ビアンカの  GOING MY WAY ♪

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パリ二人旅 9

2008-12-30 | パリ二人旅

        ・・・・・〈パリ二人旅 8〉の続き・・・・・

サンジェルマン・デ・プレ教会近くのお目当てのカフェはもうすぐそこ!
さぁて、どっちに入ろう?「レ・ドゥー・マゴ」か「カフェ・ドゥ・フロール」か。

 
 

両カフェ共、多くの作家や哲学者、芸術家たちに愛されたという共通点を持つパリ左岸の代表的なカフェですが、サルトルの書斎にもなったというフロールの方を選び、堂々と観光客然として、寒空の下、空席の目立つテラス席に陣取りました。いくら観光化されていようと、初めてなので入るっきゃないでしょう。私としては店内のテーブルのが暖かくてよかったのですが・・。

  

そこで絶対飲むべき、と薦められていたホットショコラを注文。はい、飲物だけの注文です。ケーキもありましたが、どういうわけか旅行中、余り多くを食べたくないのです。憧れのサロン・ド・テ「ラデュレ」にも入りたかったけど、スィーツは見ているだけで充分・・だなんて、普段だったら考えられませんよね。


ちょっと長い旅行時はべ〇ピに悩まされるので、その時点で、どれほどの食物がお腹に溜まったままかを考えると、もう無理だ!と・・。
ホットショコラの味は最高!心身ともに温まりました。寒い時期、外の席はガラガラでしたが、自分が今どこにいるかを考えただけで心はポッカポカ。時間に終われず、ゆっくりと過したくなるような場所だらけですもの。 




★Cafe de Flor:
172 Boulevard Saint-Germain 75006 Paris (web画像
 

 

        
もっとカフェのイスをあたためていたかったけど、こなしたい予定があと一つ。近くにオルセー美術館がありますが、18時閉館なので間に合いません。オランジュリー美術館なら19時閉館なので急遽タクシーをつかまえ、コンコルド広場まで
向うことにしました。                              が、道路は大渋滞!で、広場に着いたときは18時半になりところ。駆け出して美術館へ向かったのに、数分前に閉まったばかりでした!もう、がっかり。

歩いてホテルへ帰る途中、ギャラリーラファイエットのデパ地下に寄り、夕食用の食材(寿司ロールとサラダ、フルーツ、飲物など)を調達。お惣菜売場の店員さんはとても陽気で、片言日本語で話しかけてくるんですよ。こういうお愛想って、イタリアならわかるけど、昔のパリには全くと言ってよいほど無かったことです。(・・って、一度しか行っていないけど。)昔のパリっ子は、こっちが何かを英語で聞いても、フランス語でしか返ってこなかったんですから。だから憧れの都パリ、といっても鼻っ柱が強いという印象をずっと持ち続けていました。今回の旅行を通して、そのイメージはすっかり変わりました。

ホテルに戻り、部屋で食事をし、シャワーを浴び、次は夜のお出かけの支度です。パリ最後の夜は奮発して、オペラ・ガルニエでオペラを、と思ったけど、ちょうどその日はバレエだったのです。ヌレエフ振り付け、とのことで興味ありましたが、パリにしかないシャンソニエにも是非行って聴きたかった。歩いていける所に「コメディー・フランセーズ」もあるし、モーリス・ドニの天井画のあるシャンゼリーゼ劇場もいい。なのに時間は今宵だけ。
娘は「ムーラン・ルージュ」や「リド」などのナイトショーを見たがっていたけど、昔、父などと行ったとき、(私にとっては)たいして面白く感じなかったことを話し、「あなたはきっと又来れると思うけど、ママは最後かもよ。だから、シャンソンにしよう!」と頼んだのです。

 夜遅くから始まるショーは終わる時刻だって午前様。女性二人で夜中にモンマルトルはちょっとね・・。たまたま娘が日本で知り合ったフランス人男性の友達と会う約束をしていたので、じゃ、シャンソンに誘ってボディーガードになってもらおう、ということにしたのです。彼も快諾してくれました。

私たちはタクシーで、フランス人のF君は自分のバイクで、現地で待ち合わせをしました。そのとき捉まえたタクシーの運転手が娘ほどの若い青年で、英語堪能な上、親切。学生さんがバイトとしてドライバーをしているのかしら、と思ったほど見た目もフィーリングも好青年でした。帰りに迎えに来て欲しい、と思っちゃいました。

着いたところは、ピカソやユトリロも皆無名のころ頻繁に通ったというシャンソニエ、「オ・ラパン・アジル」。建物を見ただけでもうドキドキ。ユトリロもこの建物を沢山描いているし、その場所でまだシャンソンを聴かせている、っていうことが嘘のよう。夜暗かったので周りの景色がよく見えなかったのですが、こんな所に、というような場所。

前もって電話で予約を入れておいたのですが、薄暗い店内に入ったところからして、雰囲気ありすぎ。アテンドしてくれた男性だって、びっくりするほどの個性を発しているし、席に通すときも、中央が沢山空いているのに何故ここなの、と思う場所でした。といっても店内は狭い。 ぼちぼち人がやってきては皆、壁寄りに詰めて座るよう案内され、フリードリンクが配られる。梅酒のような甘酸っぱいドリンクだったけど、グラスが小さかった。
 
私たちよりいくらか遅れてF君がやってきました。わが町の近くに住んでいたことがあり、その頃、友達の友達として知り合ったとの事ですが、気さくで飾りっ気まるで無しの人柄に安心しました。

そのうち、さっき受付にいた人など7~8人が入ってきて真ん中のテーブルに座り、歌い始めるではないですか。まるで芝居の一シーンを見ているようです。共に歌ったり、代わる代わる歌ったり、休憩時間まで続きました。

                
フランスでは、シャンソンっていうともう懐メロの分野で、若い人には余り馴染みがないのかもしれません。F君だって(彼はそれほど若くはないけど)、タクシーの若い運ちゃんだって、ここの店名を言っても知らなかったし、お客も中年以上が殆ど。でも歌手の一人は若い女性だったから、愛好者の間で細く長く続いているんだな~と思います。

話すように歌い、歌うように話すシャンソン。歌詞が可笑しくて皆がドッと笑ったりしているときは、F君も笑いを堪えながら内容を娘に小声で伝え、それを娘が私の耳元に日本語で伝えてくれたので、チンプンカンプンで孤立せずに済みました。男女間のきわどい内容の歌詩が多く、お腹がよじれるほどの忍び笑いをしていたF君でしたが、こんなシャンソニエがあるなんて知ってよかった。自分の親を是非連れて来たい、と話していました。

途中で韓国人だか中国人の団体さんがドッと入ってきたのにはびっくり。だから私たちなど、最初からの客を奥に押し込み、反対側のスペースをあけてたんだ、と納得しました。10人以上の団体ですが、その一人は、繰り返しフレーズのときにマイクを向けられても、返せたので拍手ものでした。

団体さんは時間限定のツアーで来ていたと見え、ある時刻に一斉にいなくなりました。私たちは飲物のお替りもぜずに、(というか、オーダーを取りに来ない)シャンソンに聴き惚れっぱなし。オーシャンゼリーゼなど、知っている歌もあったけど、知らない歌のが圧倒的に多かったです。
夜中の一時過ぎになったころ席を立ち、
支払いをしようとしたら、F君が「自分の分はもう払ったから」というので、恐縮してしまいました。最初に、今日は奢りよ、って言うべきでした。彼、見るからに「裕福」とは縁遠いようなお構いなしの身なりなのですが、人として実に気持ちいい青年なんです!

 出入り口付近で若い女性シンガーとお喋りして写真を撮らせてもらい、店の外に出たところで、さっきまで歌っていた中年の男性が出てきたので、又、一緒に写真に納まってもらいました。
とても面白く味のある人です。この夜は彼のオウンショータイムも設けられていて、なんとビートルズメロディーをイスを蹴飛ばす真似をしながらハードにこなしていました。
ほんの少しのあいだでしたが、この周りはブドウ畑だったことなど、そしてまだその畑が残っていることなどを話してくれました。

オ・ラパン・アジルのHPの《AMBIANCE》という項目で歌い手の方々の写真や歴史などを見ることができます。アテンドしてくれた男性がFrederic Thomas。上の男性がGerard Caillieux?(眼鏡掛けていないので違うかも?)中心になって歌っていた男性がIves Mathiewさん。女性はKrystel Barrereさん(かな?)。
日本に帰国後、それらの写真を見つけ、懐かしく思い出しています。

帰りは大きな通りまで降りて行き、タクシーを捉まえるまで、F君がいてくれたので本当に心強かったです。彼はそのあとバイクで、私たちのホテルよりずっと遠い自宅まで帰りましたが、別れぎわに「こんなちっぽけなお土産しかあげられないけど」と言いながら、二つの小さな包みを手渡されました。中にはフェルトで出来たクリスマスツリー飾りが一つずつ。彼らしい素朴なプレゼントに心温まる思いでした。
                         
☆Au Lapin Agileの意味☆

あるとき、モンマルトルで活動していた一人の
無名画家が看板にウサギ(Lapin=らぱん)の絵を描いたのだとか。それが話題を呼び人気も出て、その画家のサイン:A.Gill(=ア・ジル)とagile(=あじる ※敏捷な)という単語の響きにちなんでAu Lapin Agile(=跳ねウサギ)と呼ばれるようになったようです。(web上より)


Au Lapin Agile:22、rue des Saules
18e Paris

 

 

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