筑波大学硬式野球部のブログ

筑波大学硬式野球部公式HP http://club.taiiku.tsukuba.ac.jp/baseball/

#20 ちはやふる、野球の神様はくる (野澤千駿/体育3・新潟長岡)

2021年04月09日 20時06分54秒 | 2021年 俺の話を聞いてくれブログ

 

こんにちは。珍しく”サウナー”こと三好伸平に断られ、サウナ欲を必死にこらえながらブログを書き始めています。
いつもブログを読んで心を奮わせられているので僕も頑張ろうと思いますがビミョかったらごめんなさい。


軽く自己紹介させていただきます。
筑波大学硬式野球部3年の野澤千駿です。名前は「ちはや」と読みます。よく良い名前だねと言われます。この前も
誰かが「ちはやって名前かっこいい、親センスある」とほめてくれました。親に感謝です。

「ちはやふる」っていう言葉は「神」を導く枕詞であるので、この春リーグは野球の神様が現れて筑波を大勝利に
導いてくれることになっています。まだ僕は野球の神様が味方をしてくれたと思う経験をしていないので、そろそろ
現れると思います。日ごろの行いもよいですからね。

こんな風に調子に乗ったことを言うと、島先輩にいつもガチトーンで怒られるので、名前自慢はこれくらいにします。
ぜひ、「ちはや」って呼んでください。あ、全然ちーくんでもいいですよ。

出身は新潟県長岡市というところです。日本三大花火に数えられる長岡花火が有名です。全長約2キロの超大型
スターマインフェニックスなど、心に響く大型花火が咲き乱れる長岡まつりは毎年8月2日、3日です。
YouTubeでとりあえず見てみてください。毎年見ていたのに筑波に来てから見てないので、次行ったら感動して
泣いちゃうと思います。いつか見に来てください。全力でいい観覧席お取りいたします。

あと僕の特徴といったら一人称が「僕」っていうところがあげられます。それなのに他人のことを「お前」っていうのが
おかしいらしく、大澤によくからかわれます。彼は頭がよく、僕の言動に対して言い返せない感じに上手に
からかってきます。うざいとしか言えず、それもまたからかわれます(笑)。

ですが彼は僕と同じドラマ好きでよく話が合い、仲良くしてくれる大切な存在です。一月期ドラマは
「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」と「知ってるワイフ」が最高でしたな。春のオープン戦期は、同じタイミングで
帯同することが多く、何とか食らいつこうと一緒に頑張りました。と僕が思っているだけで彼は「一緒に」なんか
思っていないかもしれませんが。リーグ戦期も一緒に頑張ろう。

 

さて、「俺の話を聞いてくれ」ブログということで、僕の聞いてほしい話をしたいと思います。

みなさん、「イップス」を知っていますか?今まで普通にできていたことが、プレッシャーなど様々な原因で
できなくなることを言い、野球では送球がうまくいかず、引っ掛けたり上に抜けたりしてしまい、普通に
投げられなくなることを言います。

僕は高校2年の時にイップスになりました。きっかけは、もっと強い送球をしたいと思って、ノックを受けていた時に
腕を大きく回して投げようとしたことでした。ピッチャーみたいに。今考えればそんなことをしたらおかしくなるのは
当然だと思いますが、強い送球ができるようになりたいと思いすぎて、突っ走ってしまいました。それから
どうやって投げていたかわからなくなって、相手が捕球できる範囲に投げるイメージができなくなりました。

当時の監督さんはイップスの自分を練習に普通に参加させてくださり、試合でも使い続けてくださいました。
ただそれが良かったのかはわかりません。高校時代はずっとショートを守っていたのですが、ゲッツーをとるときに
どうしてもショートスローしなきゃいけないとき、抜けるか引っ掛けるかで大体センターかライトに転がって
いきました。それが嫌でゲッツーが取れるときもファーストに投げて、そこでも暴投してしまったこともありました。 

高校2年生の夏の大会もイップスでしたが試合に出ました。送球はすべて願いながら投げていました。投げる方向
向いてないです。幸いゲッツーもトスで済み、何とかファーストがカバーしてくれていましたが、ベスト8をかけた
その夏最後の試合でイップスが発動してしまいました。そんなショートが試合に出ているのを先輩方はどのように
見ていたのだろうかと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

当時のピッチャーは「ショートに打たれたらヒットだと思ってた」と言っていました。やばいですよね。
全然野球が楽しくなくて、恥ずかしいプレーを続けている自分が情けなかったです。

投げない方が良いということも聞きますが、当時の僕は練習すれば治ると思っていたので、めちゃくちゃ投げまくり
ました。「ミセナイナミダハ、きっといつか」、イップスを治してくれるはずだ!なんてわけのわからないことを
考えて、泣きながらGReeeeNの曲を流してネットスローをしたこともありました。

結構前の中学野球太郎という本に、筑波大学硬式野球部監督の川村先生がイップスについて述べられている記事があり、
そこに書いてあったゴミ箱に山なりで投げるパラボリックスローや、軍手を付けて投げる、お風呂の水の中で投げる
など、いろいろ書いてあったので全部やりました。筑波大学のことを知ったのはその本がきっかけなので今思えば
イップスに少し感謝かもしれません。




こんな感じでいろいろ頑張りましたが全く治りませんでした。

いつ治ったかといわれると、多分発症から1年後くらいの、雪が解けてグラウンドが使えるようになったころだと
思われます。この練習で治したという明確な方法があれば、今イップスで苦しんでいる人たちにもアドバイスができる
のですが、投げ続けていたらやっとコツがつかめたって感じで、どのように治したかうまく説明できません。

ただ、今はイップスではないです。
弱肩ですので強い送球を求めて日々試行錯誤していますが、普通に野球ができています。



このような経験をしてきたこともあり、練習の時などにふと思うことがあります。
「あ、今普通に投げたわ、幸せだなあ」って。

よくよく考えると、「あの時あんなにひどかったのに今筑波で野球やれてるのか、すごいな」って思うんです。
それで「なんで普通に野球できてるのにミスすることとか考えてるんだろう、もったいないな」って考えに至りました。

エラーや凡打をしないようにできる限り練習したら、あとは思い切ってプレーしようと思います。
普通に野球できるだけで幸せなんだから。



リーグ戦が近づいてきました。「自信もって思い切りプレーしよう」ってありきたりで簡単な言葉ではありますが、
詰めていった結果、最後はこれだと思います。

「打てるものなら打ってみろ」「抑えられるものなら抑えてみろ」って感じで行きましょう。
僕は試合に出れても出れなくても、応援する立場でも、チームのために全力で臨みます。みんなも同じ気持ちだと
思います。


普通に野球ができる幸せの、もっと高いところにあるものをつかみたいです。最高の瞬間を。

今、多くの人の心を奮わせる、チームTSUKUBAになるときです。






体育専門学群3年 野澤千駿

新潟県立長岡高等学校出身

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする