ビアンカの  GOING MY WAY ♪

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   人生は ・・・ダバダバダ・・・

叔母といっしょに

2006-03-21 | art/exhibit/museum



土曜日。叔母と電話で話していて、2時間後に
青山にある「根津美術館」に行こうということになりました。
ひな祭り 虎屋の雛人形と雛道具
先週も友人からの電話で、
「私はもう見ちゃったけど良い出し物だからお勧めよ。」
と言われたばかり。豪華なお雛様にはあまり興味がありません
でしたが、これは何かのご縁かなと思い、即決。
何年も前に、地元に住んでいた友人が、お茶会があるから、と、
他の友人共々、誘ってくださって以来の根津美術館でした。

 お雛様の主人公

今回展示されているお雛様とお道具は、
虎屋の十四代店主である黒川光景氏が、
明治30年に生まれた娘、算子(かずこ)のために収集したもの。

京都の丸平大木人形店で新調した雛人形に
東京・池之端の七澤屋製の雛道具は、
どれも極小かつ精巧で、高度な技術を持つ
職人技あっての作品の数々です。
土曜日のせいか、すでに会場は大勢の人で埋め尽くされ、
小さくておまま事のような展示物を鑑賞するには列に並んで
少しづつ進むしかありません。
なぜちっとも進まぬのか?と呆れるくらいで、
これが実にしんどかったのですが、
見ているうちに、なかなか動かない自分を発見。
だって、てのひらに載せて見るほどの小さなもので、
しかも本物そっくりの緻密な作り。
尽々と見たくなるような素晴らしさなのです。
人形の表情がなんとも言えず、かわいくて、ユーモラス。
ないものは何一つない位、何でも揃っています。
これらを全部、大きな雛壇に飾って、お嬢様のために
お祝いをするのですからね・・・溜息の出るような贅沢品。



虎屋本店が赤坂にあるので、てっきり東京の菓子屋だと
思っていましたが、創業は室町時代後期の京都でした。
又、虎屋という屋号の由来ですが、黒川家が代々、毘沙門天を
信仰していたそうでして、この毘沙門天が、
寅年の寅の月、寅の日、寅の刻に生まれたといわれ、
虎の秘める神秘的な力にあやかりたい願いが
込められているようです。

これで、ちょっと敷居が高いなぁと感じていた虎屋が、
伝統を重んじた、信仰心の厚い老舗だったことがわかり、
算子嬢の可愛さも然ることながら、日本の文化を大切に
継承している事に敬意を表したい気持ちになりました。



叔母は長くお茶と茶花を習っていたので、何でもよくご存知。
今は通うのが大変になり、お茶花だけになりましたが、
先生のお話が面白くて、
お稽古を辞める人が一人もいないんですって。
先生はお茶、お花に加え、陶芸、一閑張り、金繕いなど
知識が豊富で、様々な事を教えている素敵な男性です!

叔母は、以前は虎屋の行事等に、よくお仲間と行かれたそうです。
その時には、今回の〈遊戯具〉の所に展示されていた
「投扇興」というお遊びなどが会場に用意されていたようです。
「今はそれも無くなっちゃったようだけど、これもご時世なのかしら」
「広げた扇を的をめがけて投げて、落ちた場所や形で点数を競う遊びなのよ」
と、説明を受けながら見ていると、お隣のご年配のご婦人が
「私が子供の頃、よくそれで遊んだものですよ。」と
ニコニコして私たちの会話に加わってきました。
何とも雅な遊びだこと。

・・・・・・・・・・  【投扇興】  ・・・・・・・・・・
江戸時代の遊戯の一。台の上に蝶と呼ぶいちょう形の的を立て、1メートルほど離れた所にすわり、
開いた扇を投げてこれを落とし、扇と的の落ちた形を源氏54帖になぞらえた図式に照らして採点し、
優劣を競う。1773年(安永2)頃から盛行。


 

展示室は一室だけでしたが、こういったものを楽しんでいる
自分にちょっとびっくり。
年と共に興味が広がっていくのって、いいですね。

お茶室が点在している広いお庭に出ると、
背景に六本木ヒルズが現れました。
緑の茂ったお庭を歩きながらも、樹木や花を見ては
大好きな叔母から色んなことを教えられます。
って言っても私、すぐ忘れちゃう困ったさん。

さ~ぁて、この日のお待ちかねのコーヒーブレークは、
叔母おすすめの「ヨックモック」で。
いつもこの前を『チョッと高そう!』と
通り過ぎるのみでしたが、スポンサー付きは最高