日本古典の名作、鴨長明の「方丈記」を読みました。気付きませんでしたが、この「方丈」というのは一丈四方のことで、今でいう四畳半程度の住処で書かれた記文、という意味のようです。
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。」という冒頭の文に表れているように、所業への無常で貫かれていますが、住処についても執着することへの無意味を述べています。
歳をとるごとに住処を狭くし、齢60にしてこのような四畳半の極シンプルな生活に行き着きました。生涯、不安定な政情や大火、飢饉を経験するなかでこのような人生観を築いたのでしょう。物質至上主義の現世にあっては何か訴えるものがあります。
また、この四畳半の家は釘は使わず掛金で止め、もし住みにくい場合は他所に引越しができるように配慮した、とあります。移動式シンプル住宅。人生の結末は寂しさが伴うものですが、鴨長明の淡々とした文章からは世俗にいういわゆる「寂しさ」を乗りこえ、自然と一体となった境地の暮らしが浮かび上がってくるように思えました。
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。」という冒頭の文に表れているように、所業への無常で貫かれていますが、住処についても執着することへの無意味を述べています。
歳をとるごとに住処を狭くし、齢60にしてこのような四畳半の極シンプルな生活に行き着きました。生涯、不安定な政情や大火、飢饉を経験するなかでこのような人生観を築いたのでしょう。物質至上主義の現世にあっては何か訴えるものがあります。
また、この四畳半の家は釘は使わず掛金で止め、もし住みにくい場合は他所に引越しができるように配慮した、とあります。移動式シンプル住宅。人生の結末は寂しさが伴うものですが、鴨長明の淡々とした文章からは世俗にいういわゆる「寂しさ」を乗りこえ、自然と一体となった境地の暮らしが浮かび上がってくるように思えました。