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つながりあそび・うた研究所二本松はじめ

二本松はじめ(ピカリン)の活動予定や活動報告、日頃、考えていることなどを書きます。研究所のお知らせも掲載します。

抱っこ通信1146号 へのちから(イモ食えば)

2020年12月15日 | 抱っこ通信
 先週の『ジングルジャンケン』に続いての「ギターを持ったサンタクロース」編です。
 市内の幼稚園のクリスマス会に呼ばれて必ず歌う曲が、この『へのちから』。
 「え~とジングルベルってどういう歌だっけ?」。子どもたちが口々に歌いだす。「なんか違うな、では、これからジングルベルの本当の歌を歌います。サンタクロースの国の子どもたちがつくった歌です。すぐに覚えられますよ、うたえますよ。大きな声で一緒に歌ってください。では、発声練習から。ジングル~」とやって歌いはじめます。子どもたちは一瞬、キョトンとしますが、すぐに大笑い。一番をもう一度繰り返すと、もう子どもたちからは♬プップップ・・・♬の大合唱。気分よく2番、3番と続けます。

 ま、子どもたちからは「アンコール!」なんて、声は掛かりませんから、自分で「アンコール!」なんて叫んで勝手にもう一度、歌います。子どもたちには大受けですが、先生たちは苦笑い。それでも、毎年歌っていますから先生たちもひょっとして楽しみにしていたり・・・。その後、1週間は幼稚園では『へのちから』の歌が聞こえているそうです。


 『へのちから』を知ったのはいつ頃なんだろう。市内の幼稚園で歌っていたということは70年代にはすでに知っていたということですね。月1回、市内の喫茶店で開いていたのんびりコンサートで、高校生だったツトムくん(今でも、愛着を込めてツトムと呼び捨てにしています)が歌っていたような気がしていました。ツトムは全レク時代にお世話になったお母さんの関係で、ツトムが中学生の頃から知っており、バンジョーなんかも弾くフォークソングをこよなく愛する青年でした。そこで、ツトムに久しぶりに連絡を取り、いろいろ教えてもらおうと思いました。高校生だったツトムはもう61歳、再任用で都内某区の児童館館長をしています。

 結局、ツトムもいつ頃から知っていたのか、歌っていたのかをあまり記憶にありませんでした。ツトムに聞きたかったことがもう一つ。『へのちから』の4番を歌っていたような気がしていたので、その歌詞を知りたかったのです。♬浅間山から 鬼がケツ(顔)出して 鎌で掻っ切るような屁をこいた ドンドンドン・・・♬というような歌詞です。
 結局は、これもよくわからずじまいでしたが、黒坂正文さんが歌っていたようだとツトムが言っていました。黒坂正文(黒坂黒太郎)、高田馬場にあった「うたの店十一時館」でステージリーダーをやっていたことを思い出します。何度か、「うたの店十一時館」には行きましたが、その時の彼のイメージと『へのちから』はまったく合わない感じもしますが。

 今思えば、分からずじまいでいいような気がしています。『へのちから』そのものが戦後の子どもたちが歌いだした替え歌であることや、口から口へと広がってきたこと、そして、いつかしら私の耳にも入ってきたことでいいのですね。まさにフォークソング、あそびうたです。


 1995年に音楽センター・あけび書房から出版されたCDブック笠木透著『昨日生まれたブタの子が~戦争中のこどもたちのうた~』によると、笠木透は「敗戦後食べるものがなくて、ぼくらはいつも芋ばかりオナカがペコペコだった」。そして「大人たちと一緒に、山や原野を開墾し、そこにサツマイモを植えた」。そして、朝も昼も夜もふかしイモを食べた。「イモばかり食べていると、おならが出る。へばっかししていたぼくらは、この『ジングルベル』を替歌にしまったのです。
 戦争中の軍靴を替歌にして、戦争反対や厭戦をうたにしたぼくらは、戦後は、アメリカの歌を替歌にして、自らの暮らしぶりをうたったのです。大人たちの右往左往、席にもとらずに変貌していく姿とくらべると、なんと一本スジを通した生き方でしょう」と書いています。戦後の子どもたちが歌いだしたと前に書きましたが、あの戦争を経験した子どもたちでなければつくれなかった歌ですね。

 ちなみに、そのCDブックではタイトルでは『イモ食えば』になっており、一番は♬ズボンが破れる♬、二番は♬パンツが破れる♬となっていますが、今回は、あえて、私に届いたタイトルと歌詞、1番が♬パンツが破れる♬、二番が♬ズボンがはじける♬としました。
 
 また、2008年に音楽センターから発行された『ピカリンベストつながりあそび・うた3 乳・幼児編』に『へのちから』を収録しましたが、そこでは、替え歌をつくってあそぼうと提案しました。例えば、芋や豆ではなく、ゴボウだったら?タコだった?ケーキだったら、どんなオナラの音がするのだろうと。

 ということで、『へのちから(イモ食えば)』を子どもたちと歌ってみてください。『聖夜』とか『あわてんぼうのサンタクロース』とかと一緒に歌わない方が良いと思います。みんな『へのちから』に食われちまいますよ。『ジングルベルジャンケン』で遊ぶことはお薦めです。

『へのちから(イモ食えば)』
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