのだろうけど繊細さが欠けるような荒さが見えるので多分この禿の歯医者のものだろう、とためつしがめつ見とれていると、事務所に掃除のトルコ人の女の子が入ってきたので見せてやった。 すると、きゃっと短い声を出して、怖い、いやなものを見るようにしげしげと眺めて出て行った。

歯医者と、もごもごと、このあと穴がふさがり歯茎が安定すれば緩んだブリッジの調整をしなければならず、そのための次の約束をしたのだが、それは来年の1月、歯医者の家族がスイスかオーストリアのスキーバカンスに出かける前後になるのだろう。 で、この歯が熱いホンディユか暖かいハーブワイン、はたまた趣味の悪いみやげ物の木彫りの牛に変わるのか、というようなことは思わない。 

この数ヶ月来、食事ごとに不都合な咀嚼を余儀なくされるのだが、何事も来るべき薄暗く長い時代への予行演習、シミュレーションとあきらめ、思いを中途半端に、もぐもぐとそんな口の中に納めるのである。

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