ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

ちょっとだけさようなら、お母さん

2021-05-05 11:37:27 | 日記

 このGWの前半は妹夫婦が両親のサポートに行き、もう両親が使えなくなった機器の解約手続きや庭の草引きなどをやってくれた。

 

 私は一昨日から1泊でサポートに行っていたのだけど、どうもいろいろぶつかる。はじめは買ってきた花をいけたら喜んでいた母。庭に咲いていた花をシンクの前においたらさらに機嫌がよくなった母。

  

 

 それが、翌日のデイサービスの話になると、私は行きたくないとか、家にいるのが一番幸せとか、言い始める。母が持っていく下着がないというから、妹が買い物にいって揃えてくれたのに。父はこれまで水曜日に行っていたデイサービスを、母が水曜日はお花の習い事があるから嫌だというので、慣れ親しんだデイの友達とお別れして、5月から火曜日に変更した。

 

 みんな母のためにいろいろ動いているのに。昼寝していてもお腹がいたいといって何度も起きるので、薬をのませて休ませる。母が動くたびに父も起きて世話をしようとする。女王のようになっている。だんだん腹立たしくなってきて、午後からは庭へでて一心に草引きをした。

 

 やっぱり土や植物に触れていると心が穏やかになってくるな。ああ、この土は昔かっていた大ちゃん(犬)が踏んだ土だな、とか、この草のあたりは息子が小さいときにバーベキューをしてもらってスイカの汁をぽたぽた落としていたところだな、とか、みんなが元気で優しくできた頃の記憶を呼んできて、草を引いたり、土をほりかえしたりする。

 

 16時ごろからお風呂に入ってもらう。とにかく準備が長いからそれくらいから入らないと晩ごはんが遅くなる。父はさっと入ってきて16時半くらいにでてきたのだけど、母はぐずぐずしていて、ようやく17時すぎから入り初めて、でてきたのが18時半くらいだった。そのあいだひたすら父と待つ。

 

 お腹の調子がいまひとつだというので、木の葉丼を作る。ふたりとも気に入ったようで完食。後片付けをして私がお風呂からでてきたら、母はじっとカバンから保険証をいろいろだして眺めている。

 

 「あしたは病院じゃないから保険証はいらないよ。それよりあしたの行く服を決めたら?いつも服をきめるのに時間かかるから」といっても、

 「服なんてどうでもいいの。いつもきている服でいくから」という。 あ、そう。

 

 21時くらいに私は二階へあがって読書。そのつづきで寝る。朝、8時に降りて行ったら、母が雨戸をあけている。

 

 「きょうはデイサービスにいくから雨戸は閉めたままでいいよ」と言ったら、

 「私はしんどいからいかないよ」という。はじめからいくつもりなどなかったのだ。だから服を選ぶのもしなかったんだ。計画的犯行だ。

 「きょうは行ってよ。はじめて行く日だから私が家族立ち合いのために泊まってたんだから」

 「だってしんどいんだからしかたないじゃない」 らちがあかない。妹に電話して説得してもらっても、行かない、しんどいという。

 

 しんどいわりにちゃんと洗濯も干しているし、父の朝ご飯の準備もしている。9時前に迎えの車がきたので父だけ行ってもらう。そのあと、ケアマネさんが10時ごろにきて説得を試みるも、なかなか頑固。40分くらい静観していたけど、だんだんアホらしくなってきて、「もういいです。これ以上説得してもらっても行かないでしょうから。私も用事を残してきているので帰ります」と、ケアマネさんにあたって(なんでこうなるの。申し訳ない)、ガレージにむかったら、ケアマネさんが「遠いところ高速で帰られるんでしょう。落ち着いてね」と慰められる。

 

 「私、きのうも今朝も母にひどいことばっかり言って、もう嫌なんです。優しくしようって何度思ってもわがままばっかり言うから」

 「うんうん。自己嫌悪になりますよね。でも、もうお母さん、言われたことさえ忘れてはりますよ」

 

 はぁ。それはそれで腹が立つ。徒労感。高速をとばして(欅坂46の「ガラスを割れ」が、ちょうどぴったりのBGM!「おまえはもっと自由でいいんだ」)帰り、妹と今後のことを相談。

 

 私たちちょっとサポートを手厚くやりすぎてるよ。毎週どっちかが訪問っていうのは心身ともに疲れ果てるし、これ以上こんなこと続けたら私たちが壊れるよ。もうやめよう。あとはケアマネさんとヘルパーさん、看護師さんをフルに利用させてもらって、公的機関にめいっぱい頼ろう。なんとかふたりで暮らして行けてるのは私たちの毎週のサポートがあるからだってことわかってないからさ。もうコロナのワクチンの予約も代わりにやるのやめよう。もうすぐ固定資産税の納付書もくるけど、それも放置しよう。お金がなくなったらバスに乗って駅前にいってはんこと通帳があるんだから銀行のひとに訊いておろしてもらおう。ゴミがたまっても新聞がたまっても気にしないでおこう。

 

 ふたりでどこまでやれるか。困ったらむこうから何とかしてくれと言ってくるでしょう。それまでちょっと距離をおくほうがいいわ。私たちはこんなにやってるのにって思ってるし、むこうはむこうで私らの気持を無視して自分たちが楽したいから嫌なところへ通わす、と思っているんだろうし。

 

 いまの状態はお互いが不幸。

 

 感謝とかいたわりの気持ちがお互いにまためばえるまで、雨風にあてよう。

 

 ということに落ち着いた。 ちょっとだけさようなら、お母さん。(父がかわいそうだけど。ごめんねお父さん)

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