毎日同じ電車で通勤していると、常連というか、よく見かける人、というのが何人かいて、半年前までは向かいのホームで電車を待っている、イケメンさん、こちら側のホームで同じ電車を待っているゆきんこさん、ロケットみたいな堅い四角いリュックを背負っているロケットさん、つぎの駅から乗って来るプードルさん、と勝手に呼んで、ああ、きょうのゆきんこさんは新しいコートだなとか、思っていました。
ところが、半年間、通勤していないあいだに、すっかりメンバーがかわってしまっていて。
まぁ、転勤とか、退職とかいろいろあるでしょう。 私もいなくなったひとりだったし。
イケメンさんも、ゆきんこさんも、プードルさんもみかけなくなりました。
ロケットさんだけはかろうじて同じ電車ですが、背負ったリュックの角があたって痛いので、離れたドアから乗るようにしています。
復帰してひとつきが経って。きょうの帰り、電車から降りたら、なんと、ゆきんこさんが! ああ、懐かしい、ゆきんこさん!
思わず、「ゆきんこさん!!」と声を掛けそうになりましたが、むこうは私を知らないし、「ゆきんこさん」と呼ばれていることも知らない。
せっかく再会したのに声もかけられなくて、残念というか、不思議な気持になりました。