自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

自衛のための軍事研究は否定されない?

2016-05-22 17:52:24 | 自然と人為

 日本学術会議会長の「自衛のための研究は否定されない」(毎日新聞)(コピー)にはビックリ仰天だ。
 日本学術会議大西隆会長は「戦争を目的とした科学研究を行うべきでないとの考え方は堅持すべきだが、自衛のための研究までは否定されないと思う。周辺環境が変わっており、長年議論もないことはおかしい。科学者は何をやってよくて何をやってはいけないのか、議論を深める時期に来ている」と話す。

 「自衛のための研究」は「戦争を目的とした科学研究」ではないということなのか。これは憲法9条2項で戦争放棄を謳いながら、自衛のための軍隊を持たない独立国はないとし、さらに集団的自衛権までを肯定する論調と良く似ている。学術会議会長が危ない政治家に見えてきた。時代がおかしくなると学術研究までおかしくなるということか。

 『日本学術会議憲章』には、「科学は人類が共有する学術的な知識と技術の体系」としている。また、第1項には、「日本学術会議は、日本の科学者コミュニティを代表する機関として、科学に関する重要事項を審議して実現を図る」とある。人類の科学の発展と日本の科学の発展は同じ方向にあるはずだが、「自衛のための研究」は人類を対立させ、戦争を放棄しないことになる。日本学術会議には大学関係者が多く組織されている。若い学生を研究費獲得のために「自衛のための研究」に向かわせて良心が痛まないのか。

 米ソ冷戦時代は宇宙開発も軍事研究であった。しかし、平和目的と称して行われる軍事研究には限界があり、国際宇宙ステーション(ISS)へと進歩している。冷戦時代に宇宙ステーションが軍事目的に利用されていたことを、ロシアは正直に明らかにしている。コズミックフロント☆NEXT「隠された真実に迫る 人類初の宇宙ステーション」(動画)は、そのことを教えてくれる。研究は未来を目指すものであるはずだ!
参考:コズミックフロント☆NEXT(2016年5月19日,5月25日再放送の予定あり!)
「隠された真実に迫る 人類初の宇宙ステーション」(動画)

 この会長は熊本地震のことを英文で外国に知らせてるが、日本人へのメッセージはないのか? わざわざ会長談話を出すのだから、学術会議が何を目指すのかを含めて報道されている情報より学術的価値が高いはずだ。科学者でありながら、日本と世界へのメッセージをなぜ区別する必要があるのか?
The 2016 Kumamoto Earthquake on April 16 and Our Actions

 日本学術会議の市民向けシンポジウムは参加したいものが多い。参加できない人のために、インターネットで公開してもらえないものか。「自衛のための研究」の議論についても公開してもらいたいものだ。

日本学術会議シンポジウム
人類1000 万年史~類人猿から日本人まで~(2016 年6 月25 日)
「権利」を解剖すする(2016 年 7月 9日)
自己を知る脳・他者を理解する脳(2016年9月10日)

初稿 2016.5.22

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