つながりあそび・うた研究所二本松はじめ

二本松はじめ(ピカリン)の活動予定や活動報告、日頃、考えていることなどを書きます。研究所のお知らせも掲載します。

抱っこ通信1244号 研究所風の便り2022年11月号原稿 自分を表現する、表現出来るよろこび

2022年11月04日 | 抱っこ通信
10月に遊びに行った山口市のたんぽぽ保育園での話です。

年長のぞう組さん20人と約10人の先生たちと、『動物園は大騒ぎ』を初めて遊びました。園庭にマットを10枚散らして、3人ずつがその上に乗ります。リーダーの「動物園は!」の合図の後に、みんなが一斉に「大騒ぎ!」と叫んで、他のマットにバラバラに移動するだけ簡単なルールのあそびです。イス取りゲームとルールは同じです。一つのイスに3人が座ると思ってもらえばいいのです。

 何回か私がリーダーになって「動物園は!」とやっていましたが、みんなの遊ぶ姿を見て、なんとなく子どもたちがルールを覚えられただろうと思った時から、私も遊びの中に入りました。マットに乗れなかった人(残った人)が新たなリーダーになって『動物園は大騒ぎ!』を遊んでいました。数回目にぞう組さんの中でもからだが小さ目の子どもがリーダーになってしまいました。みんなから「リーダーはキミだ!」と言われても(励まされても)、なにか、もじもじして、後ずさりして、リーダーの役割の「動物園は!」が出てきません。しばらくするとまわりの子どもから「動物園は大騒ぎって言って」「恥ずかしいの?」「頑張って」とか声がかかります。その内に「一緒に言ってあげようか」と言う子どもも。なんとみんなが励ましてくれます。が、なかなか出来ません。その内に誰かが「好きな人と一緒に言えば」と。小さい子は好きな人のところへ行って、手をつないで中央に出て来て、一緒に「動物園は大騒ぎ!」と、遊びが続きました。その間、5分もかかったとも思いましたが(実際はもう少し短かったような気がしています)、先生たちは見ているだけで口出ししません。私も見ているだけ。でも内心ヒヤヒヤ。

 保育園での生活で子どもたちのつながりあいがつくられてきていて、自分たちでいろいろなことも解決しようとすることも出来るようになっているのですね。遊びの場だけでなくそのような保育があるのでしょうね。そのことを知っている先生たちです。それ以上に子どもたちがちゃんとお互いのことを理解し合っているんですね。とってもこころが暖かくなり、『動物園は大騒ぎ!』のようのつながりあそびがますます好きになりました。ま、最後の方は、リーダーになりたい子、「リーダーはキミだ!」を言ってもらいたい子が多くなって、あそびのテンポがグズグツになってしまいましたが・・・。

その後の『ダルビッシュ』の時もそうでしたが、子どもたちと先生たちの遊ぶ姿を見ていた先輩先生たちが、「あの子はやっぱりね」「あの子がこんなに出来るとは思わなかった」等々、一人一人が見せる姿に驚くやら感動するやら、遊びの中では性格までが出ちゃうものです。この自分を表現する、自分自身が表現されるということがつながりあそびの楽しいところ、素敵なところかなと思います。今の時代、今の社会でなかなかありのままの自分を表現する、表現出来ることの楽しみが奪われていますからね。


10月29日には、大阪のつながりぬくぬくの仲間たちのわくわく保育セミナーが、待ちに待った対面で開かれました。「自分の原点の場が戻ってきた」「顔を見合わすだけで」「久しぶりの涙と笑いが自分にも」「なにもかも忘れて」等々、嬉しい感想が届いています。「二人の『おいらカエルやめる』、至福の時間だった」とも。まだまだいろいろ難しい状況ですが、やって良かったです。これはコロナ禍の中でも、つながりあそび・うたの火を消すなとオンラインでも毎月わくわく保育セミナーを開いてきてくれたつながりぬくぬくの仲間たちとまっちゃんの力です、お陰です。対面の代わりだけでなく、新しい研修やライブ、つながりの可能性への挑戦です。これからも楽しみです。

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