入団時から、外角球を右中間に長打出来る清原和博の打撃は素晴らしく、同じく外角球打ちに優れる2000本以上の安打数を誇る大杉勝男、落合博満、山本浩二、松原誠等の打撃術と比較しても、全く遜色のないものでした。その内でも特に、当時体型的に近い山本浩二の打撃には、清原和博の目指すべくスタイルがあったと思います。しかし清原和博には、山本浩二を遥かに凌ぐパワーを持ちながらも、俊足、強肩を誇る山本浩二の様な、体全体のバネには、残念ながら恵まれませんでした。この為、後に彼は極端に上体を鍛え、パワーに頼ろうとしたのかと思います。又清原和博の場合、最後まで固まらなかったのが、タイミングの取り方だったでしょう。入団当初は懐も深く、巧くタイミングを取っていましたが、ある時期はダブルステップを踏んだり、苦労している様子が窺えました。この様な欠点が彼の、本当の意味での大成を阻んだかと思います。次回は彼の残した素晴らしい記録を紹介したいと思います。