旅はまだ終わらない(旧構造有機化学研究室)

構造有機化学研究室(1992-2023)のホームページを引き継いだものです。

英語民間試験見送りで思うこと

2019-11-02 10:29:04 | 日々思うこと

     

来年度からの大学入学共通テストで導入予定だった英語の民間検定試験の実施が延期をされ、各方面に戸惑いや憤りが広がっているようである。 ただ、現在の日本の教育行政の混迷を見ていると、それほど驚くことではないような気がする。 そもそも、現行のセンター試験を基軸とした入試制度のどこに問題があって、だから新しい方法を導入する必要があるのだという議論がほとんどなかった。 表現は悪いが、ただただ、入試改革のための導入だったのではないだろうか。 このようなことは入試に限ったことではない。 大学改革も同じようなものである。 変えることだけが重要で、その後は誰も責任を取らない。 だから長続きせず、また変える。 その繰り返しである。 まあ、これだけ頻繁に改革、改組を行っているにも関わらず、世界的には、日本の大学の相対的地位が下がっていく姿を見せつけられると、現場には徒労感しか残らないのも事実である。 大学入試に限って言えば、一体いつまで、入口でごちゃごちゃしているのだろうか、と言うのが実感である。 大事なのは、大学や大学院を出る時に、どれだけ知識、能力、スキルを身に着けているかであるが、そこの議論は全くない。 少し前の村上龍のエッセイにあった文章を思い出した。 「よくわからないまま学生時代の大半を就職活動に費やして、系統だった学問を収める時間がない」、まさに今の大学の現状を言い当てている。

     

From Face Book: Reforms without perspectives.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする