暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

オランダの夜中にテレビをつけたら日伊サッカー戦をやっていた。

2013年06月20日 02時17分57秒 | 見る

テレビでアフガニスタンの女囚監獄のドキュメンタリーを見ていると日にちが替わり、昼間に片手鍋でやっつけた月見うどんを喰っただけだったので腹が減り、そういえば3日ほど前に酢で締めておいた鰊がまだ冷蔵庫の中にあるのでそれをビールと白米で喰おうと炊飯器にスイッチを入れ、山葵醤油に鰊の半身を三つ浸しつまみとビールをもって居間に降りて飯が炊けるまでとまたテレビのスイッチを入れた。 

見たドキュメントの監獄は先進国のものとは施設もその収監されている理由もかなり違う。 ここでの問題は多分イスラムのシャリア法だと思われる。 男尊女卑がこう沁み込んでいる上に常に戦争状態の国で劣悪の環境で罪人とされた女達だ。 これをどの国の女性達がみてもその意見は多分一致するだろう。 理不尽であるし、これではある種救いの無さに襲われるものの、それでもDVから逃げたもののその家族から訴えられ監獄に入れられる理不尽さと、それでも監獄の外にいるとDVや生命の危険があって、それは婚家と実家から両家の恥を理由として刺客が出る状況の中、壁の中のほうが外より安全だといいつつ壁の中では父親のところには戻りたくないという子供たちと一緒に笑いさえ出る安堵の場所といういささか倒錯てみえる世界なのだ。 表見はまるで日本と違う世界の映像だという向きも多いに違いないが日ごろ悲惨なDVのニュースが絶えない日本とも繋がりはまるでないともいえない要素もあるのではないか。 そこに見える看守たちは法の理不尽さを理解して狭い土の壁に囲まれた子供を多く抱えた折の無い雑居監獄で裁判官や時には外から会いに来る家族以上に囚人たちの理不尽を理解し同情的にさえ映る。

この理不尽は嘗て、もしくは今も残るといわれている差別の状況にも似ているけれどそれは表向きにはシャリア法のような法は日本にはないもののその差別で男女が引き裂かれるという例は不思議でもなんでもない。 事実自分が子供の頃遠い親戚でもあったことだ。 壁越しに10年以上隔てられていた駆け落ちして両家に恥とされその素行から刑期を短縮された女性が出たときには駆け落ちして壁の向こうに収監されていた男が実家に説得され目の前で女を棄てて去る光景がカメラの前に示されればこれをどのように見るかはアンケートをとる必要がないほどの意見の一致をみるほどだろうと思う。 これが自分の娘の身の上に起こったとしたら怒りに身を震わせるだけで済むだろうかと考えても見たくないシナリオを思いそうになる。

スイッチをつけたらオランダテレビ局でイタリア・日本戦のサッカーの試合が行われていた。 自分はサッカーにはあまり興味がなくあまり見ない。 それにチームも知らないし過去のこともしらない。 ときどきオランダのサッカーチームに日本人が入ったということはこの20年ほど聞いているけれど見ないから名前もしらない。 カガワとかホンダという名前は聞いた事がある。 あまり興味もなくイギリスBBCテレビにザップしたら同じ映像が映っていて、へんだな、この遅い時間にこういうのは普通かからないのに、と暫く見ているとブラジルからのライブだとわかった。 イギリスBBCテレビの解説者がむやみやたらといらぬ解説がやかましいのでオランダ局に替えてゆったりした解説ながらわかりやすいから音声だけをワイヤレスのヘッドホンで聴きながら二階に上がって飯の炊け加減をみていると日本選手の名前ばかり出てきてその動きがなかなかいいということだ。 飯をもって下に降りると前半20分ほどのところでぺナルティーキックで日本が先取点を得た。 イタリアのキーパーの反則ということだが自分にはよく見えなかった。 少々判定がきびしいのではないかという声があったものの、その後のカガワかホンダのゴールは素晴らしいものだった。

オランダに30年以上住んでいていくら興味がないといってもヨーロッパカップや世界カップのときのどんちゃん騒ぎをなんども経験しているから知りたくないといっても様々な情報は耳にはいるし時には画面を眺める事はするけれど細かい事はしらない。 ましてや遠い国、日本のサッカー状況など知る由もない。 アジア地区の対戦相手などヨーロッパレベルから見れば無視できるようなものではないか。 オランダは今まで名選手が続出して日本のマンガに出る事もあったそうだし、そんな選手たちも多額の契約金でヨーロッパの強豪チームで活躍し、正月にイスタンブールに行ったときにはスキポール空港にはそんな一人の選手が移籍先のチームにでかけるらしいと私達が乗る飛行機を目当てに多くの野次馬が見られたことも思い出し、またナショナルチームであれば監督を輸出しているくにでもあるらしい。 韓国ナショナルチームの元監督で今でもロシア・チームの監督かもしれない男、というような例もある。

家人の姉はシシリア人の左官の男と結婚し一男二女をもうけ二人の孫がある。 上の孫は中学校に入るひ弱なこどもで去年オランダ人の彼の祖父の棺を覗くのを怖がった。 それが長女の子供で長女は父親と同じ名前の電気工の男と結婚しシシリアの村で家を守っている。 次女はオランダの美術学校をでて今は売れないインプロヴィゼーション・フリージャズピアノをするイタリア人の男とブリュッセルで住んでいる。 二年ほど前に名のあるドラマー、バシストと遺産を使ってニューヨークでCDを創り出来はいいものの売れてはいない。 だからオランダで今人気のミュージカルの音楽技師をしに一週間に二度ほどオランダに来る。 それを聞いたのは一昨日左官に来ていた義兄からだった。 義兄はしシリア人気質で賭け事、サッカー、カーレースが好きだからこの試合も普通ならもう寝ていなければならない時間だけれど起きてビール片手に見ているはずだろうし、日本には負けるはずが無い、とも思っているにちがいない。 自分もそれには反対しない。

日本の二点目は綺麗に入ったしみていて気持ちがよかったもののこれでは済まないとは思っていた。 それにイタリアには密かに贔屓にしているマリオ・バロテッリがいる。 いかにも向こう気が強く悪い事もし、しばしば針小棒大に反則をアピールし警告をされているのだがどこか憎めない。 今回もすでにそれがあったそうだ。 そのごイタリアが得点しこれでイタリアも始動しだすのかとおもいながら飯を喰った。 後半に3対3のまま推移しているときに日本のボールの動きがイタリアを凌いでいて解説もそのように言っているしテレビを聴いている人のためだろうかボールの動きにつれて名前をいうのだが殆んどが日本名だった。 ホスト国ブラジルの観衆もはっきり日本びいきと思える歓声を上げている。  そのうち日本にはオランダ名の選手がいる事を言い出し、そろそろそれが出てもいいのではないかと言っていると長身のマイク・ハーフェナーがとびだした。 何歳か知らないけれど日本チームに入っているということは日本国籍をもっているということか。 そういえばどこかでオランダ人の顔も格好もそうだけれどオランダ語ができないサッカー選手がいるときいたことがあった。 この選手がそうかもしれない。 日本の帰国子女で海外が長かったから日本語が話せない者もいるのと同じ事がこの選手にもあったのだろうか。そういえば昔ロイ・ジェームスという司会者がいて英語ができない、というのをきいたことがあったけれどそれも戦後すぐのことで今とは状況が違う。 こういうことがあるからかオランダの解説者の日本チームに解説の時間をより割いているようにおもうけれどそれも由あることとしよう。

試合終了まで10分も無いうちにイタリアチームが得点し、結果はオフサイドで無効にされ逃した日本の得点を除いて4-3で負ける事になった。 日本がこれほど的確なパスを素早くまわすチームだとは知らなかった。 善戦だとは思うけれど結果は予想通りだった。 見終わったらヨーロッパ時間の午前2時になっていたけれど、考えてみると時差を考慮すると日本は朝の9時で、この試合も通勤通学の途中で見たり聴いたりしている人が多いに違いないとおもった。 まともな人はこの時間にゆっくりテレビを見ていられはしない。