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つながりあそび・うた研究所二本松はじめ

二本松はじめ(ピカリン)の活動予定や活動報告、日頃、考えていることなどを書きます。研究所のお知らせも掲載します。

抱っこ通信1153号 子どもたちと遊んで

2020年12月27日 | 抱っこ通信
 20年以上、東京のO保育園に遊びに行っています。11月は2部制で、前半は地域の親子と乳児クラスの子どもたちと、後半は3,4,5歳の幼児クラスの子どもたちと遊びます。2月、または3月は幼児クラスの子どもたちとだけ遊びます。秋の遊ぶ時間が短いので、たっぷり遊んでほしいという思いから出発しています。
 幼児クラスは、私の顔を見つけると、「ダルビュッシュやろう! ダルビュッシュやろう!」と誘われます。最初は『ダルビュッシュ』ってなんのあそびかわかりませんでした。私が呼んでいた遊びの名前は『だるまさんがころんだピカリンバージョン』だったのですから。子どもたちの中では、保育の中でも楽しんでいるので『ダルビュッシュ』が定着していたのです。

 いつだったかの秋は、子どもたち「ダルビュッシュやろう!」と誘われていたのですが、つい他のつながりあそびを楽しんでしまい、『ダルビュッシュ』を忘れてしまったことがありました。終わりの時間に、子どもたちからは抗議、抗議。ほんとうに申し訳なかったです。必ず春に遊んでいるので、秋は遊ばなくてもいいかなと軽く考えていた部分もあったのです。でも、子どもたちはそうはいきません。ずっと、「ピカリンが来る」、「ピカリンとダルビュッシュを遊ぶ」と決めていたのですね。

 なんで、そんな『ダルビュッシュ』が子どもたちに受け入れたのでしょうか。きっと失敗したことも楽しめているのですね。失敗しても何度も挑戦できるのが嬉しいのですね。「失敗したって良い。何度も挑戦することが、あきらめないことが大事。必ずゴールできるよ」そんなメッセージを込めた遊びです。もう一つ、ちゃんと自分を見ていてくれるという安心感や嬉しさです。「○○ちゃん動いたよ」「○○ちゃん、動かなかったからセーフ!」とか、一人ひとりの動きを毎回ジャッチしています。時には見えないくらいの動きも。子どもたちにとって、結果はどうあれ、ちゃんと自分を見ていてくれるというのが嬉しいのです。
でも、これは私の側からの考えです。子どもたちは、単に「楽しい」「おもしろい」から遊んでいるだけだと思います。

 ま、ほんとうは、子どもたちとあそびながら、子どもたちのあそぶ姿をみながら、このあそびから学べるもの、引き出せるものはなんだろうかと後付けで考えたに過ぎないだけです。つながりあそびを創作する時や、口から出まかせに遊ぶのは、自分がこんな遊びだったら面白いだろうか、子どもたちの笑顔を見たいとか単純なものですが、遊び込んでいるうちにいろいろな発見があるのです。子どもたちから教えてもらっているのですね。子どもたちを知ることにもなるし、保育を知ることでもあるのです。これがあるから面白くて、楽しくて、つながりあそびをやめられない大きな理由なのです。

 最後に「ダルビュッシュ!」「ダルダルソース!」などのNGワードをどこで発するか、また、早く叫んだり、ゆっくり叫んだり、途中で叫ぶテンポを変えたり、遊びをおもしろくするポイントも子どもたちと一緒に遊んでいれば、分かってきます。「遊んでいれば」です。「指導していれば」ではありません。
良く指導することが好きな人に、指導する自分が好きな人に見られる「だるまストーブ」「だるま弁当」など、頭に「だるま」の3文字がつく言葉は、私は叫ばない方が良いと思っています。みんな引っかかっておもしろくありません。2文字までが動いてしまうか、止まっていられるかの微妙なところでおもしろいのです。この微妙さ、あいまいさが、楽しめたらいいですね。『ダルビュッシュ』は全員をゴールさせる遊びです。
 
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抱っこ通信1152号 ぼくズルしちゃった

2020年12月24日 | 抱っこ通信
 今日のつながりあそび動画『ダルビュッシュ(上級編5歳児~』です。なんども失敗して笑っている姿が良いですね。当然、大人も失敗します。むしろ、子どもたちの方が『ダルビュッシュ』は上手かもしれません。子どもたちの『ダルビュッシュ』が終えた後に、よく先生たちだけで遊びます。その時の子どもたちの先生を応援する声の大きいこと大きいこと。嬉しいです。先生の中でも大胆にゴールに突っ込もうとする人や、「だるまさんがころんだ!」にヤマを張る人、反対にチマチマチマチマ、いや、少しずつ少しずつ慎重に動く人などいろいろな姿が見えておもしろいです。先生たちから良く聞きます。「『ダルビュッシュ』って子どもの性格がよくわかる遊びですね」と。


『ダルビュッシュ』の思い出その③
 2009年、福井県のつながり仲間の保育士から何回か聞いた話です。
はじくん(仮名)は年長さん。なかなか自分のことをコントロールすることが難しい子どもでした。ですから、なかなか保育園の友だちとの関係性もうまくいっていません。
 はじくんの通っていた保育園は、保育園児14人の小規模園。年度内に3歳になる子どもから保育園に入れます。年長組には6人の子どもがいました。職員4人、内訳は園長(正職)、保育士(正職と臨時)2人、給食調理員1人で、なんとか保育はまわっていて、一人ひとりの子どもについて職員全員が良く見ていられる職場でした。
 保育園の前が海で、よく海で遊んだり、自然の中を散歩したりと、いろいろあるのでしょうが、それなりに子どもたちも先生たちも保育園生活を楽しんでいました。

 その中でのつながりあそびを楽しんでいること、特に『ダルビュッシュ』を遊んでいる子どもたちの姿と、はじくんの成長の話を担任の先生に聞けるのが楽しみでした。
 最初の頃は、はじくん『ダルビュッシュ』はうまく遊べません。ふざけてわざということもあるかもしれませんし、ルールの理解度も問題もあるのでしょう、すぐにアウトになってしまいます。アウトになってスタートラインに戻るときもありますが、部屋を飛び出してしまうこと方が多かったです。それでも、友だちが楽しそうに遊んでいるので、はじくんは『ダルビュッシュ』にはなんども参加します。それでまた、なんども飛び出したりしながらですが。
 
 それでも、月をまたいでくり返し遊んでいく中で、外に飛び出すことが減り、部屋のカーテンの後ろに隠れたり、部屋の隅に行ったりと、少しずつ飛び出してしまう自分と格闘する姿を見せはじめます。2か月を経過するころに、やっとはじくんもゴールすることができるようになりますが、ゴールできたことが嬉しくて、部屋の外へ飛び出してしまうくらいです。
 
 そのうちはじくん、『ダルビュッシュ』のリーダー(先生役)をやりたいと思うようになります。そうです、子どもたちだけで遊んでいるのです。先生がリーダーとなって遊んでいなかったのです。友だちがかわるがわるリーダーとなって遊んでいたのです。そんな姿を見て、自分もやりたいと思っていたのです。友だちは、はじくんがリーダー役をできるかどうか心配したのは当然です。それでもはじくんのリーダー役でまったく普通に、当たり前ですが楽しく遊べました。
 はじくんはリーダー役をできたこと、主人公になれること、友だちみんながはじ君のリーダー役で遊んでくれたこと、受け容れてくれたこと等々、嬉しかったに違いありません。

 ちょうど、そのころ、運動会ごっこのリレーで、はじくん走るコースを逸脱して、近回りをしてしまったことがあったそうです。勝ちたかったのです。その日のお迎えを待つ間、先生と竹馬の練習していた時に、はじくんが先生にポツンとつぶやいたそうです。「今日、ズルしちゃった」と。リレーで自分がズルしたことをわかっていて、彼なりに反省していたのです。自分を少しだけコントロールできるようになってきたのでしょうか。『でんしゃにのってゴーゴーゴー!』で運転手交代ができるようになったのもその頃でした。『ダルビュッシュ』を遊び始めてから3か月は過ぎていました。

 先生たちが願う保育の中につながりあそびが生きていて、活かされていて嬉しい話でした。『ダルビュッシュ』を遊んだ時間はわずかであったとしても、つながりあそびと自分の願う保育とのどこかに共感できるところがあったからこそ、保育の中で子どもたちと楽しんでくれたのでしょう。その楽しさ中でこそ、子ども自身がいつか自分の主人公になること力を獲得していけるのだと思った話でした。

【注意】はじくんが遊んでいた当時は、『ダルビュッシュ』と呼んでいません。『だるまさんがころんだピカリンバージョン』と呼んでいました。


ダルビュッシュ(上級編5歳児以上)
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抱っこ通信1151号 『ダルビュッシュ』で感じほしいこと

2020年12月23日 | 抱っこ通信
 今日のつながりあそび動画『ダルビュッシュ(中級編)』が、中級バージョンとは言え、普段、子どもたちが遊んでいるバージョンです。動画では、「ダルビュッシュ!」!としか叫んでいませんが、これに「だんごやさん」「だんごむし」などが加わってくると楽しいですよ。
 
 実は、この動画の収録のときに、私がルールの説明を間違っていました。「動けるのは、ダルビュッシュ!と言った時だよ」なんてね。恥ずかしながら動画を見て初めて気がついたのです。道理で、最初のうちは全レク一座の仲間たちの表情や動きがぎこちなかったのですね。初めて遊んだからだけではなかったのですね、申し訳ない。ま、なんとか動画編集でごまかせました。それでも、遊んでいく中で表情も、声も変わってくるのが見えると思います。もう少し遊び込みたかったです。


『ダルビュッシュ』の思い出を紹介します。

『ダルビュッシュ』の思い出その①
 東日本大震災の被災地、特に岩手県沿岸部の保育園を毎年まわっています。今年はコロナ禍でまわれませんでしたが、岩手県保育連絡会の仲間たちと共に、すでに3回目になる保育園もあります。
 抱っこ通信に以前にも書きましたが、20011年7月20日、大槌町の3つの保育園で遊んだのが最初です。前々年の岩手県での全国合研のプレ企画に参加した、大槌町でただ一つの公立、安渡保育所のかよ先生は、プレ企画の時の私の話から「いのちをつなぐ=保育」という言葉が印象に残っていたそうです。
 大震災で全国の様々な人たちからの支援を受ける中で、一番大切なのは「いのちをつなぐこと」と思い、私に会いたい、そして、子どもたちにも是非会わせたいと思っていたそうです。その会いたいという話を岩手県保育連絡会の仲間や全国保育団体連絡会の仲間から聞いて、これは何が何でも遊びに行かなくてはと出かけたのでした。

 宿をとっていた花巻市から約3時間かけて保育所に到着し、その後の夢わかばプロジェクト岩手ツアーでずっとお世話になる岩手県保育連絡会のホワイティ(当時副会長)さんと合流。当時の安渡保育所は、小学校の空き教室を使って保育をしていました。体育館と教室は仮設避難所でもありました。
 子どもたちと『元気いっぱい』『満月仮面』『ゴシゴシゴシゴシ』『1・2サンポ(さんぽの歌で)』『でんしゃにのってゴーゴーゴー!』『ダルビュッシュ』『春よ来い』『夢わかば』『さよなら明日もね』などと、いつものようなつながりあそびの内容で1時間遊びました。
 「心の中に春の蕾をふくらましておこうね」「生まれてきてくれたんだから生きているだけでいいよ」などのメッセージを遊ぶ中で送りました。『だるまさんがころんだピカリンバージョン(ダルビュッシュ)』は、「あきらめないでね。失敗したっていいよ。何度でも挑戦しよう!」のメッセージを込めて選曲し、遊びました。その後の岩手ツアーでも必ず『ダルビュッシュ』は遊んでいます。

 安渡保育所でのつながりあそびでは、最後にかよ先生から『手と手と手と』のリクエストがありました。「春のつぼみを膨らまし、花を咲かすためにはひとりぼっちじゃ咲かすことができないよね。友だちと手と手と手とをつないだ時に咲かすことができるんだよね』のメッセージを添えて歌いましたが、子どもたちも保育の中で歌っていたようで、大きな歌声が教室内に響きました。

 あれから、もうすぐ10年が経過しようとしています。その後、安渡保育所には2度遊びに行っています。かよ先生もその後、所長になり、今はすでに退職なさっています。「だるまさんがころんだ」の言葉やあそびと共に、「心の中の春の蕾をふくらませること」を「あきらめない」気持ちが、子どもたちの中のどこかに残っていると嬉しいです。


『ダルビュッシュ』の思い出その②
 2014年6月27日、串間市保育協会の保育士研修会の翌日、市内のすべての保育園児年長さんが集まっての1時間つながりあそびを楽しみました。研修で学んだ内容を子どもたちと遊ぶ中で確かめてみようという企画でしょうか。講師としては、ちょっぴりきつい時です。研修で言っていた内容と子どもたちの姿と違っていたらどうしようかなとプレッシャーも感じます。串間市では研修会の後に子どもたちと遊ぶという企画は3回目かな。

 初めて串間市での保育士研修会は、宮崎県保育連絡会の研修ツアーの時だったと思いますが、宮崎市から串間市に入りました。太平洋側の海岸線を車で走りますが遠い、遠い。えらいところに来てしまったと思ったもんです。でも、串間の保育の仲間たちは、昔から学習熱心で研修会も数多く開かれていたそうです。その後も数年に一回は串間に入っています。

 さて、子どもたちと担任の先生たちと約120人位で遊ぶのですが、その中で『ダルビュッシュ』を楽しみました。
 地域センターの体育館の両サイドに分かれ、各園の担任の先生がゴール役で子どもたちがゴールを目指すのですが、一回目はルールの覚えてもらうために、NGワードの「ダルビュッシュ!」は入れずに、まずは誰でもがゴールできることを伝えます。
 
 二回目からは「ダルビュッシュ!」を入れながら遊んでいきますが、これも比較的「ダルビュッシュ!」を入れる回数を少なくして全員がゴールできるように遊びます。でも、この回では、早くゴールする子どもと、何度も失敗(アウト)してスタートラインを往復する子どもが出始めてきます。
 
 三回目です。「ダルビュッシュ!」の回数を多くしたり、少しだけ叫ぶトーンを変えたり、早く叫んだり遅く叫んだりしながら、アウトになる子どもを増やしていきます。早くゴールする子どもの人数は減りますし、なんども失敗する子どもが増えてきます。それでも最後は、全員がゴールできるように遊びます。

 「いままでは練習!今度が最後、本番だよ!」なんて叫びながら四回目です。「ギャー!」なんて叫びながら嬉々としている姿が伝わってくる子どもたちです。こちらも真剣です。「だるまさんがころんだ!」の叫び方(言い方)や「ダルビュッシュ」の叫び方(言い方)を毎回変化させるのはもちろんのこと、いろいろアウトにさせようと努力します。特に、いままで早くゴールをしていた子どもをアウトにすることに熱心になります。それでも子どもたちです。なかなかこちらの罠というか、思惑を越えて次々にゴールしていきます。そんな中で、なんどもなんども失敗する子どもが少なくなり、三人を残して全員がゴールしてしまいました。
 三人で『ダルビュッシュ』に挑戦です。他の仲間たちが見ている中で「だるまさんがころんだ」で前進してきます。もう少しでゴールという距離で、自分でもなぜ、叫んだかがわかないのですが「ダルビッシュ!」と叫んでしまいました。三人のうち二人がゴール。失敗したひとりの子どもだけがスタートラインに戻っていきます。でも、この子、あきらめないのです、ひとりで挑戦です。ワザと間違える子どもが、時々いますが、この子はそういう子どもとは違うのです。
 「だるまさんがころんだ!」だけを叫び続けました。もちろん、叫び方のニュアンス等は変えながらです。そして、ついにゴールしました。その時です、私には想定しないことが起きたのです。ゴールを見届けた仲間たちから拍手が湧き起ったのです、全員が拍手をしているのです。ビックリするやら感激するやら、『ダルビュッシュ』を創作したものとして泣きたい気持ちでしたよ。
 最終的には全員がゴールできるように配慮しながら楽しみたいですね。
明日は『ダルビュッシュ(上級編)』です。

今日、YouTub二本松つながりあそびチャンネルにアップしました。
『ダルビュッシュ(中級編4歳児~)』
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抱っこ通信1150号 つながりあそびで親子も笑顔に

2020年12月22日 | 抱っこ通信
 『ダルビュッシュ』は、つながりあそびコンサートでは一番人気です。自分でもいつ創作したのかはよく覚えていませんが、『ダルビュッシュ』と名付ける前は『だるまさんがころんだピカリンバージョン』と呼んでいたようです。
 そんな証拠ではないのですが、保育者と父母を結ぶ雑誌「ちいさいなかま」2009年5月号企画「ふれあい遊びを楽しもう!」で原稿を書いてありました。少し長いですが転載します。
 また、『ダルビュッシュ』初級編よりも、もっと易しい初心者編(2歳児未満、親子編)が紹介してありますので、紹介します。


つながり(ふれあい)あそびで親子も笑顔に
            二本松はじめ(つながりあそび・うた研究所)

笑顔はつくりだすもの
私の長女は生まれたときの体重が少なかったので、未熟児として一週間ばかり 保育器の中に入っていました。ですから直ぐには抱っこができなかったです。待ちに待った初めて抱っこしたときは嬉しくて、「あいみ(愛美)ちゃん」と呼びかけました。その時にあいみちゃんは笑ってくれたのです。
 そのことが嬉しくて、嬉しくて、その表情(笑顔)が見たくて、その後も名前を呼ぶというより、やさしく語りかけました。きっと私の表情も優しい笑顔になっていたと思います。ミルクを飲ませる時、オムツを替えるとき、寝かせる時、などなど、いつでもどんな時も子どもの目をみながら語りかけたものです。そのつど、子どもは必ずとは言えませんが笑って応えてくれませした。そして、だんだんに笑いかえしてくれる数が増えてきました。抱っこすることで、目と目で話をすることで、微笑みあうことで、親子としての心がつながって育ってきたように思うのです。
 きっと私(親)の笑顔が子どもの笑顔をつくりだして、子どもの笑顔が私(親)の笑顔をつくりだしているのですね。お互いに嬉しさを、しあわせをつくりだしているのですね。
 保育園に行き始めた頃に、そのことを保育士さんに話したことがあるのです。「あいみが生まれて一週間くらいかな、名前を呼んだら笑ってくれたんですよ。嬉しかったな」と。そうしたら先生はなんと言ったと思います。「あいみちゃんのお父さんさん、あれは笑ったとは言わないんですよ。あれは顔が痙攣しただけですよ」と。ウーン、それはそうなのだけど・・・、なんて親心が分からない先生だと思いましたよ。
 その新生児の笑ったような表情を「新生児微笑」、「生理的微笑」、「エンゼルスマイル」などと呼ぶことを知ったのはずっと後からです。

人間関係の出発点に立ち返れる
 どうも「つながり(ふれあい)あそび」の楽しさ、大事さは、人間が誕生した時からの抱きあう、見つめあう、声をかけあう、微笑みあうといった人間関係をつくだす出発点になったり、出発点に立ち返れたり、さらに人間関係を発展させることにもなるのではと思います。親子であそぶということは親子関係を、友だちとあそぶということは友だち関係をさらに豊かなものにしていくのです。子どもはそんな人と人とのつながりあいの中でこそ育っていくのです。子どもだけではないですね、親も含めた人間すべてです。

親が「嬉しい」を伝えること
 親には子どもの存在そのものがしあわせを与えてくれます。オギャーと生まれる前からです。日に日に膨らんでくるお母さんのおなか見ているだけでしあわせだったですね。お母さんのおなかを触ったり、おなかの中にいる子どもに話しかけたりしませんでしたか。将来、どんな子ども(人)になるのかはわからないけれども、そこにいてくれるだけで、生まれてきてくれただけで嬉しかったですよね。生きていてくれるだけでしあわせだったですよね。きっと親はその「嬉しい」「しあわせ」の気持ちをあそびながら子どもに伝えているのですね。子どもからもきっと「嬉しい」「しあわせ」という気持ちが返ってきていると思います。お互いがそういう気持ちをつくりだしているのです。ここも大事なのです。

まず親自身が楽しむこと
 最近、やっとそんなことに親子つながりあそびコンサートをやっていて気がついてきたのです。コンサートの2曲目に自己紹介を兼ねて『満月仮面』という曲をうたうのですが、その中で「タカイタカイマンがやってきた!・・・」という歌詞と共に、保護者に子どもを「たか~いたか~い」してもらうのですが、その時、子どもたちが嬉しそうにしているのは昔からだったのですが、保護者の表情を良く見ていると、これまた嬉しそうな表情をしているのですよね。きっと私が、気がつかなかっただけだと思うのですが。
 もちろん、間奏の間に「次にやってきたのはタカイタカイマン、みんな立って子どもたちを高く高く、たか~いたか~い」なんて言うと、保護者の反応はだいたい「えー」なんていう感じなんですが、この反応は疲れているから仕方ないのですが、実際にやり始めると結構嬉しそうで、思い切り頭上に放り投げるように「たか~いたか~い」をしてくれるお父さんもいます。
 きっと親は子どもにとって「良い親」でありたいのですよね。同時に、子どもの笑顔が見たいのです。子どもの笑顔が嬉しいのですよね。子どもだって親の笑顔を見たいのです。親の笑顔が嬉しいのです。「ふれあいあそび」は、どうもこの親自身の「嬉しい」「楽しい」が大事なような気がしているのです。
これまた最近知ったことですが、「育児工学」という学問の研究の中でベビーマッサージの効果として、触れ合うことで赤ちゃんの自律神経に働きかけるだけでなく、母親も脳のストレスが減るなど母親自身にも良い影響が出ることが分かってきたと知りました。
 ですから、もしかしたら親自身が「たか~いたか~い」をしながらストレスを少し解消していることかもしれませんね。同時に、子どもの笑顔が嬉しいのです。
 ですから「子どもへ」の前に、親自身が嬉しいから、楽しいからあそぶということが大事なような気がしています。親だから、保育士だから、仕事だから、仕方なくでは、どもがちっとも楽しくありませんし、嬉しくもありません。でも、そんな親に、保育士に「付き合ってくれる」子どもが増えているような気もしていますが・・・。まずは親自身が楽しいということが大事なのです。親が楽しいから子どもも楽しいのです。

人間らしく生きるためにも
 お父さん、お母さん、先生、最近どうでしょうか?子どもと抱き合ったり、見つめあったり、言葉を交わしたり、笑いあったり、あそんだり、楽しんでいますか?
 そういう時間も機会も気持ちも少なくなっていませんか?きっとそういう時間も機会も気持ちも奪われているのです。それは人間らしく生きることを奪われていることなのです。
 抱き合ったり、見つめあったり、笑いあったりする動物は人間とチンパンジーだけらしいです。人類はそうしないといのちをつなぐことも、生きることもできなかったのです。思い切り大きな話になってしまいましたが、だからこそというわけではありませんが、人間らしさを奪うものに立ち向かうためにも、人間らしく生きるためにも、いま意識的に親子で、仲間の中で「つながり(ふれあい)あそび」で「楽しい」をつくりだしてほしいのです。まずは、子どもと抱きあう、見つめあう、声をかけあう、微笑みあうからね。


今、保育現場で好評のつながりあそび・うたを紹介します。親子でも楽しめます。

Ⅰ.だるまさんがころんだピカリンバージョン

1.だるまさんがころんだ・手つなぎ編(1~2歳児)
  親子で手をつないで一緒に「だるまさんがころんだ」と言いながら歩くだけです。「だ!」で止まります。「だ!」のところでは少し大袈裟に「だ!」と言いながら止まります。止まったら子どもの顔を見ながら「うまい!」「じょうず!」とか褒めてあげましょう。買い物や散歩の時などで遊んでみてください。

2.だるまさんがころんだ・一方通行編(2~5歳児)
  今度はリーダー(親・先生)が子どもから離れたところに立ってゴールとします。そして、「だるまさんがころんだ」という前に、「サン、ハイ」とか「セーノ」とかの合図?を入れたり、入れなかったりしながら「だるまさんがころんだ」を言います。子どもはリーダーを目指して進みますが、「サン、ハイ!」だけで動いてしまった子どもはスタートラインまで戻って再挑戦します。引っかかってはいけないことを伝えておきます。さらに「ダブルチャンス」と言った時は「だるまさんがころんだ。だるまさんがころんだ」と2回くり返すというルールも加えても楽しいですよ。 もちろん、ゴールした時は抱っこです。

3.だるまさんがころんだ・出会い編(2~5歳児)
  さらに発展形です。親子(友だち二人でも)で離れて立ちます。リーダー(先生)の「だるまさんがころんだ」の声でお互いが近づきます。もちろん「だ!」では止まります。何回かくり返していくと真ん中あたりで抱っこしあえればゴールです。親子あそびや運動会にはピッタリのあそびです。
   

Ⅱ.だっこでギュー(8月25日にアップしてあります)

親子で向かい合ってうたいながらあそびましょう。
1.「1・2・サンドイッチ おててをギュー」拍手4回と、両手で子どもの両手をはさみます。
2.「1・2・サンドイッチ ほっぺをギュー」拍手4回と、両手で子どもの頬をはさみます。
3.「1・2・サンドイッチ だっこでギュー」拍手4回と子どもとを抱きあいます。
(応用)
  子どもが親をサンドイッチしても良いですね。ほっぺの時は両者ではさみあってもいいですね。

ダルビュッシュ(初級編3歳位)だるまさんがころんだ応用
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きみと一緒に

2020年12月20日 | 抱っこ通信
今日、YouTub二本松つながりソングチャンネルにアップしました。
『きみと一緒に』
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抱っこ通信1149号 オチャラカホイダンス(親子ダンスバージョン)

2020年12月18日 | 抱っこ通信
 各地の親子つながりあそびコンサートで保育園等に遊びに行ったときは『オチャラカホイダンス』を必ずと言ってよいほど楽しんでいます。
 毎年3月に遊びに行っている新潟市の山五十嵐保育園では、卒園記念として年長さんだけの親子つながりあそびコンサートを開いています。保育園生活最後ということで、思い切り抱っこしあうつながりあそびを楽しんでいます。なかなか小学生になると抱っこしあえなくのではないか、なんて心配しながらです。この『オチャラカホイダンス』も毎年遊んでいます。♬さよなら さよなら♬のところで親子で離れて、子どもの名前を呼んで、子どもが親さんに飛びつき、抱きしめてもらっています。その時の親子の何とも言えない笑顔は、歌っている私も嬉しくて笑顔になります。そして、歌のテンポをだんだんに上げていくと盛り上がる、盛り上がる。また、♬さよなら さよなら♬で離れる距離もだんだんに長くなり、飛びつく勢いも強さを増してきます。その時に、子どもを受け止めようとする親さんたちの構えがいいのです。嬉しいのです。そうやって子どもをいかなる場合でも受け止めてくれれば嬉しいです、なんていうメッセージでもあるのです。

 20年以上、遊びに行っている周南市の徳山中央幼稚園つながりあそびコンサートでも年齢別に親子で遊ぶのですが、3歳児の親子の時に取り上げています。3歳児ですからテンポはゆったりです。オチャラカホイの手遊びは、子どもたちは知らなくても、親さんたちがよく知っているので、すぐに踊りに入ってこられます。♬オチャラカホイホイ ・・・オチャラカホイホイ♬のところだけを何回か繰り返しますが、そこだけでも楽しんでいる様子が窺えます。♬さよなら さよなら♬ではなかなか親さんから離れられない子どもたちですが、最後の方で少しでも離れることができればと思いながらくり返し遊んでいます。抱き上げてぎゅっとする親さんの顔も、ぎゅっとされる子どもの顔もこれまた幸せそうで嬉しいです。

 2013年9月、福島で開かれた保育のうたごえ交流会での『オチャラカホイダンス』も楽しかったです。夜の自主交流会の会場となった岳温泉内の体育館を全レク一座の仲間たちと清掃して、音響を準備して、交流会の始まりを待ちました。こういう裏方仕事を全レク一座の仲間たちは嬉々としてやっています。交流会の中で『おチャラカホイホイ』ダンスを生演奏で、みんなでワイワイ踊った?遊んだのですが、正直、まだ振付というか、遊び方が確立していないのにやっちまったのです。いつものように出まかせで。そこは保育士さんたち、楽しそうにいろいろな仲間と踊って(遊んで)いました。その姿を見ながら、「これ使える、いただき!」と思ったもんです。
 その交流会終了後、また清掃してカギを返却して、宿へ行ってからも、風呂の時間を過ぎていたりといろいろありましたが、まったりとおしゃべりして思い出深いものになりました。そうだ、全レク一座とは私の隠れ宿とは言いませんが、気に入っている温泉旅館で前夜祭?もあったのだ。一座の仲間たちは安達太良山へも登ったんだ。


 さて、『オチャラカホイダンス』の元唄は、東京都小平市にある障害のある子どもの放課後等デイサービス事業でもある「ゆうやけ第3子どもクラブを支援する“あしたは天気!コンサート”」(2013年6月)に向けて、ゆうやけクラブの子どもたちや保護者や先生たちに贈った『あしたは天気』です。このダンスというかあそびというか、オチャラカホイをしながら楽しんでいる時に、子どもたちが親さんに抱きつく姿を見てあそび(振付)が決定しました。「いつの時代にも「あした」に希望を持ちたいです。子どもたちには「希望」が持てる明日をつくりたいです。」というメッセージをCDブック『ピカリンベストつながりあそび・うた5 バンバンザイ』に書きました。


オチャラカホイダンス(親子バージョン)
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抱っこ通信1148号 朝です おきなさい

2020年12月17日 | 抱っこ通信
 大雪で、大渋滞があちこちです。巻き込まれた人が無事かどうか心配です。水上町藤原で2メートルを超える雪が降ったとニュースで流れていましたが、1980年前後、雪のレクリエーション学校という名で水上町藤原の湯の小屋温泉葉留日野山荘で開いていました。当時は藤原スキー場という名の小さなスキー場で滑ったりしましたが、メインは、雪を遊ぶというか、雪で楽しむという内容です。山荘の前の上の原高原にスキーハイキングに出かけたり、山荘(元小学校校舎)の庭で雪上運動会や雪上キャンプファイヤーなどなど、楽しい思い出でいっぱいです。
 夜もバッチリ研修はありましたが、21時過ぎからは自由交流会。だいぶアルコールも入って深夜、温泉につかるのはいいのですが、風呂場の窓から、新雪の中へダイブしたり、そのまま校庭を一回りしたり、大騒ぎもありました。♬若かったあの頃 何も怖くなかった・・・♬。
 今回、藤原の名前を聞いて、雪のレクリエーション学校の何回目かに大雪で湯の小屋まで入れなかったことを思い出しました。車の中に閉じ込められている人たちの無事を願うばかりです。

 
 さて、『朝です おきなさい』は乳児向きのダンス曲として創作しました。なかなか乳児さんが踊るというか、楽しめる曲が書けなかったのですが、曲のコピーにも書きましたが「動物になりきることは子どもの専売特許」ということはわかっていたつもりでしたが、どういう形で動物さんを登場させればといいのかを悩みました。『ウサギがね』とか『カエルがピョンピョン』とか、『ラッコっこ』とか、動物単体が出てくる作品はつくっていましたが、そんなある日、テレビでライオンだったか忘れましたが、あくびをする姿が映っていたのです。そうだ、動物だって寝坊助もいるだろうし、寒い日は、おきるのはつらいだろうし、なんて勝手に想像しながらの創作でした。出てくる動物は何でもいいのですから、子どもたちといろいろおしゃべりしながら、振りなどをつくってください。

 CDブック『ピカリンベストつながりあそび・うた4 どっこいしょどっこいしょ』の曲メッセージは次のように書きました。
 「レコーディングに参加していたこうきくん。しっかりと『朝です おきなさい』をうたうピカリンの姿を目に焼き付けていました。家に帰ってお母さん(保育士)と一緒にその姿からダンスの振を付けてくれました。子どもたちは先生や保護者の姿を生きざまをしっかり見ています、聞いています。そして、しっかりと真似をしてくれているようです。大人はしっかりしないとね。」



今日、YouTub二本松つながりあそびチャンネルアップしました。
『朝ですおきなさいダンス(乳児から~)』
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抱っこ通信1147号 晴れた日にはダンス(指導コール付き)

2020年12月16日 | 抱っこ通信
 すでに歌は、ステイホームソング55(2020.12.13)としてアップしています。歌も好評で好きと言ってくれる人も多いですが、それ以上にダンスが好きという仲間が多いです。何と言っても、現役の保育士さんで、つながり仲間のさとみちゃんの振付ですから、子どもたちの大好きなジャンプあり、ケンケンパッあり、エイエイオー!ありで、喜んで踊るわけです。CDのシモシュのアレンジにピッタリの振付です。

 さとみちゃんはダンスイラストで「乳児さんでも簡単にまねっこして踊れるダンスにしたいなと思いつくりました。体をたくさん動かして”気分も最高”になって踊っていただけるとうれしいです。いっぽ いっぽ いっぽ! 元気にいっぱい歌って踊ってください。どんどんこどもたちとアレンジしていってくださいね!」と書いています。


 岐阜や愛知で音楽療法士と活動しているKさんや音楽療法士の仲間たちも大好きで、先日、電話でなんで『晴れた日には』なのかをお伺いしました。音楽療法の活動にピッタリなんですって。子どもたちだけでなく、高齢者にも楽しめるということです。中京地方の音楽療法士の研修会の時に『晴れた日には』ダンスのリクエストがありました。もっと多くの仲間たちに広げたいと言ってくださいました。嬉しいですね。また、Kさんは3B 体操の活動もされていますので、その活動の中でも楽しんでいるそうです。



 私自身が一番印象に残っているのは、以前、抱っこ通信にも書いたと思うのですが、ある子育て支援コンサートの終わり頃に、『晴れた日には』をみんなで踊ったのですが、間奏の電車になって歩くところで、赤ちゃんを抱っこしていたお母さんたち3人くらいが、その電車の列に入ってきてくれたことがすごく嬉しかったことを思い出します。きっと、コンサートに参加して楽しかったのでしょうね。

 因みに、音源は2010年に自主制作・発行した『おてんとうさんが』に収録されていましたが、おかげさまで1年で2000枚完売することができました。そこで、2012年に音楽センターから発行された『ピカリンベストつながりあそび・うた4 どっこいしょどっこいしょ』の中に入れてもらいました。2010年のサマー・カレッジの私の表のダンス指導曲は『おてんとうさんが』で、『晴れた日には』裏のダンスとしてはつながりあそびの中でワイワイ踊りましたよ。それくらい簡単で楽しいのです。


今日、YouTub二本松つながりあそびチャンネルにアップしました。
『晴れた日にはダンス(指導コール付き)』
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抱っこ通信1146号 へのちから(イモ食えば)

2020年12月15日 | 抱っこ通信
 先週の『ジングルジャンケン』に続いての「ギターを持ったサンタクロース」編です。
 市内の幼稚園のクリスマス会に呼ばれて必ず歌う曲が、この『へのちから』。
 「え~とジングルベルってどういう歌だっけ?」。子どもたちが口々に歌いだす。「なんか違うな、では、これからジングルベルの本当の歌を歌います。サンタクロースの国の子どもたちがつくった歌です。すぐに覚えられますよ、うたえますよ。大きな声で一緒に歌ってください。では、発声練習から。ジングル~」とやって歌いはじめます。子どもたちは一瞬、キョトンとしますが、すぐに大笑い。一番をもう一度繰り返すと、もう子どもたちからは♬プップップ・・・♬の大合唱。気分よく2番、3番と続けます。

 ま、子どもたちからは「アンコール!」なんて、声は掛かりませんから、自分で「アンコール!」なんて叫んで勝手にもう一度、歌います。子どもたちには大受けですが、先生たちは苦笑い。それでも、毎年歌っていますから先生たちもひょっとして楽しみにしていたり・・・。その後、1週間は幼稚園では『へのちから』の歌が聞こえているそうです。


 『へのちから』を知ったのはいつ頃なんだろう。市内の幼稚園で歌っていたということは70年代にはすでに知っていたということですね。月1回、市内の喫茶店で開いていたのんびりコンサートで、高校生だったツトムくん(今でも、愛着を込めてツトムと呼び捨てにしています)が歌っていたような気がしていました。ツトムは全レク時代にお世話になったお母さんの関係で、ツトムが中学生の頃から知っており、バンジョーなんかも弾くフォークソングをこよなく愛する青年でした。そこで、ツトムに久しぶりに連絡を取り、いろいろ教えてもらおうと思いました。高校生だったツトムはもう61歳、再任用で都内某区の児童館館長をしています。

 結局、ツトムもいつ頃から知っていたのか、歌っていたのかをあまり記憶にありませんでした。ツトムに聞きたかったことがもう一つ。『へのちから』の4番を歌っていたような気がしていたので、その歌詞を知りたかったのです。♬浅間山から 鬼がケツ(顔)出して 鎌で掻っ切るような屁をこいた ドンドンドン・・・♬というような歌詞です。
 結局は、これもよくわからずじまいでしたが、黒坂正文さんが歌っていたようだとツトムが言っていました。黒坂正文(黒坂黒太郎)、高田馬場にあった「うたの店十一時館」でステージリーダーをやっていたことを思い出します。何度か、「うたの店十一時館」には行きましたが、その時の彼のイメージと『へのちから』はまったく合わない感じもしますが。

 今思えば、分からずじまいでいいような気がしています。『へのちから』そのものが戦後の子どもたちが歌いだした替え歌であることや、口から口へと広がってきたこと、そして、いつかしら私の耳にも入ってきたことでいいのですね。まさにフォークソング、あそびうたです。


 1995年に音楽センター・あけび書房から出版されたCDブック笠木透著『昨日生まれたブタの子が~戦争中のこどもたちのうた~』によると、笠木透は「敗戦後食べるものがなくて、ぼくらはいつも芋ばかりオナカがペコペコだった」。そして「大人たちと一緒に、山や原野を開墾し、そこにサツマイモを植えた」。そして、朝も昼も夜もふかしイモを食べた。「イモばかり食べていると、おならが出る。へばっかししていたぼくらは、この『ジングルベル』を替歌にしまったのです。
 戦争中の軍靴を替歌にして、戦争反対や厭戦をうたにしたぼくらは、戦後は、アメリカの歌を替歌にして、自らの暮らしぶりをうたったのです。大人たちの右往左往、席にもとらずに変貌していく姿とくらべると、なんと一本スジを通した生き方でしょう」と書いています。戦後の子どもたちが歌いだしたと前に書きましたが、あの戦争を経験した子どもたちでなければつくれなかった歌ですね。

 ちなみに、そのCDブックではタイトルでは『イモ食えば』になっており、一番は♬ズボンが破れる♬、二番は♬パンツが破れる♬となっていますが、今回は、あえて、私に届いたタイトルと歌詞、1番が♬パンツが破れる♬、二番が♬ズボンがはじける♬としました。
 
 また、2008年に音楽センターから発行された『ピカリンベストつながりあそび・うた3 乳・幼児編』に『へのちから』を収録しましたが、そこでは、替え歌をつくってあそぼうと提案しました。例えば、芋や豆ではなく、ゴボウだったら?タコだった?ケーキだったら、どんなオナラの音がするのだろうと。

 ということで、『へのちから(イモ食えば)』を子どもたちと歌ってみてください。『聖夜』とか『あわてんぼうのサンタクロース』とかと一緒に歌わない方が良いと思います。みんな『へのちから』に食われちまいますよ。『ジングルベルジャンケン』で遊ぶことはお薦めです。

『へのちから(イモ食えば)』
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抱っこ通信1145号 インタビューされちゃいました。 「子どもが人間らしく育つために、生活にあそびと芸術を」

2020年12月14日 | 抱っこ通信
 もっと早くアップしなければいけなかったのですが、「子どもが人間らしく育つために、生活にあそびと芸術を」(インタビュー後に編集にあたってつけられたテーマ)というテーマで、私のCD制作や曲のアレンジやコンサートのサポートをしてくれているシモシュのX-jamの制作プロデューサーの城間優子さんからインタビューを受けました。その記事がX-jamのホームページ・カテゴリー“インタビュー「スタジオで珈琲とおしゃべりと」”に掲載されています。転載させていただきます。

 城間さんの見かけは、物静かな感じを受けますが、すごくアクティブな人です。シモシュ同様に長い付き合いになりますが、正面切って話し合ったことはありません。それでも、今回は城間さんやシモシュに構えることなく、馴れ馴れしく「ついおしゃべりしてしまった」という感じで、べらべらダラダラと話しています。珍しく「オレ」なんていう言葉を使っていますからね。別に酔っぱらっているわけではありません。きっと録音後で気分が良かったのでしょうね。
それでも、話している中身はいつも考えていることで、こうやって活字になると自分自身を見つめることができてありがたいです。メールより電話という人間なのです。ということで、少々長いですがインタビュー記事を読んでみてください。



Vol.1 子どもが人間らしく育つために、生活にあそびと芸術を
お客様 二本松はじめさん(つながりあそび・うた研究所所長)     
    宮島泰子さん(つながりあそび・うた研究所メンバー)
聞き手 城間優子(X-jam制作プロデューサー)
コーヒー担当 シモシュ(X-jam代表)

二本松 久しぶりだね。もうエアコンつけている時期なんだ

———いつも夏はスタジオには来ないですもんね。

二本松 夏は我々が一番忙しい時期だから、いつもこのスタジオにレコーディングしにくるのは、春先だからさ

———まだ暖房の時期ですよね。今年は何もかもがイレギュラーですね。

そんな会話とともに、久々のX-jam Studioに動画撮影のために訪れた二本松はじめさん。つながりあそび・うたを通して、「人と人とのつながりあいって楽しいよ、生きているって楽しいよ」という思いを伝えるために「つながりあそび・うた」を今までに500以上も創ってきました。そして「つながりあそび・うた研究所」を29年前に立ち上げ、全国の保育園・幼稚園であそびうたのコンサートをおこなっています。
また、保育士・幼稚園教諭に向けても、あそびうたの指導や、子ども観を伝える様々な講演活動や研修会も行っていて、その総数は年間100ステージに及びます。日本全国の子ども達・保育関係者に「ピカリン」という愛称で親しまれている二本松さん。
いつもの夏なら、全国を飛び回っているのですが、特別な夏となった2020年の8月、今考えていることを、コーヒーとともにおしゃべりしながらお聞きしました。

8月13日X-jam Studiioにて 

目次   
1.子どもと育ち合う人を応援する仕事だから
2.「最初はグー」の中に、人間が本来持っているものがある
3.子どもは、好きな人と一緒にいることが気持ちいい
4.子どもの生活とあそびがバラバラになっている
5.なんか俺、やれると思うんだよね
6.子どもには、空白の時間が必要
7.あそびうたの詠み人知らずになるのが夢


1.子どもと育ち合う人を応援する仕事だから
———さて、近況報告がてら、お話を伺えたらと思うんですけど、今、子どもに関わる人、舞台関係者は、これからどうやって活動を再開していくか、すごく悩んでいるなあと感じるので、二本松さんにお話を聞くのが一番だと思ったんです。
3月1日に東久留米で行う予定だった「ゆめわかばプロジェクトコンサート」を、2月の中旬に、早々に中止になさったのをよく覚えているんですが、どうしてそんなに早い決断ができたんですか?

二本松 だってもう、1月頃から中国では新型コロナウイルスのことは言われ始めていたでしょ。まあ、あのへんから実際にはこの国では情報は操作されていたんじゃないかと思うんだけど、危ないという感じはあったし、やっぱりこの「夢わかばプロジェクト」のコンサートの主催メンバーの全レク一座って、保育士が多いじゃない?
みんな子どもと関わっている人なんだよね。子どもと生活して、子どもと一緒に育ち合うという人たちを、一応自分の仕事のメインの対象にしているから、こういう活動するときに、ちょっとでも影響があったらまずいんじゃないかな、ということは、いつも意識してるよね。
一人だったら突っ走ったかもしれないけど、そういう趣旨を考えるとね。
だから、3月の終わりには今年の夏のサマーカレッジ(保育士向けのあそびうた研修会。全国数カ所で行われる)も中止決めたんだよ。

———早かったですね。

二本松 早かった。俺、すごい早かったよ。それはみんなにも言われた。でも、躊躇はしなかったよね。

———コンサート中止の連絡は、たしかシモシュが電話で受けたと思うんですけど、二本松さんが、さっぱりと「休もう」って言ったっていうのが印象的で、それも潔いなあと。その後、全部本番はなくなりました?

二本松 全部なくなった。俺、威張って言っちゃうよ。10月までゼロだもん。次に来てるのは、11月かな。その前に今月1個だけ、研修会の依頼が残っていて、それは定員の半分で、講義も席を離してやることになってる。

———休みの間はどうしていました?ずっと旅が続いている生活だったのがなくなって、ストレスたまったりはしなかったですか?

二本松 いや、それはそれでいいんだよ。料理やったり、いいかげんな歌作ったりさ。毎日昼寝するようにして。夜もちゃんと眠れるけどさ。でも、やっぱり始めたのは、動画だね。

———あそびうたの動画をたくさんアップしていますよね。あれはどうして始めたんですか?

二本松 つながりあそびうたを広げるために、毎年新しい曲を作っているんだけど、いい作品がいっぱいあっても、そういうのがどんどん流れていっちゃうんだよね。昨日アップした「ハッピー・フレンズ」という曲も、「運動会のときにやってます」とかコメントが来るんだよ。でも、そういう古い曲はもう、研修会とかでもほとんどやらない。

だけど、そういう作品にも力があったと思うんだよね。

僕らは、作品を売るためにやっているわけじゃなくて、「保育を豊かに」とか、「子どもと子どもが育ち合う」とか、そういう人を応援する仕事だから、いい作品はやっぱりもったいないし、世に出したいというのがあって、動画にしたんだよね。

昔やった曲で、今の若い先生たちが知らないものもあるし、遊び方だけじゃなくて、作品に込めた思いも伝えたいなと思ってさ。

2.「最初はグー」の中に、人間が本来持っているものがある
———最初の頃にアップした動画で、じゃんけんを取り上げていたのはなぜですか?

二本松 そのときたまたま、志村けんさんが亡くなって、「最初はグー」を始めたのは志村けんさんなんだよ、ってことが話題になったんだよね。

飲み会の時に誰がお金を払うかとなって、志村さんが「最初はグー」ってやったんだっていう逸話があって、それって飲んでいる時だからよっぽど無意識でやっていることだから、そういう中に本来人間の持ってる何かがあるんだよなあと思って。

それで「なんでじゃんけんは、最初はグーなの?」って問いかけた。

———その問いかけは印象的でした。

二本松 それに対する答えは、やっぱり人の命の歴史が、その最初のグーに現れているんだよって。本当はグーチョキパーって、そういうものの見方のあそびうたなんだよ。

———そういういわれがあるんですか。

二本松 そう。俺、俺、俺。ピカリン理論(笑)

それはもう昔から言っているわけ。「なぜ最初はグーなの」って。力が入るとか、思いが込められるとか、みんないろいろ言ってくれるのね。それも間違いじゃなくてピンポーンっていうんだけどさ、いきなりじゃんけんすると、7割の子が最初にグーを出すんだって。
なんでかねえ。生まれてきた子どもって、最初はみんな握ってくるよね。最近はパーの子もいるらしいけど。どうしてかというと、人類って、地上に降りてくる前は、木の上で生活していたんだよね。だから、木の上に生活していたときに生まれてきた子は、すぐにおかあちゃんにしがみつかなくちゃいけなかったから、握力が強かったはずだよね。そうしないと自分が生きてこられなかったしね。だから、その名残として、グーなんじゃないのかなーというのが、ピカリン理論。

そして、子どもは抱かれなければ生きていかれなくして、親も、子どもに抱かれなければ生きていかれない存在なんだよ。ということ。これは今の子育てに一番大事なところだからさ。

次はパー。なぜパーか。ものを掴む必要がある。

そしてチョキ。これはタバコを吸うポーズだけど(笑)すごく人間的な形なんだよね。1歳ころから、ものを掴んで穴の中にぽんって入れるおもちゃで遊ぶようになるんだけど、そういう時にチョキってものをうまく掴めるんだよね。

———確かに道具の象徴みたいな感じかもしれませんね。

二本松 そういうことを見てくると、一つのあそびうたというよりは、作品一つ一つにそういう思い、願いを込めているんだよね。俺の場合は意図的にそういうのを作っているから、じゃんけんを通してそういうものの見方をしたいねっていうことなんだよね。

3.子どもは、好きな人と一緒にいることが気持ちいい
もう一つは、自分の仕事としては大事なところなんだけど、じゃんけんって必ずしも勝ち負けの遊びじゃないということ。大人が勝ち負けにこだわっているんだよね。だから、「形」として見てみようじゃないかということで、「なにかななにかな」という遊びを作ったんだ。

子どもは、大好きな人と同じ形を出すことがうれしい。一緒が嬉しいんだよ。

子どもにとっては、それがすごく大きなことなの。大好きな親と一緒、大好きな先生と一緒だから嬉しい。こうなると、じゃんけんなんてはなれちゃって、好きな人と一緒にいたい、そばにいたい。好きな人、先生が、一緒に歌ったり踊ったり遊んだりすることが嬉しい。できるできないは関係なくて、一緒にいることが気持ちいいし、楽しいんだっていうことを伝えたい。だから、じゃんけんって、物の考え方、命の歴史から、勝ち負けだけじゃないってところまでつながるのが、面白さなんだよね。
だいたい、勝ち負けがわかるって、発達段階ではかなり後じゃない。

じゃんけんしてみてくれる?「じゃんけんほい」・・・だいたい大人は手を見る。勝ち負けを見るじゃない?2歳児のじゃんけんは、「じゃんけん、じゃんけん」って手なんか見てないんだよ。相手の顔を見てるわけ。勝ち負けがわかってるのかな?って。違うのね。手はどうでもいいの。自分をちゃんと受け入れてくれるか。

じゃんけんって相手が合わせてくれるわけじゃない?勝負になったらそうはいかないけど、そういうことが子どもにとっては嬉しいんだよね。そういうのわかってくるとおもしろいよ。
だから、勝ち負け以上のじゃんけんのおもしろさがあるってことも気づいてほしいし、じゃんけんじゃなくて、いろんな遊びにもそういうところってあるはずなんだよね。

4.子どもの生活とあそびがバラバラになっている
———今、そういうつながりあそびは、保育園なんかで出来ているんでしょうか?やっぱり制限があるんですか?

二本松 全くやっていないという話は聞かないから、やっているんじゃないかな。でも、なんていうのか、「保育の中にあそび」じゃなくて、あそびって生活の中にあるんだよね。
例えば、散歩から帰って来て、手洗い30秒やらなきゃいけないというときに、「ジャブジャブ、ゴシゴシ」というあそびうたやればいいじゃない。今、あそびと生活がみんなバラバラになっているけど、こういう大変な中で、今、そういう力が試されているんじゃないかな。

ここ何年かで、子育てが、「体力はスポーツクラブ・根性はボーイスカウト・知力は塾・食べ物はウーバーイーツ」みたいに、暮らしがバラバラで、便利に生活ができちゃうから、子どもが育つということ自体がすごくバラバラで、それが当たり前になっているような気がするんだよね。

それはなぜそうなったかというと、先生も親も、休みがない。忙しい。給料が安い。条件が劣悪だよね。
今、学校ではコロナで3密を避けるために20人学級の要求をするようになったけど、保育園だって、年長さんは子ども30人に対して保育士一人で、しかも部屋は学校より狭い。だから、本当は、先生は倍の人数は必要。現場ではいろいろ工夫してすごく創造的にやってきたけど、それもコロナのことで見事に崩されちゃってる。そこは、やっぱり基本的なことを見直していかないといけないんじゃないかと思う。

 なんでこうなっているかというと、やっぱり経済的論理でしょ。生産性がないところにはお金を出しません、という国になっちゃっているから、人を育てるという感覚がない。だから、そういう根本的なところが、今回のコロナで問われてきているよね。

———コロナの前からの問題だったわけですね。

二本松 そうだよね。そこでですよ、そこでシモシュたちの出番があるんだよ。

シモシュ ええ!?

二本松 文化芸術の力が必要なんだよね。

5.なんか俺、やれると思うんだよね
シモシュ 二本松さんは、この時期に、研修会にしろ、コンサートにしろ、やったほうがいいと思いますか?やめたほうがいいと思いますか?

二本松 なんかね。俺ちょっと違うかもしれないけど、やれると思うんだよね。
まだ全然具体的じゃないんだけど、自分たちも子どももみんなマスクさせてってそういうんじゃなくてね、その日のために、コロナにかからない生活をみんなで作っていこうね。という対策と準備をお互いにやって、そこで出会えるということは、可能なんじゃないか。むしろそうしていかなくちゃいけないんじゃないかと思うんだよね。やれる方向を考えなくちゃいけない。我々が。そうしないと、何もしないということになっちゃう。

———元保育士の宮ちゃんはどう思いますか?

宮島 保育の現場は、まず「安全」ということを考えるじゃない?身の安全、心の安全、いろんな安全を考えて、私たちに何ができるかってことを考える。

保育園の1日の生活は朝7時半から夜7時まであって、その中にトイレもあればご飯も昼寝もお外もあって、それが一人じゃなくて30人もいて、園全体だと120人いることもある。その中で生活していったら、いつもいつも手を洗ってるわけにもいかない。だから一体どうやればいいの?ってみんな悩んでる。

でも保育士はきっと、「いつもの生活しようね。いつもの生活の中でできることしようね」っていうところに持っていくと思うんだよね。生活止めるわけにいかないから、その中でできることを確かめながらやっていく。「できることはなに?」ってそこからじゃないと、考えられないんじゃないかなと思う。

二本松 もちろん先生の仕事は実際消毒とかいろいろ増えているけど、でも子どもは遊んでるんだよ。子どもはその中でも、普通に生活しているんだと思う。

もちろん、研修会とかコンサートとか、今後やっていく上で、いつもより多く換気の時間を取ったり、1ステージを2ステージに分けたりして工夫しなきゃいけないよね。もちろん今までと同じ流れは作れないから、今までどおり「わー、楽しかった」ってそこまでできるかわからないけど、でもそれはまあ、やる人の(腕を叩く)腕!

シモシュ ほんと、そうなりますよね。

二本松 腕だよね、絶対。やっぱりプロなんだからさ。そう考えると、何もやらなくていいわけじゃなくて、むしろやらなくちゃいけないんじゃないかなって思うんだよ。俺はね。

6.子どもには、空白の時間が必要
———確かに、長期化していくことで、子どもへのこれからの影響は心配ですよね。

二本松 子どもにはやっぱり、意識的に空白を作ってあげなくちゃいけないと思うんだよ。今、学校によっては授業がリモートだから、勉強はすごく効率的なんだって。授業としてはすごく進むんだって。でも、学校ってそれだけじゃないじゃない。

特に俺みたいなのは、授業より違うことの方がおもしろかったし楽しかったし、自分が自分らしくいられる場所があったわけだよ。そういう空白がいっぱいあったんだけど、リモートではそれが全くないんだよね。
だからこそ、そこで育つってどうなのかな。
学校の先生が、「すごくリモートよかった」って。だけど、「そういう空白をこれからどう意識して作っていけるかということです」って言っていたけど、本当に子どもの育ちって学力だけじゃないもんね。

だから、演劇とか音楽とかが大事だと思うんだよ。今、授業時間が足りないから、音楽会とか鑑賞会とか学校行事がどんどん削られていってるじゃない。夏休みだって2週間とかでしょ。だけど、今こそ、そういう音楽活動とか、芸術文化って必要なんじゃないかな。

リモートだのなんだのもいいんだけど、むしろこれからもっと意識的に、そういう分野の人が子どもの中に入ることを考えてくれないといけないんじゃない?

まさに、子どもが人間らしく育つための芸術文化なんだからさ。

シモシュたち舞台人は、なんか一回シンポジウムじゃないけど、みんなで話し合ってみたらどうなの?

シモシュ なるほどね。

二本松 やることを前提として、どうしたらできるのか。マスクしてやる人、フェイスガードしてやる人がいてもいいし、「それはやらない」という人がいてもいいし、それぞれの意見は違ってもいい。やっぱり悩んでアクションを起こしていかないとね。考えついた時にはもう終わってるかもしれないけど。そうなったら嬉しいけどね。

今、若い人はネットで研修会とか配信もやってるよね。俺はそういう感覚はないし、過去の人だと言われちゃうかもしれないけど、「直接会わないで伝わるの?」と思うところはあるけど、でも、やっぱり今の状況ではそれも一つの考え方だし、そういうふうに考えてやれるということはいいことじゃない?

演劇だって、録画してそれを売るとかっていうこともやってるじゃない。それでどれくらい伝わるかわからないけど、またそれはそれの表現方法はあるんじゃないかと思う。今までと同じじゃなくて、また違う表現があってしかるべきなのかなと思うよ。

今、過去のコンサートの動画を前にもらったやつを見ているんだけど、そしたら、参加してる子どもの表情とか動きが見ていておもしろいんだよね。子どもがこんな反応するんだとか、大人もそれを見てすごく気づくと思うんだよね。

だから、舞台も撮ったやつがあるかもしれないけど、その時の子どもの反応もまるごと撮ったようなものもあるといいのかもしれないよね。一番そこが素直で、子ども見てる方がよっぽどおもしろいんだよね。言い方おかしいけどさ。

7.あそびうたの詠み人知らずになるのが夢
———二本松さんは今後やりたいことはありますか?

なんだろうなあ・・・まあ、やっぱり作品いっぱい作りたいよね。

———こんなにあるのに!まだ!

いやいや、やっぱりさ、あそびうたの詠み人知らずになるのが夢だもん

———誰が作ったか知らないけど遊んでるという・・

けっこうそういうのあるんだよ。若い先生が「大根漬け」ってCDで流してるけど、「どうやって遊ぶのかな」って・・・。それを聞いた先輩の先生は知ってるの。「それはピカリンの曲で、こうやって遊ぶんだよ」って教えてあげたらしいんだけど、そういうの嬉しいよね。誰が作ったかわからないけど、これやりたいなって。そういうのがゴロゴロできてきたらいいよね。

———そういう作品を、アーカイブにまとめる予定はあるんですか?

動画もそうだけど、やっぱりそういうのを作っておく必要はあるよね。「このあそびうたは乳児さんとこういうところで遊びました」みたいな文を入れて、あいうえお順に並べるとか。動画を5月14日から始めて、今(8月13日現在)61本アップしたんだけど、そうしたら今度は、「譜面はありませんか」とか「テキストありませんか」ってそういうのが全然知らない人からくるんだよ。

———やっぱりまとまったものは求められているんですよね。

今回いろいろ動画もまとめているのは、一応、来年つながりあそびうた研究所が30周年だから、ということもあるんだよね。30周年記念がやれるかわからないけど、そこに来た人に、冊子を渡そうと思ってて、自分の思いもエッセイに書こうかと思っていたんだよね。

そしたら、大学の先生が「ちゃんとまとめなよ」っていうから、研究所作る前にいろんなところに載せた文章とか、機関紙に書いたものとか、それも含めてちゃんと一回読み直して、きちっと整理して、自分がやってきたこと、みんながやってきたこと、つながりあそびうたのことを理論的に、というとオーバーだけど、まとめようかと思うんだよね。

文章と絵と音と映像でさ。新しい曲も何曲かやりたいし。
一応来年30周年はそれを考えて、出せればいいかな。

一応それでゴール。
それから先はどうするかな・・・

まあ、ほとんど今と変わらないと思うけどさ、たぶんね。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コロナによってまだほとんどの舞台が復活していない時期に、二本松さんが、さらりと「やれると思うんだよね」と言った言葉が、ずっと耳に残りました。
二本松さんは、いつも「背中を押す人」だなと思います。ご自身が目立つのではなく、保育士さんや若手の人の背中を押して、幸せそうに見守っている。ご自身でも、「子どもに関わる人を応援する仕事」とおっしゃるように、いつも子どもと子どもに関わる人たちを主役にして、中心がぶれることがありません。そのことを、この時期にお話を聞いて改めて感じました。
そして、一番背中を押してもらったのは、私たちなのかもしれません。
                                              編集:X-jam 城間優子

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